(株)日立製作所
Hitachi,Ltd.
最終更新日: 2026年3月26日
110年超の歴史を持つ日本のものづくりの象徴が、デジタルとグリーンの力で世界を変える
優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する
この会社ってなに?
駅の自動改札機やエレベーター、エアコン・冷蔵庫などの家電、病院のMRI装置、電車の車両、発電所の送配電設備など、日常生活のあらゆるインフラを支える企業です。近年は「Lumada」というデータ活用基盤を通じて、AIやIoTで街全体をスマートにする取り組みを加速しています。OpenAIとの戦略提携により、AIデータセンターの電力インフラ整備にも注力しています。
日立製作所は1910年に茨城県日立市で創業し、総合電機メーカーからデータ活用プラットフォーム「Lumada」を中核とするデジタルインフラ企業へ変貌を遂げました。FY2025/3期は売上収益9兆7,834億円、営業利益9,716億円(営業利益率9.9%)と過去最高益を更新。2025年4月には新中期経営計画「Inspire 2027」を発表し、Adj.EBITA率13〜15%を目指しています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
- 公式
- www.hitachi.com
社長プロフィール
社会イノベーション事業を通じて、人々のQuality of Lifeの向上と顧客の社会価値・環境価値・経済価値の三つの価値向上に貢献します。デジタル、グリーン、イノベーションの3つの観点から社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて邁進します。
この会社のストーリー
小平浪平が日立鉱山の修理工場で5馬力モーターを製作し、日立製作所の歴史が始まった。
日立鉱山から独立し、株式会社日立製作所を設立。電気機器メーカーとしての本格的な歩みを開始した。
東証に株式を上場。戦後復興期に重電・産業機器・家電の三本柱で急成長を遂げた。
リーマンショック後にFY2009/3で7,873億円の最終赤字を計上。ここから本格的な事業ポートフォリオ改革が始まった。
データ活用プラットフォーム「Lumada」をローンチ。デジタルトランスフォーメーション事業の中核基盤として成長の柱に。
米デジタルエンジニアリング企業GlobalLogicを約1兆円で買収。Lumada事業のグローバル展開を加速した。
Adj.EBITA率13〜15%、ROIC 12%以上を目標に掲げ、デジタル・グリーン・イノベーションで更なる成長を目指す。
注目ポイント
過去5年間のTSR(株主総利回り)は574.6%と、TOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォーム。事業構造改革の成果が株価に反映された好例です。
データ活用プラットフォーム「Lumada」を軸に、AIやIoTを活用した社会課題解決に取り組む。OpenAIとの戦略提携など、最先端技術への投資も積極的です。
日立エナジーは送変電・配電設備で世界トップクラス。再生可能エネルギーの拡大やデータセンター電力需要の急増を追い風に、グローバルで急成長しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 33.7% |
| FY2017/3 | 13円 | 27.1% |
| FY2018/3 | 15円 | 19.9% |
| FY2020/3 | 95円 | 104.7% |
| FY2021/3 | 105円 | 20.2% |
| FY2022/3 | 125円 | 20.7% |
| FY2023/3 | 145円 | 21.2% |
| FY2024/3 | 36.4円 | 28.3% |
| FY2025/3 | 43円 | 32.1% |
株主優待制度はありません。
日立はFY2021/3からFY2024/3まで4期連続で増配を実施してきました。FY2025/3の1株43円は5:1株式分割後の数値であり、分割前換算では215円相当と実質的に増配が続いています。配当性向は30%程度を目安としており、今後も利益成長に伴う増配が期待されます。なお、株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日立の業績は構造改革の成果が顕著に表れています。FY2025/3は利益は堅調に推移と過去最高益を更新しました。売上収益はFY2023/3の10.9兆円をピークに日立Astemo等の事業再編で一時減少しましたが、Lumada事業の高成長により利益は拡大を続けています。FY2026/3予想は売上収益10.1兆円・営業利益1兆50億円と※FY2025/3よりEPSは5:1株式分割後の数値です。
事業ごとの売上・利益
Lumadaを中核としたITサービス・クラウド・コンサルティング事業。GlobalLogicを含むデジタルエンジニアリングが成長ドライバー。売上構成比約27%で最大セグメント。
産業用機器・ビルシステム・家電等の事業。日立ビルシステム(エレベーター)、日立ハイテク(半導体製造装置)、日立産機が主力。売上構成比約24%。
日立エナジー(送変電・配電設備)を中核とするエネルギー事業。ABBパワーグリッド買収を経て、再エネ・送電網の世界的需要増を追い風に急成長中。売上構成比約22%。
鉄道システム事業。車両製造から信号システム、運行管理まで一気通貫で提供。英国・イタリア等の海外大型案件を受注。売上構成比約8%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.2% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 14.8% | 4.5% | - |
| FY2023/3 | 14.0% | 4.9% | - |
| FY2024/3 | 11.1% | 4.8% | - |
| FY2025/3 | 10.7% | 4.8% | - |
営業利益率はFY2021/3の5.7%からFY2025/3には9.9%へと大幅に改善しており、総合電機メーカーとしては極めて高水準です。Lumada事業の拡大と低収益事業の売却・再編が奏功しています。ROEは10%超を安定的に維持しており、新中計「Inspire 2027」ではAdj.EBITA率13〜15%を目標に掲げ、さらなる収益性向上を目指しています。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の29.7%からFY2024/3には46.7%へ大きく改善し、財務体質の強化が顕著です。FY2025/3は大型M&A(GlobalLogic等)や成長投資の影響で有利子負債が約2.5兆円となっていますが、自己資本比率44.0%と健全な水準を維持しています。※FY2025/3のBPSは5:1株式分割後の数値です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 9,566億円 | -1,315億円 | -1.0兆円 | 8,251億円 |
