三櫻工業
Sanoh Industrial Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
自動車チューブ国内シェアNo.1、次世代技術で未来を拓く独立系部品メーカー
『技術』を核として、地球環境と人類の持続的発展に貢献するグローバル企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段運転する自動車、その安全を支える重要な部品を三櫻工業が作っています。エンジンに燃料を送ったり、ブレーキを確実に効かせたりするための細いパイプ(チューブ)が主力製品で、日本の自動車の多くに搭載されています。また、近年では見えないところでも社会を支えています。例えば、動画配信やオンラインゲームを支えるデータセンター。そのサーバーが熱くなりすぎないように冷やすための高度な冷却システムも開発しており、デジタル社会の裏側で活躍している会社です。
独立系の自動車部品メーカーで、自動車用チューブでは国内シェア約4割を誇る。FY2025は売上高1595.4億円、営業利益48.60億円と増収減益で着地。FY2024に80.53億円の営業利益を達成したものの、FY2025は給与水準引き上げや特別退職金の計上などが響き、利益水準が低下している。既存事業の収益性を確保しつつ、EV関連、全固体電池、データセンター冷却といった成長領域への投資を加速しており、事業ポートフォリオの転換が今後の収益回復の鍵を握る。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 茨城県古河市鴻巣758番地
- 公式
- www.sanoh.com
社長プロフィール

自動車業界が大変革期を迎える中、全社一丸となって変化に対応し、企業価値の向上に努めます。既存の自動車部品事業の競争力を強化するとともに、電動化や新エネルギーといった未来の分野へも積極的に挑戦し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
この会社のストーリー
創業者・小河龍櫻が、東京に自動車部品販売を目的とする「三櫻商会」を設立。これがグローバル企業への第一歩となる。
自動車の安全性を左右する重要部品であるブレーキチューブの製造を開始。コア事業の礎を築く。
「SANOH-WALL」と名付けられた二重巻鋼管の量産に成功。高い技術力を業界に示し、事業拡大を加速させる。
米国オハイオ州に初の海外製造拠点「ハイサン工業」を設立。グローバル展開を本格的に開始する。
東京工業大学と共同で新型の「熱電発電素子」を開発。自動車部品で培った技術を応用し、新領域へ進出する。
全固体電池を開発する米ソリッドパワー社へ出資。EV化の潮流を見据え、未来のコア技術への布石を打つ。
生成AIの普及で需要が拡大するデータセンター向けの水冷ソリューション開発を発表。社会の新たなニーズに応える。
ロボティクス・スタートアップ企業LexxPlussと資本業務提携。自社の工場自動化ノウハウを外部へ販売する新事業を加速させる。
注目ポイント
全固体電池や熱電発電素子、データセンター冷却システムなど、自動車業界の枠を超えた未来の技術に積極的に投資。社会の課題解決に貢献する新事業を創造しています。
主力製品である自動車用チューブは国内シェア約4割と圧倒的な強みを持ちます。世界中の自動車メーカーから信頼される高い技術力が、安定した経営基盤を支えています。
安定的な配当を継続しており、配当利回りは4%を超える水準です。堅実な事業基盤を背景に、株主への利益還元にも積極的に取り組んでいます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 15.0% |
| FY2022/3 | 25円 | 89.6% |
| FY2023/3 | 25円 | 0.1% |
| FY2024/3 | 26.5円 | 22.6% |
| FY2025/3 | 28円 | 136.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、業績に応じた利益還元を基本としつつも、株主への安定した利益還元を重視する姿勢を示しています。業績変動により配当性向が一時的に高騰することもありますが、配当額は近年増配傾向にあります。今後の持続的な成長と利益配分のバランスをどう取るかが配当水準維持の焦点です。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
三櫻工業の業績は、自動車メーカー向けの配管部品が主力であり、FY2024/3には売上高が約1,568億円まで拡大し、営業利益も約81億円と大幅に回復しました。しかし、FY2025/3以降は国内・海外市場における減産影響などにより、売上高成長が鈍化し利益面でも苦戦を強いられています。今後は、自動車部品事業に加え、新たな成長の柱として取り組むFA(工場自動化)や水冷ソリューション事業の寄与が重要となります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.2% | 4.2% | 3.1% |
| FY2022/3 | 2.4% | 1.0% | 1.9% |
| FY2023/3 | -2.3% | -0.9% | 1.0% |
| FY2024/3 | 8.7% | 3.8% | 5.1% |
| FY2025/3 | 1.5% | 0.6% | 3.0% |
収益性は、自動車生産台数の変動や原材料費・人件費の上昇による影響を強く受けており、FY2023/3には営業利益率が1.0%まで低下しました。FY2024/3には営業利益率が5.1%まで改善しROEも8.7%を記録しましたが、直近では再び低下基調にあります。高収益な体質への転換には、固定費の効率化と高付加価値な製品群の拡販が不可欠です。
財務は安全?
