東芝テック
TOSHIBA TEC CORPORATION
最終更新日: 2026年3月28日
お店のDXを支える、POSシステム国内シェアNo.1企業
私たちは「ともにつくる、つぎの常識を」の経営理念のもと、グローバルトップクラスのソリューションパートナーを目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段スーパーやコンビニで買い物をする時、何気なく使っているセルフレジや、店員さんが「ピッ」とバーコードを読み取る機械。実はそのPOS(販売時点情報管理)システム、国内の約半数が東芝テック製です。あなたがお会計をするその瞬間も、同社の技術がスムーズな買い物を支えています。また、オフィスの複合機も手掛けており、気づかないうちに日々の生活や仕事の裏側で、東芝テックの製品やサービスに触れている可能性は非常に高いのです。
国内POSシステム市場で約5割のシェアを握るリテールテックの巨人。FY2025は売上高5,770億円、営業利益202億円と増収増益を達成しましたが、FY2026は最終損益ゼロという厳しい業績予想を開示しています。背景にはリコーと統合した複合機事業の再編費用や、先行投資があります。現在はAIベンチャーとの提携や生成AI活用支援サービス開発など、ハードウェア販売からソリューション・サービス事業への転換を急いでおり、その成果が今後の株価を左右するでしょう。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー
- 公式
- www.toshibatec.co.jp
社長プロフィール

社会のデジタル化が加速する中、私たちはデータソリューションを核とした新たな価値創造に挑戦し続けます。お客様のビジネス成長への貢献はもちろん、その先にいる消費者の皆様のより良い消費体験の実現を目指してまいります。
この会社のストーリー
東芝テックの前身である東京電気器具株式会社が設立され、レジスターなど事務用機器の製造販売を開始。ここから店舗ソリューションの歴史が始まる。
事業の成長を受け、東京証券取引所市場第二部に上場。企業としての信頼性と資金調達力を高め、さらなる発展の礎を築いた。
グローバルな事業展開と技術革新を象徴するため、社名を現在の「東芝テック株式会社」に変更。新たなブランドイメージで未来へ歩みを進める。
米IBMからリテール・ストア・ソリューション事業を買収し、グローバルでのPOSシステム事業を大幅に強化。世界市場での競争力を一気に高めた。
経営資源の選択と集中を進めるため、子会社の譲渡など事業構造改革を実施。サービス・ソリューション事業の強化へ舵を切る。
データとテクノロジーを駆使したソリューション提供を加速させる新中期経営計画を発表。ハードウェア中心からデータ活用企業への変革を目指す。
店舗やオフィスの課題解決のため、企業向けに生成AIを活用した新サービスの提供を計画。最先端技術で顧客のビジネス革新を支援する。
注目ポイント
スーパーやコンビニなど、私たちの生活に身近な店舗で使われるPOSシステムで国内シェア約50%を誇ります。業界のスタンダードを創り出すリーディングカンパニーです。
ハードウェアの強みに加え、AIやデータ活用によるソリューション開発に注力しています。生成AIを活用した新サービスなど、リテール業界のDXを力強く推進します。
米IBMの事業買収などを通じて、グローバル市場でも高いプレゼンスを確立。世界中の店舗・オフィスに最適なソリューションを提供し、社会の課題解決に貢献しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 15.4% |
| FY2022/3 | 40円 | 41.0% |
| FY2023/3 | 45円 | 0.1% |
| FY2025/3 | 45円 | 8.0% |
株主優待制度は実施していません。
同社は安定した配当の継続を基本方針として掲げており、業績に応じた柔軟な還元を行っています。直近では年間45円の配当を維持しており、株主への利益還元を重視する姿勢が明確です。今後も成長投資とのバランスを考慮しながら、持続的な配当水準の維持と向上を目指します。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は堅調に推移しており、FY2025/3には売上高5,770億円、営業利益202億円と大幅な増益を達成しました。前期に計上した多額の純損失からV字回復を果たし、利益面での成長力が示されています。一方で、FY2026/3予想では市場環境の不透明感を背景に、微減収および利益横ばいを見込んでおり、慎重な姿勢がうかがえます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.5% | 2.5% | 2.0% |
| FY2022/3 | 4.6% | 1.7% | 2.6% |
| FY2023/3 | -7.0% | -2.0% | 2.9% |
| FY2025/3 | 25.9% | 8.6% | 3.5% |
収益性はFY2025/3にROE(自己資本利益率)が25.9%まで急上昇するなど、資本効率の大幅な改善が見られます。過去には一時的な純損失の影響で低迷した時期もありましたが、直近では営業利益率が3.5%まで向上し、効率的な経営体制へ転換しつつあります。今後も、主力のPOSシステムやソリューション事業の強化を通じて、持続的な利益率向上を目指しています。
財務は安全?
