沖電気工業
Oki Electric Industry Company,Limited
最終更新日: 2026年3月28日
社会インフラを支える技術力で、新たな成長ステージへ挑む140年企業
OKIは、情報通信技術を核として、より安全・安心で便利な社会インフラを構築し、持続可能な世界の実現に貢献することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが銀行やコンビニのATMでお金をおろすとき、その機械はOKIが作ったものかもしれません。また、普段何気なく利用している高速道路のETCゲートや、企業のコールセンターの電話システムなど、社会を支える様々なインフラの裏側でOKIの技術が活躍しています。オフィスで使う大型プリンターも手掛けており、私たちの生活や仕事に欠かせない場面で、140年以上の歴史を持つこの会社の製品やサービスが動いているのです。
沖電気工業はFY2025に売上高4524.6億円、営業利益186.27億円と堅調な業績を維持しています。ATM事業を日立と、プリンタ事業をリコー・東芝テック連合と統合する大規模な事業ポートフォリオ改革を断行。これらで得た経営資源を、成長領域である社会インフラ向けシステムやEMS(電子機器受託製造サービス)に再投資しています。2031年度に売上高6000億円、営業利益率7%以上を目指す長期計画を掲げ、守りの経営から攻めの経営への転換を鮮明にしています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号
- 公式
- www.oki.com
社長プロフィール

創業以来140年以上にわたり培ってきた技術で社会インフラを支え、人々の生活に「安心」を提供してきました。今後は「守りから攻めへの経営」へとシフトし、グローバル市場での成長を加速させます。新たな経営計画のもと、持続的な企業価値向上に全力で取り組んでまいります。
この会社のストーリー
創業者・沖牙太郎が明工舎を設立。そのわずか5年後には、日本で初めて電話機を製造し、日本の情報通信の歴史を切り開いた。
第二次世界大戦後の財閥解体などを経て、沖電気工業株式会社として新たに設立。戦後の復興と共に、通信インフラの発展を支えていく。
入金された紙幣をそのまま出金に利用できる画期的なATMを世界で初めて開発。金融機関の業務効率化に大きく貢献し、ATMのOKIとしての地位を確立した。
世界的な金融危機の影響を受け、半導体事業などで大きな損失を計上。創業以来の厳しい経営危機に直面し、事業構造の変革を迫られた。
競争が激化するプリンター事業の競争力強化を目指し、OKIデータとして分社化。市場の変化に対応するための事業再編を進めた。
キャッシュレス化の進展に対応するため、日立製作所とATMの開発・生産事業を統合。国内のATM市場における競争力を維持・強化する戦略的決断を下した。
グローバルブランドとしての認知度向上を目指し、正式社名を「OKI」に変更。「守りから攻めへの経営」を掲げ、2030年度の目標達成に向けた新たな成長戦略を開始した。
注目ポイント
2030年度に売上高6000億円以上を目指す新経営計画を発表。ATM事業の統合や社名変更など、老舗企業の枠を超えた大胆な変革で、新たな成長ステージに挑んでいます。
安定配当を基本方針としつつ、業績向上に伴う増配を積極的に実施しています。配当性向35%以上を目標に掲げ、株主への利益還元に意欲的です。
世界初の紙幣還流型ATM開発に代表されるように、金融、通信、交通など社会の根幹を支える分野で高い技術力を保有。今後もAIやIoT技術を活かした新サービスが期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 1.4% |
| FY2022/3 | 30円 | 125.8% |
| FY2023/3 | 20円 | 1.4% |
| FY2024/3 | 30円 | 10.1% |
| FY2025/3 | 45円 | 31.3% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は資本効率を重視しつつ、配当性向30%以上を目標とした安定的かつ持続的な還元を目指す方針を掲げています。業績の拡大に伴い、2026年3月期には配当予想を増額修正するなど、株主還元への意識を高めています。今後は強固な財務基盤とキャッシュ創出力を背景に、利益成長に応じた増配を期待できる体制です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
OKIは長年、ATMやプリンター、社会インフラシステムを主力としてきましたが、近年の業績回復は、構造改革と事業ポートフォリオの最適化が牽引しています。FY2024/3にはEMS(電子機器受託製造)事業の好調や構造改革の成果により、純利益は約256億円と大幅な黒字化を達成しました。続くFY2025/3も堅調な売上を維持しており、今後は安定的な利益成長を目指すフェーズにあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -0.2% | -0.1% | 2.4% |
| FY2022/3 | 1.9% | 0.6% | 1.7% |
| FY2023/3 | -2.8% | -0.7% | 0.7% |
| FY2024/3 | 18.2% | 6.1% | 4.4% |
| FY2025/3 | 8.6% | 3.0% | 4.1% |
かつては競争の激しいハードウェア市場で利益率が低迷していましたが、高付加価値なEMS事業やソリューション事業への転換により、収益性は着実に改善しています。FY2024/3には営業利益率が4.4%まで向上し、ROE(自己資本利益率)も18.2%と高い資本効率を実現しました。今後はさらなるコスト効率化と事業の選別により、持続的な高収益体制の構築を推進しています。
財務は安全?
