東芝テック6588
TOSHIBA TEC CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段スーパーやコンビニで買い物をする時、何気なく使っているセルフレジや、店員さんが「ピッ」とバーコードを読み取る機械。実はそのPOS(販売時点情報管理)システム、国内の約半数が東芝テック製です。あなたがお会計をするその瞬間も、同社の技術がスムーズな買い物を支えています。また、オフィスの複合機も手掛けており、気づかないうちに日々の生活や仕事の裏側で、東芝テックの製品やサービスに触れている可能性は非常に高いのです。
国内POSシステム市場で約5割のシェアを握るリテールテックの巨人。2025期は売上高5,770億円、営業利益202億円と増収増益を達成しましたが、2026期は最終損益ゼロという厳しい業績予想を開示しています。背景にはリコーと統合した複合機事業の再編費用や、先行投資があります。現在はAIベンチャーとの提携や生成AI活用支援サービス開発など、ハードウェア販売からソリューション・サービス事業への転換を急いでおり、その成果が今後の株価を左右するでしょう。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 6.5% | 2.5% | - |
| 2022/03期 | 4.7% | 1.8% | - |
| 2023/03期 | 12.5% | 4.4% | - |
| 2024/03期 | 6.8% | 2.1% | 2.9% |
| 2025/03期 | 28.3% | 8.8% | 3.5% |
| 3Q FY2026/3 | 12.2%(累計) | 2.6%(累計) | 0.6% |
収益性は2025/03期にROE(自己資本利益率)が25.9%まで急上昇するなど、資本効率の大幅な改善が見られます。過去には一時的な純損失の影響で低迷した時期もありましたが、直近では営業利益率が3.5%まで向上し、効率的な経営体制へ転換しつつあります。今後も、主力のPOSシステムやソリューション事業の強化を通じて、持続的な利益率向上を目指しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4,057億円 | — | 71.3億円 | 129.6円 | - |
| 2022/03期 | 4,453億円 | — | 53.8億円 | 97.7円 | +9.8% |
| 2023/03期 | 5,108億円 | — | 137億円 | -248.4円 | +14.7% |
| 2024/03期 | 5,481億円 | 159億円 | 67.1億円 | -123.9円 | +7.3% |
| 2025/03期 | 5,770億円 | 203億円 | 299億円 | 565.4円 | +5.3% |
売上高は堅調に推移しており、2025/03期には売上高5,770億円、営業利益202億円と大幅な増益を達成しました。前期に計上した多額の純損失からV字回復を果たし、利益面での成長力が示されています。一方で、2026/03期予想では市場環境の不透明感を背景に、微減収および利益横ばいを見込んでおり、慎重な姿勢がうかがえます。 【3Q 2026/03期実績】売上3998億円(前年同期比-6.0%)、営業利益25億円、純利益△88億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、米国における関税の影響や世界的な地政学リスク、為替変動が業績に与える影響を強く懸念しています。POSシステムおよび事務機関連事業を主軸としていますが、リコーとの生産・開発統合など構造改革による収益性の改善が課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 4,200億円 | — | 4,453億円 | +6.0% |
| 2023期 | 4,500億円 | — | 5,108億円 | +13.5% |
| 2024期 | 5,200億円 | — | 5,481億円 | +5.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 210億円 | — | 116億円 | -44.9% |
| 2023期 | 180億円 | — | 161億円 | -10.7% |
| 2024期 | 180億円 | — | 159億円 | -11.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、ソリューション事業への転換を掲げていますが、足元の2026期業績予想は売上高5,700億円(前期比1.2%減)、最終利益ゼロと厳しい内容です。過去の業績予想を振り返ると、売上高は期初予想を上回る傾向にある一方、営業利益は3期連続で期初予想を下回っており、収益性の改善が急務となっています。リコーとの複合機事業統合に伴う構造改革費用などが利益を圧迫しており、計画達成への道のりは不透明です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
企業向け生成AI活用支援サービスの提供開始を発表し、顧客DXの推進を強化。
Youmebee, Ltd.を買収し、印刷インフラのセキュリティと柔軟性を強化。
