月島ホールディングス
TSUKISHIMA HOLDINGS CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
創業120年、水と産業のインフラを支え、M&Aで未来を拓く変革のチャレンジャー
事業領域の拡充とグループ収益力の強化を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値の継続的な向上を目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使う水道の水が安全に蛇口から出てきたり、お風呂やキッチンで使った水がきれいになって川に放流されたりする、その裏側で月島ホールディングスの技術が活躍しています。同社は、全国の浄水場や下水処理場の設計・建設・メンテナンスを担う、社会インフラの「縁の下の力持ち」です。また、あなたが普段使っている化学製品や食品が工場で作られる過程でも、同社の分離装置や乾燥機などの産業機械が重要な役割を果たしています。私たちの快適で安全な生活は、月島ホールディングスのような企業の技術に支えられているのです。
月島ホールディングスは、上下水道施設などの水環境事業と産業向けプラント事業を主力とする老舗企業です。FY2025は売上高1,392.3億円(前期比12.1%増)、営業利益89.1億円(同31.8%増)と大幅な増益を達成しました。JFEエンジニアリングとの事業統合によるシナジー効果が本格化しており、官民連携事業(PPP/PFI)の受注拡大が成長を牽引しています。新中期経営計画ではROIC7%以上を掲げ、資本効率を意識した経営へと舵を切っており、今後の収益性改善が期待されます。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区晴海三丁目5番1号
- 公式
- www.tsk-g.co.jp
社長プロフィール

当社は1905年の創業以来、社会インフラを支える技術を提供してきました。今後はM&Aも積極的に活用して事業規模を拡大し、資本効率を意識した経営で企業価値の継続的向上を目指します。株主の皆様のご期待に応えるべく、中期経営計画を着実に遂行してまいります。
この会社のストーリー
創業者である黒板半六が、機械工業による社会貢献を目指し、東京・月島に工場を設立。日本の近代化を支える一歩を踏み出した。
事業拡大に伴い、月島機械株式会社として法人化。組織基盤を固め、さらなる成長への土台を築いた。
戦後の復興期に株式を上場し、社会的な信用を獲得。公開企業として新たな発展のステージへと進んだ。
経営の効率化と専門性の強化を図るため、月島ホールディングス株式会社を設立し、持株会社体制へと移行。グループ経営を本格化させた。
攪拌技術に強みを持つプライミクスをグループに加え、産業事業分野での技術力と製品ラインナップを強化した。
国内の水エンジニアリング事業をJFEエンジニアリングと統合し、「月島JFEアクアソリューション」を発足。業界再編を主導し、国内トップクラスの事業基盤を確立した。
PBR向上を最重要課題と位置づけ、資本効率性を重視した新中期経営計画をスタート。ROIC7%以上、ROE8%以上を目標に掲げ、企業価値向上へのコミットメントを明確にした。
注目ポイント
JFEエンジニアリングとの水事業統合など、積極的なM&Aや事業再編を敢行。業界のリーダーとして変革を主導し、持続的な成長基盤を構築しています。社長自ら「会社の規模を大きくしたい」と語る成長意欲も魅力です。
株主資本配当率(DOE)3.5%以上を掲げ、安定的かつ継続的な配当を目指しています。総還元性向50%以上も目標としており、株主への利益還元に積極的な姿勢がうかがえます。株主優待のお米も人気です。
上下水道の処理施設や化学プラントなど、人々の生活や産業に不可欠なインフラを手掛けています。100年以上にわたり培った技術力で、環境問題などの社会課題解決に貢献するサステナブルな企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 22円 | 31.5% |
| FY2017/3 | 17円 | 34.5% |
| FY2018/3 | 17円 | 25.6% |
| FY2019/3 | 22円 | 19.6% |
| FY2020/3 | 24円 | 18.4% |
| FY2021/3 | 24円 | 108.9% |
| FY2022/3 | 30円 | 16.1% |
| FY2023/3 | 40円 | 41.6% |
| FY2024/3 | 42円 | 67.3% |
| FY2025/3 | 78円 | 50.3% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針は、2026年3月期から新たにDOE(株主資本配当率)3.5%を基準とした安定的な還元方針を導入しました。これにより、短期的な利益変動に左右されにくい、より持続可能な配当支払いを目指しています。積極的な利益還元姿勢を維持しつつ、企業価値の向上と株主還元をバランス良く両立させる計画です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
月島ホールディングスは、水環境事業および産業機械事業を主力としており、過去数年間で売上高を約900億円から約1,400億円規模へ大きく拡大させました。特に直近では大型案件の進捗やグループ再編による事業基盤の強化が寄与し、2025年3月期には純利益が約67億円に到達する高い成長性を示しています。2026年3月期も増収増益を見込むなど、安定した受注環境を背景とした堅調な業績推移が続いています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.0% | 0.7% | - |
| FY2022/3 | 11.5% | 5.3% | - |
| FY2023/3 | 4.1% | 2.9% | - |
| FY2024/3 | 2.2% | 1.3% | 5.4% |
| FY2025/3 | 5.3% | 3.5% | 6.4% |
当社の収益性は、事業構造の最適化に伴い改善傾向にあります。かつては低調な期も見られましたが、直近では営業利益率が6.4%まで向上しており、利益創出の効率が高まっています。ROE(自己資本利益率)も6.0%まで回復しており、資本効率を重視した経営への転換が進んでいることが示唆されます。
財務は安全?
