ツバキ・ナカシマ
TSUBAKI NAKASHIMA CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
小さな球で世界を動かす、精密鋼球のグローバルトップメーカー
精密技術を通じて、より滑らかで効率的な社会の実現に貢献し、世界中の産業の発展を支えるリーディングカンパニーであり続けることを目指します。
この会社ってなに?
普段私たちが何気なく使っているモノの「滑らかな動き」を、ツバキ・ナカシマが支えています。例えば、あなたが毎日使うボールペンの先からインクが滑らかに出てくるのは、ペン先に小さな金属のボールが入っているからです。また、自動車のタイヤやエンジン、エアコンのファンがスムーズに回転するのも、内部で使われている「ベアリング」という部品のおかげ。ツバキ・ナカシマは、そのベアリングに欠かせない、真球に限りなく近い「精密ボール」で世界トップクラスのシェアを誇ります。目には見えないけれど、身の回りのあらゆる機械の性能を支える、まさに縁の下の力持ちのような会社です。
ベアリング用精密ボールで世界トップシェアを誇る部品メーカーですが、現在厳しい経営環境にあります。FY2025決算では、欧州事業におけるのれん及び固定資産の減損損失を主因に、最終損益が272.14億円の大幅な赤字に転落しました。株価はPBR0.31倍と解散価値を大きく割り込む水準で推移しています。現在は投資ファンドから約150億円の資金調達を行い、事業ポートフォリオ改革とキャッシュ創出を柱とする新たな中期経営計画の下で、収益性改善と再成長を目指す重要な局面です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 12月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区本町4丁目2番12号 野村不動産御堂筋本町ビル5階
- 公式
- tsubaki-nakashima.com
社長プロフィール
厳しい事業環境の中、再び高収益体質へと返り咲くため、事業・コスト構造の大幅な転換とキャッシュ創出に注力します。既存事業の競争力強化と新規事業の育成を通じて、持続的な成長を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
奈良県にて中島製作所として創業し、自転車用ボールの製造を開始。ここから精密部品メーカーとしての歴史が始まる。
株式会社中島製作所として法人化。事業基盤を固め、本格的な生産体制を構築していく。
米国のHoover Group,Inc.を買収し、海外市場への本格的な進出を開始。グローバルメーカーとしての歩みを加速させる。
経営陣による自社買収(MEBO)を実施し、株式を非公開化。経営の自由度を高め、事業再編やグローバル戦略を迅速に進めるための決断だった。
事業基盤の強化を経て、東京証券取引所第一部に再上場を果たす。新たな成長ステージへと移行し、市場からの信頼を再び得る。
約150億円の資金調達を伴う資本業務提携を発表。経営体制の強化やM&Aを推進し、企業価値向上を目指す新たな挑戦を開始。
2029年12月期までの5ヵ年を対象とする新中期経営計画を策定。高収益体質への回帰を目指し、事業・コスト構造の大幅な転換に着手する。
注目ポイント
ベアリングなどに使われる精密鋼球の分野で世界トップクラスのシェアを誇ります。その高い技術力は、自動車から家電まで幅広い産業を支えています。
過去に非上場化と再上場を経験し、現在は大規模な資金調達を経て事業構造の転換に取り組んでいます。変化を恐れず、高収益体質への回帰を目指す挑戦的な姿勢が魅力です。
厳しい業績の中でも配当を維持する方針を示しており、中期経営計画では配当性向40%を目標に掲げるなど、株主への利益還元を重視する姿勢を持っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 44円 | 50.0% |
| FY2022/3 | 30円 | 4.2% |
| FY2023/3 | 13円 | 4.2% |
| FY2024/3 | 25円 | 109.1% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
業績悪化に伴い無配転落となっており、株主還元よりも財務基盤の修復が最優先されています。かつては一定の配当を実施していましたが、現在は収益の回復が先決であり、復配に向けた具体的な見通しは立っていません。将来的には業績連動型の還元を目指すとみられますが、当面は慎重な方針が続くと予想されます。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は激しい変動を繰り返しており、特に2025年3月期には大規模な減損処理の影響で純損失が約272億円に達しました。売上高は700億円前後で推移するものの、価格競争の激化が利益を圧迫する構造となっています。2026年3月期は黒字転換を予想していますが、収益基盤の再構築が急務です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.7% | 2.3% | 8.6% |
| FY2022/3 | -18.1% | -5.7% | -11.5% |
| FY2023/3 | -2.4% | -0.8% | 1.1% |
| FY2024/3 | 1.5% | 0.5% | 1.1% |
| FY2025/3 | -73.5% | -17.9% | -32.0% |
収益性は著しく低下しており、2025年3月期には営業利益率がマイナス32.0%となるなど、本業での稼ぐ力が失われています。過去には利益を出していた時期もありますが、昨今は減損などの特別損失がROE(自己資本利益率)を大幅に押し下げています。まずは固定費削減や生産性向上による利益率の回復が喫緊の課題といえます。
財務は安全?
