(株)日立製作所6501
Hitachi,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
駅の自動改札機やエレベーター、エアコン・冷蔵庫などの家電、病院のMRI装置、電車の車両、発電所の送配電設備など、日常生活のあらゆるインフラを支える企業です。近年は「Lumada」というデータ活用基盤を通じて、AIやIoTで街全体をスマートにする取り組みを加速しています。OpenAIとの戦略提携により、AIデータセンターの電力インフラ整備にも注力しています。
日立製作所は1910年に茨城県日立市で創業し、総合電機メーカーからデータ活用プラットフォーム「Lumada」を中核とするデジタルインフラ企業へ変貌を遂げました。2025/03期期は売上収益9兆7,834億円、営業利益9,716億円(営業利益率9.9%)と過去最高益を更新。2025年4月には新中期経営計画「Inspire 2027」を発表し、Adj.EBITA率13〜15%を目指しています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
Lumadaを中核としたITサービス・クラウド・コンサルティング事業。GlobalLogicを含むデジタルエンジニアリングが成長ドライバー。売上構成比約27%で最大セグメント。
産業用機器・ビルシステム・家電等の事業。日立ビルシステム(エレベーター)、日立ハイテク(半導体製造装置)、日立産機が主力。売上構成比約24%。
日立エナジー(送変電・配電設備)を中核とするエネルギー事業。ABBパワーグリッド買収を経て、再エネ・送電網の世界的需要増を追い風に急成長中。売上構成比約22%。
鉄道システム事業。車両製造から信号システム、運行管理まで一気通貫で提供。英国・イタリア等の海外大型案件を受注。売上構成比約8%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 14.2% | 4.2% | - |
| 2022/03期 | 14.8% | 4.5% | - |
| 2023/03期 | 14.0% | 4.9% | - |
| 2024/03期 | 11.1% | 4.8% | - |
| 2025/03期 | 10.7% | 4.8% | - |
営業利益率は2021/03期の5.7%から2025/03期には9.9%へと大幅に改善しており、総合電機メーカーとしては極めて高水準です。Lumada事業の拡大と低収益事業の売却・再編が奏功しています。ROEは10%超を安定的に維持しており、新中計「Inspire 2027」ではAdj.EBITA率13〜15%を目標に掲げ、さらなる収益性向上を目指しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8.7兆円 | 4,952億円 | 5,016億円 | 103.9円 | — |
| 2022/03期 | 10.3兆円 | 7,382億円 | 5,835億円 | 120.8円 | +17.6% |
| 2023/03期 | 10.9兆円 | 7,481億円 | 6,491億円 | 136.9円 | +6.0% |
| 2024/03期 | 9.7兆円 | 7,558億円 | 5,899億円 | 126.9円 | -10.6% |
| 2025/03期 | 9.8兆円 | 9,716億円 | 6,157億円 | 133.8円 | +0.6% |
日立の業績は構造改革の成果が顕著に表れています。2025/03期は利益は堅調に推移と過去最高益を更新しました。売上収益は2023/03期の10.9兆円をピークに日立Astemo等の事業再編で一時減少しましたが、Lumada事業の高成長により利益は拡大を続けています。2026/03期予想は売上収益10.1兆円・営業利益1兆50億円と※2025/03期よりEPSは5:1株式分割後の数値です。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| デジタルシステム&サービス | 2兆6,834億円 | 3,671億円 | 13.7% |
| コネクティブインダストリーズ | 2兆3,567億円 | 2,254億円 | 9.6% |
| エネルギー | 2兆1,050億円 | 2,316億円 | 11.0% |
| モビリティ | 7,419億円 | 654億円 | 8.8% |
デジタルシステム&サービスが売上の約27%・利益率13.7%で最大セグメントであり、Lumada事業の成長が全社の利益を牽引しています。エネルギー事業は日立エナジーを中核に利益率11.0%と高収益化が進み、世界的なエネルギー転換需要を捉えています。コネクティブインダストリーズは日立ハイテクの半導体製造装置が好調で、モビリティは海外の大型鉄道案件が収益に貢献しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 9.0兆円 | — | 9.78兆円 | +8.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 8,550億円 | — | 9,716億円 | +13.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
日立は2024中期経営計画において売上収益CAGRが14%と目標の5〜7%を大幅に上回り、Adj.EBITA率も11.7%と目標の12%にほぼ到達しました。2025年4月に発表された新中計「Inspire 2027」では、Adj.EBITA率13〜15%、ROIC 12%以上という更に高い目標を掲げています。経営計画の達成度は極めて高く、市場からの信頼も厚いです。
最新ニュース
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026/03期通期業績予想を2度目の上方修正。純利益は7,600億円へ引き上げ、過去最高益を大幅更新見込み。