財務健全性の面では、2024年3月期に一時的な有利子負債の増加が見られましたが、2025年3月期には有利子負債を約773億円から約304億円へ大幅に削減し、財務体質を再び改善させています。自己資本比率も48.4%まで回復しており、事業投資と財務規律の両立を図る安定した経営基盤を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 101億円 | -44.5億円 | 73.2億円 | 56.4億円 |
| FY2022/3 | 8.1億円 | -53.7億円 | -6.3億円 | -45.5億円 |
| FY2023/3 | 82.3億円 | -28.2億円 | -116億円 | 54.1億円 |
| FY2024/3 | -56.3億円 | -27.7億円 | 74.4億円 | -84.0億円 |
| FY2025/3 | 185億円 | 14.3億円 | -205億円 | 199億円 |
営業キャッシュフローはプロジェクトの進捗に応じて変動する傾向にありますが、2025年3月期には約185億円の大きな営業キャッシュインを記録し、過去の流出を補って余りある高水準となりました。フリーキャッシュフローも大幅なプラスに転じており、これにより財務借入の返済を進める好循環が生まれています。今後の成長投資に向けた資金力は、着実に強化されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 61.2億円 | 51.7億円 | 84.4% |
| FY2022/3 | 65.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 56.5億円 | 14.3億円 | 25.4% |
| FY2024/3 | 78.1億円 | 51.4億円 | 65.7% |
| FY2025/3 | 103億円 | 35.9億円 | 35.0% |
法人税等の支払いは、連結納税の活用や繰延税金資産の影響により、各期で実効税率に大きなばらつきが見られます。特にFY2022/3は一時的な要因で実効税率が0%となった一方、FY2024/3などでは会計上の利益と税務上の処理の違いから一時的に税負担率が上昇しています。直近のFY2025/3以降は税率が平準化に向かっており、安定的なキャッシュアウトの予測が可能となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 766万円 | 3,510人 | - |
従業員平均年収は766万円となっており、プラントエンジニアリング業界としては比較的高水準な給与水準を維持しています。水インフラ市場での堅実な業績を背景に、安定的な収益基盤が社員への還元に反映されており、人材の定着や長期勤続を支える要因となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は日本製鋼所・野村 絢(常任代理人 三田証券)・月島ホールディングス従業員持株会。
主要株主は信託銀行や事業会社が占めており、安定した株主構成を維持しています。筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行を筆頭に、日本製鋼所や東京センチュリーなどの事業会社が上位に名を連ねており、長期的な信頼関係に基づく経営体制がうかがえます。従業員持株会も4%超の比率を維持しており、従業員と企業価値を共有するガバナンスが構築されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業は上下水道の浄水・処理施設を担う水環境事業と、化学プラント建設等の産業事業の二本柱です。開示情報からは、官民連携による水インフラの安定受注と環境対策技術への積極投資が継続的な成長リスクの低減に寄与していることが読み取れます。また、連結子会社29社を抱える大規模グループとして、効率的な経営体制の構築が喫緊の課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%であり、多様性の確保は今後の課題です。監査体制は監査報酬4,500万円を投じるなど強固に構築されており、29社の連結子会社を統括するガバナンス体制を整備しています。創業120年を超える歴史の中で、持続的な成長に向けた経営基盤の最適化が進められています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,300億円 | — | 1,392億円 | +7.1% |
| FY2024 | 1,300億円 | — | 1,242億円 | -4.5% |
| FY2023 | 1,000億円 | — | 978億円 | -2.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 70億円 | — | 89億円 | +27.4% |
| FY2024 | 70億円 | — | 68億円 | -3.4% |
| FY2023 | 50億円 | — | 50億円 | +0.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、最終年度(FY2027)に売上高1,440億円、営業利益95億円を目指しています。FY2025実績は売上高1,392.3億円、営業利益89.15億円と、期初予想を大幅に上回る好調な滑り出しとなりました。一方で、経営の最重要課題と位置付ける資本効率の目標、ROE8%以上・ROIC7%以上に対してはまだ道半ばです。政策保有株式の売却加速などで資産効率を高め、収益性を向上できるかが計画達成の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、安定的ながらも成長性に乏しいと見なされていたインフラ関連事業の特性や、資本効率の低さが株価の重しとなっていたことが背景にあります。しかし、FY2025にはTSRが140.7%まで急回復しており、これはJFEエンジニアリングとの事業統合や積極的な株主還元策(DOE導入、配当性向目標引き上げ)が市場に評価され始めた兆候と言えます。新中期経営計画で掲げるROE・ROIC目標の達成が、今後TOPIXをアウトパフォームするための鍵となるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 96.5万円 | -3.5万円 | -3.5% |
| FY2022 | 83.9万円 | -16.1万円 | -16.1% |
| FY2023 | 87.2万円 | -12.8万円 | -12.8% |
| FY2024 | 116.0万円 | +16.0万円 | 16.0% |
| FY2025 | 140.7万円 | +40.7万円 | 40.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
株価指標を見ると、PER16.4倍、PBR1.32倍と、機械セクターの平均と比較してやや割安な水準にあると考えられます。配当利回りは2.73%と業界平均を上回っており、魅力的です。信用倍率は6.77倍と買い残が多く、株価上昇への期待が伺えますが、将来の売り圧力になる可能性も注視が必要です。今後の決算で新中計の進捗が示されるかが市場の注目点となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
JFEエンジニアリングとアクアパイプライン事業の統合に向けた協議を開始し、水環境領域の基盤強化を図る。
マレーシア財閥と連携し、グループ初となる海外での産業廃棄物処理事業への参入を発表。
26年3月期第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比35.1%増の55.9億円となり、業績の好調さを示す。
最新ニュース
月島ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「創業120年の水インフラの巨人が、M&Aを駆使して官民連携ビジネスの覇権を狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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