財務健全性は、FY2025/3時点で自己資本比率が31.2%と、一定の水準を維持しています。FY2023/3には純損失の影響で純資産が減少しましたが、直近では利益の積み上げにより純資産が約1,157億円まで回復しました。長年無借金経営を維持してきた財務体質から、現在は戦略的投資に向けた適度な負債活用へ舵を切っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 92.4億円 | -95.7億円 | -43.1億円 | -3.3億円 |
| FY2022/3 | 100億円 | -142億円 | -55.0億円 | -41.5億円 |
| FY2023/3 | 194億円 | -161億円 | -36.2億円 | 32.8億円 |
| FY2025/3 | 249億円 | -99.9億円 | -57.4億円 | 149億円 |
営業キャッシュフローは順調に増加しており、FY2025/3には約249億円のキャッシュを創出する強固な収益基盤を確立しています。投資活動においても将来の成長を見据えた支出を継続しつつ、フリーキャッシュフローは149億円の黒字を確保しました。安定したキャッシュ創出力により、株主還元や事業投資のバランスを保った経営が可能です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 71.9億円 | 6,700万円 | 0.9% |
| FY2022/3 | 102億円 | 48.2億円 | 47.2% |
| FY2023/3 | 110億円 | 177億円 | 161.0% |
| FY2025/3 | 183億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、年度ごとの特別損失や繰延税金資産の取り崩しなどにより大きく変動する傾向があります。FY2023/3には税負担率が異常値を示しましたが、これは特殊要因による一時的な影響です。今後も税引前利益の変動に応じた適切な納税が求められますが、税効果会計の影響を考慮したキャッシュ管理が重要となります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 786万円 | 15,509人 | - |
従業員平均年収は786万円と、製造業および電気機器業界の中でも比較的高水準にあります。POSシステムや複合機というニッチかつ高付加価値な事業を展開しており、安定した収益基盤と長年の技術蓄積がこの給与水準を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は東芝・モルガン・スタンレーMUFG証券。
株式会社東芝が株式の約50.24%を保有する親会社であり、経営権を強く握る安定株主の構造となっています。次いで日本マスタートラスト信託銀行などの金融機関が名を連ねており、機関投資家の影響力が大きい一方で、社員持株会の比率は低めです。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、米国における関税の影響や世界的な地政学リスク、為替変動が業績に与える影響を強く懸念しています。POSシステムおよび事務機関連事業を主軸としていますが、リコーとの生産・開発統合など構造改革による収益性の改善が課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は13.0%であり、多様な視点を取り入れたガバナンス体制の構築を推進しています。監査報酬として1億7,600万円を計上しており、連結子会社62社を擁する大規模企業として、強固な監査体制を維持する姿勢がうかがえます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 4,200億円 | — | 4,453億円 | +6.0% |
| FY2023 | 4,500億円 | — | 5,108億円 | +13.5% |
| FY2024 | 5,200億円 | — | 5,481億円 | +5.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 210億円 | — | 116億円 | -44.9% |
| FY2023 | 180億円 | — | 161億円 | -10.7% |
| FY2024 | 180億円 | — | 159億円 | -11.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、ソリューション事業への転換を掲げていますが、足元のFY2026業績予想は売上高5,700億円(前期比1.2%減)、最終利益ゼロと厳しい内容です。過去の業績予想を振り返ると、売上高は期初予想を上回る傾向にある一方、営業利益は3期連続で期初予想を下回っており、収益性の改善が急務となっています。リコーとの複合機事業統合に伴う構造改革費用などが利益を圧迫しており、計画達成への道のりは不透明です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2022に一時的にTOPIXを上回ったものの、大半の期間でTOPIXを大幅にアンダーパフォームしています。特にFY2024以降はその差が拡大しており、株価の低迷が主な要因です。これは、複合機事業の不振や構造改革の遅れ、そしてリテールテックへの事業転換がまだ本格的な利益貢献に至っていないことに対する市場の厳しい評価を反映しています。株主還元の強化と同時に、成長戦略の具体的な成果を出すことがTSR向上のために不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 119.9万円 | +19.9万円 | 19.9% |
| FY2022 | 146.3万円 | +46.3万円 | 46.3% |
| FY2023 | 117.9万円 | +17.9万円 | 17.9% |
| FY2024 | 93.7万円 | -6.3万円 | -6.3% |
| FY2025 | 84.2万円 | -15.8万円 | -15.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは5.0倍と、電気機器業界平均の24.9倍と比較して著しく割安な水準にあります。これは市場が同社の将来の収益性に対して慎重な見方をしていることを示唆しています。信用倍率は0.64倍と売り残が買い残を上回る状況で、短期的な株価下落を見込む投資家が多いことを示しています。今後の決算発表で、構造改革の成果やソリューション事業の成長性を示せるかが、市場の評価を変える鍵となるでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
企業向け生成AI活用支援サービスの提供開始を発表し、顧客DXの推進を強化。
Youmebee, Ltd.を買収し、印刷インフラのセキュリティと柔軟性を強化。
マルチパーパス端末「SS-U1」を発売し、POS市場での競争力を高める。
最新ニュース
東芝テック まとめ
ひとめ診断
「『レジの王様』が事業再編の荒波を乗り越え、データとAIで小売の未来を切り拓く」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「電気機器」に分類される他の企業
コネクターの老舗、車載部品で苦戦しつつも音声AI診断など新規事業で再起を図る
『聞こえ』の国内王者が、半導体製造を支える『目』で世界と戦う技術者集団
あらゆるハイテク製品の品質を保証する『環境試験』の巨人、EV・AI半導体の成長を陰で支える世界トップメーカー
『見えないものを見る』センサー技術で、世界シェア6割を握る鳥取の巨人
ミクロン単位のプラスチック技術で、半導体の進化から遺伝子検査まで支える精密部品の巨人
固定抵抗器で世界首位、自動車業界の浮沈を乗りこなしAI関連需要で再加速を狙う技術屋集団
任天堂のゲーム機を心臓部で支える、工場を持たない半導体設計の黒子企業
産業機器向け電源の老舗、台湾大手との提携で半導体市場の荒波を乗り越えようともがく優良財務企業