電気興業
DKK Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
通信技術を核に、AIとの融合で未来を拓く社会インフラの黒子
通信技術と高周波技術をコアとし、AIなど最先端技術との融合による新たなソリューションを創出することで、豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたがスマートフォンで動画を見たり、友人とメッセージを送り合ったりするとき、その通信を支える携帯電話基地局のアンテナは、実は電気興業が作っているかもしれません。また、普段見かけるテレビ塔の大きなアンテナも同社が手掛けており、私たちの情報ライフラインに欠かせない存在です。さらに、自動車が安全に走るために必要な部品は、同社の「高周波焼き入れ」という特殊な技術で強度が高められています。このように、電気興業は私たちの生活の裏側で、社会の重要なインフラを支えている会社なのです。
通信アンテナ大手の電気興業は、2期続いた営業赤字から脱却し、FY2025には売上高325.8億円、営業利益9.35億円と黒字転換を達成しました。続くFY2026も売上高330.0億円、営業利益7.00億円の予想と、回復基調の継続を見込んでいます。新たな中期経営計画「DKK-Plan2028」では、収益性向上を最重要課題とし、AI技術を持つ企業の買収など、既存事業とのシナジー創出による成長戦略を加速させています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区豊洲5丁目5番13号
- 公式
- denkikogyo.co.jp
社長プロフィール

当社は創業以来、通信インフラと高周波技術を基盤に社会の発展に貢献してきました。中期経営計画「DKK-Plan2028」のもと、既存事業の収益性を高めるとともに、AIなどの新技術を取り込み、持続的な成長と企業価値向上を目指します。株主様をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待に応えるべく、全社一丸となって変革に取り組んでまいります。
この会社のストーリー
電気通信機器の製造・販売を目的に会社を設立。戦後の通信インフラ復興と共に、社会を支える一歩を踏み出す。
創業から約10年で株式上場を果たす。事業の成長性と将来性が市場に認められ、さらなる発展への基盤を築いた。
自動車電話サービス開始など、移動体通信の黎明期からアンテナや無線関連機器を提供。携帯電話の普及と共に事業を拡大した。
大規模災害の経験を踏まえ、防災行政無線や津波情報システムなど、国民の安全・安心を守る通信インフラ整備に貢献。
次世代通信規格「5G」の商用化に対応し、関連する無線装置やアンテナの開発・納入を本格化。社会のデジタル化を支える。
AIアルゴリズム開発に強みを持つサイバーコアを子会社化。既存の通信技術とAIを融合させ、新たなソリューション創出を目指す大きな転換点。
「収益性向上による成長実現」をテーマに新中期経営計画を策定。営業利益20億円、ROE5.0%超を目標に掲げ、企業価値向上を目指す。
空間伝送型のワイヤレス電力伝送(WPT)の実証実験に着手。ケーブル不要で電力を供給する未来の技術で、新たな社会インフラ構築を目指す。
注目ポイント
2023年にAI開発企業を買収し、70年以上の歴史を持つ通信技術とAIを融合。交通分析システムなど、新たなソリューション事業を創出し、次の成長ステージを目指しています。
携帯電話基地局のアンテナなどで国内トップクラスのシェアを誇ります。5Gの普及はもちろん、将来のワイヤレス電力伝送(WPT)技術開発にも取り組み、見えない電波で社会を支えています。
新たな配当方針として「配当性向40%」に加え、安定性の指標となる「DOE2.5%」を下限の目途として設定。業績に応じた還元と、安定した配当の両立を目指す姿勢を明確にしています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 45円 | 46.8% |
| FY2022/3 | 60円 | 100.8% |
| FY2023/3 | 60円 | 0.7% |
| FY2024/3 | 60円 | 0.7% |
| FY2025/3 | 80円 | 96.0% |
株主優待制度は実施していません。
配当方針として、連結配当性向40%を目途とし、かつ下限としてDOE(株主資本配当率)2.5%を基準に設定しています。業績変動がある中でも、安定的な配当維持と成長投資の両立を図っています。株主還元を重要な経営課題と位置づけ、今後も持続的な増配や利益還元を追求する姿勢です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、通信インフラ関連の設備投資需要に左右されやすく、FY2023/3からFY2024/3にかけては事業構造改革の影響で営業赤字が継続しました。しかし、構造改革の進展と採算改善により、FY2025/3には営業利益が約9.4億円の黒字へと回復基調にあります。今後も通信アンテナや高周波技術の強みを活かし、安定的な収益確保を目指す段階にあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.4% | 1.8% | 3.8% |
| FY2022/3 | 1.5% | 1.3% | 0.2% |
| FY2023/3 | -2.8% | -2.1% | -4.7% |
| FY2024/3 | -5.1% | -3.6% | -6.2% |
| FY2025/3 | 2.1% | 1.5% | 2.9% |
収益性は、高付加価値製品への注力による改善が課題となっており、赤字期を経てFY2025/3には営業利益率が2.9%まで回復しました。過去の営業損失計上期にはROE(自己資本利益率)がマイナスに沈みましたが、直近は2.1%まで浮上しています。今後、コスト構造の最適化を進め、より高い資本効率の実現が期待されています。
財務は安全?
