ジェイテクト6473
JTEKT Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
車のハンドルを切る時の軽やかさ——それを支えているのがジェイテクトの電動パワーステアリングです。工場のロボットアームや風力発電のタービンにも同社のベアリングが使われており、「動き」と「精密さ」が求められるあらゆる場面で、あなたの生活を陰から支えています。
ジェイテクト(JTEKT)は2006年に光洋精工と豊田工機が合併して誕生した、トヨタグループの大手自動車部品・機械メーカーです。電動パワーステアリング(EPS)で世界トップクラス、軸受(ベアリング)で国内大手、工作機械でも高いシェアを持つ3本柱の事業構成。2025/03期期は売上収益1兆8,844億円を計上しましたが、2026/03期期は欧州自動車事業7子会社の売却など構造改革費用を計上し、通期純利益を100億円に下方修正。第二期中期経営計画(2025期〜2027期)ではROE7〜8%・事業利益率5〜6%を掲げ、2030年ビジョンで「ソリューションプロバイダー」への転換を目指しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県刈谷市朝日町1-1
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
電動パワーステアリング(EPS)、駆動系部品(ドライブシャフト、トルセンLSD等)。ステアリングは世界トップクラスだが欧州事業の低収益が足を引っ張る
産業機械用・自動車用ベアリング、ニードルローラーベアリング等。風力発電・半導体装置向け高付加価値製品が成長
円筒研削盤、複合加工機、熱処理設備等。自動車・航空機向けの高精度加工で差別化
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0.1% | 0.1% | - |
| 2022/03期 | 3.5% | 1.5% | - |
| 2023/03期 | 5.3% | 2.4% | - |
| 2024/03期 | 5.5% | 2.5% | 3.3% |
| 2025/03期 | 1.8% | 0.9% | 2.0% |
ROEは1〜5%と低水準で推移。中計目標のROE7〜8%とは大きな乖離があります。営業利益率も2〜3%程度で競合のデンソー(約7%)やアイシン(約4%)を下回ります。PBR0.73倍と1倍を大幅に割り込んでおり、資本効率の改善が東証の要請を受けた最優先課題です。欧州事業の再編による収益体質の改善が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.2兆円 | 0円 | 8.0億円 | 2.3円 | - |
| 2022/03期 | 1.4兆円 | 0円 | 207億円 | 60.3円 | +14.6% |
| 2023/03期 | 1.7兆円 | 0円 | 343億円 | 99.9円 | +17.5% |
| 2024/03期 | 1.9兆円 | 622億円 | 403億円 | 117.4円 | +12.7% |
| 2025/03期 | 1.9兆円 | 385億円 | 137億円 | 40.4円 | -0.4% |
2021/03期はコロナ禍で純利益わずか8億円に低迷。2022期〜2024/03期は自動車生産回復・円安で増収増益が続き、2024/03期に売上1兆8,915億円・営業利益622億円の過去最高を記録。2025/03期はトヨタの認証問題の影響もあり減益に転じ、2026/03期は欧州7子会社の売却に伴う構造改革費用が重荷で、純利益100億円まで落ち込む見通しです。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動車事業 | 約1兆2,000億円 | 約200億円 | 約1.7% |
| 産機・軸受事業 | 約5,500億円 | 約250億円 | 約4.5% |
| 工作機械事業 | 約1,300億円 | 約50億円 | 約3.8% |
売上の約64%が自動車事業で、ステアリング部品が中核。ただし利益率は1.7%と低く、欧州子会社の売却で改善を図ります。産機・軸受事業は利益率4.5%と相対的に高収益で、半導体・風力発電向けの成長が期待されます。工作機械事業は利益率3.8%で安定。全社の事業利益率2%台は競合を大きく下回り、セグメント間のシナジー創出と高付加価値化が課題です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/03期 | 250億円 | 100億円 | 未発表 | -60.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 500億円 | 385億円 | 385億円 | -23.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
第二期中計は2027/03期までに事業利益率5〜6%・ROE7〜8%を目指していますが、初年度の2025/03期は事業利益率2.0%・ROE1.8%と大きく乖離。2026/03期は欧州子会社売却の構造改革費用で純利益を60%下方修正し、目標達成はさらに遠のいています。ただし、欧州の不採算事業を切り離すことで2027/03期以降の収益改善が見込まれます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026/03期通期の純利益予想を250億円→100億円に60%下方修正。欧州自動車事業7社の売却に伴う構造改革費用を計上
欧州顧客向け自動車部品の製造販売子会社7社をドイツの投資会社DUBAGに売却する基本合意を発表。グローバル体制の再構築を加速
近藤社長が年始合同取材会で「第二期中計の仕上げの年」と表明。デジタル基盤構築と自動車事業でのソリューション展開を強化
近藤新社長のもと第二期中期経営計画を発表。2030年に売上2兆円超・事業利益率8%以上・ROE10%を目指す
トヨタ自動車出身の近藤禎人氏が取締役社長に就任。4年ぶりの社長交代で「能動型ビジネス」への転換を推進
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は43〜48%で安定推移。BPSは2,341円で、株価1,698円はBPSを大きく下回るPBR0.73倍の水準です。総資産1.6兆円規模の大企業で、設備投資(年間約970億円)を行いながらも健全な財務基盤を維持。有利子負債はEDINET開示データ上は0表示ですが、実際にはIFRSベースでリース負債等を計上しています。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 1,545億円 | 714億円 | 472億円 | 831億円 |
| 2025/03期 | 802億円 | 759億円 | 521億円 | 43.0億円 |
営業CFは年間670〜1,545億円と安定して黒字を確保。2024/03期は1,545億円の高水準を記録しました。2025/03期は投資CF759億円に対し営業CF802億円とほぼ均衡し、FCFは43億円まで縮小。設備投資が年間700〜970億円規模と大きいのはEPS・軸受の製造設備に加え、EV関連や次世代ステアリングへの先行投資が影響しています。
この会社のガバナンスは?
