ジャノメ
JANOME Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
創業100年超、家庭用ミシン国内首位から産業機器分野へ挑戦し続ける技術集団
私たちは、誠実と創造を信条に、常に新しい価値を生み出し、人々の豊かなくらしに貢献します。
この会社ってなに?
あなたが学生時代に家庭科の授業で使ったミシン、もしかしたらジャノメ製かもしれません。また、お子さんの入園・入学準備で手作りのバッグを作ったり、趣味で洋服や小物を作ったりするとき、多くの人がジャノメのミシンを選んでいます。実は、普段使っているスマートフォンや自動車の部品を作る工場の裏側で、ジャノメの「卓上ロボット」という精密機械が活躍しているのです。私たちの暮らしを支える「作る」場面で、ジャノメの技術が役立っています。
家庭用ミシン最大手のジャノメは、直近のFY2025決算で売上高363.4億円、営業利益22.24億円と減収増益を達成しました。FY2023に一時的な純損失を計上しましたが、続く2期で黒字を確保し、収益性の改善が進んでいます。特に、産業機器事業の育成を成長の第二の柱と位置づけつつ、FY2025には前期比15円増の年間配当40円を発表するなど、株主還元の強化も鮮明に打ち出しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都八王子市狭間町1463
- 公式
- www.janome.co.jp
社長プロフィール
当社は100年を超える歴史の中で培った技術力を基盤に、家庭用機器事業の安定収益と産業機器事業の成長を両輪として企業価値向上を目指します。新中期経営計画『Move!2027』では、変化を恐れず挑戦し、持続的な成長と株主還元の充実を実現してまいります。
この会社のストーリー
小瀬與作、亀松茂、飛松謹一が「パイン裁縫機械製作所」を創立。日本のミシン産業の幕開けとなる。
事業の成長に伴い株式を公開し、社会的な信用と資金調達力を高め、さらなる発展の基盤を築く。
革新的な技術で家庭用ミシンの新時代を切り開くコンピュータミシン「MEMORY 7」を発売し、世界を驚かせる。
ミシン製造で培った精密技術を応用し、卓上ロボットの製造・販売を開始。事業の多角化を進める。
リーマンショックの影響を受け業績が悪化。株価も上場来安値を記録するなど、厳しい経営環境に直面する。
創業100周年を機に、長年親しまれてきたブランド名「ジャノメ」を正式な社名とし、新たな一歩を踏み出す。
2025年3月期の年間配当を前期比15円増の40円とする増配を発表。安定した収益基盤を背景に株主への利益還元を積極化する。
持続的な企業価値向上を目指し、中長期的な利益成長に応じた株主還元と、事業ポートフォリオの変革を掲げる。
注目ポイント
100年以上の歴史で培った高い技術力とブランド力で、家庭用ミシン市場のトップを走り続けています。世界初の家庭用コンピュータミシンを開発した革新性も魅力です。
ミシンで培った精密技術を応用した卓上ロボットやエレクトロプレスなどの産業機器事業が第二の柱に成長。自動車や電子部品など多様な業界に展開し、将来の成長を牽引します。
安定した収益を背景に、積極的な株主還元を実施。2025年3月期には大幅な増配を発表し、高い配当利回りが期待できる点も投資家にとって大きな魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 25円 | 12.2% |
| FY2022/3 | 40円 | 30.3% |
| FY2023/3 | 25円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 25円 | 41.6% |
| FY2025/3 | 40円 | 40.5% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、連結業績に基づいた配当性向の目標設定と安定的な利益還元を基本戦略としています。直近ではFY2025/3に年間配当を40円へ増配するなど、株主還元の充実に意欲的です。今後もキャッシュフロー状況を注視しながら、持続的な配当維持・向上を目指す方針です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は360億円規模で推移しており、家庭用ミシン事業の国内シェア1位という強固な基盤を持ちつつも、直近は産業機器事業の成長による収益多角化を推進しています。FY2023/3には構造改革費用等により一時的な赤字を計上しましたが、その後は営業利益水準の回復基調が続いています。FY2026/3期は、新中期経営計画に基づく高付加価値製品の拡販により、売上高400億円・営業利益25億円の達成を目指す見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.0% | 7.3% | 11.2% |
| FY2022/3 | 7.6% | 4.7% | 8.5% |
| FY2023/3 | -1.2% | -0.8% | 5.5% |
| FY2024/3 | 3.2% | 2.2% | 4.7% |
| FY2025/3 | 5.1% | 3.6% | 6.1% |
収益性は、販売価格の適正化や製造コストの低減といった構造改革を経て、営業利益率がFY2024/3の4.7%から直近では6.1%へと緩やかな改善トレンドにあります。FY2023/3の純損失計上でROEは一時的に悪化しましたが、現在は事業効率の見直しにより回復局面を迎えています。今後の持続的な成長に向け、高付加価値な刺しゅう機能付きミシンや産業用ロボットの販売強化による利益率の向上が期待されます。
財務は安全?
