イビデン
IBIDEN CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
AIの「土台」を作る。世界トップクラスのICパッケージ基板メーカー
革新的な技術で、豊かな社会の発展に貢献する。
この会社ってなに?
ChatGPTやGeminiなどの生成AIを動かすには、高性能なAIチップが必要です。そのチップを基板の上に載せて電気信号をやり取りする「ICパッケージ基板」を作っているのがイビデンです。エヌビディアのGPUやインテルのCPUにも同社の基板が使われており、AIブームの裏側を支える縁の下の力持ちといえます。スマートフォンやデータセンターなど、私たちのデジタル生活を支える半導体の「土台」を作っている会社です。
イビデンは半導体チップを載せるICパッケージ基板で世界トップクラスのシェアを持つ電子部品メーカーです。エヌビディアやインテルなど世界的な半導体メーカーを主要顧客とし、AIサーバー向け高機能基板の需要急増が追い風となっています。FY2025/3は売上高3,694億円(前期比ほぼ横ばい)、営業利益476億円(営業利益率12.9%)と安定した業績を維持。FY2026/3は売上高4,100億円(+11.0%)、営業利益480億円を見込みます。2026年度から3年間で5,000億円の設備投資計画を発表し、AIサーバー向けICパッケージ基板の増産に本格着手。時価総額2.3兆円、PER 82.4倍と市場の成長期待は非常に高く、中期経営計画では売上高6,500億円・営業利益率18%を目標に掲げています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 岐阜県大垣市神田町2-1
- 公式
- www.ibiden.co.jp
社長プロフィール
私たちは、人と地球環境を大切にし、革新的な技術で、豊かな社会の発展に貢献します。ICパッケージ基板とセラミック製品の二つの柱で、デジタル社会と環境保全の両立を目指してまいります。
この会社のストーリー
岐阜県の揖斐川の水力を利用した電力供給会社として設立されました。社名の由来は「揖斐電(イビデン)」です。
東京証券取引所に株式を上場。電力事業から電子部品・セラミック事業へと事業構造を大胆に転換しました。
半導体の高機能化に伴い、ICパッケージ基板の製造に参入。インテルとの取引を開始し、主力事業への道を歩み始めました。
PC向け半導体の急成長に伴い、ICパッケージ基板でインテル向けのシェアを拡大し、世界トップクラスの地位を確立しました。
デンソーと資本業務提携を締結し、次世代排気システムや自動車の電動化技術での協業を開始しました。
エヌビディア向けのAIサーバー用ICパッケージ基板の供給を開始し、インテル依存からの脱却を進めています。
3年間で5,000億円を投じる過去最大の設備投資を発表。AI時代の半導体需要を取り込み、売上高6,500億円を目指します。
注目ポイント
エヌビディアやインテルのチップを載せるICパッケージ基板で世界トップクラスのシェアを持ち、AI時代のインフラを支えています。
2026年度から3年間で5,000億円という過去最大の設備投資を発表。エヌビディア・インテルからの前払いを受けるなど、顧客からの強い信任を得ています。
揖斐川の水力発電から始まり、セラミック、電子部品、そしてAI半導体基板へと100年以上にわたり事業を進化させ続けてきた変革力が最大の強みです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 35円 | 63.3% |
| FY2017/3 | 35円 | 0.2% |
| FY2018/3 | 35円 | 42.1% |
| FY2019/3 | 35円 | 147.9% |
| FY2020/3 | 35円 | 43.2% |
| FY2021/3 | 35円 | 19.0% |
| FY2022/3 | 40円 | 13.5% |
| FY2023/3 | 40円 | 17.7% |
| FY2025/3 | 40円 | 16.6% |
なし(2021年3月権利分をもって優待制度を廃止)
配当はFY2022/3から年間40円で安定推移しており、配当利回りは0.48%と低水準です。配当性向は13〜19%と低く、利益の大部分を成長投資に振り向ける方針です。株主優待は2021年3月を最後に廃止されています。現在は5,000億円規模の大型設備投資を控えており、当面は安定配当を維持しつつ、投資効果が顕在化した段階で増配に転じることが期待されます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3は半導体需要の追い風を受け売上高4,011億円(+24.0%)と大幅増収を達成しましたが、FY2023/3以降は半導体市場の調整局面に入り、売上高は3,700億円前後で推移しています。営業利益率は12〜13%台で安定しており、FY2026/3は売上高4,100億円(+11.0%)と増収に転じる見通しです。AI半導体向けICパッケージ基板の需要拡大が回復の主因であり、中期的には5,000億円の大型設備投資によるさらなる売上拡大が見込まれます。
事業ごとの売上・利益
