6339プライム

新東工業

Sintokogio,Ltd.

最終更新日: 2026年3月28日

ROE3.8%
BPS2280.4円
自己資本比率42.1%
FY2025/3 有報データ

鋳造技術で世界を支え、表面処理で未来を彩るモノづくり企業

お客様や社会、そして地球とともに新しい価値を共創し、持続可能な未来を実現すること。

この会社ってなに?

あなたが毎日乗る自動車のエンジンや、道路で見かけるマンホールの蓋。これらは、溶かした金属を型に流し込んで作る「鋳造」という技術がなければ生まれません。新東工業は、この鋳造に必要な機械で国内トップシェアを誇る会社です。また、スマートフォンの滑らかな手触りや、飛行機の部品が錆びずに強度を保てるのも、実は「表面処理」という技術のおかげ。普段は目に見えないところで、私たちの安全で快適な暮らしを支える基盤技術を提供している、まさに縁の下の力持ちのような存在なのです。

鋳造・表面処理装置の国内最大手である新東工業は、FY2025に売上高1,502.2億円、営業利益30.04億円を計上しました。しかし、2026年3月期はフランスの買収子会社におけるのれん減損により最終損益が170億円の赤字に転落する見通しで、株価も軟調に推移しています。この一時的な特損を乗り越え、中期経営計画で掲げる「EBITDAマージン8%以上」の達成に向けた収益構造改革が急務です。PBRは0.42倍と解散価値を大きく下回っており、市場からは資本効率の抜本的な改善が強く求められています。

機械プライム市場

会社概要

業種
機械
決算期
3月
本社
愛知県名古屋市中村区名駅3丁目28番12号
公式
www.sinto.co.jp

社長プロフィール

永井 淳
永井 淳
代表取締役 社長執行役員
挑戦者
当社は創業以来の鋳造事業を核としながら、表面処理や環境事業などへ領域を拡大してきました。中期経営計画『「共創」~新しい価値を求めて~』を掲げ、お客様や社会と共に新たな価値を創造し、持続可能な未来に貢献することを目指します。

この会社のストーリー

1934
久保田製作所として創業

創業者である久保田重太郎が名古屋市に「久保田製作所」を設立。鋳物機械の製造を開始し、日本のモノづくりの基盤を支える第一歩を踏み出した。

1959
ショットブラスト技術の導入

米国企業と技術提携し、金属表面を磨き上げるショットブラスト技術を導入。これが現在の主力事業である表面処理事業の礎となった。

1960
社名を「新東工業株式会社」へ変更し、海外展開を開始

現在の社名に変更するとともに、初の海外拠点として台湾に合弁会社を設立。グローバルメーカーへの道を歩み始める。

1961
株式上場

名古屋証券取引所市場第二部に株式を上場(その後、東京証券取引所にも上場)。企業としての信頼性を高め、さらなる成長のための基盤を築いた。

1973
環境事業への進出

鋳造工場で培った集塵技術を応用し、環境事業を開始。公害問題が社会的な課題となる中、産業界の環境保全ニーズに応えた。

2023
フランスの表面処理会社を買収

フランスのエラティコス社を約408億円で買収。欧州での表面処理事業を拡大し、グローバル市場での競争力を強化する大きな一手となった。

2024
中期経営計画『「共創」』を策定

2026年度を最終年度とする新中期経営計画をスタート。「キャッシュを生み出す力」の強化を掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指す。

注目ポイント

鋳造機械で国内トップシェア

自動車産業などを支える鋳造機械で国内首位の座を確立。日本の高品質なモノづくりを根底から支える、なくてはならない存在です。

積極的なM&Aによるグローバル展開

近年、フランスやドイツの企業を大型買収するなど、積極的なM&Aで海外事業を拡大。世界市場で存在感を高めており、今後の成長が期待されます。

安定した株主還元

株主への利益還元を重視し、DOE(株主資本配当率)2.0%以上を下限とする安定配当を方針としています。QUOカードがもらえる株主優待も魅力です。

サービスの実績は?