| FY2025/3 | 1.2兆円 | -5,737億円 | -4,241億円 | 5,986億円 |
営業キャッシュフローは着実に拡大しており、FY2025/3には1兆1,722億円と過去最高を記録しました。FY2022/3は米GlobalLogic買収(約1兆円)によりFCFがマイナスとなりましたが、FY2023/3以降は高水準のFCFを維持しています。キャッシュ創出力の高さは、成長投資と株主還元の両立を支える基盤となっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8,444億円 | 3,428億円 | 40.6% |
| FY2022/3 | 8,393億円 | 2,559億円 | 30.5% |
| FY2023/3 | 8,200億円 | 1,708億円 | 20.8% |
| FY2024/3 | 8,258億円 | 2,359億円 | 28.6% |
| FY2025/3 | 9,627億円 | 3,470億円 | 36.0% |
税引前利益はFY2025/3に9,716億円に到達しました。実効税率は年度により変動しており、FY2021/3は繰延税金資産の影響で0%、FY2023/3は海外子会社の構成変化で13.2%と低水準でした。FY2025/3は36.6%と通常水準に回帰しており、FY2026/3予想は29.4%を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 961万円 | 282,743人 | - |
従業員の平均年収は961万円と、電気機器業界の中でもトップクラスの給与水準です。連結従業員数は約28.3万人とグローバルに大規模な人員を擁し、平均年齢42.6歳と経験豊富な人材が揃っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は日立グループ社員持株会氏。
筆頭株主は信託銀行(17.23%)で、外国人投資家が過半数(51.5%)を占めるグローバルな株主構成が特徴です。ステート ストリートやJPモルガン等の海外カストディアンが上位に名を連ね、グローバルな機関投資家からの高い評価を示しています。日立グループ社員持株会が1.73%を保有しており、従業員の経営参画意識の高さもうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| デジタルシステム&サービス | 2兆6,834億円 | 3,671億円 | 13.7% |
| コネクティブインダストリーズ | 2兆3,567億円 | 2,254億円 | 9.6% |
| エネルギー | 2兆1,050億円 | 2,316億円 | 11.0% |
| モビリティ | 7,419億円 | 654億円 | 8.8% |
デジタルシステム&サービスが売上の約27%・利益率13.7%で最大セグメントであり、Lumada事業の成長が全社の利益を牽引しています。エネルギー事業は日立エナジーを中核に利益率11.0%と高収益化が進み、世界的なエネルギー転換需要を捉えています。コネクティブインダストリーズは日立ハイテクの半導体製造装置が好調で、モビリティは海外の大型鉄道案件が収益に貢献しています。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中、女性が4名(33.3%)、社外取締役が9名(75%)と先進的なガバナンス体制を構築しています。696社の連結子会社を持つグローバルグループにおいて、執行と監督の分離を徹底した委員会等設置会社の形態を採用。平均勤続年数18.7年と人材定着率も高い水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 9.0兆円 | — | 9.78兆円 | +8.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 8,550億円 | — | 9,716億円 | +13.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
日立は2024中期経営計画において売上収益CAGRが14%と目標の5〜7%を大幅に上回り、Adj.EBITA率も11.7%と目標の12%にほぼ到達しました。2025年4月に発表された新中計「Inspire 2027」では、Adj.EBITA率13〜15%、ROIC 12%以上という更に高い目標を掲げています。経営計画の達成度は極めて高く、市場からの信頼も厚いです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
日立のTSRは5年間で574.6%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024以降の株価急騰が顕著で、Lumada事業の成長と構造改革の成果が市場から高く評価された結果です。投資家にとって国内最高水準のリターンを提供した銘柄の一つといえます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 162.6万円 | +62.6万円 | 62.6% |
| FY2022 | 203.5万円 | +103.5万円 | 103.5% |
| FY2023 | 242.7万円 | +142.7万円 | 142.7% |
| FY2024 | 460.1万円 | +360.1万円 | 360.1% |
| FY2025 | 574.6万円 | +474.6万円 | 474.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
日立の株価指標はPER 30.7倍・PBR 3.73倍と電気機器業界平均を上回っており、高い成長期待が株価にプレミアムとして織り込まれています。配当利回りは0.90%と低水準ですが、これは株価の大幅上昇によるものです。信用倍率22.74倍は買い残が大幅に上回る状態で、個人投資家の期待の高さを示しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3通期業績予想を2度目の上方修正。純利益は7,600億円へ引き上げ、過去最高益を大幅更新見込み。
ブラックストーンとエネルギー分野で戦略提携。日立エナジーがサービス事業に10億ドル超を投資へ。
新中期経営計画「Inspire 2027」を発表。Adj.EBITA率13〜15%、売上収益CAGR 7〜9%を目標に掲げる。
最新ニュース
(株)日立製作所 まとめ
ひとめ診断
「総合電機の巨人がデジタルで変貌。Lumadaを軸にグローバルで社会インフラを支えるプライム企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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