日本トムソン
NIPPON THOMPSON CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
「IKO」ブランドで世界を動かす、技術開発型の精密機械メーカー
IKOブランドを世界中のあらゆる産業でご使用いただき、社会になくてはならない企業グループとなることを目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、ゲーム機。これらを作るためには、非常に精密な半導体製造装置という機械が必要です。日本トムソンは、その機械の中で部品を正確に「滑らせて動かす」ための『直動案内機器』という部品を作っています。また、あなたが乗る自動車やバイクのエンジン、工場のロボットアームがスムーズに動くためにも、同社の『ニードルベアリング』という部品が欠かせません。普段目にすることはないけれど、私たちの便利な暮らしを支える最先端技術の裏側で、日本トムソンの製品が活躍しているのです。
半導体製造装置向けの直動案内機器を主力とする機械部品メーカー。FY2023をピークに業績は調整局面に入り、FY2025の売上高は543.8億円、営業利益は15.92億円と減収減益。しかし、FY2026の会社予想では売上高585.0億円、営業利益16.0億円と底打ちを見込んでおり、半導体市況の回復が今後の業績の鍵を握ります。株価はPBR0.82倍と純資産価値に対して割安な水準にあり、市況回復期待が先行している状況です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区高輪2丁目19-19
- 公式
- www.ikont.co.jp
社長プロフィール
「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念のもと、独創的な発想と高度な技術力でお客様の期待を超える新しい価値を創造します。これからもIKOブランドを世界に広め、あらゆる産業の発展と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
この会社のストーリー
東京都大田区に資本金50万円で設立され、ベアリングおよびその部分品の売買を開始。ここから「IKO」ブランドの歴史が始まる。
日本で初めて針状ころ軸受(ニードルベアリング)の研究開発に着手し、その製造・販売を開始。独自の技術で業界をリードする。
着実な成長を背景に、東京証券取引所市場第二部に株式を上場。社会的な信用を高め、さらなる発展の礎を築く。
ニードルベアリングで培った技術を応用し、直動案内機器「リニアウェイ」を開発。半導体製造装置など精密機械分野へ事業を拡大する。
企業の価値と株主の共同の利益を守るため、大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を導入し、経営の安定化を図る。
持続的な成長を目指し、「中期経営計画2026」を策定。過去最高の売上高を達成した2022年度を超える利益目標を掲げる。
国内ベアリング業界初となるバーチャルPPAサービス契約を締結し、再生可能エネルギーの利用を促進。環境省主催「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」にも選定される。
注目ポイント
主力製品の直動案内機器は、半導体製造装置や電気自動車(EV)関連で需要が拡大中。今後の市場成長の波に乗り、業績拡大が期待されます。
中期経営計画で「総還元性向50%以上」を目標に設定。安定した配当と自己株式取得で、株主への利益還元に積極的な姿勢を示しています。
業界初のバーチャルPPA契約や環境省からの表彰など、環境・社会問題への取り組みを強化しています。持続可能な成長を目指す姿勢が評価されています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 8円 | 264.9% |
| FY2022/3 | 13円 | 22.3% |
| FY2023/3 | 19円 | 18.1% |
| FY2024/3 | 19円 | 50.2% |
| FY2025/3 | 19円 | 134.0% |
株主優待制度は実施していません。
当社は総還元性向50%以上を目標に掲げ、成長投資と株主還元を両立する方針です。配当についてはDOE(自己資本配当率)2.5%を配当下限の目安として設定し、安定的な還元を志向しています。業績変動がある中でも、株主への利益還元を重要な経営課題として位置づけています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、半導体製造装置やEV関連向けの直動案内機器の需要変動を強く反映しています。FY2023/3には売上高約683億円、純利益約75億円と好調を記録しましたが、その後は市況の調整により減収減益傾向にあります。今後は、FA(工場の自動化)需要の回復により、FY2026/3期には純利益約15億円への緩やかな業績回復を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.4% | 0.2% | -1.3% |
| FY2022/3 | 6.5% | 3.9% | 9.5% |
| FY2023/3 | 10.4% | 6.5% | 13.9% |
| FY2024/3 | 3.5% | 2.2% | 5.7% |
| FY2025/3 | 1.3% | 0.8% | 2.9% |
収益性は市況動向に大きく左右される構造となっており、FY2023/3には営業利益率が13.9%まで高まりましたが、直近のFY2025/3には2.9%まで低下しています。ROEもこれに連動し、高い時期には10%を超えましたが、直近では1.3%に留まっています。今後、高付加価値製品の販売拡大と操業度の向上により、収益性指標の改善を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
自己資本比率は60%台を維持しており、安定した財務基盤を確立しています。一方で、設備投資等の影響から有利子負債は増加傾向にあり、FY2025/3末時点では約807億円に達しています。堅実な資産管理を行いつつも、成長投資を継続するためのバランスの取れた資金調達が継続的な課題です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 56.6億円 | -30.1億円 | -4.1億円 | 26.5億円 |
| FY2022/3 | 103億円 | -21.0億円 | -64.4億円 | 81.7億円 |