ブラックストーンとエネルギー分野で戦略提携。日立エナジーがサービス事業に10億ドル超を投資へ。
新中期経営計画「Inspire 2027」を発表。Adj.EBITA率13〜15%、売上収益CAGR 7〜9%を目標に掲げる。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は2021/03期の29.7%から2024/03期には46.7%へ大きく改善し、財務体質の強化が顕著です。2025/03期は大型M&A(GlobalLogic等)や成長投資の影響で有利子負債が約2.5兆円となっていますが、自己資本比率44.0%と健全な水準を維持しています。※2025/03期のBPSは5:1株式分割後の数値です。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 9,566億円 | ▲1,315億円 | ▲1.0兆円 | 8,251億円 |
| 2025/03期 | 1.2兆円 | ▲5,737億円 | ▲4,241億円 | 5,986億円 |
営業キャッシュフローは着実に拡大しており、2025/03期には1兆1,722億円と過去最高を記録しました。2022/03期は米GlobalLogic買収(約1兆円)によりFCFがマイナスとなりましたが、2023/03期以降は高水準のFCFを維持しています。キャッシュ創出力の高さは、成長投資と株主還元の両立を支える基盤となっています。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中、女性が4名(33.3%)、社外取締役が9名(75%)と先進的なガバナンス体制を構築しています。696社の連結子会社を持つグローバルグループにおいて、執行と監督の分離を徹底した委員会等設置会社の形態を採用。平均勤続年数18.7年と人材定着率も高い水準です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 961万円 | 282,743人 | - |
従業員の平均年収は961万円と、電気機器業界の中でもトップクラスの給与水準です。連結従業員数は約28.3万人とグローバルに大規模な人員を擁し、平均年齢42.6歳と経験豊富な人材が揃っています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
日立のTSRは5年間で574.6%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。特に2024期以降の株価急騰が顕著で、Lumada事業の成長と構造改革の成果が市場から高く評価された結果です。投資家にとって国内最高水準のリターンを提供した銘柄の一つといえます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 12円 | 33.7% |
| 2017/03期 | 13円 | 27.1% |
| 2018/03期 | 15円 | 19.9% |
| 2020/03期 | 95円 | 104.7% |
| 2021/03期 | 105円 | 20.2% |
| 2022/03期 | 125円 | 20.7% |
| 2023/03期 | 145円 | 21.2% |
| 2024/03期 | 36.4円 | 28.3% |
| 2025/03期 | 43円 | 32.1% |
株主優待制度はありません。
日立は2021/03期から2024/03期まで4期連続で増配を実施してきました。2025/03期の1株43円は5:1株式分割後の数値であり、分割前換算では215円相当と実質的に増配が続いています。配当性向は30%程度を目安としており、今後も利益成長に伴う増配が期待されます。なお、株主優待制度はありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 162.6万円 | 62.6万円 | 62.6% |
| 2022期 | 203.5万円 | 103.5万円 | 103.5% |
| 2023期 | 242.7万円 | 142.7万円 | 142.7% |
| 2024期 | 460.1万円 | 360.1万円 | 360.1% |
| 2025期 | 574.6万円 | 474.6万円 | 474.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
日立の株価指標はPER 30.7倍・PBR 3.73倍と電気機器業界平均を上回っており、高い成長期待が株価にプレミアムとして織り込まれています。配当利回りは0.90%と低水準ですが、これは株価の大幅上昇によるものです。信用倍率22.74倍は買い残が大幅に上回る状態で、個人投資家の期待の高さを示しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8,444億円 | 3,428億円 | 40.6% |
| 2022/03期 | 8,393億円 | 2,559億円 | 30.5% |
| 2023/03期 | 8,200億円 | 1,708億円 | 20.8% |
| 2024/03期 | 8,258億円 | 2,359億円 | 28.6% |
| 2025/03期 | 9,627億円 | 3,470億円 | 36.0% |
税引前利益は2025/03期に9,716億円に到達しました。実効税率は年度により変動しており、2021/03期は繰延税金資産の影響で0%、2023/03期は海外子会社の構成変化で13.2%と低水準でした。2025/03期は36.6%と通常水準に回帰しており、2026/03期予想は29.4%を見込んでいます。
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