トレックス・セミコンダクター6616
TOREX SEMICONDUCTOR LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたがスマートフォンを充電するとき、コンセントからの電気をスマホが安全に使える電気に変換していますよね。その変換を効率よく、そして小さな部品で行うのが、この会社が作っている「電源IC」という半導体です。スマホだけでなく、パソコン、ゲーム機、ワイヤレスイヤホン、さらには自動車の電子制御システムや工場のロボットまで、電気で動くあらゆる機器の内部で活躍しています。普段は目にすることのない小さな部品ですが、電子機器の省エネや小型化を実現し、私たちの便利なデジタルライフを陰から支えている会社なのです。
電源ICに特化した半導体ファブレスメーカー。直近の業績は半導体市況の在庫調整局面が直撃し、2025期は売上高239.6億円、営業損失6.32億円と2期連続の赤字を計上しました。しかし、配当は56円を維持しており、株主還元への意識を示しています。会社は来期(2026期)に売上高255億円、営業利益4億円の黒字転換を予想しており、市況回復局面でのV字回復を実現できるかが最大の焦点です。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区豊洲6-4-34 メブクス豊洲 5階
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.7% | 3.0% | - |
| 2022/03期 | 14.8% | 9.5% | - |
| 2023/03期 | 9.2% | 6.1% | - |
| 2024/03期 | 19.0% | 11.7% | 6.9% |
| 2025/03期 | 12.4% | 6.7% | 2.6% |
| 3Q FY2026/3 | 3.7%(累計) | 1.7%(累計) | 3.8% |
コロナ禍の半導体需要急増局面では営業利益率が12%台に達するなど高い収益性を誇りましたが、市況の悪化に伴い営業利益率は2024年3月期にマイナス6.9%まで低下しました。直近の2025年3月期もマイナス2.6%と赤字が続いており、稼働率の低下が収益性を圧迫しています。今後、コスト構造の最適化と付加価値の高いパワー半導体製品へのシフトにより、再び利益体質を取り戻せるかが焦点です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 237億円 | — | 9.3億円 | 85.4円 | - |
| 2022/03期 | 309億円 | — | 31.6億円 | 288.6円 | +30.2% |
| 2023/03期 | 320億円 | — | 21.8億円 | 198.7円 | +3.5% |
| 2024/03期 | 258億円 | 17.8億円 | 43.0億円 | -390.7円 | -19.4% |
| 2025/03期 | 240億円 | 6.3億円 | 23.6億円 | -214.6円 | -7.0% |
トレックス・セミコンダクターは、半導体市況の低迷や在庫調整の影響を強く受け、2024年3月期以降は営業赤字および純赤字に転落する厳しい業績が続いています。2025年3月期も売上高約240億円、営業損失約6億円と収益回復が遅れましたが、2026年3月期には製品ポートフォリオの改善や需要回復により、営業利益4億円、純利益3億円の黒字転換を見込んでいます。ファブレス経営の強みを活かしつつ、市況変動の影響を受けやすい製品構成からの脱却が今後の業績成長の鍵となります。 【3Q 2026/03期実績】売上182億円(通期予想比71%)、営業利益7.0億円(同174%)、純利益5.8億円(同193%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
電源ICに特化したファブレスメーカーとして展開しており、主力製品の技術革新や市場環境の変化が業績に直結する構造です。急速な技術革新による製品寿命の短縮やグローバルな価格競争が事業リスクとして開示されており、これらへの対応が利益率を左右する要因となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | -6億円 | — | -6億円 | 修正なし |
| 2024期 | 15億円 | — | -18億円 | 大幅未達 |
| 2023期 | 50億円 | — | 40億円 | -20.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 240億円 | — | 240億円 | 修正なし |
| 2024期 | 290億円 | — | 258億円 | -11.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026期を最終年度とする新中期経営計画は、売上高300億円、営業利益30億円を掲げています。しかし、半導体市況の急激な悪化により、2024期、2025期と2期連続で営業赤字となり、計画達成への道のりは非常に厳しい状況です。過去の業績予想も市況変動の影響で未達となるケースが見られ、特に2024期は期初予想15億円の黒字から結果は17.78億円の赤字と大幅に下振れしました。来期(2026期)の黒字転換予想を達成し、計画軌道へ復帰できるかが問われます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
ベトナム子会社TVSの譲渡契約を締結し、生産効率の最適化とパートナーシップ強化を図る。
産業機器向けパワー半導体を開発し、製品ラインナップの強化を推進。
26年3月期第3四半期累計で7億5700万円の経常黒字を達成し、業績回復基調を示す。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