| FY2023/3 | 64.0億円 | -27.0億円 | -33.5億円 | 37.0億円 |
| FY2024/3 | -24.9億円 | -53.0億円 | 75.7億円 | -77.9億円 |
| FY2025/3 | 64.5億円 | -34.4億円 | 9.1億円 | 30.1億円 |
営業キャッシュフローは、市況の悪化が直撃したFY2024/3に一時的なマイナスを記録しましたが、FY2025/3には約64億円のプラスへと回復しました。投資キャッシュフローは、成長に向けた設備投資を継続的に実施しており、安定的なキャッシュ創出能力を取り戻しつつあります。財務面では必要に応じた外部資金調達を組み合わせ、手元流動性を確保する戦略をとっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.3億円 | 1,000万円 | 4.4% |
| FY2022/3 | 74.9億円 | 33.5億円 | 44.8% |
| FY2023/3 | 105億円 | 30.1億円 | 28.7% |
| FY2024/3 | 45.3億円 | 18.5億円 | 40.9% |
| FY2025/3 | 18.4億円 | 8.6億円 | 46.9% |
法人税等の支払いは、利益水準の変動に合わせて推移しています。FY2022/3やFY2024/3、FY2025/3のように、実効税率が法定税率を上回る年度が見られますが、これは主に課税所得の構成や繰延税金資産の評価に伴う会計上の調整が影響しています。各期の税負担は、業績変動を反映しつつ適正に処理されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 665万円 | 2,366人 | - |
従業員平均年収は665万円となっており、機械業界の標準的な水準を維持しています。近年、業績が拡大傾向にある中、技術開発型企業として優秀な人材を確保するための適切な報酬体系を構築しており、持続的な成長に向けた還元が進められています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日本トムソン取引先持株会。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家の保有比率が高い構造です。また、日本トムソン取引先持株会や従業員持株会が上位に名を連ねており、取引先や従業員との強固な協力関係が経営の安定性を支えています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして為替変動や原材料価格の高騰などが挙げられますが、直動案内機器やニードルベアリングの安定した需要が収益を下支えしています。中期経営計画における計数目標の上方修正やROEの改善など、経営効率化に向けた積極的な姿勢がEDINETの開示資料からも読み取れます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.1%で、多様な視点を取り入れたガバナンス体制の強化を図っています。監査体制の充実と連結子会社を含めたグローバルな管理体制により、健全な企業統治と持続的な価値創造を目指す姿勢が明確です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 580億円 | — | 544億円 | -6.2% |
| FY2024 | 620億円 | — | 551億円 | -11.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 43億円 | — | 16億円 | -63.0% |
| FY2024 | 65億円 | — | 32億円 | -51.3% |
| FY2023 | 76億円 | — | 95億円 | +24.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「中期経営計画2026」では、3カ年平均で営業利益90億円以上、ROE8%以上を掲げていますが、初年度のFY2025実績は営業利益15.92億円と目標達成に向けたハードルは非常に高い状況です。過去の中計や近年の業績予想も、半導体市場の変動を読み切れず、大幅な下方修正が続いており、ガイダンスの信頼性には注意が必要です。一方で、DOE2.5%を下限とする配当方針は株主還元への意識を示しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間(FY2021~FY2025)にわたり、一貫してTOPIXをアウトパフォームしています。これは、業績の変動が大きい中でも、株価が半導体市場の成長期待を背景に底堅く推移したこと、そして安定的な配当を維持してきたことが要因と考えられます。特に株価が大きく上昇した局面で、TOPIXを上回るリターンを株主にもたらしています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 181.6万円 | +81.6万円 | 81.6% |
| FY2022 | 152.3万円 | +52.3万円 | 52.3% |
| FY2023 | 168.3万円 | +68.3万円 | 68.3% |
| FY2024 | 190.0万円 | +90.0万円 | 90.0% |
| FY2025 | 152.8万円 | +52.8万円 | 52.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在のPERは41.6倍と機械セクター平均の16.6倍を大きく上回っており、将来の業績回復を織り込んだ割高な水準と言えます。一方、PBRは0.82倍と1倍を割り込んでおり、資産価値の面では割安感があります。信用倍率は2.53倍と過熱感は限定的ですが、今後の半導体市況の動向次第で需給が変化する可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
CxO体制の導入を決定し、経営体制の刷新とさらなる企業価値向上を目指す方針を公表しました。
第3四半期累計の経常利益が前年同期比2.4倍に急拡大し、市場の注目を集めました。
通期連結業績予想の修正および中間・期末配当の修正を発表し、株主還元姿勢を強化しました。
最新ニュース
日本トムソン まとめ
ひとめ診断
「半導体サイクルの波に乗る、精密機械の"縁の下の力持ち"」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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