財務健全性は急速に悪化しており、2025年3月期には自己資本比率が24.4%まで低下しました。特に有利子負債が約943億円と巨額に膨らんでおり、純資産の減少と相まって財務の安全性を損なっています。再建には資産売却などによる負債圧縮と、資本増強に向けた経営戦略が不可欠な状況です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 62.6億円 | -22.8億円 | 129億円 | 39.8億円 |
| FY2022/3 | -41.4億円 | -35.0億円 | -17.6億円 | -76.4億円 |
| FY2023/3 | 14.1億円 | -49.3億円 | 13.9億円 | -35.3億円 |
| FY2024/3 | 48.7億円 | -38.0億円 | -19.1億円 | 10.7億円 |
| FY2025/3 | 105億円 | 11.2億円 | -13.0億円 | 116億円 |
営業キャッシュフローは年度により乱高下しており、事業活動による安定した資金創出が安定していません。2025年3月期は特殊要因により営業CFが大幅に改善したものの、投資活動や財務活動を含めた全体的な資金繰りは依然として予断を許しません。今後は継続的なフリーキャッシュフローの確保が、債務返済と事業成長の両立において鍵となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 58.2億円 | 22.6億円 | 38.9% |
| FY2022/3 | -90.7億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | 8.5億円 | 21.4億円 | 250.9% |
| FY2024/3 | 8.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | -223億円 | 0円 | - |
赤字決算が頻発しているため、多くの期間で法人税等の負担が発生していません。2023年3月期のように税引前利益が少ない局面で税負担率が異常に高くなるのは、繰延税金資産の取り崩し等の会計的要因が影響しています。2026年3月期予想では黒字を見込んでいますが、税効果を考慮した慎重な利益計画が必要です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 516万円 | 2,447人 | - |
平均年収は516万円であり、製造業の精密部品メーカーとしては標準的な水準です。業績連動型の報酬制度の導入や事業構造の再編を進めており、今後の収益力回復が従業員の待遇改善にも直結する見通しです。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はBBH CO FOR ARCUS JAPAN VALUE FUND(常任代理人 三菱UFJ銀行)。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行等の機関投資家が上位を占め、安定的な保有構造が見られます。一方で、海外ファンド等の関与や、過去のMEBO(経営陣による買収)を経て再上場した経緯から、株主構成には市場環境の変化が大きく影響しやすい側面があります。
会社の公式開示情報
役員報酬
精密鋼球・ローラーで世界トップシェアを誇りますが、2025年12月期は巨額の減損損失を計上し最終赤字となるなど、厳しい経営状況にあります。現在は収益改善に向けたボールねじ事業の再編や経営基盤の立て直しを最優先課題として取り組んでいます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は28.6%と日本企業の中では相対的に高い水準にあり、多様性を重視した経営体制を構築しています。ガバナンス面では監査報酬に1億3,000万円を割いており、国際的な企業規模に見合った監査体制の維持に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 5億円 | -284億円 | -272億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 25億円 | — | -223億円 | 大幅未達 |
| FY2024 | 70億円 | — | 8億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 90億円 | — | 9億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年2月にFY2025-29を対象とする新中期経営計画を策定しました。事業ポートフォリオの転換とキャッシュ創出を掲げ、最終年度に売上高850億円、営業利益150億円以上という高い目標を設定しています。しかし、初年度であるFY2025に272.14億円の最終赤字を計上するなど、出だしから厳しい状況です。過去数年、期初計画を大幅に下回る実績が続いており、計画達成能力には大きな疑問符がつきます。投資ファンド主導での構造改革がどこまで収益改善に繋がるかが最大の焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続してTOPIXを大幅に下回る(アンダーパフォーム)結果となっています。特にFY2023以降はその差が拡大しており、同期間にTOPIXが大きく上昇する中で、ツバキ・ナカシマの株価は下落基調が続きました。これは、相次ぐ業績の下方修正やFY2025の巨額赤字計上など、ファンダメンタルズの悪化が株価に直接的に反映された結果です。株主へのリターン創出が長年の課題であり、新中計による事業再建が待たれます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 134.8万円 | +34.8万円 | 34.8% |
| FY2022 | 97.5万円 | -2.5万円 | -2.5% |
| FY2023 | 73.0万円 | -27.0万円 | -27.0% |
| FY2024 | 52.0万円 | -48.0万円 | -48.0% |
| FY2025 | 41.4万円 | -58.6万円 | -58.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPBRが0.31倍と極端に割安な一方、赤字転落によりPERは参考値となっています。これは市場が同社の資産価値や将来の収益性を非常に低く評価していることを示唆しています。信用倍率は8.47倍と高く、将来の株価上昇を期待した買いが多いものの、需給面では上値が重くなる可能性も指摘されます。今後の決算で業績回復の兆しを見せられるかが、市場評価を転換させる鍵となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年から2029年までの5ヵ年の中期経営計画を策定し、構造改革とキャッシュ創出の方向性を明確化しました。
2025年12月期連結最終損益が272.14億円の赤字となる見通しを発表し、市場の警戒感を強めました。
アドバンテッジアドバイザーズとの資本業務提携により150億円規模の調達を実施し、経営体制の再構築を図りました。
最新ニュース
ツバキ・ナカシマ まとめ
ひとめ診断
「精密ボール世界首位、巨額減損を乗り越えファンド支援のもとV字回復を目指す技術者集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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