ユー・エム・シー・エレクトロニクス
UMC Electronics Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
大手も認めるモノづくり力で、世界のテクノロジーを支えるEMS企業
グローバルな生産体制と高品質なモノづくりを通じて、エレクトロニクス業界において顧客から最も信頼されるパートナーとなることを目指す。
この会社ってなに?
あなたが毎日運転する自動車のカーナビや、安全を守るセンサー。あるいは、家で使っている家電製品や、職場のパソコン。これらの電子機器の中には、必ず緑色の電子回路基板が入っています。ユー・エム・シー・エレクトロニクスは、そうした製品の「心臓部」にあたる電子基板の製造を、大手メーカーに代わって一手に引き受ける専門企業です。普段、製品の表に同社の名前が出ることはありませんが、私たちの暮らしに欠かせない様々な製品の裏側で、その高い技術力が活躍しているのです。
電子機器受託製造サービス(EMS)を手掛ける企業。直近の2025年3月期は、売上高1,319.4億円(前期比0.5%増)、営業利益21.5億円(同4.9%増)と増収増益を確保したものの、減損損失の計上により純利益は-25.1億円の大幅な赤字となりました。一方で、2024年3月期には復配を果たし、株主還元への意識も見られます。2026年3月期は減収ながらも営業利益18.0億円、純利益10.0億円と最終黒字への転換を計画しており、収益性の安定化が課題です。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 埼玉県上尾市瓦葺721
- 公式
- www.umc.co.jp
社長プロフィール
当社は、長年培ってきたモノづくり力とグローバルな生産体制を強みに、お客様の多様なニーズに応えてまいりました。現在、経営基盤の強化と持続的な成長を目指し、特に成長が見込まれる車載分野に注力しています。株主様をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待に応えるべく、企業価値の向上に全力を尽くしてまいります。
この会社のストーリー
埼玉県上尾市に内山製作所として設立され、電子機器の製造事業を開始。日本のモノづくりの一翼を担う企業としてスタートした。
自動車産業向け事業の強化を目指し、豊田自動織機と資本業務提携。車載分野への本格的な進出の足がかりを築いた。
長年の実績が評価され、東京証券取引所市場第一部に新規上場(IPO)を果たし、企業としての信頼性と知名度を大きく向上させた。
日立情報通信マニュファクチャリングを譲り受けることで、IT製品の製造能力を強化。事業領域の拡大を実現した。
過去の不適切会計問題などから経営が悪化し、事業再生ADRを申請。金融支援を受け、抜本的な経営改革に着手した。
プライム市場の上場維持基準を満たすため、具体的な計画書を開示。収益性改善と企業価値向上への強い意志を示した。
全拠点で自動車産業向けの品質マネジメントシステム「IATF16949」認証を取得。車載事業のさらなる拡大に向けた基盤を固めた。
中期経営計画に基づき、収益構造の改革と成長分野への投資を継続。経営再建を果たし、持続的な成長企業への飛躍を目指す。
注目ポイント
豊田自動織機との提携や品質マネジメント認証取得など、今後さらなる成長が期待される自動車向け電子機器分野での強みを持っています。
事業再生ADRを経て経営の健全化を推進中。財務体質の改善が進み、再び成長軌道に乗ることが期待される転換期にあります。
株価が会社の解散価値を下回るPBR1倍割れの水準にあり、今後の業績回復や資産価値が見直された際の株価上昇ポテンシャルを秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 10円 | 27.7% |
| FY2025/3 | 10円 | 0.2% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
配当については、業績回復に合わせて配当を再開し、現在は1株当たり年間10円の安定配当を実施する方針を掲げています。過去に一時無配があった背景もあり、現在は財務体質の強化と並行して株主への利益還元を維持することに重点を置いています。今後は、安定的な利益成長を背景としたさらなる還元策の拡充が期待されます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は近年1,300億円から1,600億円規模で推移していますが、FY2025/3には25億円の純損失を計上するなど収益の不安定さが課題です。原材料価格の高騰や為替変動の影響を受けやすいEMS事業の特性が色濃く反映されており、現在は構造改革による収益力の安定化が急務となっています。次期のFY2026/3予想では黒字転換を見込んでいますが、成長スピードの鈍化も懸念される状況です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -0.7% | -0.1% | 0.6% |
| FY2022/3 | 9.2% | 2.1% | 1.1% |
| FY2023/3 | 3.5% | 0.8% | 1.4% |
| FY2024/3 | 5.2% | 1.3% | 1.6% |
| FY2025/3 | -16.4% | -3.4% | 1.6% |
営業利益率は1%台と非常に低い水準で推移しており、製造受託ビジネス特有の薄利多売モデルから脱却できていません。特に直近期は、巨額の特別損失などによりROEが-16.4%まで低下しており、資本効率の悪化が深刻な懸念材料となっています。売上高の変動に対する利益の感応度が高いため、稼働率の向上とコスト構造の改善が収益性改善への鍵を握ります。
財務は安全?