財務健全性については、自己資本比率が概ね40%前後で安定推移しており、一定の耐性を維持しています。一方で、成長投資や設備増強に伴い有利子負債が増加傾向にあり、FY2025/3末時点では約826億円まで膨らんでいます。今後の成長戦略を実現しつつ、どのように負債をコントロールし資本効率を高めていくかが鍵となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 78.9億円 | -2.6億円 | -87.9億円 | 76.3億円 |
| FY2022/3 | 33.4億円 | -56.5億円 | 8.1億円 | -23.1億円 |
| FY2023/3 | 56.8億円 | -44.5億円 | -29.1億円 | 12.3億円 |
| FY2024/3 | 101億円 | -71.4億円 | 7.4億円 | 30.0億円 |
| FY2025/3 | 84.8億円 | -81.2億円 | 40.9億円 | 3.7億円 |
営業活動によるキャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業での稼ぐ力は健在です。一方で、成長に向けた設備投資や資本業務提携などの投資活動が活発化しており、投資CFの支出が続いています。フリーキャッシュフローは変動が激しいものの、事業拡大のための先行投資を優先している段階と見られます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 37.7億円 | 1.4億円 | 3.6% |
| FY2022/3 | 25.8億円 | 15.8億円 | 61.0% |
| FY2023/3 | 14.9億円 | 24.0億円 | 160.9% |
| FY2024/3 | 73.0億円 | 30.8億円 | 42.2% |
| FY2025/3 | 46.0億円 | 38.6億円 | 84.0% |
法人税等の支払額は各期で変動が大きく、特に利益が低迷した時期や繰延税金資産の影響等により実効税率が著しく高くなるケースが見られます。収益の安定に伴い、税率負担の正常化が待たれる状況です。今後も国際的な事業展開に伴う税務リスクを注視する必要があります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 657万円 | 7,748人 | - |
従業員平均年収は657万円となっており、自動車部品業界の中堅〜大手企業として標準的かつ安定した水準を維持しています。近年は給与水準の引き上げも実施されていますが、業績変動に伴う人件費増が収益面に影響を与える局面もあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は神鋼商事・本田技研工業・スズキ。
主要株主に日本マスタートラスト信託銀行等の機関投資家が名を連ねる一方、本田技研工業やスズキといった主要な自動車メーカーが上位株主として安定的な関係を構築しています。創業家関連の出資も確認でき、独立系自動車部品メーカーとして長年培った強固な取引基盤が構成に反映されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
自動車用配管部品を主軸としつつ、全固体電池やデータセンター向け水冷ソリューション等の新事業領域へ注力している点が特徴です。連結子会社30社を擁しグローバル展開を進めていますが、為替変動や自動車減産のリスクを常に抱える事業構造となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が25.0%と、製造業としては比較的高い水準で多様性が確保されています。連結子会社30社を統括する体制において、監査報酬6,300万円を投じた強固な監査体制を敷くことで、大規模なグローバル事業における適正なガバナンス強化を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 1,180億円 | — | 1,159億円 | -1.8% |
| FY2023 | 1,280億円 | — | 1,377億円 | +7.6% |
| FY2024 | 1,460億円 | — | 1,568億円 | +7.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 73億円 | — | 22億円 | -70.1% |
| FY2025 | 80億円 | — | 49億円 | -39.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の業績予想を見ると、売上高は市況の好転を背景に期初予想を上回る傾向にあります。しかし、利益面では原材料価格の高騰や人件費増、新事業への先行投資などが重なり、特にFY2022とFY2025で大幅な下方乖離が発生しています。中期経営計画の開示はありませんが、足元の業績予想の精度には課題があり、収益性の安定化が経営の最優先事項と言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2021を除き、一貫してTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。特にFY2024、FY2025はTOPIXが大きく上昇する中で株価が伸び悩み、差が拡大しました。これは、自動車業界の減産影響や原材料費高騰による収益性悪化が株価の重しとなったことが主な要因と考えられます。株主還元の強化は行っているものの、本業の収益力回復がTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 191.1万円 | +91.1万円 | 91.1% |
| FY2022 | 108.2万円 | +8.2万円 | 8.2% |
| FY2023 | 105.8万円 | +5.8万円 | 5.8% |
| FY2024 | 180.5万円 | +80.5万円 | 80.5% |
| FY2025 | 114.0万円 | +14.0万円 | 14.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPBRは0.56倍と著しく低く、株価が資産価値に対して割安と評価されています。配当利回りは4.02%と業界平均を大きく上回り、高配当株としての魅力があります。一方で、信用倍率は44.28倍と非常に高く、将来の売り圧力となる信用買い残が積み上がっている点には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
LexxPluss社との提携を発表し、自動搬送ソリューション事業の基盤強化を図る。
第3四半期決算にて、四半期純利益が前年同期比45.8%増の16億1,300万円を達成。
特別退職金の計上により一時的なコストが発生し、将来的な経営効率化に向けた構造改革に着手。
最新ニュース
三櫻工業 まとめ
ひとめ診断
「自動車配管シェア4割の老舗が、EV・データセンター冷却・全固体電池へ大胆にアクセルを踏み込む変革期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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