マキタ
Makita Corporation
最終更新日: 2026年4月30日
「充電でひとつに。」世界No.1の電動工具メーカーが、バッテリー1つで暮らしと仕事を変える
充電プラットフォームの拡大を通じて、ゼロエミッション社会の実現に貢献する
この会社ってなに?
家のDIYで使うインパクトドライバーや電動ドリル。庭の手入れで活躍する充電式芝刈り機や草刈り機。引っ越しのとき大活躍する充電式クリーナー。あなたの暮らしの「ちょっとした修理」から「本格DIY」まで、マキタの工具は世界中のホームセンターで手に取れます。建設現場のプロが毎日使う信頼の道具は、実はあなたの日常にも驚くほど身近な存在です。充電式なのでコードレスで手軽に使え、バッテリーは1つ買えば200以上の製品で共有できる「充電プラットフォーム」という画期的な仕組みが、世界中のユーザーに支持されています。
FY2025/3期は売上高7,531億円(前期比+1.6%)、営業利益1,070億円(同+61.8%)と大幅な増益を達成し、コロナ後の在庫調整から完全回復しました。FY2026/3期はトランプ関税の影響懸念から会社予想は営業利益1,000億円(前期比-6.6%)と減益見込みですが、期中に2度の上方修正を行い業績回復基調は鮮明です。2026年3月にはパナソニックの電動工具事業買収を発表し、工場向け締付工具・IoTソリューションの獲得で事業領域を拡大。無借金経営・自己資本比率83.7%の強固な財務基盤を活かし、PER 18.9倍・PBR 1.37倍と成長期待が織り込まれつつある水準です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県安城市住吉町3-11-8
- 公式
- www.makita.co.jp
社長プロフィール
マキタは「充電プラットフォーム」を核に、エンジンから充電への転換を推し進めています。2005年にリチウムイオンバッテリーを業界に先駆けて採用して以来、200機種以上の充電式製品を展開してまいりました。2026年にはパナソニック様の電動工具事業を仲間に迎え、工場向け市場という新たなフロンティアに挑戦します。約180カ国のお客様に「充電でひとつに。」の価値を届け、ゼロエミッション社会の実現に貢献してまいります。
この会社のストーリー
創業者・牧田茂三郎が愛知県名古屋市で電灯器具・モーター・変圧器の販売修理業として創業しました。
日本初の携帯用電気カンナ「モデル1000」を開発・発売。電動工具メーカーとしての歩みが始まりました。
米国、欧州への輸出を開始し、現地法人を次々と設立。グローバル展開の基盤を築きました。
業界に先駆けてリチウムイオンバッテリー搭載の電動工具を発売。「エンジンから充電へ」の転換が始まりました。
1:2の株式分割を実施し個人投資家の参入を促進。充電式園芸用機器の拡大で新たな成長軌道に乗りました。
コロナ特需の反動による世界的な在庫調整で営業利益が前期比69%減の282億円に。しかし財務基盤は揺るがず、翌期からV字回復を果たしました。
パナソニック エレクトリックワークスの電動工具事業を買収し、工場向け締付工具・IoTソリューションの新領域に進出。充電プラットフォームの更なる拡大を目指します。
注目ポイント
バッテリー1つで200機種以上の製品に対応する「充電プラットフォーム」戦略が世界中のプロとDIYユーザーに支持されています。約180カ国で販売される圧倒的なグローバルブランドです。
有利子負債ゼロの完全無借金経営を維持しながら、1兆円超の総資産を持つ稀有な製造業。景気後退局面でも倒産リスクが極めて低く、安心して長期保有できる銘柄です。
年間配当20円下限・総還元性向35%以上の明確な方針。3年以上保有でQUOカードや自社製品がもらえる株主優待制度も長期投資家にとって魅力的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 50.5円 | 32.9% |
| FY2017/3 | 100円 | 60.6% |
| FY2018/3 | 61円 | 30.2% |
| FY2019/3 | 62円 | 30.2% |
| FY2020/3 | 53円 | 30.1% |
| FY2021/3 | 69円 | 30.2% |
| FY2022/3 | 72円 | 30.2% |
| FY2023/3 | 21円 | 48.7% |
| FY2024/3 | 57円 | 35.2% |
| FY2025/3 | 110円 | 37.3% |
| 必要株数 | 100株以上(約53万円) |
| 権利確定月 | 3月 |
| 長期特典 | 3年以上継続保有(3月末・9月末の株主名簿に7回以上連続で記載)が条件 |
FY2025/3期は年間配当110円(中間20円+期末90円)と前期の57円から大幅増配を実現しました。配当方針は「年間20円を下限、総還元性向35%以上」としており、FY2025/3期は37.3%の実績です。FY2026/3期は中間20円を発表済みですが期末は未定のため、EPS 280.1円に対し35%配当性向で年間約100円を想定しています。株主優待は3年以上の長期保有が条件でQUOカードまたは自社製品を贈呈しており、長期投資家への還元姿勢が明確です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は売上高7,531億円(前期比+1.6%)、営業利益1,070億円(同+61.8%)とV字回復を果たしました。FY2023/3期にコロナ特需の反動による世界的な在庫調整で営業利益が282億円まで急落しましたが、2期で完全に回復しています。EPSがFY2022/3の238.5円からFY2023/3の43.1円へ急減しているのは在庫調整による一時的な利益急減であり、株式分割の影響ではありません。FY2026/3期は期初に関税リスクを警戒し減益予想を出しましたが、2度の上方修正を経て売上高7,600億円・営業利益1,000億円へ引き上げています。
