NTN6472
NTN CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
自動車のハンドルを切ると前輪に力が伝わるのは、NTNの等速ジョイントのおかげ。風力発電のプロペラが回るのも、工場のロボットが精密に動くのも、NTNのベアリングが支えています。見えないところで「なめらかな動き」をつくる会社です。
NTNは1918年創業のベアリング(軸受)大手で、等速ジョイント(CVJ)世界シェア2位、ハブベアリング世界トップを誇ります。2025/03期期は売上高8,256億円・営業利益230億円を計上しましたが、繰延税金資産の取崩しや減損損失により最終赤字238億円に転落。2026/03期期は売上高7,900億円・営業利益240億円を予想し、最終損益も60億円の赤字見通しです。2024年5月に発表した中期経営計画「DRIVE NTN 2026」では、不採算事業の構造改革と等速ジョイント・補修品ビジネスの収益力強化を柱に、営業利益率5%以上の達成を目指しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市北区中之島3丁目6番32号 ダイビル本館
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
等速ジョイント(CVJ)・ハブベアリング・ドライブシャフトなど自動車向け駆動系部品。売上の約67%を占める主力事業だが利益率が課題
風力発電用大型軸受・工作機械用精密ベアリング・鉄道車両用軸受など。利益率は自動車事業を大きく上回る高収益セグメント
交換用ベアリング・メンテナンス用品の販売。安定した需要と高い利益率が特徴で、中計での収益力強化の柱の一つ
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.1% | 1.4% | - |
| 2022/03期 | 4.0% | 0.9% | - |
| 2023/03期 | 5.0% | 1.2% | - |
| 2024/03期 | 4.4% | 1.2% | 3.4% |
| 2025/03期 | 9.6% | 2.8% | 2.8% |
ROEは2024/03期に3.8%まで回復しましたが、2025/03期は最終赤字により-9.6%に急落。営業利益率は改善傾向で2.8〜3.4%まで回復しましたが、競合のミネベアミツミ(約10%)やSKF(約12%)と比べると大幅に低い水準です。PBR0.75倍と1倍を割り込んでおり、中計「DRIVE NTN 2026」で掲げる営業利益率5%の達成が資本効率改善の鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 5,628億円 | 0円 | 116億円 | -21.9円 | - |
| 2022/03期 | 6,420億円 | 0円 | 73.4億円 | 13.8円 | +14.1% |
| 2023/03期 | 7,740億円 | 0円 | 104億円 | 19.5円 | +20.6% |
| 2024/03期 | 8,363億円 | 281億円 | 106億円 | 19.9円 | +8.1% |
| 2025/03期 | 8,256億円 | 230億円 | 238億円 | -44.9円 | -1.3% |
2021/03期はコロナ禍で営業赤字31億円に陥りましたが、2022/03期〜2024/03期は自動車需要の回復と円安で売上・営業利益ともに回復。2024/03期には売上8,363億円・営業利益281億円と過去最高水準に達しました。しかし2025/03期は繰延税金資産の取崩し・海外減損により最終赤字238億円に転落。2026/03期予想も減収・最終赤字60億円と厳しい見通しですが、営業利益は240億円と黒字を維持する計画です。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動車事業 | 約5,500億円 | 約130億円 | 約2.4% |
| 産業機械事業 | 約2,000億円 | 約130億円 | 約6.5% |
| 補修品・その他 | 約700億円 | 約50億円 | 約7.1% |
売上の約67%が自動車事業で、等速ジョイント・ハブベアリングが主力。しかし自動車事業の利益率2.4%は極めて低く、産業機械事業(6.5%)や補修品事業(7.1%)との差が顕著です。中計「DRIVE NTN 2026」では自動車事業の構造改革と産業機械・補修品の拡大による収益構造の転換を目指しています。風力発電用大型軸受やインド市場への投資拡大が成長ドライバーです。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 200億円 | 230億円 | 230億円 | 0.0% |
| 2026/03期 | 240億円 | — | 未発表 | - |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中計「DRIVE NTN 2026」は2024年5月に発表。不採算事業の構造改革と等速ジョイント・補修品事業の収益強化を柱に、営業利益率5%以上の達成を掲げています。2025/03期の営業利益率は2.8%と目標に未達ですが、Q3累計の営業利益は前年同期比+35.8%と改善傾向。業績予想は上方修正の実績があり、保守的な予想を出す傾向があります。
最新ニュース
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メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年春闘でベア含む平均1万9,846円の賃上げで妥結。5年連続のベースアップを実施
2026/03期 Q3累計:売上高6,033億円(前年同期比-2.0%)、営業利益193億円(同+35.8%)。通期予想は据え置き
劣後特約付タームローンの契約を締結。財務基盤の強化を図る
インド工場に22億円を投資。等速ジョイントの部材85%を現地調達する体制を構築し、インド市場の成長を取り込む