当社の財務状態は、自己資本比率が68.8%と依然として高い水準を維持しており、極めて健全です。FY2024/3より有利子負債が計上されましたが、潤沢な現預金と資産背景により、経営上の大きなリスクとはなっていません。今後も強固な資本基盤を背景に、成長投資と株主還元を両立できる財務体質を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.5億円 | -14.0億円 | -6.3億円 | 4,500万円 |
| FY2022/3 | 41.7億円 | 26.8億円 | -41.4億円 | 68.5億円 |
| FY2023/3 | -8.7億円 | 5.0億円 | 9.8億円 | -3.7億円 |
| FY2024/3 | -7.5億円 | 38.6億円 | -7.7億円 | 31.1億円 |
| FY2025/3 | -18.2億円 | 4.0億円 | -21.0億円 | -14.3億円 |
営業キャッシュフローは、業績の変動や季節性に影響を受けやすく、赤字期には一時的にマイナスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュフローは資産売却やポートフォリオ見直しによりプラスとなる年度があり、資金の流動性を確保しています。今後は本業でのキャッシュ創出力を安定させ、投資と還元のバランスを最適化する方針です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 18.0億円 | 6.4億円 | 35.8% |
| FY2022/3 | 4.5億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | -12.2億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | -15.4億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 10.2億円 | 2.5億円 | 24.1% |
赤字計上期には法人税等の負担が発生しませんでしたが、業績の回復に伴い税務上の負担も正常化しつつあります。FY2025/3は経常的な利益回復により約2.5億円の納税実績となりました。今後は安定的な黒字化を目指す中で、税負担を含めた適切な利益管理を継続していきます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 587万円 | 1,067人 | - |
平均年収は587万円であり、電気機器業界の水準としては標準的です。長年培ったアンテナ技術や高周波誘導加熱技術という特殊領域での事業展開により、景気変動の影響を受けつつも一定の雇用安定性を確保しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はMSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券)・三井住友銀行・電気興業取引先持株会。
主要株主に日本マスタートラスト信託銀行等の信託口や外資系金融機関が名を連ねており、機関投資家の影響力が強い構成です。一方で取引先持株会や創業家関連と思われる個人の保有もあり、安定株主の確保と市場流動性のバランスを維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
通信インフラ向けのアンテナ事業と、自動車等に使用される高周波誘導加熱装置が主軸です。AI技術を有する企業の買収など、成長市場への転換を図る一方で、原材料価格の高騰や競争激化を事業リスクとして認識しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.4%であり、ダイバーシティ推進に向けた体制整備を進めています。連結子会社14社を抱え、監査報酬は8,800万円を投じるなど、グループ全体のガバナンスとコンプライアンス維持に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 370億円 | — | 318億円 | -14.0% |
| FY2024 | 370億円 | — | 289億円 | -22.0% |
| FY2025 | 330億円 | — | 326億円 | -1.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 8億円 | — | -15億円 | 大幅未達 |
| FY2024 | 5億円 | — | -18億円 | 大幅未達 |
| FY2025 | 5億円 | 7億円 | 9億円 | +87.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去2期(FY2023, FY2024)の業績予想は、売上・利益ともに期初計画を大幅に下回る厳しい結果でした。しかし、FY2025は期初予想を大幅に上回る営業利益9.35億円で着地し、V字回復を印象付けました。新たにスタートした中期経営計画「DKK-Plan2028」では、FY2028に営業利益20億円、ROE5.0%超という野心的な目標を掲げており、この計画達成力が今後の株価を左右する最大の焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXを大きく下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、FY2023、FY2024と続いた大幅な営業赤字による株価の低迷が主な要因です。FY2025には増配を実施したものの、株価の回復が追いつかず、TOPIXの上昇率には遠く及びませんでした。今後は、新中期経営計画の達成を通じた持続的な業績成長と株価上昇を実現し、TSRを改善できるかが経営の重要課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 110.7万円 | +10.7万円 | 10.7% |
| FY2022 | 94.6万円 | -5.4万円 | -5.4% |
| FY2023 | 96.2万円 | -3.8万円 | -3.8% |
| FY2024 | 93.9万円 | -6.1万円 | -6.1% |
| FY2025 | 83.6万円 | -16.4万円 | -16.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは47.5倍と業界平均(約21.5倍)より割高で、これは黒字転換後の利益成長への期待が株価に織り込まれていることを示唆します。一方、PBRは0.78倍と解散価値である1倍を依然として下回っており、資産価値の面からは割安と評価できます。信用倍率は7.61倍と買い残が多く、短期的な株価上昇を期待する投資家が多い状況ですが、将来の売り圧力になる可能性には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計の連結最終損益が7.4億円の黒字に転換し、通期最終利益を80%上方修正する発表を行いました。
NTTドコモ向けに700MHz帯5G無線装置の納入を開始し、通信インフラ事業の拡大を推進しています。
前社長を相手取り、投資会社が2億円超を求める株主代表訴訟を提起する動きが報道され、ガバナンス面での課題が注目されました。
最新ニュース
電気興業 まとめ
ひとめ診断
「通信インフラの老舗が、2期連続の赤字からV字回復を果たし、AI技術の買収で次世代の成長電波を探している状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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