三櫻工業6584
Sanoh Industrial Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段運転する自動車、その安全を支える重要な部品を三櫻工業が作っています。エンジンに燃料を送ったり、ブレーキを確実に効かせたりするための細いパイプ(チューブ)が主力製品で、日本の自動車の多くに搭載されています。また、近年では見えないところでも社会を支えています。例えば、動画配信やオンラインゲームを支えるデータセンター。そのサーバーが熱くなりすぎないように冷やすための高度な冷却システムも開発しており、デジタル社会の裏側で活躍している会社です。
独立系の自動車部品メーカーで、自動車用チューブでは国内シェア約4割を誇る。2025期は売上高1595.4億円、営業利益48.60億円と増収減益で着地。2024期に80.53億円の営業利益を達成したものの、2025期は給与水準引き上げや特別退職金の計上などが響き、利益水準が低下している。既存事業の収益性を確保しつつ、EV関連、全固体電池、データセンター冷却といった成長領域への投資を加速しており、事業ポートフォリオの転換が今後の収益回復の鍵を握る。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 茨城県古河市鴻巣758番地
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 10.2% | 4.2% | - |
| 2022/03期 | 2.6% | 1.1% | - |
| 2023/03期 | 2.2% | 0.9% | - |
| 2024/03期 | 9.6% | 4.0% | 5.1% |
| 2025/03期 | 1.5% | 0.6% | 3.0% |
| 3Q FY2026/3 | 4.4%(累計) | 1.3%(累計) | 3.1% |
収益性は、自動車生産台数の変動や原材料費・人件費の上昇による影響を強く受けており、2023/03期には営業利益率が1.0%まで低下しました。2024/03期には営業利益率が5.1%まで改善しROEも8.7%を記録しましたが、直近では再び低下基調にあります。高収益な体質への転換には、固定費の効率化と高付加価値な製品群の拡販が不可欠です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,137億円 | — | 36.3億円 | 100.2円 | - |
| 2022/03期 | 1,159億円 | — | 10.1億円 | 27.9円 | +2.0% |
| 2023/03期 | 1,377億円 | — | 9.1億円 | -25.1円 | +18.8% |
| 2024/03期 | 1,568億円 | 80.5億円 | 42.2億円 | 117.4円 | +13.9% |
| 2025/03期 | 1,595億円 | 48.6億円 | 7.4億円 | 20.6円 | +1.7% |
三櫻工業の業績は、自動車メーカー向けの配管部品が主力であり、2024/03期には売上高が約1,568億円まで拡大し、営業利益も約81億円と大幅に回復しました。しかし、2025/03期以降は国内・海外市場における減産影響などにより、売上高成長が鈍化し利益面でも苦戦を強いられています。今後は、自動車部品事業に加え、新たな成長の柱として取り組むFA(工場自動化)や水冷ソリューション事業の寄与が重要となります。 【3Q 2026/03期実績】売上1172億円(通期予想比80%)、営業利益36億円(同66%)、純利益16億円(同90%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
自動車用配管部品を主軸としつつ、全固体電池やデータセンター向け水冷ソリューション等の新事業領域へ注力している点が特徴です。連結子会社30社を擁しグローバル展開を進めていますが、為替変動や自動車減産のリスクを常に抱える事業構造となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 1,180億円 | — | 1,159億円 | -1.8% |
| 2023期 | 1,280億円 | — | 1,377億円 | +7.6% |
| 2024期 | 1,460億円 | — | 1,568億円 | +7.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 73億円 | — | 22億円 | -70.1% |
| 2025期 | 80億円 | — | 49億円 | -39.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の業績予想を見ると、売上高は市況の好転を背景に期初予想を上回る傾向にあります。しかし、利益面では原材料価格の高騰や人件費増、新事業への先行投資などが重なり、特に2022期と2025期で大幅な下方乖離が発生しています。中期経営計画の開示はありませんが、足元の業績予想の精度には課題があり、収益性の安定化が経営の最優先事項と言えるでしょう。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
LexxPluss社との提携を発表し、自動搬送ソリューション事業の基盤強化を図る。
第3四半期決算にて、四半期純利益が前年同期比45.8%増の16億1,300万円を達成。