事業ごとの売上・利益
国内129営業所による直販体制。プロ向け電動工具と充電式園芸用機器が主力
最大の海外市場。英国・ドイツ・フランス等で高シェア。充電式OPEへの転換が加速
米国・カナダでのプロ向け市場。DeWalt・Milwaukeeとの競合が激しい
オーストラリア・中国・東南アジアで展開。新興国市場の成長余地が大きい
中南米・中東・アフリカ等。ブラジルが主要市場
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.1% | 7.6% | - |
| FY2022/3 | 9.2% | 6.4% | - |
| FY2023/3 | 1.5% | 1.1% | - |
| FY2024/3 | 5.3% | 4.1% | 8.9% |
| FY2025/3 | 8.8% | 7.2% | 14.2% |
FY2025/3期の営業利益率は14.2%と、経営目標の「安定的に10%以上」を大幅に上回る水準まで回復しました。FY2023/3期にはコロナ特需反動の在庫調整で3.7%まで低下しましたが、わずか2年でV字回復を果たしています。ROE 8.5%は高収益メーカーとしてはやや控えめですが、自己資本比率83.7%という極めて厚い資本基盤(≒無借金経営)を踏まえると健全な水準です。
財務は安全?
マキタの最大の特徴は完全無借金経営です。有利子負債ゼロを維持しながら、自己資本比率は83.7%と製造業トップクラスの財務健全性を誇ります。BPSは5期連続で増加し3,441.9円に到達。FY2022/3~FY2023/3期に在庫積み増しで総資産が一時1兆円超に膨らみましたが、その後の在庫正常化で効率的な資産構成に回帰しています。パナソニック電動工具事業の買収にも、この強固な財務基盤が大きな強みとなります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 2,371億円 | -256億円 | -1,913億円 | 2,115億円 |
| FY2025/3 | 1,299億円 | -379億円 | -335億円 | 920億円 |
FY2022/3期は在庫大量積み増しにより営業CFが▲1,037億円と大幅マイナスに転落しましたが、FY2024/3期には在庫解消で2,371億円の営業CFを創出し急回復。FY2025/3期もFCF 920億円と安定したキャッシュ創出力を示しています。無借金経営のため財務CFは配当と自社株買いが中心で、投資CFも設備投資程度に留まる健全な構造です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 872億円 | 252億円 | 28.9% |
| FY2022/3 | 925億円 | 277億円 | 30.0% |
| FY2023/3 | 239億円 | 122億円 | 51.0% |
| FY2024/3 | 640億円 | 203億円 | 31.8% |
| FY2025/3 | 1,085億円 | 291億円 | 26.9% |
FY2026/3期予想の税引前利益約1,000億円に対し、法人税等の負担は約270億円、実効税率27.0%を見込んでいます。グローバルに約50カ国で事業展開しており、各国の税制に応じた適正な税負担構造となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 695万円 | 17,641人 | - |
平均年収はFY2024/3に業績連動賞与の減少で647万円に低下しましたが、FY2025/3は695万円に回復しました。FY2023/3の大幅減益が翌年の賞与減に反映された構図です。単体従業員数は約3,400名(連結では約17,600名)、平均年齢39.9歳・平均勤続年数16.5年と定着率が高く、愛知県の製造業としては堅実な水準です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人等による安定保有が43%を占め、取引先投資会やメインバンク三菱UFJ・三井住友の保有が安定基盤を形成しています。外国人投資家の比率が41.3%と高く、グローバル投資家からの評価が株価に直結する構造です。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)13.77%で、日本カストディ銀行5.1%と合わせた信託口が約19%を占めます。事業法人では関連会社のマルワ(3.23%)とマキタ取引先投資会(2.18%)が安定株主として機能。メインバンクの三菱UFJ銀行(3.13%)・三井住友銀行(2.15%)に加え、日本生命(1.98%)やJA全共連(1.89%)など機関投資家が名を連ねています。外国人比率41.3%と機関投資家主体の流動性の高い構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 約1,500億円 | 約200億円 | 約13% |
| 欧州 | 約2,600億円 | 約400億円 | 約15% |
| 北米 | 約1,300億円 | 約150億円 | 約12% |
| アジア・オセアニア | 約1,100億円 | 約150億円 | 約14% |
| その他 | 約1,000億円 | 約100億円 | 約10% |
マキタは電動工具・園芸用機器で世界シェアNo.1クラスのグローバルメーカーです。約50カ国に直接進出し約180カ国で販売。海外売上比率は約80%に達し、特に欧州が最大市場として利益を牽引しています。成長戦略の柱は「エンジンから充電へ」の転換で、リチウムイオンバッテリー技術を核に200以上の充電式製品を展開する「充電プラットフォーム」戦略が競争優位の源泉です。2026年のパナソニック電動工具事業買収により、工場向け締付工具・IoTソリューションという新領域への進出も始まります。
この会社のガバナンスは?
