アネスト岩田
ANEST IWATA Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
塗装機器で国内トップシェア!世界を舞台に成長を続ける100年企業
開発と新たなコトづくりに挑戦し、世界中の人々の暮らしを豊かにし、笑顔と活力に満ちた未来を実現する。
この会社ってなに?
あなたが毎日乗っている自動車、その美しいボディカラーを均一に塗装しているのは、アネスト岩田のスプレーガンかもしれません。また、スマートフォンの精密な部品を作る工場の裏側では、同社の真空ポンプやコンプレッサがクリーンな環境を保つために活躍しています。さらには、テーマパークで良い香りを演出する特殊な噴霧器も手掛けており、あなたが気づかないうちに、同社の技術が快適な体験を支えているのです。
塗装機器・圧縮機で国内トップシェアを誇る技術系メーカー。FY2024まで増収増益を続けたが、FY2025は売上高544.1億円(前期比+1.8%)、営業利益59.03億円(同-4.4%)と増収減益で着地。中国市場の減速などが響いた形だが、会社はFY2026に売上高580億円、営業利益55.5億円を見込む。株主還元に積極的で、DOE(株主資本配当率)7.0%~7.5%を目安とする新方針を打ち出しており、今後の収益力回復が株価の鍵を握る。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市港北区新吉田町3176
- 公式
- www.anestiwata-corp.com
社長プロフィール

2026年に迎える創業100周年に向けて、長期ビジョン「Vision2035」を策定し、持続的な成長を目指しています。コア技術である圧縮機・塗装機を深化させるとともに、M&Aも活用しながら新たな事業の柱を構築し、世界中のお客様の期待を超える価値を提供していきます。
この会社のストーリー
創業者である岩田右一が、塗装用スプレーガンの国産化を目指し、東京都渋谷区に「岩田製作所」を設立。国産初のスプレーガン製造を開始した。
「株式会社岩田塗装機製作所」として改組設立。塗装機のノウハウを活かし、小型コンプレッサの製造・販売を開始し、事業の多角化を進めた。
初の海外拠点として台湾に合弁会社を設立。これを皮切りに、グローバル展開を本格化させていく。
企業としての信頼性と資金調達力を高めるため、東京証券取引所市場第二部に上場を果たした。
「正直に、誠実に」という意味の「Anest」を冠し、現在の「アネスト岩田株式会社」に社名を変更。グローバル企業としてのブランドイメージを確立した。
欧州の子会社8社を完全子会社化し、経営基盤を強化。以降、M&Aを積極的に活用し、事業領域の拡大を進める。
EVベンチャーとの提携や、SUPER GTへのメインスポンサーとしての参戦を開始。既存事業の枠を超えた新たなブランド価値創造に挑戦している。
創業100周年を迎える。長期ビジョン「Vision2035」に基づき、売上高2倍を目指し、コア技術の深化と新事業創出でさらなる成長を目指す。
注目ポイント
主力製品である塗装スプレーガンは国内シェア7割超を誇るトップランナー。世界中の自動車産業や製造業を支える高い技術力が強みです。
株主への利益還元に積極的で、安定配当を目指す指標としてDOE(株主資本配当率)を導入。近年は連続増配も実施しており、投資家にとって魅力的な企業です。
創業100周年を機に、M&Aや新規事業への投資を加速。EVや香りの噴霧事業など、未来を見据えた新たな挑戦で持続的な成長を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 22円 | 35.4% |
| FY2017/3 | 20円 | 24.5% |
| FY2018/3 | 20円 | 29.7% |
| FY2019/3 | 22円 | 31.2% |
| FY2020/3 | 24円 | 36.8% |
| FY2021/3 | 24円 | 37.9% |
| FY2022/3 | 30円 | 34.8% |
| FY2023/3 | 38円 | 35.1% |
| FY2024/3 | 49円 | 40.1% |
| FY2025/3 | 45円 | 41.6% |
現在、株主優待制度は実施していません。
アネスト岩田は、安定的かつより多くの株主還元を実現するためにDOE(株主資本配当率)7.0%~7.5%を目安とした還元方針を採用しています。この方針に基づき、成長に伴う純資産の拡大と連動した配当実施を継続しています。今後も財務基盤を重視しつつ、持続的な利益成長と両立した積極的な還元が期待されます。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
アネスト岩田は、塗装機器やコンプレッサーの製造販売を主力とし、堅調なグローバル需要を背景に売上高はFY2021/3の約356億円からFY2025/3には約544億円まで拡大しました。特にFY2024/3までは増収増益基調が鮮明であり、積極的な海外展開と製品ラインナップの拡充が業績成長を牽引しました。FY2026/3期は、さらなる事業拡大を目指す中で、売上高580億円の更新を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.9% | 5.3% | - |
| FY2022/3 | 9.6% | 6.3% | - |
| FY2023/3 | 11.1% | 7.3% | - |
| FY2024/3 | 11.5% | 7.5% | 11.6% |
| FY2025/3 | 16.0% | 6.2% | 10.8% |
収益性については、売上高営業利益率が10%超の水準を維持しており、高付加価値な製品提供による安定的な利益創出能力を示しています。ROE(自己資本利益率)は概ね8%から9%台で推移しており、効率的な資本活用がなされています。FY2025/3には若干の低下が見られたものの、依然として業界内でも堅実な収益性を確保しています。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率はFY2025/3時点で67.7%という高い水準を維持しています。有利子負債は極めて少額に抑えられており、強固な資本基盤が構築されているため、景気変動に対する抵抗力は十分にあります。この厚い自己資本は、今後の成長投資や株主還元を支える重要な基盤となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 46.0億円 | -10.7億円 | -19.6億円 | 35.4億円 |
| FY2022/3 | 38.9億円 | -10.8億円 | -21.0億円 | 28.1億円 |
| FY2023/3 | 43.3億円 | -33.2億円 | -23.6億円 | 10.1億円 |