1,502.2億円
連結売上高
2025年3月期実績
+29.9% YoY
30.04億円
連結営業利益
2025年3月期実績
-44.4% YoY
44
1株当たり配当金
2025年3月期実績
+0.0% YoY
2.0%以上
DOE(株主資本配当率)目標
現行の株主還元方針
従来1.5%から引き上げ
408億円
仏エラティコス買収額
2023年

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 44円
安全性
普通
自己資本比率 42.1%
稼ぐ力
普通
ROE 3.8%
話題性
不評
ポジティブ 35%

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
44
方針: DOE2.0%基準
1株配当配当性向
FY2016/31631.6%
FY2017/31828.5%
FY2018/32118.5%
FY2019/32221.6%
FY2020/32444.4%
FY2021/324210.7%
FY2022/32648.8%
FY2023/33630.5%
FY2024/34426.5%
FY2025/34483.7%
9期連続増配
株主優待
あり
権利確定月9月

新東工業は株主還元を経営の重要課題と位置づけ、DOE(株主資本配当率)2.0%を下限とする安定的な配当を継続しています。業績が一時的に変動する局面でも配当額を維持することで、株主への利益還元を優先する方針を堅持しています。今後も資本効率を意識した還元を通じて、長期的な株主価値の向上を目指します。

同業比較(収益性)

機械の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
3.8%
業界平均
9.4%
営業利益率下回る
この会社
2.0%
業界平均
11.6%
自己資本比率下回る
この会社
42.1%
業界平均
52.0%

業績推移

儲かってるの?

まあまあです
売上高
FY2022/3992億円
FY2023/31,064億円
FY2024/31,155億円
FY2025/31,502億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/354.1億円
FY2025/330.0億円

新東工業の業績は、鋳造設備や表面処理装置の需要拡大を背景に、2024年3月期には売上高1,155億円、当期純利益87億円まで大きく伸長しました。2025年3月期は売上高1,502億円と過去最高を更新したものの、海外子会社の再編やのれん減損の影響により利益面で一時的な調整を余儀なくされています。2026年3月期は構造改革による効率化が進み、収益の回復軌道への回帰が見込まれる計画です。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
3.8%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
1.2%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
2.0%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/32.0%0.4%-
FY2022/31.8%1.7%-
FY2023/36.7%3.6%-
FY2024/37.4%4.6%4.7%
FY2025/33.8%1.2%2.0%

収益性については、2024年3月期に営業利益率が4.7%まで改善し、ROE(自己資本利益率)も6.8%へと向上するなど、収益体質の強化に向けた改善傾向が鮮明となりました。しかし、2025年3月期は大型案件の消化や投資に伴うコスト負担、減損処理が重なり、一時的に営業利益率が2.0%、ROEが2.2%へと低下しています。今後は、高付加価値製品へのシフトを通じて、持続可能な利益率の向上を目指すフェーズにあります。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率42.1%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
1,154億円
会社の純資産
1,271億円

財務の健全性は依然として強固であり、2024年3月期時点で自己資本比率は64.1%と高い水準を維持してきました。2025年3月期は積極的な成長投資や買収資金調達に伴い有利子負債が約1,154億円まで増加し、自己資本比率は50.5%へ変化しましたが、盤石な自己資本を基盤とした安定的な財務構造は維持されています。中長期的には、キャッシュフローの創出を通じて負債の圧縮とバランスシートの最適化を図る方針です。

お金の流れは?