財務健全性は、過去の赤字による資産の毀損を乗り越え、大幅な財務基盤の強化が進んでいます。FY2024/3には純資産が大きく増加し、自己資本比率も33.3%まで回復、続くFY2025/3には35.4%まで改善しました。有利子負債の管理を徹底しつつ、成長投資と財務規律の両立を図る安定したバランスシートを維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 181億円 | -145億円 | -88.5億円 | 36.1億円 |
| FY2022/3 | 59.2億円 | -176億円 | 16.8億円 | -117億円 |
| FY2023/3 | -31.5億円 | -176億円 | 233億円 | -208億円 |
| FY2024/3 | 247億円 | -143億円 | -157億円 | 104億円 |
| FY2025/3 | 393億円 | -196億円 | -179億円 | 196億円 |
営業キャッシュフローの回復が著しく、本業による稼ぐ力が大幅に強化されたことで、フリーキャッシュフローはFY2025/3には約196億円のプラスへと転換しました。投資活動においては、事業構造改革や次世代技術への投資を継続しつつ、財務CFでは借入金の返済などを行い健全性を高めています。今後は安定したキャッシュ創出能力を背景に、成長投資と株主還元を両立させる計画です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 93.8億円 | 95.8億円 | 102.2% |
| FY2022/3 | 76.9億円 | 56.3億円 | 73.2% |
| FY2023/3 | -3.3億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 183億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 168億円 | 43.3億円 | 25.8% |
過去には赤字による繰越欠損金の利用等で税負担が変動しましたが、直近では業績黒字化に伴い適正な税負担水準へと移行しています。FY2024/3は繰延税金資産の取り崩し等の影響で実効税率が一時的に低下しましたが、FY2025/3以降は法的な実効税率に近い25-26%程度の水準で推移する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 781万円 | 13,906人 | - |
従業員の平均年収は781万円となっており、製造業・電気機器業界の平均的な水準と比較して安定した雇用環境と納得感のある報酬水準が維持されています。長年の技術蓄積を背景とした社会インフラシステム事業の堅調さが、こうした従業員の処遇を支えるベースとなっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。
株主構成は機関投資家が上位を占める構成となっており、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が安定株主として存在感を示しています。創業家による支配色は薄く、従業員持株会や事業会社、金融機関が名を連ねることで、長期的な安定とガバナンスの均衡を保つ構造と言えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
沖電気工業は情報通信システム、プリンタ、ATM、EMS(電子機器受託製造)の4本柱を軸としたセグメント構成を特徴としています。EDINET開示情報によれば、為替変動や部材価格高騰といった事業リスクに対して、事業再編やコスト構造の改革で対応を図る姿勢が示されています。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制においては女性役員比率が7.7%と向上途上にありますが、社外取締役の登用による経営の透明性確保が進められています。連結子会社57社を擁する大規模企業として、監査体制の強化や資本効率(ROIC)を意識した経営方針を掲げることで、持続的な企業価値の向上を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 4,600億円 | 4,500億円 | 4,525億円 | -1.6% |
| FY2024 | 4,400億円 | — | 4,219億円 | -4.1% |
| FY2023 | 4,250億円 | — | 3,691億円 | -13.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 160億円 | 190億円 | 186億円 | +16.4% |
| FY2024 | 110億円 | — | 187億円 | +69.9% |
| FY2023 | 90億円 | — | 24億円 | -73.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は2031年度に向けた長期計画を策定し、売上高6,000億円、営業利益率7%以上という野心的な目標を掲げています。これはATMやプリンタ事業の統合で事業構造を大きく変革し、社会インフラDXやEMSを新たな成長エンジンとする強い意志の表れです。一方で、近年の業績予想は変動が大きく、特にFY2023は大幅な未達となりました。計画達成力を市場に示すためには、まずは毎年の業績予想を安定的に達成し、信頼を積み重ねることが重要です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、ほぼ一貫してTOPIXをアンダーパフォームしており、株主へのリターン創出が課題でした。これは、構造改革の途上にあり、安定的な利益成長を実現できていなかったことが主な要因です。しかし、直近の株価上昇や増配により、FY2025のTSRは改善傾向にあります。今後は新経営計画の達成を通じて持続的な企業価値向上を果たし、TOPIXを上回るTSRを実現できるかが問われます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 115.4万円 | +15.4万円 | 15.4% |
| FY2022 | 88.4万円 | -11.6万円 | -11.6% |
| FY2023 | 77.7万円 | -22.3万円 | -22.3% |
| FY2024 | 123.7万円 | +23.7万円 | 23.7% |
| FY2025 | 111.3万円 | +11.3万円 | 11.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPER・PBRは電気機器業界の平均とほぼ同水準であり、現在の株価が市場から見て極端な割高・割安圏にあるわけではないことを示唆しています。信用買い残は売り残を上回っており、株価上昇を期待する個人投資家が多い一方、将来的な売り圧力も潜在しています。今後は新経営計画の進捗が具体的な数字として業績に現れるかが、市場評価を左右する重要なポイントとなります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
300mmシリコンウエハーへ光半導体を積層する「CFB技術」の開発を発表し、技術力をアピール。
合弁会社「ETRIA」に参画し、プリンター事業の開発・生産拠点を統合する構造改革を完遂。
本庄工場H1棟が国際的な省エネ評価であるASHRAE Technology Awardの最優秀賞を受賞。
最新ニュース
沖電気工業 まとめ
ひとめ診断
「日本のATMと通信を支えた創業140年の老舗が、祖業を大胆に再編し社会インフラDX企業へと変貌を遂げる第二創業期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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