ICパッケージ基板、プリント配線板が主力。AIサーバー向け高機能基板の需要拡大が成長ドライバー。エヌビディア・インテル向けが中心。売上構成比約73%。
自動車用DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)、触媒担体保持・シール材が主力。排ガス規制の強化が追い風。売上構成比約27%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.2% | 4.4% | - |
| FY2022/3 | 14.9% | 6.2% | - |
| FY2023/3 | 19.3% | 6.1% | - |
| FY2024/3 | 9.9% | 2.8% | 12.8% |
| FY2025/3 | 12.1% | 3.1% | 12.9% |
FY2022/3は半導体需要のピークで営業利益率17.7%、ROE 11.1%と高水準を記録しましたが、その後は市場調整により営業利益率12〜13%、ROE 6〜7%に落ち着いています。大規模な設備投資に伴い総資産が1兆円を超える規模に膨らんだためROAは3%前後にとどまっていますが、これは成長投資フェーズの特徴です。中期経営計画では営業利益率18%への回帰を目標としており、AI向け新工場の稼働開始が収益性改善のカギとなります。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の5,785億円からFY2023/3には1兆1,300億円へと倍増しました。これは大型設備投資に伴う有形固定資産の増加と、投資資金の調達が主因です。自己資本比率はFY2021/3の54.6%からFY2025/3には45.3%へ低下し、FY2025/3には有利子負債4,950億円が計上されています。積極的な成長投資により一時的にレバレッジが上昇していますが、BPSは3,513円と着実に蓄積されており、設備投資が収益化すれば財務体質の改善が期待されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 390億円 | -823億円 | -62.4億円 | -434億円 |
| FY2022/3 | 1,084億円 | -677億円 | 139億円 | 407億円 |
| FY2023/3 | 1,257億円 | -1,040億円 | 926億円 | 217億円 |
| FY2024/3 | 1,452億円 | -773億円 | 675億円 | 680億円 |
| FY2025/3 | 1,189億円 | -1,642億円 | -71.1億円 | -453億円 |
営業CFはFY2022/3に1,084億円、FY2023/3に1,452億円と1,000億円超のキャッシュを創出する力を持っています。一方、投資CFはFY2025/3に-1,642億円と大幅なマイナスとなり、半導体向け新工場建設への積極投資が表れています。FY2021/3とFY2025/3はFCFがマイナスですが、これは将来の収益拡大に向けた先行投資の結果です。FY2023/3には財務CFが+675億円となっており、設備投資のための資金調達を行ったことが読み取れます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 407億円 | 150億円 | 36.9% |
| FY2022/3 | 744億円 | 332億円 | 44.6% |
| FY2023/3 | 762億円 | 240億円 | 31.5% |
| FY2024/3 | 511億円 | 197億円 | 38.4% |
| FY2025/3 | 479億円 | 142億円 | 29.6% |
納税額はFY2022/3に税引前利益744億円に対し332億円とピークを記録しましたが、FY2025/3は税引前利益479億円に対し142億円(実効税率29.6%)と効率的な税負担となっています。FY2022/3の実効税率が44.6%と高かったのは、海外子会社の税効果や一時的な税務調整の影響によるものです。FY2026/3は税引前利益480億円に対し200億円の納税を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 736万円 | 11,168人 | - |
平均年収736万円は電気機器セクターの中では標準的な水準です。従業員数は連結で約11,000人を擁し、岐阜県大垣市を中心に国内外29の連結子会社を展開しています。平均年齢40.3歳、平均勤続年数17年と、長期雇用型の安定した組織構成が特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はイビデン協力会社持株会氏。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(14.1%)で、機関投資家による保有が中心です。豊田自動織機(4.5%)が事業法人として安定的に保有し、地元の十六銀行や大垣共立銀行といった岐阜県の金融機関も名を連ねています。外国人持株比率は約35%と高く、半導体関連銘柄としてグローバル投資家の関心が高い銘柄です。ただし2026年2月には政策保有株の見直しにより金融機関5社が計687万株を売出しており、株主構成は変化の途上にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 電子事業 | 約2,700億円 | 約380億円 | 約14% |