2025/03期期の本決算を発表。営業利益230億円も最終赤字238億円に転落。繰延税金資産の取崩しと海外減損が響く
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は20〜29%と同業他社(日本精工53%、ジェイテクト50%)と比べ低水準。2024/03期に29.0%まで改善しましたが、2025/03期は最終赤字で27.2%に後退。資本金653億円の大企業ですが、有利子負債比率が高く財務レバレッジに依存した構造です。BPS440円に対し株価329円はPBR0.75倍と解散価値を下回っています。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 365億円 | 179億円 | 547億円 | 185億円 |
| 2022/03期 | 89.6億円 | 25.1億円 | 413億円 | 115億円 |
| 2023/03期 | 342億円 | 139億円 | 333億円 | 204億円 |
| 2024/03期 | 651億円 | 250億円 | 302億円 | 401億円 |
| 2025/03期 | 456億円 | 260億円 | 187億円 | 197億円 |
営業CFは90〜651億円と変動が大きいものの、毎期プラスを維持。2024/03期は651億円と過去最高水準に達し、2025/03期も456億円と堅調。FCFは毎期100〜400億円のプラスを確保しており、設備投資を営業CFで賄える構造です。2021/03期は財務CFが+547億円と借入で資金を調達した年でしたが、その後は返済が進んでいます。
この会社のガバナンスは?
取締役・執行役合わせて20名中、女性2名(10%)。設備投資151億円はベアリング・等速ジョイントの生産能力維持に充当。連結子会社60社のグローバル体制で、インドへの22億円新規投資など成長市場への投資を加速中。平均勤続年数20.1年は業界内でも長く、安定雇用の企業文化が根づいています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 724万円 | 21,996人 | - |
平均年収724万円は機械業界の中では標準的な水準。連結従業員数は約22,000名で、連結子会社60社を含むグローバル企業です。平均年齢42.1歳、平均勤続年数20.1年と長期雇用が定着しており、2026年春闘では5年連続のベースアップを実施しました。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSRは+42%(配当込み)と、TOPIXの+113%を大幅に下回ります。2021期と2023期にそれぞれ180%台まで上昇した局面がありましたが、いずれも維持できず下落。最終赤字の継続と低い資本効率がTOPIXとの乖離を広げており、中計による収益力改善が株価回復の必要条件です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 10円 | 35.4% |
| 2017/03期 | 10円 | 187.6% |
| 2018/03期 | 15円 | 39.1% |
| 2019/03期 | 15円 | - |
| 2020/03期 | 5円 | - |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 5円 | 25.6% |
| 2024/03期 | 10円 | 50.2% |
| 2025/03期 | 11円 | - |
株主優待制度はありません
2021/03期〜2022/03期は業績悪化で無配でしたが、2023/03期に5円で復配し、2025/03期は11円と2期連続増配を実現。利回り3.34%は機械セクターでは比較的高い水準です。ただし2025/03期は最終赤字のため配当性向は算出不可。赤字下でも増配を続けた姿勢は株主還元への意欲を示していますが、継続性には注意が必要です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 180.4万円 | 80.4万円 | 80.4% |
| 2022期 | 113.2万円 | 13.2万円 | 13.2% |
| 2023期 | 181.0万円 | 81.0万円 | 81.0% |
| 2024期 | 173.9万円 | 73.9万円 | 73.9% |
| 2025期 | 142.1万円 | 42.1万円 | 42.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBR0.75倍は1倍を大きく割り込み、機械業界平均(約1.5倍)の半分。最終赤字のためPERは算出不可ですが、2026/03期予想でも赤字が続く見通し。信用倍率3.96倍と買い残が優勢で、構造改革への期待から短期的な反発狙いの買いが入っている状況です。配当利回り3.3%はバリュー投資の観点からは一定の魅力があります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -57.4億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 68.2億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 120億円 | 16.8億円 | 13.9% |
| 2024/03期 | 200億円 | 94.3億円 | 47.2% |
| 2025/03期 | 105億円 | 343億円 | 327.2% |
2025/03期の実効税率327%は異常値で、繰延税金資産の取崩し(約340億円相当)が主因です。海外子会社の将来収益性見直しに伴い、過去に計上した税効果を一括で取り崩したため、税金費用が税引前利益を大幅に上回りました。通常の実効税率は30〜40%で推移しますが、海外拠点の多さから各国税率の影響を受けやすい構造です。
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