総資産が一時拡大したものの、FY2025/3には約736億円まで縮小しており、自己資本比率は20.7%と依然として財務健全性の向上が求められる水準です。有利子負債はFY2024/3から急増し約600億円に達しており、返済原資となるキャッシュフローの創出がバランスシート改善の焦点となっています。BPS(1株当たり純資産)も低下傾向にあり、資産価値の毀損を食い止められるかが今後の焦点です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 25.9億円 | -19.5億円 | 45.3億円 | 6.4億円 |
| FY2022/3 | -35.1億円 | -20.9億円 | 61.0億円 | -56.0億円 |
| FY2023/3 | 3.6億円 | -87.6億円 | 101億円 | -84.0億円 |
| FY2024/3 | 86.6億円 | -47.4億円 | -34.5億円 | 39.2億円 |
| FY2025/3 | 104億円 | -36.5億円 | -55.7億円 | 67.0億円 |
営業キャッシュフローはFY2022/3に大きくマイナスとなりましたが、直近のFY2025/3には103億円のプラスを記録するなど、本業での稼ぐ力は回復基調にあります。先行投資負担が重かった時期を脱し、現在はフリーキャッシュフローも黒字化するなど、資金繰りは改善傾向です。今後は、蓄積されたキャッシュを借入金の返済や将来の成長投資へどう配分するかが重要となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 11.2億円 | 12.1億円 | 108.7% |
| FY2022/3 | 20.9億円 | 5.2億円 | 25.0% |
| FY2023/3 | 11.8億円 | 5.4億円 | 46.0% |
| FY2024/3 | 12.3億円 | 2.1億円 | 17.2% |
| FY2025/3 | 16.5億円 | 41.5億円 | 252.4% |
納税額が利益水準に対して大きく変動しており、特に税引前利益が少ない期や損失発生期には、繰延税金資産の取り崩し等の影響で実効税率が著しく高まる傾向があります。通常の法人税負担に加えて、海外子会社を含めたグループ全体の税務コストが業績変動の影響を直接受ける構造です。安定した納税を継続するためには、経常的な黒字体制の確立が不可欠です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 633万円 | 5,904人 | - |
従業員の平均年収は633万円であり、電気機器業界の平均的な水準を維持しています。過去の事業再生局面や業績の変動を経て、現在は安定した製造体制の構築に伴い、適正な報酬水準を維持する取り組みが進められています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は豊田自動織機・アイシン・ネクスティエレクトロニクス。
株式会社豊田自動織機が34.62%の株式を保有する筆頭株主であり、アイシンやネクスティエレクトロニクスといったトヨタグループ企業が主要株主に名を連ねています。この構成は、事業再建過程において同グループの支援を受けてきた歴史を色濃く反映しており、グループ内での電子機器受託製造(EMS)パートナーとしての立ち位置が確立されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
電子回路基板の実装および加工組立製造を主力事業とし、車載向け製品に強みを持っています。事業リスクとして、特定顧客への依存度や国際的な地政学リスク、原材料調達の変動が有価証券報告書等で言及されており、グローバルな製造拠点展開によるリスク分散が経営の焦点となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は0%であり、経営体制の多様性確保が今後の課題です。一方で、トヨタグループとの強力な資本提携により、経営管理体制の強化と適正な監査プロセスの構築が進められており、安定した企業経営を維持するためのガバナンス基盤が整備されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,250億円 | — | 1,319億円 | +5.6% |
| FY2024 | 1,530億円 | — | 1,313億円 | -14.2% |
| FY2023 | 1,500億円 | — | 1,617億円 | +7.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 21億円 | — | 22億円 | +2.3% |
| FY2024 | 25億円 | — | 20億円 | -18.3% |
| FY2023 | 18億円 | — | 22億円 | +23.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
明確な中期経営計画の開示はないものの、毎期の会社計画が目標となります。FY2025は売上・営業利益で期初予想を上回りましたが、最終赤字に転落しており、計画達成の確度は不安定です。過去の業績予想も未達と超過が混在しており、外部環境の変化を受けやすい事業構造がうかがえます。投資家としては、利益の安定性を慎重に見極める必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当による総合的な投資リターンを示す指標です。FY2021からFY2023にかけてはTOPIXを大幅に上回る高いリターンを記録していましたが、FY2024以降はTOPIXを下回るアンダーパフォームとなっています。これは、事業再生後の業績回復期待で先行して株価が上昇したものの、近年の利益の不安定さが株価の重しとなり、市場全体の成長に追随できていないことが背景にあると考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 422.6万円 | +322.6万円 | 322.6% |
| FY2022 | 191.4万円 | +91.4万円 | 91.4% |
| FY2023 | 219.9万円 | +119.9万円 | 119.9% |
| FY2024 | 176.9万円 | +76.9万円 | 76.9% |
| FY2025 | 144.8万円 | +44.8万円 | 44.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに業界平均を下回っており、市場からは割安と評価されている可能性があります。一方で配当利回りは業界平均より高く、魅力的です。信用買い残が売り残を大幅に上回っており(信用倍率59.72倍)、将来の株価上昇を見込んだ個人投資家の買いが多い状況ですが、需給面では将来的な売り圧力になる可能性も需給面では注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
自動車産業向け品質マネジメントシステムであるIATF16949を全拠点で取得し、車載事業の信頼性を向上。
2026年3月期第3四半期決算にて経常利益が前年同期比5.5%の増益となり、通期計画に対する進捗率が順調に推移。
2024〜2026年度を対象とした新たな中期経営計画を推進し、2030年ビジョンに向けた成長戦略を提示。
最新ニュース
ユー・エム・シー・エレクトロニクス まとめ
ひとめ診断
「事業再生を経て車載EMSに特化、トヨタ系の再建下で黒字化定着を目指す電子機器の縁の下の力持ち」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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