アンリツ
ANRITSU CORPORATION
最終更新日: 2026年3月28日
創業130年超、世界の通信と安全を「はかる」技術のパイオニア
「はかる」技術を進化させ、安全・安心で豊かなグローバル社会の発展に貢献します。2030年度に売上高2,000億円企業となることを目指しています。
この会社ってなに?
あなたがスマートフォンで高画質な動画をストリーミングしたり、友達と遅延なくオンラインゲームを楽しんだりできるのは、アンリツが支える通信インフラのおかげかもしれません。アンリツは、携帯電話会社などが新しい通信サービス(例えば5G)を始める際に、電波が正しく飛んでいるか、通信速度は十分かなどをテストするための非常に精密な『はかる』機械を作っています。また、スーパーに並ぶ食品の安全を守る役割も担っています。工場で食品に金属などの異物が混入していないかをチェックするX線検査装置も製造しており、私たちの快適で安全な生活を陰で支えている会社です。
通信計測器の世界的メーカー。直近の2025年3月期決算では、売上高1,129.8億円、営業利益121.24億円と増収増益を達成し、数年続いた減益トレンドから底打ちの兆しを見せています。5G関連投資の一巡で主力の通信計測事業は踊り場にあるものの、次世代通信規格「6G」への先行投資や、オーストリアのDEWETRON買収によるEV・バッテリー分野など、非通信領域への事業多角化を加速させています。新中期経営計画「GLP2026」では、これらの新規事業を軌道に乗せ、2027年3月期に売上高1,400億円、営業利益200億円を目指します。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県厚木市恩名5-1-1
- 公式
- www.anritsu.com
社長プロフィール

当社は「はかる」技術を極め、外部の優れた技術と掛け合わせることで新たな価値を創造します。通信計測で培った強みを活かしつつ、M&Aも積極的に活用し、自動車や医薬品といった新領域へ果敢に挑戦することで、持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
マルコーニによる無線通信実験が成功した年に、石川島造船所の構内にて「合資会社関山工場」を設立。日本の通信技術の黎明期と共に歩みを始める。
高度経済成長期の中、事業の拡大と社会的な信用の向上を目指し、東京証券取引所市場第二部に上場を果たす。
携帯電話の普及と進化に伴い、通信計測事業が飛躍的に成長。5G(第5世代移動通信システム)の開発に不可欠な計測器で世界トップクラスのシェアを獲得する。
世界的なパンデミックにより、サプライチェーンの混乱や一部の需要停滞に直面。事業環境の変化に対応する必要に迫られる。
EVやバッテリー分野の計測技術を強化するため、オーストリアのDEWETRON社を買収。通信依存からの脱却と事業多角化に向けた大きな一歩を踏み出す。
「成長事業の柱育成」を掲げ、新中期経営計画をスタート。2026年度に売上高1,400億円、営業利益200億円という高い目標を設定する。
6GやBeyond 5Gといった次世代通信に加え、自動車、医薬、環境などの新領域での成長を加速させ、売上高2,000億円企業というビジョンの実現を目指す。
注目ポイント
5G通信計測で世界高シェアを誇る技術力を基盤に、6GやBeyond 5Gといった未来の通信インフラ開発に不可欠な計測ソリューションを提供。世界の技術革新をリードしています。
通信依存からの脱却を目指し、M&Aを積極的に活用。EV・バッテリー計測に強みを持つオーストリア企業を買収するなど、自動車や医薬品といった成長市場へ果敢に挑戦しています。
中期経営計画では「連結配当性向50%以上」を目標に掲げており、安定的な株主還元に積極的です。業績成長と共に、株主への利益還元も期待できる企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 40円 | 34.1% |
| FY2022/3 | 40円 | 42.6% |
| FY2023/3 | 40円 | 57.2% |
| FY2024/3 | 40円 | 68.6% |
| FY2025/3 | 40円 | 56.8% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、連結配当性向50%以上を目標とした方針を採用しています。業績の変動に合わせて配当性向が調整される傾向にありますが、安定的な配当維持を基本姿勢としています。今後も成長投資とのバランスを考慮しつつ、資本効率を意識した持続的な還元を目指しています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上収益は1,100億円規模で底堅く推移しており、計測事業における需要の変動を受けつつも一定の収益基盤を維持しています。近年は原材料高や開発投資の先行により営業利益が一時的に圧迫されましたが、2026年3月期は利益率の改善が見込まれるなど成長軌道への回帰が期待されています。主力である通信計測分野での技術革新への対応が、今後の業績拡大の鍵となります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.7% | 11.2% | 18.5% |
| FY2022/3 | 11.2% | 8.3% | 15.7% |
| FY2023/3 | 7.9% | 6.1% | 10.6% |
| FY2024/3 | 6.1% | 4.8% | 8.2% |
| FY2025/3 | 7.4% | 5.8% | 10.7% |
売上高営業利益率は、先行投資やコスト増の影響により一時は10%を下回る水準まで低下しましたが、2025年3月期には10.7%まで回復基調にあります。ROE(自己資本利益率)は現在7%台で推移しており、今後は資本効率を高めるための利益成長が重要です。効率的な事業運営と収益性の高い製品ミックスへのシフトが、中長期的な指標向上を左右します。
財務は安全?