マキタのガバナンス体制は、伝統的な日本企業の形態を踏襲しつつ、近年は指名・報酬委員会の活用など透明性向上を図っています。女性役員比率は7.1%(1人/13人)と、経営層のジェンダー多様性については依然として改善の余地を残しているものの、監査体制の強化やコーポレートガバナンスの充実に継続して取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 540億円 | 793億円 | 793億円 | +46.9% |
| FY2026/3 | 540億円 | 730億円 | — | +35.2%(修正幅) |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
マキタは正式な中計を開示しない代わりに、営業利益率10%以上・総還元性向35%以上という明確な経営指標を掲げています。FY2025/3期はいずれも目標を大幅に上回り、特に営業利益率は14.2%と高水準を達成しました。業績予想は毎期保守的に出した後、期中に上方修正するパターンが続いており、FY2026/3期も初期予想から35%の上方修正を行っています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(配当込みトータルリターン)は158.5%とプラスリターンを確保していますが、同期間のTOPIX(213.4%)に対し約55ポイントのアンダーパフォームが続いています。FY2023/3期の在庫調整による業績急落が主因で、FY2022からFY2023にかけてTSRが145.2%→103.8%へ大幅に悪化しました。しかしFY2024以降はV字回復が進んでおり、パナソニック電動工具事業の買収効果が本格化すればTOPIXとの差の縮小が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 145.2万円 | +45.2万円 | 45.2% |
| FY2022 | 123.0万円 | +23.0万円 | 23.0% |
| FY2023 | 103.8万円 | +3.8万円 | 3.8% |
| FY2024 | 135.4万円 | +35.4万円 | 35.4% |
| FY2025 | 158.5万円 | +58.5万円 | 58.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 18.9倍は機械セクター平均(20.5倍)をやや下回る水準で、業績回復と成長期待の織り込みが進行中です。信用倍率2.81倍は中立的な需給環境を示しています。最大の特徴は自己資本比率83.7%で、セクター平均45.2%を大幅に上回る圧倒的な財務健全性です。次の注目イベントは4月28日の通期決算発表で、FY2026/3実績とFY2027/3予想が開示される見込みです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
パナソニック エレクトリックワークスの電動工具事業を買収する株式譲渡契約を締結。工場向け締付工具やIoTソリューション技術を獲得し、事業領域の拡大を図る。FY2026中の完了を目指す。
Q3決算発表と同時に通期最終利益予想を7%上方修正し730億円に引き上げ。あわせて自社株買いの実施も発表し、株価はストップ高水準まで急騰した。
Q2決算で好調な業績を確認し、通期最終利益予想を27%上方修正。円安の追い風と欧州・北米での販売回復が寄与した。
FY2026/3期Q1(4-6月期)は最終利益が前年同期比20%増益で着地。在庫調整一巡後の需要回復が確認された。
FY2025/3期本決算は最終利益793億円(前期比82%増)と大幅増益を達成。一方、FY2026/3期の会社予想は関税リスクを警戒し32%減益と慎重な見通しを示した。
最新ニュース
マキタ まとめ
ひとめ診断
「パナソニック電動工具事業の買収で工場向け市場に本格参入。世界No.1の充電式工具メーカーが描く次の成長」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
老舗のポンプ商社が、水処理エンジニアリングと環境ソリューションで社会インフラを支えるメーカーへと変貌中
『半導体をプラスチックで固める』技術で世界首位、生成AIブームの追い風を受ける精密金型技術の巨人
電子部品実装ロボット世界トップクラス。AIサーバー需要を追い風に業績V字回復へ
創業120年の水インフラの巨人が、M&Aを駆使して官民連携ビジネスの覇権を狙う
工場の血管をつなぐ『カプラ』で世界シェアを握る、省力・省人化の黒子企業
建機フィルター世界首位が、コロナ特需を経てナノファイバー技術を武器に異業種へ挑む技術者集団
浮体式海洋石油・ガス生産設備(FPSO)で世界トップクラス。設計から運転保守まで一貫提供
世界首位のエンジン部品メーカーが、EV化の逆風を『両輪経営』で乗りこなそうとしている状態