本業は稼げていますが投資が多めです
本業で稼いだお金
+23.5億円
営業CF
投資に使ったお金
-303億円
投資CF
借入・返済など
+153億円
財務CF
手元に残ったお金
-280億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/380.9億円-18.0億円-11.4億円62.9億円
FY2022/340.9億円-11.9億円-27.5億円29.0億円
FY2023/354.9億円-16.2億円-70.9億円38.7億円
FY2024/359.4億円-7.4億円-30.3億円51.9億円
FY2025/323.5億円-303億円153億円-280億円

長年、営業キャッシュフローによる潤沢な資金で投資を賄う安定した構造を有してきましたが、2025年3月期は海外事業拡大に向けた大型買収により、投資キャッシュフローがマイナス約303億円と大きく流出しました。この資金需要は財務キャッシュフローで適切に調達されており、成長投資を優先する戦略的フェーズにあることを示しています。今後は創出した利益による投資の回収と、キャッシュ創出力のさらなる強化が求められます。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1原材料等調達価格の影響 鋼材、スクラップ等、当社グループが製造に使用する原材料価格の上昇は、製造コストの上昇につながり、これらのコ ストを製品の販売価格に十分に転嫁できない結果、当社グループの収益性に悪影響を与える可能性があり、特に、国際的 な需要の逼迫により急激な価格高騰があった場合には、急激に調達コストが上昇し、経営成績及びキャッシュ・フローに 大きな影響を与える可能性があります
2エネルギー価格の変動 当社グループは、主力製品である消耗品等の製造においては、電力使用量が多大なため、エネルギー価格の変動による リスクや各国政府のエネルギー政策による変動リスクを負っております
3投資有価証券の保有に対するリスク 当社グループが保有する投資有価証券は、当連結会計年度末の総資産に占める割合が13.9%(32,985百万円)であり、 株式市況の下落、発行会社の業績悪化等によって投資価値が大きく下落する可能性があります

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/330.7億円24.6億円80.3%
FY2022/344.8億円16.4億円36.7%
FY2023/339.5億円0円0.0%
FY2024/375.1億円0円0.0%
FY2025/332.3億円4.7億円14.5%

過去数期において、繰越欠損金の解消や税効果会計の影響により、法人税等の負担額が一時的に大きく変動する局面がありました。特に2023年および2024年3月期は実効税率が0%となるなど、税務上の調整項目が利益に寄与しました。2026年3月期は通常の事業環境への回帰を見込み、法定実効税率に近い37.5%の税負担を計画しています。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
654万円
従業員数
4,844
平均年齢
41.2歳
平均年収従業員数前年比
当期654万円4,844-

従業員の平均年収は654万円であり、機械業界の平均的な水準を維持しています。近年は売上高が増加傾向にあるものの、大規模な事業買収に伴うのれん減損の影響で業績が変動しやすく、今後の収益改善が賞与を含む総報酬にどう反映されるかが注視されています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主48.8%
浮動株51.2%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関31.1%
事業法人等17.7%
外国法人等15.7%
個人その他34.2%
証券会社1.3%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は三菱UFJ銀行・りそな銀行・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 みずほ銀行)。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(5,839,000株)11.09%
株式会社三菱UFJ銀行(2,289,000株)4.35%
明治安田生命保険相互会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)(2,276,000株)4.32%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(1,708,000株)3.24%
株式会社りそな銀行(1,668,000株)3.16%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)(1,641,000株)3.12%
公益財団法人永井科学技術財団(1,405,000株)2.67%
新東社員持株会(1,211,000株)2.3%
新睦会持株会(1,197,000株)2.27%
東京海上日動火災保険株式会社(909,000株)1.72%

大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が名を連ねており、機関投資家による保有割合が高いのが特徴です。一方で、公益財団法人永井科学技術財団や社員持株会も一定の株式を保有しており、創業家や従業員による安定株主としての側面も維持されています。

会社の公式開示情報

役員報酬

9,400万円
取締役7名の合計

鋳造機械および表面処理装置を核としてグローバル展開しており、76社の連結子会社を抱える大企業です。直近の業績ではフランス企業買収に関連するのれん減損により最終赤字へ転落する見通しを発表しており、持続的な成長のための収益構造改革が大きな経営課題となっています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 15名)
女性 1名(6.7% 男性 14
7%
93%
監査報酬
4,800万円
連結子会社数
76
設備投資額
62.4億円
平均勤続年数(従業員)
17.4

女性役員比率は6.7%とまだ改善の余地があるものの、指名・報酬委員会を設置して経営の透明性と客観性を高める取り組みを継続しています。連結子会社76社を統括する大規模な組織体制において、監査報酬を適正に支払うことで、グローバルな事業リスクを管理する監査体制を構築しています。

会社の計画は順調?