| セラミック事業 | 約1,000億円 | 約100億円 | 約10% |
イビデンの事業は電子事業(約73%)とセラミック事業(約27%)の2本柱で構成されています。電子事業はAI半導体向けICパッケージ基板が急成長しており、エヌビディアやインテルといった世界的な半導体メーカーを顧客に持ちます。セラミック事業はディーゼル車の排ガス浄化フィルターが主力で、環境規制の強化に伴い安定した需要があります。利益率は電子事業が約14%、セラミック事業が約10%で、高付加価値品の比率向上により電子事業の利益率改善が中期的な課題です。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中、女性取締役は2名(16.7%)と改善の余地があります。連結子会社29社を擁するグローバル企業で、国内外に生産拠点を展開しています。設備投資額は1,573億円と大規模で、AI半導体向け新工場建設への積極投資が表れています。平均勤続年数17年と長期雇用が根付いており、技術蓄積を重視する企業文化を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,900億円 | — | 3,694億円 | -5.3% |
| FY2026 | 4,100億円 | — | — | 進行中 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 420億円 | — | 476億円 | +13.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 260億円 | 310億円 | — | +19.2%(上方修正) |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
イビデンは2023年度から5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」を推進中です。売上高6,500億円・営業利益率18%という野心的な定量目標を掲げていますが、半導体市場の調整期が重なり、計画3年目のFY2026/3時点では売上高4,100億円(目標比63%)に留まる見通しです。一方で、2026年度からの3年間で5,000億円という過去最大規模の設備投資を発表しており、エヌビディア・インテルからの前払いを受けるなど顧客からの強いコミットメントを得ています。投資効果が本格化する2027〜2028年度に向けて、目標達成への期待が高まっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2024までは自社TSRがTOPIXを上回っていましたが、FY2025はTSR 176.9%に対しTOPIX 213.4%とアンダーパフォームに転じています。半導体市場の調整局面による業績の足踏みと、大型設備投資に伴う先行コスト増が株価の重しとなりました。ただし5,000億円投資の効果が本格化する2027年度以降、TSRの改善が見込まれます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 216.2万円 | +116.2万円 | 116.2% |
| FY2022 | 258.3万円 | +158.3万円 | 158.3% |
| FY2023 | 227.1万円 | +127.1万円 | 127.1% |
| FY2024 | 287.4万円 | +187.4万円 | 187.4% |
| FY2025 | 176.9万円 | +76.9万円 | 76.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 82.4倍、PBR 4.71倍とセクター平均を大幅に上回るバリュエーションで取引されており、AI半導体関連の成長期待が織り込まれています。信用倍率は4.60倍と買い長の状況で、個人投資家の押し目買い意欲が強いことを示しています。配当利回りは0.48%と低水準ですが、5,000億円投資による中長期の成長ポテンシャルがプレミアムの根拠となっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期の通期経常利益を5%下方修正しました。半導体市場の調整局面の影響を反映したものです。
FY2026/3期の純利益を4%上方修正しました。AI関連需要の回復が想定以上に進んだことが要因です。
2026年度から3年間で5,000億円を投じ、ICパッケージ基板の増産体制を構築する計画を発表しました。
政策保有株の見直しにより、金融機関5社が計687万株の売出しを実施しました。
最新ニュース
イビデン まとめ
ひとめ診断
「ICパッケージ基板で世界トップクラス。AI半導体の需要拡大を追い風に5,000億円の大型投資で成長加速」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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