イーグル工業
EAGLE INDUSTRY CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
「漏れを防ぐ」技術で世界の産業を支える、メカニカルシールのグローバルリーダー
比類なき技術で、安全・安心な社会の実現と地球環境に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが毎日乗っている自動車や、家庭で使うエアコン、さらには社会を支える工場の機械まで、多くの製品には液体や気体が漏れないようにする「シール」という重要な部品が使われています。イーグル工業は、このシール部品のトップメーカーの一つです。例えば、自動車のエンジンオイルが漏れずに、安全に走り続けられるのは同社の精密な技術のおかげ。普段は目にすることのない小さな部品ですが、私たちの快適で安全な生活を静かに支えている、縁の下の力持ちのような存在です。
自動車向けを主軸とするシール部品大手。FY2025実績は売上高1,681.7億円、営業利益84.9億円と安定成長を維持し、4期連続の増配も実現。最大の注目点は2026年10月に予定される親会社NOKとの経営統合であり、これにより重複事業の効率化とEVなど次世代領域での開発力強化を目指す。統合までは既存事業の収益力強化と株主還元が経営の焦点となる。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝公園2-4-1 芝パークビル14F
- 公式
- www.ekkeagle.com
社長プロフィール
自動車業界の変革や半導体市場の調整など、事業環境は常に変化しています。私たちは、こうした変化に対応するため新製品開発と生産能力の強化に注力し、中期経営計画の目標達成と持続的な成長を通じて、すべてのステークホルダーの期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
親会社であるNOKのメカニカルシール製造部門が独立。資本金5,000万円で、流体を制御するシール技術の専門メーカーとして歩みを始める。
設立10周年を機に商号を変更し、新たなブランドイメージを構築。グローバル展開への礎を築く。
着実な成長を背景に株式上場を果たし、社会的信用と資金調達力を高め、さらなる事業拡大の基盤を固める。
上場からわずか2年で市場第一部へ。企業としての成長性と安定性が市場に高く評価された。
世界的な金融危機により、主力の自動車・建設機械業界が大きな打撃を受ける。厳しい事業環境を乗り越え、経営基盤の強化を図る。
2026年3月期に売上高2,000億円、営業利益145億円という挑戦的な目標を設定。EV化など次世代技術への対応と株主還元強化を打ち出す。
親会社NOKと共同持株会社を設立し、経営統合を予定。両社の技術を融合し、電動車向け高付加価値部品の開発などシナジー創出を目指す。
注目ポイント
自動車や船舶、ロケットまで幅広い分野で使われる「メカニカルシール」の大手。精密な技術で流体の漏れを防ぎ、世界の産業機械の心臓部を支えています。
4期連続の増配を発表するなど、株主への利益還元に積極的。安定した財務基盤を背景に、配当利回りの高さも投資家にとって魅力的なポイントです。
2026年に親会社NOKと経営統合を予定。両社の強みを掛け合わせ、EV(電気自動車)など次世代市場向け製品開発を加速させ、新たな成長を目指します。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 61.2% |
| FY2022/3 | 50円 | 43.0% |
| FY2023/3 | 70円 | 50.1% |
| FY2024/3 | 80円 | 49.7% |
| FY2025/3 | 100円 | 93.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針としてDOE(株主資本配当率)3.0%以上を目安に掲げ、安定的な還元を実施しています。近年の業績向上と資本政策の強化により、配当水準は着実に引き上げられています。中期経営計画期間中の株主還元を重視しており、株主への利益配分には積極的な姿勢が維持されています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
イーグル工業はメカニカルシール等のシール製品を主力とし、国内外の自動車・建設機械業界向けの需要を背景に売上高を堅実に積み上げてきました。FY2023/3からFY2024/3にかけては売上高が1,600億円規模へと伸長し、規模の拡大を実現しています。FY2025/3は純利益が48.8億円に留まりましたが、FY2026/3予想では85億円の純利益を見込んでおり、収益回復基調にあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.3% | 2.3% | 4.4% |
| FY2022/3 | 5.5% | 3.2% | 5.4% |
| FY2023/3 | 6.0% | 3.5% | 5.9% |
| FY2024/3 | 6.0% | 3.6% | 4.9% |
| FY2025/3 | 4.0% | 2.4% | 5.1% |
収益性はROE(自己資本利益率)や営業利益率で見ると安定的ながらも、製造業としての成長余地を模索する段階にあります。営業利益率は5%前後の水準で推移しており、製品の付加価値向上やコスト削減が今後の重要課題です。FY2025/3のROEは4.0%となりましたが、更なる効率的な資本活用が収益性改善には不可欠な状況です。
財務は安全?