2023年3月期までは無借金経営を継続していましたが、近年の業績悪化に伴う運転資金需要や先行投資により、2024年3月期には約229億円の有利子負債が発生し、財務構成が大きく変化しました。自己資本比率はかつての60%台後半から2025年3月期には51.8%まで低下し、財務の健全性は以前より慎重な管理が求められる局面です。資産規模自体は圧縮傾向にあり、資産効率の改善と負債の適正化を並行して進める必要があります。 【3Q 2026/03期】総資産353億円、純資産176億円、自己資本比率44.5%、有利子負債136億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 17.9億円 | 15.5億円 | 21.8億円 | 2.4億円 |
| 2022/03期 | 17.5億円 | 16.1億円 | 20.6億円 | 1.4億円 |
| 2023/03期 | 12.9億円 | 45.7億円 | 15.1億円 | 32.7億円 |
| 2024/03期 | 19.3億円 | 45.5億円 | 27.1億円 | 26.3億円 |
| 2025/03期 | 33.6億円 | 37.6億円 | 4.4億円 | 4.0億円 |
営業キャッシュフローは2025年3月期に約33.6億円を創出し、本業の収益性は徐々に改善の兆しを見せています。一方で、半導体開発や設備投資に伴う投資キャッシュフローが継続的に流出しており、フリーキャッシュフロー(自由な資金)は依然として赤字の状態です。このため、借入金などの財務活動による資金調達に頼る構造となっており、今後は投資資金を本業の利益で賄えるキャッシュ創出能力の回復が強く求められます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.0%と改善の余地があるものの、ガバナンス体制においては監査等委員会設置会社として適切な監査機能の強化に努めている体制です。連結子会社9社を擁するグループ規模に対して、透明性の高い経営基盤の構築と環境配慮型オフィスへの移転等を通じた持続可能な経営に取り組んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 732万円 | 1,034人 | - |
従業員平均年収は732万円であり、電気機器業界の平均水準と比較しても安定した報酬水準を維持しています。長年の業績推移や専門性の高いアナログ半導体技術者の確保を背景に、人材投資を重視する企業体質が伺えます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価変動を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。2022期、2023期は半導体ブームを背景に株価が大きく上昇し、TOPIXを大幅に上回るリターンを記録しました。しかし、市況が悪化した2024期以降は株価が下落し、TOPIXのリターンを下回る(アンダーパフォーム)状況が続いています。これは、同社の業績と株価が半導体市況に大きく左右される特性を明確に示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 32円 | 58.6% |
| 2017/03期 | 32円 | 10.4% |
| 2018/03期 | 34円 | 34.2% |
| 2019/03期 | 38円 | 39.6% |
| 2020/03期 | 40円 | 105.2% |
| 2021/03期 | 36円 | 42.1% |
| 2022/03期 | 44円 | 15.2% |
| 2023/03期 | 56円 | 28.2% |
| 2024/03期 | 56円 | - |
| 2025/03期 | 56円 | - |
株主優待制度は実施していません。
同社は業績の変動に関わらず一定の配当水準を維持する姿勢を示しており、赤字局面でも年間56円の配当を継続しています。株主への利益還元を重要課題と位置づけ、安定的な配当維持を重視した方針を掲げています。ただし、業績が低迷する中での高配当維持は財務を圧迫する可能性もあるため、今後、持続的な利益成長が配当の源泉として不可欠です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 169.3万円 | 69.3万円 | 69.3% |
| 2022期 | 269.6万円 | 169.6万円 | 169.6% |
| 2023期 | 246.7万円 | 146.7万円 | 146.7% |
| 2024期 | 196.2万円 | 96.2万円 | 96.2% |
| 2025期 | 141.3万円 | 41.3万円 | 41.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
来期の黒字転換期待からPERは61.6倍と業界平均より割高ですが、PBRは1.06倍と資産価値から見て標準的な水準です。信用買残が売り残を大幅に上回っており、信用倍率は1,399倍と極めて高く、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いことを示唆しています。一方で、これは将来的な売り圧力にもなりうるため注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 12.1億円 | 2.7億円 | 22.6% |
| 2022/03期 | 41.3億円 | 9.7億円 | 23.5% |
| 2023/03期 | 39.8億円 | 18.0億円 | 45.2% |
| 2024/03期 | -24.5億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | -8.2億円 | 0円 | - |
業績が堅調だった2023年3月期までは、利益の拡大に伴い適正な法人税等を納付していました。しかし、直近2期は連結赤字を計上したため、法人税等の支払いは発生していません。2026年3月期には黒字転換を予想しており、約1億円の法人税等の納付が見込まれています。
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トレックス・セミコンダクター まとめ
「スマホやPCの省エネを支える『電源IC』の職人集団、市況の波に耐え次の成長サイクルを待つ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。