特別退職金の計上により一時的なコストが発生し、将来的な経営効率化に向けた構造改革に着手。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、自己資本比率が概ね40%前後で安定推移しており、一定の耐性を維持しています。一方で、成長投資や設備増強に伴い有利子負債が増加傾向にあり、2025/03期末時点では約826億円まで膨らんでいます。今後の成長戦略を実現しつつ、どのように負債をコントロールし資本効率を高めていくかが鍵となります。 【3Q 2026/03期】総資産1300億円、純資産492億円、自己資本比率28.5%、有利子負債449億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 78.9億円 | 2.6億円 | 87.9億円 | 76.3億円 |
| 2022/03期 | 33.4億円 | 56.5億円 | 8.1億円 | 23.1億円 |
| 2023/03期 | 56.8億円 | 44.5億円 | 29.1億円 | 12.3億円 |
| 2024/03期 | 101億円 | 71.4億円 | 7.4億円 | 30.0億円 |
| 2025/03期 | 84.8億円 | 81.2億円 | 40.9億円 | 3.7億円 |
営業活動によるキャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業での稼ぐ力は健在です。一方で、成長に向けた設備投資や資本業務提携などの投資活動が活発化しており、投資CFの支出が続いています。フリーキャッシュフローは変動が激しいものの、事業拡大のための先行投資を優先している段階と見られます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が25.0%と、製造業としては比較的高い水準で多様性が確保されています。連結子会社30社を統括する体制において、監査報酬6,300万円を投じた強固な監査体制を敷くことで、大規模なグローバル事業における適正なガバナンス強化を図っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 657万円 | 7,748人 | - |
従業員平均年収は657万円となっており、自動車部品業界の中堅〜大手企業として標準的かつ安定した水準を維持しています。近年は給与水準の引き上げも実施されていますが、業績変動に伴う人件費増が収益面に影響を与える局面もあります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、2021期を除き、一貫してTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。特に2024期、2025期はTOPIXが大きく上昇する中で株価が伸び悩み、差が拡大しました。これは、自動車業界の減産影響や原材料費高騰による収益性悪化が株価の重しとなったことが主な要因と考えられます。株主還元の強化は行っているものの、本業の収益力回復がTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 24円 | - |
| 2017/03期 | 24円 | 81.4% |
| 2018/03期 | 25円 | 18.4% |
| 2019/03期 | 25円 | - |
| 2020/03期 | 17円 | 28.4% |
| 2021/03期 | 15円 | 15.0% |
| 2022/03期 | 25円 | 89.6% |
| 2023/03期 | 25円 | - |
| 2024/03期 | 26.5円 | 22.6% |
| 2025/03期 | 28円 | 136.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、業績に応じた利益還元を基本としつつも、株主への安定した利益還元を重視する姿勢を示しています。業績変動により配当性向が一時的に高騰することもありますが、配当額は近年増配傾向にあります。今後の持続的な成長と利益配分のバランスをどう取るかが配当水準維持の焦点です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 191.1万円 | 91.1万円 | 91.1% |
| 2022期 | 108.2万円 | 8.2万円 | 8.2% |
| 2023期 | 105.8万円 | 5.8万円 | 5.8% |
| 2024期 | 180.5万円 | 80.5万円 | 80.5% |
| 2025期 | 114.0万円 | 14.0万円 | 14.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPBRは0.56倍と著しく低く、株価が資産価値に対して割安と評価されています。配当利回りは4.02%と業界平均を大きく上回り、高配当株としての魅力があります。一方で、信用倍率は44.28倍と非常に高く、将来の売り圧力となる信用買い残が積み上がっている点には注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 37.7億円 | 1.4億円 | 3.6% |
| 2022/03期 | 25.8億円 | 15.8億円 | 61.0% |
| 2023/03期 | 14.9億円 | 24.0億円 | 160.9% |
| 2024/03期 | 73.0億円 | 30.8億円 | 42.2% |
| 2025/03期 | 46.0億円 | 38.6億円 | 84.0% |
法人税等の支払額は各期で変動が大きく、特に利益が低迷した時期や繰延税金資産の影響等により実効税率が著しく高くなるケースが見られます。収益の安定に伴い、税率負担の正常化が待たれる状況です。今後も国際的な事業展開に伴う税務リスクを注視する必要があります。
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三櫻工業 まとめ
「自動車配管シェア4割の老舗が、EV・データセンター冷却・全固体電池へ大胆にアクセルを踏み込む変革期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。