取締役10名中、女性2名(20%)で多様性は改善傾向。設備投資970億円は自動車部品・軸受の製造設備更新とEV関連投資に充当。監査報酬2.35億円は連結規模(売上1.9兆円)に見合った水準。2024年6月にトヨタ出身の近藤禎人氏が新社長に就任し、「能動型ビジネス」への転換を推進中です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 753万円 | 45,018人 | - |
平均年収753万円はトヨタグループ部品メーカーとしては標準的な水準。連結従業員45,018名に加え臨時従業員5,443名を擁する大企業で、グローバルでは約5万人規模。平均年齢41.3歳、平均勤続年数17.3年と長期雇用が定着しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSR(配当込みリターン)は+74%と、TOPIXの+113%を下回ります。2024期にはTOPIX並みの208%まで上昇しましたが、2025期は欧州事業の減損・構造改革費用で174%に後退。低ROE・低利益率が株価のバリュエーションディスカウントの主因で、中計目標の達成がTSR改善の前提条件です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 42円 | 29.6% |
| 2017/03期 | 42円 | 30.3% |
| 2018/03期 | 43円 | 29.7% |
| 2019/03期 | 44円 | 61.2% |
| 2020/03期 | 38円 | - |
| 2021/03期 | 16円 | 686.7% |
| 2022/03期 | 18円 | 29.8% |
| 2023/03期 | 30円 | 30.0% |
| 2024/03期 | 36円 | 30.7% |
| 2025/03期 | 50円 | 123.9% |
株主優待制度はありません
5期連続増配で16円→60円(予想)と約3.8倍に。2025/03期以降は利益を上回る配当を実施しており、配当性向は124〜191%と高水準。利回り3.53%は機械セクターでは高い部類です。減益局面でも増配を継続する姿勢は株主還元への強いコミットメントを示していますが、持続性には業績回復が不可欠です。株主優待は実施していません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 155.9万円 | 55.9万円 | 55.9% |
| 2022期 | 135.8万円 | 35.8万円 | 35.8% |
| 2023期 | 147.6万円 | 47.6万円 | 47.6% |
| 2024期 | 207.9万円 | 107.9万円 | 107.9% |
| 2025期 | 173.8万円 | 73.8万円 | 73.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER27倍は一時的な減益により相対的に高く見えますが、2026/03期のEPS31.4円ベースでは約54倍とさらに悪化。一方PBR0.73倍は1倍を大幅に割り込み、純資産(BPS 2,341円)に対し大きなディスカウント。信用倍率2.34倍と買い優勢ですが、欧州再編完了後の業績回復シナリオが株価の鍵を握ります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 154億円 | 146億円 | 94.8% |
| 2022/03期 | 439億円 | 233億円 | 52.9% |
| 2023/03期 | 559億円 | 216億円 | 38.7% |
| 2024/03期 | 725億円 | 323億円 | 44.5% |
| 2025/03期 | 309億円 | 172億円 | 55.6% |
2026/03期予想の実効税率54.5%は通常の30〜35%を大きく上回りますが、欧州子会社7社の売却に伴う構造改革費用の影響で一時的に高くなっています。構造改革完了後は正常化が見込まれます。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
ジェイテクト まとめ
電動パワステ世界首位級・軸受大手。トヨタグループの中核自動車部品メーカー
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。