マルチパーパス端末「SS-U1」を発売し、POS市場での競争力を高める。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、2025/03期時点で自己資本比率が31.2%と、一定の水準を維持しています。2023/03期には純損失の影響で純資産が減少しましたが、直近では利益の積み上げにより純資産が約1,157億円まで回復しました。長年無借金経営を維持してきた財務体質から、現在は戦略的投資に向けた適度な負債活用へ舵を切っています。 【3Q 2026/03期】総資産3394億円、純資産878億円、自己資本比率17.2%、有利子負債264億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 92.4億円 | 95.7億円 | 43.1億円 | 3.3億円 |
| 2022/03期 | 100億円 | 142億円 | 55.0億円 | 41.5億円 |
| 2023/03期 | 151億円 | 121億円 | 81.0億円 | 29.9億円 |
| 2024/03期 | 194億円 | 161億円 | 36.2億円 | 32.8億円 |
| 2025/03期 | 249億円 | 99.9億円 | 57.4億円 | 149億円 |
営業キャッシュフローは順調に増加しており、2025/03期には約249億円のキャッシュを創出する強固な収益基盤を確立しています。投資活動においても将来の成長を見据えた支出を継続しつつ、フリーキャッシュフローは149億円の黒字を確保しました。安定したキャッシュ創出力により、株主還元や事業投資のバランスを保った経営が可能です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は13.0%であり、多様な視点を取り入れたガバナンス体制の構築を推進しています。監査報酬として1億7,600万円を計上しており、連結子会社62社を擁する大規模企業として、強固な監査体制を維持する姿勢がうかがえます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 786万円 | 15,509人 | - |
従業員平均年収は786万円と、製造業および電気機器業界の中でも比較的高水準にあります。POSシステムや複合機というニッチかつ高付加価値な事業を展開しており、安定した収益基盤と長年の技術蓄積がこの給与水準を支えています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2022期に一時的にTOPIXを上回ったものの、大半の期間でTOPIXを大幅にアンダーパフォームしています。特に2024期以降はその差が拡大しており、株価の低迷が主な要因です。これは、複合機事業の不振や構造改革の遅れ、そしてリテールテックへの事業転換がまだ本格的な利益貢献に至っていないことに対する市場の厳しい評価を反映しています。株主還元の強化と同時に、成長戦略の具体的な成果を出すことがTSR向上のために不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2017/03期 | 2円 | 7.1% |
| 2018/03期 | 8円 | 12.6% |
| 2020/03期 | 30円 | 44.2% |
| 2021/03期 | 20円 | 15.4% |
| 2022/03期 | 40円 | 41.0% |
| 2023/03期 | 45円 | - |
| 2025/03期 | 45円 | 8.0% |
株主優待制度は実施していません。
同社は安定した配当の継続を基本方針として掲げており、業績に応じた柔軟な還元を行っています。直近では年間45円の配当を維持しており、株主への利益還元を重視する姿勢が明確です。今後も成長投資とのバランスを考慮しながら、持続的な配当水準の維持と向上を目指します。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 119.9万円 | 19.9万円 | 19.9% |
| 2022期 | 146.3万円 | 46.3万円 | 46.3% |
| 2023期 | 117.9万円 | 17.9万円 | 17.9% |
| 2024期 | 93.7万円 | 6.3万円 | -6.3% |
| 2025期 | 84.2万円 | 15.8万円 | -15.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは5.0倍と、電気機器業界平均の24.9倍と比較して著しく割安な水準にあります。これは市場が同社の将来の収益性に対して慎重な見方をしていることを示唆しています。信用倍率は0.64倍と売り残が買い残を上回る状況で、短期的な株価下落を見込む投資家が多いことを示しています。今後の決算発表で、構造改革の成果やソリューション事業の成長性を示せるかが、市場の評価を変える鍵となるでしょう。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 71.9億円 | 6,700万円 | 0.9% |
| 2022/03期 | 102億円 | 48.2億円 | 47.2% |
| 2023/03期 | 131億円 | 269億円 | 204.5% |
| 2024/03期 | 110億円 | 177億円 | 161.0% |
| 2025/03期 | 183億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、年度ごとの特別損失や繰延税金資産の取り崩しなどにより大きく変動する傾向があります。2023/03期には税負担率が異常値を示しましたが、これは特殊要因による一時的な影響です。今後も税引前利益の変動に応じた適切な納税が求められますが、税効果会計の影響を考慮したキャッシュ管理が重要となります。
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