自己資本比率は77%を超える極めて高い財務健全性を維持しており、盤石な経営基盤を有しています。長年無借金経営を続けてきましたが、近年は成長投資やM&Aに伴い少額の有利子負債を活用する体制へ移行しました。豊富な純資産を背景に、安定的な事業継続と株主還元を両立できる財務余力を保持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 205億円 | -50.3億円 | -145億円 | 155億円 |
| FY2022/3 | 160億円 | -87.1億円 | -134億円 | 73.3億円 |
| FY2023/3 | 61.1億円 | -52.2億円 | -114億円 | 9.0億円 |
| FY2024/3 | 166億円 | -36.4億円 | -65.8億円 | 129億円 |
| FY2025/3 | 211億円 | -39.2億円 | -123億円 | 172億円 |
本業による営業キャッシュフローは安定して創出されており、2025年3月期には約211億円と高い収益獲得能力を示しました。投資活動においては成長分野へのM&Aや設備投資を継続しつつも、強固な営業CFの範囲内で対応しています。財務キャッシュフローについては、配当や自己株式の取得など株主還元を重視した資金配分が継続的に実施されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 197億円 | 35.5億円 | 18.0% |
| FY2022/3 | 165億円 | 37.0億円 | 22.4% |
| FY2023/3 | 117億円 | 24.7億円 | 21.1% |
| FY2024/3 | 89.8億円 | 13.1億円 | 14.6% |
| FY2025/3 | 121億円 | 28.7億円 | 23.6% |
実効税率は年度によって変動があるものの、概ね20%台前半で推移しています。2024年3月期は特有の税務要因等により一時的に低下しましたが、2026年3月期の予想では標準的な水準である26.7%を見込んでいます。利益水準に応じた適切な納税を行っており、税務面での大きな懸念事項は見当たりません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 730万円 | 3,966人 | - |
平均年収は730万円となっており、日本の製造業の中でも安定した高水準を維持しています。通信計測事業を核とした専門性の高いエンジニアを多く抱えるため、技術力に応じた競争力のある待遇が提供されていると推察されます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行(17.17%)や日本カストディ銀行(11.26%)といった信託口が名を連ねており、機関投資家による保有比率が非常に高い構成です。特定の創業家や支配株主の影響は限定的であり、海外投資家や金融機関を中心としたグローバルな株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業は「通信計測」「PQA」「環境計測」の3セグメントで構成され、次世代通信(6G)やデータセンター向け需要が業績を牽引しています。M&Aによる技術力の補完を積極的に進めていますが、市場環境の変化や地政学的リスクが事業上の重要な課題として開示されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%であり、さらなる多様性の向上が求められる段階です。社外取締役比率が55%と高く、高い透明性と独立性を備えた監督体制を構築しており、グローバル企業として適切なガバナンスが機能しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,150億円 | — | 1,130億円 | -1.8% |
| FY2024 | 1,155億円 | — | 1,100億円 | -4.8% |
| FY2023 | 1,150億円 | — | 1,109億円 | -3.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 110億円 | — | 121億円 | +10.2% |
| FY2024 | 137億円 | — | 90億円 | -34.4% |
| FY2023 | 190億円 | — | 117億円 | -38.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前期の中期経営計画「GLP2023」は、5G関連需要の想定外の減速により、売上・利益ともに目標を大幅に下回る結果となりました。これを受け、新中計「GLP2026」では、6GやEVといった次世代領域へのシフトを明確にし、2027年3月期に営業利益200億円という挑戦的な目標を掲げています。近年の業績予想は下振れ傾向が続いており、新計画の目標達成に向けた実行力が今後の最大の焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXを大幅に下回るアンダーパフォームとなっています。これは、5G関連需要のピークアウトによる業績悪化を背景に、株価が長期にわたって下落トレンドにあったことが主な要因です。安定配当は継続しているものの、株価下落の影響が大きく、資本市場からの評価は厳しい状況が続いていました。足元で株価は回復基調にありますが、TSRを改善するには新事業領域での着実な成果と持続的な成長が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 122.4万円 | +22.4万円 | 22.4% |
| FY2022 | 81.4万円 | -18.6万円 | -18.6% |
| FY2023 | 66.8万円 | -33.2万円 | -33.2% |
| FY2024 | 69.6万円 | -30.4万円 | -30.4% |
| FY2025 | 71.6万円 | -28.4万円 | -28.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに業界平均を上回っており、市場から高い成長期待が寄せられていることがわかります。一方で、信用買残が売残を大きく上回る8.85倍となっており、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方、需給面では戻り売りの圧力に注意が必要な水準です。次回の通期決算発表は4月下旬に予定されており、新中計の初年度の進捗が注目されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
オーストリアの電力計測器メーカーDEWETRONの買収を発表し、モビリティ電動化分野での計測技術を強化。
通信計測器の需要が継続し、四半期決算にて大幅増収増益を達成し市場から高く評価された。
買収したDEWETRONのソリューション国内販売を開始し、計測事業のポートフォリオ拡充を推進。
最新ニュース
アンリツ まとめ
ひとめ診断
「通信計測の老舗が、5G需要の波を超え、6GやEV向けM&Aで次の収益の柱を探す『第二の創業期』」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「電気機器」に分類される他の企業
EVブームの寵児から一転、韓国子会社の上場頓挫で事業再編を迫られるリチウムイオン電池セパレーターメーカー
半導体商社が、自社開発の検査装置と設計ツールを武器に生成AIの波に乗る技術者集団
長野県上田市から、世界の『脱炭素』を測る、研究開発型の電気計測器メーカー
コネクターの老舗、車載部品で苦戦しつつも音声AI診断など新規事業で再起を図る
『スマホ依存』から脱却し、自動車向けコンデンサで再成長を狙う部品メーカーの雄
音の職人が、自動車産業の大波に乗って復活を遂げたヘッドホン・スピーカーの黒子企業
スマホやPCの省エネを支える『電源IC』の職人集団、市況の波に耐え次の成長サイクルを待つ
『国策』という名の十字架を背負い、巨額赤字の沼から次世代技術『eLEAP』で這い上がろうとするディスプレイメーカー