自己資本比率はFY2025/3時点で約69.6%と極めて健全な水準を維持しており、盤石な財務基盤を構築しています。負債面では、成長投資や運転資金確保のため有利子負債を適度に活用していますが、潤沢な資産背景により財務的な懸念は限定的です。今後は、強固なネットアセット(純資産)を原資としつつ、戦略的なM&Aや設備投資を通じた企業価値向上が焦点となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 64.8億円 | -6.5億円 | -31.6億円 | 58.3億円 |
| FY2022/3 | 2.2億円 | 1.5億円 | -33.7億円 | 3.7億円 |
| FY2023/3 | 33.6億円 | -5.2億円 | -24.6億円 | 28.4億円 |
| FY2024/3 | 20.7億円 | 2.3億円 | -24.3億円 | 23.0億円 |
| FY2025/3 | 26.3億円 | -3.7億円 | -29.1億円 | 22.5億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業でしっかりと現金創出能力(キャッシュ・ジェネレーション)を発揮できています。投資キャッシュフローは、将来の成長に向けた設備投資や事業展開に伴い適宜支出がなされています。フリーキャッシュフロー(FCF)は恒常的に黒字を維持しており、この余剰資金を積極的な株主還元や新規事業投資に充てる好循環が形成されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 50.3億円 | 10.9億円 | 21.6% |
| FY2022/3 | 38.2億円 | 12.8億円 | 33.3% |
| FY2023/3 | 24.0億円 | 27.9億円 | 116.4% |
| FY2024/3 | 17.6億円 | 6.3億円 | 35.8% |
| FY2025/3 | 22.6億円 | 4.7億円 | 20.7% |
法人税等の支払いは各期の税引前利益の変動に応じた水準ですが、FY2023/3のように利益水準が低い局面では税負担比率が一時的に高まるケースが見られます。グローバル展開に伴い海外での納税も発生しており、連結実効税率は年度によって変動が生じる傾向にあります。今後は安定した利益成長により、税率の平準化と適切な納税が続く見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 633万円 | 2,388人 | - |
従業員の平均年収は633万円となっており、日本の製造業における平均水準と比較して安定した所得水準が維持されています。家庭用ミシン事業の堅調な推移や、産業機器事業への注力といった業績の多角化が、給与原資を支える背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はMM Investments・(株)りそな銀行。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合が一定程度存在します。また、MM Investments株式会社や大栄不動産など事業会社や投資会社が名を連ねており、安定した株主構成である一方、経営への影響力を持つ大株主の動向には留意が必要です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業は家庭用ミシン等の家庭用機器事業および、卓上ロボット等の産業機器事業の二本柱です。開示情報からは、海外市場における経済動向や為替変動リスクが収益に与える影響が大きく、グローバルな販売拠点におけるコスト管理が重要な経営課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が27.0%と、東証プライム上場企業の中でも比較的高い水準を実現しており、多様な視点を取り入れた経営体制が整っています。監査役会設置会社として適切な監査体制を維持しており、連結子会社18社を統括する製造業としてガバナンスの透明性を重視しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 400億円 | — | 363億円 | -9.2% |
| FY2024 | 400億円 | — | 365億円 | -8.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 25億円 | — | 22億円 | -11.0% |
| FY2024 | 25億円 | — | 17億円 | -31.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Move! 2027」では、最終年度のFY2027に売上高400億円、営業利益25億円を目指しています。FY2025実績は売上363.4億円、営業利益22.24億円であり、目標達成にはもう一段の成長が必要です。過去の業績予想は未達となるケースが散見されるため、計画の蓋然性には注意が必要ですが、ROE8%以上という資本効率の目標も掲げており、収益性改善への意識は高いと評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ジャノメのTSRは、FY2021からFY2025までの5年間、一貫してTOPIXを大幅に上回る「アウトパフォーム」を記録しています。特にFY2025は409.2%と、TOPIXの213.4%を大きく超過しました。これは、安定した株価推移に加え、積極的な増配による株主還元策が投資家に高く評価された結果と考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 294.9万円 | +194.9万円 | 194.9% |
| FY2022 | 274.0万円 | +174.0万円 | 174.0% |
| FY2023 | 245.9万円 | +145.9万円 | 145.9% |
| FY2024 | 275.7万円 | +175.7万円 | 175.7% |
| FY2025 | 409.2万円 | +309.2万円 | 309.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.68倍と、解散価値を示す1倍を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と判断される水準です。PERは業界平均並みですが、配当利回りは平均を上回っており、株主還元への評価がうかがえます。信用倍率は2.09倍と比較的落ち着いており、需給バランスは安定しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて純利益が前年同期比79.3%減となり、収益の厳しさが顕在化。
MM Investmentsによる保有割合の増加が報告され、安定株主への関心が高まった。
2025年3月期決算にて、売上高363.4億円、純利益17.94億円と黒字転換を達成。
最新ニュース
ジャノメ まとめ
ひとめ診断
「100年ミシンの老舗、産業用ロボットと高配当で次なる成長の糸を紡ぐ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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