C
総合評価
大型M&Aの減損で目標達成は困難に。利益予想の精度にも課題。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

中期経営計画『「共創」~新しい価値を求めて~』
FY2024~FY2026
売上高EBITDA比率: 目標 8.0%以上 大幅遅れ (2.6% (2025/3期))
33.3%
DOE(株主資本配当率): 目標 2.0%以上 順調 (達成見込み)
100%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202558億円30億円30億円-48.2%
FY202460億円54億円-9.8%
FY202343億円22億円-47.9%
売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20251,470億円1,502億円+2.2%
FY20241,150億円1,155億円+0.4%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

現行の中期経営計画『「共創」』では、収益力の指標である「売上高EBITDA比率8%以上」を最重要目標に掲げています。しかし、FY2025実績は2.6%と目標に遠く、さらに大型買収したフランス子会社ののれん減損によりFY2026は最終赤字となる見込みで、計画達成は極めて困難な状況です。過去の業績予想を振り返っても、特に利益面での下方修正が目立ち、経営環境の変動に対する予測精度に課題を残しています。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、同期間における株価の伸び悩みが主な要因です。特にFY2025は、大型M&Aによる業績への期待があったものの、その後の減損損失発表で株価が下落し、TOPIXとの差が拡大しました。資本効率の改善と持続的な利益成長を実現し、市場の信頼を回復することがTSR向上のための喫緊の課題です。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+33.6%
100万円 →133.6万円
33.6万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021105.8万円+5.8万円5.8%
FY202295.0万円-5.0万円-5.0%
FY2023115.4万円+15.4万円15.4%
FY2024171.2万円+71.2万円71.2%
FY2025133.6万円+33.6万円33.6%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残情報なし
売り残情報なし
信用倍率情報なし
2026年3月時点
今後の予定
2026年3月期 本決算発表2026/05/13 (予定)
2027年3月期 第1四半期決算発表2026/08/07 (予定)

同社のPBRは0.42倍と、機械セクターの平均1.4倍を大幅に下回っており、市場から極めて割安に評価されていることを示唆しています。PERは業界平均並みですが、これはFY2026の最終赤字見通しを完全には織り込んでいない可能性があります。配当利回りは4.6%と高水準ですが、今後の業績次第では減配リスクも意識されるため、決算発表での会社側の説明が注目されます。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
142
前月比 +15.4%
メディア数
48
日本経済新聞, 株探, Yahoo!ファイナンス, PR TIMES, 会社四季報オンライン
業界内ランキング
上位 12%
機械業種 1,120社中 134位
報道のトーン
35%
好意的
30%
中立
35%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

業績・決算修正40%
M&A・買収25%
製品リリース20%
株主還元15%

最近の出来事

2025年8月海外買収

フランスの表面処理大手エラスティコス社を約410億円で買収し、欧州での事業基盤を拡大しました。

2026年2月製品刷新

電動シリンダ用コントローラを刷新し、操作性・利便性の向上を図る新製品販売を開始しました。

2026年3月下方修正

フランス子会社におけるのれんの減損損失により、2026年3月期の純損益を170億円の赤字に下方修正しました。

最新ニュース

中立
新東工業、コーポレート・ガバナンス報告書を更新
9/08 · SalesNow DB

新東工業 まとめ

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 44円
安全性
普通
自己資本比率 42.1%
稼ぐ力
普通
ROE 3.8%
話題性
不評
ポジティブ 35%

「『モノづくりの土台』を支える鋳造の巨人が、欧州大型M&Aの巨額減損で揺れる過渡期」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU