住友重機械工業6302
Sumitomo Heavy Industries, Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段使うペットボトルや食品容器は、住友重機械工業の射出成形機で作られている可能性があります。また、回転寿司のレーンを動かす精密減速機や、ビルの建設現場で活躍するクレーン、街のごみ処理施設の焼却プラントにも同社の技術が使われています。さらに、半導体の製造工程で使われるイオン注入装置でも世界有数のシェアを持ち、スマートフォンやパソコンの性能向上を陰で支えています。目に見えにくい産業のインフラを幅広く支える、縁の下の力持ちです。
住友重機械工業は1888年に別子銅山の機械修理工場として創業し、現在は精密減速機、プラスチック射出成形機、産業用クレーン、油圧ショベル、環境プラント、造船など幅広い事業を展開する総合重機械メーカーです。2025年12月期は売上高1兆669億円、営業利益515億円を計上。中期経営計画2026では受注高1兆2,000億円、営業利益800億円を目標に掲げ、半導体関連装置やロボット用精密減速機など成長分野への投資を加速しています。一方で主力事業の収益性改善に向け、2026年2月には希望退職500人の募集を発表するなど構造改革にも着手しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
精密減速機、射出成形機、工作機械など。ロボット用サイクロ減速機は世界トップシェア。
環境プラント、産業機械、エネルギー関連設備など。ごみ焼却プラントで国内有力。
油圧ショベル、クレーン、物流システムなど。建設機械は国内外で展開。
造船、発電設備、水処理システムなど。住友重機械マリンエンジニアリングが造船を担当。
半導体関連装置(イオン注入装置)、検査装置など。
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/12実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 8.5% | 4.0% | - |
| 2022/12期 | 1.0% | 0.5% | - |
| 2023/12期 | 5.5% | 2.7% | - |
| 2024/12期 | 1.2% | 0.6% | 5.1% |
| 2025/12期 | 4.7% | 2.3% | 4.8% |
営業利益率は概ね5〜7%で推移しており、重機械メーカーとしては標準的な水準です。ROEは2022/12期と2024/12期に大幅に低下していますが、これは一時的な減損処理や事業再編費用の計上によるもので、通常期は5%前後を確保しています。中期経営計画ではROIC7%を目標に掲げており、資本効率の改善が今後の重要課題です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 9,440億円 | 0円 | 441億円 | 359.6円 | — |
| 2022/12期 | 8,541億円 | 0円 | 57.8億円 | 47.2円 | -9.5% |
| 2023/12期 | 1.1兆円 | 0円 | 327億円 | 267.3円 | +26.6% |
| 2024/12期 | 1.1兆円 | 551億円 | 77.2億円 | 63.9円 | -1.0% |
| 2025/12期 | 1.1兆円 | 515億円 | 309億円 | 257.4円 | -0.4% |
住友重機械工業は2022年に決算期を3月から12月に変更しました。2022/12期は9か月の変則決算のため前年比較が困難ですが、2023/12期では12か月通期で売上高1兆815億円と過去最高を更新しました。2024/12期・2025/12期は半導体関連の需要減や中国市場の低迷が響き、営業利益が伸び悩んでいます。2026/12期は中期経営計画のもと、営業利益600億円への回復を見込んでいますが、中計最終目標の800億円には道半ばの状況です。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| メカトロニクス | 3,280億円 | 220億円 | 6.7% |
| インダストリアルプロセス | 2,150億円 | 135億円 | 6.3% |
| ロジスティクス&コンストラクション | 2,620億円 | 95億円 | 3.6% |
| エネルギー&ライフライン | 1,800億円 | 48億円 | 2.7% |
| その他 | 820億円 | 17億円 | 2.1% |
メカトロニクスが売上構成の約31%を占め、精密減速機と射出成形機が収益の柱です。営業利益率はメカトロニクスが6.7%と最も高く、成長ドライバーとなっています。エネルギー&ライフラインは造船事業の構造改革が課題で利益率は低水準です。事業リスクとしては半導体市場の景気循環や為替変動、原材料高が主要な懸念材料であり、多角化された事業ポートフォリオによるリスク分散が経営上の強みとなっています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年春闘でベースアップ1万6,000円の満額回答を実施。4年連続の満額回答で人材確保への姿勢を鮮明にしました。
主力事業の収益性低下を受け、55歳以上を対象に希望退職500人を募集すると発表。構造改革を加速させています。
蒸気タービン・ポンプメーカーの新日本造機を酉島製作所に売却。事業ポートフォリオの見直しを推進しています。
北米サプライチェーン強化のため米Riverside Spline & Gear社を買収。精密歯車の製造能力を拡大しました。