| FY2024/3 | 67.7億円 | -12.6億円 | -35.8億円 | 55.1億円 |
| FY2025/3 | 97.5億円 | -32.5億円 | -39.3億円 | 64.9億円 |
営業キャッシュフローは本業の安定した収益を背景に増加傾向にあり、FY2025/3には約97億円と高い創出力を示しました。設備投資への積極的な支出を行いつつも、フリーキャッシュフロー(FCF)は安定してプラスを維持しています。これらにより得られた余剰資金は、将来への再投資だけでなく、配当の増額など株主還元にも充てられています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 42.5億円 | 16.3億円 | 38.3% |
| FY2022/3 | 55.7億円 | 20.3億円 | 36.5% |
| FY2023/3 | 70.4億円 | 26.6億円 | 37.8% |
| FY2024/3 | 79.9億円 | 30.6億円 | 38.3% |
| FY2025/3 | 71.4億円 | 28.6億円 | 40.1% |
法人税等の支払いは税引前利益の変動に応じて推移しており、概ね30%台後半の実効税率となっています。FY2025/3は一時的な税負担率の上昇が見られましたが、基本的には国際的な事業展開に基づく各国税制の影響を受けています。FY2026/3期予想における実効税率の低下は、利益構成や税務効果の変動を見込んだものと考えられます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 582万円 | 1,906人 | - |
従業員平均年収は582万円となっており、製造業(機械業界)の平均水準と比較して堅実な給与水準を維持しています。長年の歴史を持つ企業として、持続可能な成長と利益還元を両立させながら、従業員への安定的な報酬分配が行われている背景があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 主な安定株主は第一生命保険・アネスト岩田得意先持株会・アネスト岩田仕入先持株会。
同社は安定株主である金融機関や持株会が上位を占めており、日本マスタートラスト信託銀行などの信託口が筆頭株主であることから、機関投資家からの関心が高い安定的な資本構成と言えます。創業家に関連する持株会も一定の割合を維持しており、長期的な視点に基づいた経営が継続されやすい環境が整っています。
会社の公式開示情報
役員報酬
空気圧縮機や塗装機器を主力とするグローバル企業であり、31社の連結子会社を通じて世界20カ国以上で事業を展開しています。為替変動や原材料価格の高騰といった事業リスクを抱えつつも、海外市場での販売強化やM&Aを通じた新たな事業モデルの構築を進めています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が22.2%と女性の登用を積極的に進めており、透明性の高いガバナンス体制を構築しています。連結子会社31社という中堅以上の企業規模を有し、適正な監査報酬を通じて健全な経営統治とリスク管理を遂行しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 385億円 | — | 423億円 | +9.97% |
| FY2023 | 440億円 | — | 485億円 | +10.25% |
| FY2024 | 518億円 | — | 534億円 | +3.15% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 36億円 | — | 48億円 | +32.78% |
| FY2023 | 49億円 | — | 58億円 | +19.14% |
| FY2025 | 56億円 | — | 59億円 | +6.36% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
アネスト岩田は現在、FY2026から始まる新中期経営計画を推進中です。FY2026の業績予想を実質的な初年度目標と見なせます。過去の業績予想を見ると、期初の保守的な予想を期末にかけて上回る傾向が強く、FY2022、FY2023と2桁%の大幅なポジティブサプライズを記録しています。ただし、FY2025は増収減益で着地し成長が鈍化しており、新中計で再び成長軌道に乗せられるかが焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたり継続してTOPIXをアンダーパフォームしています。FY2024には自社TSRが150.2%と高い伸びを示したものの、同期間のTOPIXは216.8%とさらにそれを上回る市場全体の好調さがありました。これは、同社の安定的ながらも爆発的な成長には至らない業績が、市場平均の上昇率にキャッチアップできていないことを示唆しています。株価は上昇基調にあるものの、市場全体のモメンタムを超えるほどの材料には乏しい状況が続いています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 106.1万円 | +6.1万円 | 6.1% |
| FY2022 | 88.8万円 | -11.2万円 | -11.2% |
| FY2023 | 109.9万円 | +9.9万円 | 9.9% |
| FY2024 | 150.2万円 | +50.2万円 | 50.2% |
| FY2025 | 133.3万円 | +33.3万円 | 33.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRは業界平均並みで、割高感も割安感も限定的です。配当利回りは平均を上回っており、株主還元への意識が評価されている可能性があります。一方、信用倍率は4.22倍と買い残が優勢で、将来の株価上昇を見込む投資家が多いことを示唆していますが、需給の緩みを警戒する声も出そうです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
EVベンチャーのHWエレクトロと資本業務提携を締結し、新領域への進出を加速。
SUPER GT GT300クラスへの参戦体制を刷新し、ブランド力の強化を図る。
2026年の創業100周年に向けた「未完成の100周年記念プロジェクト」を開始。
最新ニュース
アネスト岩田 まとめ
ひとめ診断
「自動車塗装のガリバーが、創業100周年を機にEVや香りビジネスにも触手を伸ばす野心的な老舗メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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