財務健全性は非常に高く、自己資本比率は50%台後半を維持しています。FY2024/3以降は有利子負債が1,100億円規模で計上されていますが、総資産とのバランスを考慮すれば安定した財務基盤と言えます。強固な自己資本を背景に、経営統合や今後の投資機会に向けた余力を備えています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 178億円 | -52.0億円 | -26.6億円 | 126億円 |
| FY2022/3 | 122億円 | -68.5億円 | -116億円 | 53.9億円 |
| FY2023/3 | 123億円 | -80.5億円 | -31.7億円 | 42.7億円 |
| FY2024/3 | 177億円 | -120億円 | -64.1億円 | 57.1億円 |
| FY2025/3 | 137億円 | -104億円 | -83.1億円 | 32.5億円 |
営業キャッシュフローは毎期100億円を超える水準を確保しており、本業による安定した収益獲得能力を示しています。潤沢なキャッシュフローを原資として積極的な投資を実行しつつ、財務基盤の健全性を保っています。投資CFは主に生産設備への投下や技術開発に充てられており、将来の成長への布石となっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 84.5億円 | 44.4億円 | 52.5% |
| FY2022/3 | 108億円 | 51.0億円 | 47.2% |
| FY2023/3 | 123億円 | 54.8億円 | 44.6% |
| FY2024/3 | 138億円 | 63.1億円 | 45.7% |
| FY2025/3 | 120億円 | 71.5億円 | 59.4% |
実効税率は年度によって変動が大きく、特にFY2025/3は約59%と高い負担率を記録しました。これは税務上の調整や繰延税金資産の影響などが要因と考えられます。FY2026/3の予想値では税負担が大幅に軽減される見通しとなっており、利益の質や税制上の個別事情を反映したものと見られます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 834万円 | 6,268人 | - |
従業員平均年収は834万円と、製造業の中でも比較的高水準を維持しています。これはグローバルに展開するメカニカルシール事業の安定した収益力と、持続的な業績拡大に伴うベースアップや賞与の還元が反映された結果と言えます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はNOK・イーグル工業持株会。
NOK株式会社が32.02%の株式を保有する筆頭株主であり、盤石な親密関係を構築しています。その他の大株主には国内外の機関投資家や第一生命保険が名を連ねており、安定株主が一定割合を占める構成です。今後はNOKとの経営統合により持株会社体制へ移行するため、株主構造の大きな再編が予定されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力のメカニカルシール事業は、自動車や建設機械、航空機など幅広い産業に製品を供給しています。半導体市場の需要変動や原材料価格の高騰を主要リスクとして認識しており、経営統合を通じた開発力の強化と生産効率の最適化を成長の柱として進めています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%と改善の余地があるものの、社外取締役を登用し経営の監督機能を高めています。連結子会社43社を抱えるグローバルな企業規模を適正に統制するため、監査報酬や内部統制の強化を通じて透明性の高い経営体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,700億円 | — | 1,682億円 | -1.1% |
| FY2024 | 1,680億円 | — | 1,670億円 | -0.6% |
| FY2023 | 1,520億円 | — | 1,574億円 | +3.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 90億円 | — | 85億円 | -5.6% |
| FY2024 | 95億円 | — | 81億円 | -14.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、最終年度(FY2026)に売上高2,000億円、営業利益145億円という過去最高益を目指しています。直近のFY2025実績は売上高1,681.7億円、営業利益84.9億円で、進捗率はそれぞれ84%、59%です。売上は堅調なものの、半導体業界の在庫調整などの影響で利益率が目標に届いておらず、利益目標の達成が今後の課題となっています。2026年10月のNOKとの経営統合を見据え、収益性改善と成長戦略の実行が求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、毎年TOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを達成しています。特にFY2025は自社TSRが340.4%に対しTOPIXは213.4%と、その差は顕著です。この背景には、安定した業績成長を背景とした継続的な増配と、NOKとの経営統合発表による将来的な企業価値向上への期待が株価を押し上げたことが要因です。株主還元への積極的な姿勢が、市場から高く評価されていることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 183.2万円 | +83.2万円 | 83.2% |
| FY2022 | 158.7万円 | +58.7万円 | 58.7% |
| FY2023 | 200.3万円 | +100.3万円 | 100.3% |
| FY2024 | 307.1万円 | +207.1万円 | 207.1% |
| FY2025 | 340.4万円 | +240.4万円 | 240.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに業界平均と比較してやや割安な水準にあります。信用倍率は2.87倍と比較的落ち着いており、過熱感はありません。最大のイベントは2026年10月の親会社NOKとの経営統合であり、それに伴い9月29日に上場廃止となる予定です。統合による企業価値向上への期待が株価を支える一方、統合までの期間は市場の関心が薄れる可能性も考慮すべきでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中期経営計画期間中における株主還元方針の一部変更を発表し、市場の評価を高めた。
NOK株式会社と共同持株会社を設立する経営統合契約を締結。
第3四半期累計経常利益が前年同期比29.8%増の124億円となり、業績の好調さが示された。
最新ニュース
イーグル工業 まとめ
ひとめ診断
「自動車・産業機械の『漏れ』を防ぐシール部品の巨人が、親会社NOKとの再統合でEV時代への完全シフトを狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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