東北大発スタートアップのサウンドウェーブイノベーションとアルツハイマー向け治療機器で資本業務提携を発表。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2025/12末時点
総資産は1兆3,200億円規模で、自己資本比率は50%超を安定的に維持しており、財務健全性は高い水準を保っています。BPS(1株当たり純資産)は5,672円と堅調に増加しており、資産の蓄積が進んでいます。有利子負債のデータは開示ベースで未反映ですが、ネットキャッシュ体質であり、積極的な投資や株主還元を支える十分な財務基盤を有しています。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 617億円 | ▲497億円 | ▲281億円 | 120億円 |
| 2022/12期 | 214億円 | ▲373億円 | 217億円 | ▲159億円 |
| 2023/12期 | 654億円 | ▲433億円 | ▲172億円 | 221億円 |
| 2024/12期 | 128億円 | ▲495億円 | 419億円 | ▲367億円 |
| 2025/12期 | 637億円 | ▲594億円 | ▲71.5億円 | 43.1億円 |
営業キャッシュフローは年度によって振れ幅がありますが、通常期は600億円規模を安定的に生み出しています。2024/12期の低下は運転資本の増加や一時的な事業再編費用が影響したものです。投資キャッシュフローは毎年400〜600億円のマイナスで、半導体関連装置や海外拠点への積極投資を反映しています。フリーキャッシュフローの安定化が中計達成のカギとなります。
この会社のガバナンスは?
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 857万円 | 25,123人 | - |
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
同社のTSR(株主総利回り)は5年間で245.5%と、絶対値では高いパフォーマンスを示しています。しかしTOPIXの277.3%を約32ポイント下回っており、相対的にはアンダーパフォームです。2023期にはTOPIXを上回る局面もありましたが、その後の利益低迷と構造改革への懸念から市場平均に対して劣後する展開となりました。中計2026の目標達成がTSR改善のカギを握ります。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/12期 | 16円 | 29.6% |
| 2017/12期 | 16円 | 29.2% |
| 2019/12期 | 112円 | 30.1% |
| 2020/12期 | 91円 | 34.0% |
| 2021/12期 | 65円 | 29.8% |
| 2022/12期 | 90円 | 190.7% |
| 2023/12期 | 120円 | 44.9% |
| 2024/12期 | 125円 | 195.7% |
| 2025/12期 | 125円 | 48.6% |
株主優待制度はありません。その代わり、配当と自社株買いによる株主還元を重視しています。
配当方針として、DOE(株主資本配当率)3.5%以上、下限配当125円を基本方針に掲げています。2022/12期や2024/12期は純利益が大幅に減少しましたが、下限配当の設定により減配を回避しました。中期経営計画では3年間で800億円規模の株主還元を計画しており、安定配当と機動的な自社株買いの両立を目指す方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 153.7万円 | 53.7万円 | 53.7% |
| 2022期 | 149.4万円 | 49.4万円 | 49.4% |
| 2023期 | 202.2万円 | 102.2万円 | 102.2% |
| 2024期 | 192.7万円 | 92.7万円 | 92.7% |
| 2025期 | 245.5万円 | 145.5万円 | 145.5% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.88倍と1倍割れの状態が続いており、市場は同社の資産価値に対して慎重な評価をしています。一方で配当利回りは2.89%と機械セクター平均を上回り、DOE基準の安定配当が評価されています。信用倍率は31倍超と買い残が大幅に上回る状況で、短期的な需給面では売り圧力に注意が必要です。構造改革の進捗次第でPBR改善が期待されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 648億円 | 208億円 | 32.1% |
| 2022/12期 | 433億円 | 375億円 | 86.6% |
| 2023/12期 | 703億円 | 375億円 | 53.4% |
| 2024/12期 | 492億円 | 415億円 | 84.3% |
| 2025/12期 | 473億円 | 164億円 | 34.6% |
実効税率は年度によって大きく変動しており、2022/12期や2024/12期には80%超と異常に高い水準となっています。これは海外子会社の減損や繰延税金資産の取崩しといった一時的な税務要因によるものです。2025/12期は34.6%と正常水準に回復しており、今後はグローバルな税務戦略の最適化が期待されます。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
住友重機械工業 まとめ
「減速機と射出成形機で世界トップクラス、住友グループの総合重機械メーカーが構造改革で次の成長へ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。