ハーモニック・ドライブ・システムズ
Harmonic Drive Systems Inc.
最終更新日: 2026年3月28日
精密減速機で世界を動かす、ロボット時代のコア技術企業
『Total Motion Control』の実現を通じて、人々の暮らしと社会を豊かにします。
この会社ってなに?
あなたが普段利用するスマートフォンや自動車。これらを作る工場のロボットアームが、ミリ単位の精度で滑らかに動くのを想像してみてください。その精密な動きを支えているのが、ハーモニック・ドライブ・システムズが作る「ハーモニックドライブ®」という特殊な歯車(減速機)です。他にも、手術支援ロボットがお医者さんの繊細な手の動きを再現したり、宇宙探査機が過酷な環境で正確に動作したりする、その心臓部で同社の技術が活躍しています。まさに、私たちの生活を支えるハイテク製品の「縁の下の力持ち」なのです。
精密減速機で世界トップシェアを誇る技術主導型企業。FY2025は売上高556.5億円、営業利益0.06億円と、中国市況の悪化や半導体業界の在庫調整を受け大幅な減速を強いられました。特にFY2024には純利益で-248.06億円の赤字を計上するなど、外部環境の変動に大きく影響される収益構造が課題です。しかし、FY2026は売上高570.0億円、営業利益15.0億円への回復を見込んでおり、AIや人型ロボットといった新領域での需要拡大が本格化すれば、再び高成長軌道に戻るポテンシャルを秘めています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 品川区南大井六丁目25番3号 いちご大森ビル
- 公式
- www.hds.co.jp
社長プロフィール

当社は、減速機事業をコアにアクチュエータ、コントローラまでを含めた『Total Motion Control』の実現を通じ、新たな時代のうねりを生み出し、社会の発展に貢献することを目指します。長年培ってきた技術の深化と、新たな発想による技術の探索を通じて、革新的な製品を創造し続けることで、お客様に感動と満足を提供してまいります。
この会社のストーリー
米国企業の特許技術を基に、日本で波動歯車装置「ハーモニックドライブ®」の製造・販売を開始。日本のものづくりの歴史に新たな一歩を刻んだ。
着実な成長を背景に株式を公開し、社会的な信用を高める。ここからさらなる事業拡大と技術開発に向けた基盤を固めていく。
産業革新機構と共同で、欧州の重要拠点であるドイツのHarmonic Drive AGの株式を追加取得。グローバルな事業展開を加速させる大きな転機となった。
創業から半世紀を迎え、精密制御減速機の分野で世界的な地位を確立。長年培った技術力を武器に、次世代のニーズに応える製品開発を続ける。
産業用ロボット分野での成長を見据え、TE Connectivityと協業。ロボットジョイントの小型化・高性能化を目指し、新たなソリューション開発に乗り出す。
長井紘史氏が代表取締役社長に就任。次なる成長ステージに向け、新たなリーダーシップのもとで経営基盤の強化と企業価値向上を目指す。
JASDAQからスタンダード市場を経て、ついにプライム市場へ。日本を代表する企業の一つとして、さらなる飛躍が期待される。
生成AIの次に注目される「フィジカルAI」や人型ロボットの普及を見据える。その核心部品である精密減速機で、未来の産業革命を支える存在を目指す。
注目ポイント
産業用ロボットの関節などに不可欠な小型精密減速機の分野で世界トップクラスのシェアを誇ります。その高い技術力は、日本のものづくり力の象徴です。
主力製品「ハーモニックドライブ®」は、産業用ロボットだけでなく、宇宙開発や医療機器など最先端分野で活躍。未来のテクノロジーを根底から支えています。
生成AIの次に来ると言われる「フィジカルAI」や人型ロボットの実現に、同社の精密減速機は不可欠。今後のテクノロジー進化の波に乗る成長性が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | 33.0% |
| FY2017/3 | 20円 | 9.3% |
| FY2018/3 | 26円 | 29.9% |
| FY2019/3 | 38円 | 31.5% |
| FY2020/3 | 20円 | 1.0% |
| FY2021/3 | 20円 | 290.7% |
| FY2022/3 | 21円 | 30.4% |
| FY2023/3 | 28円 | 35.1% |
| FY2024/3 | 20円 | 1.0% |
| FY2025/3 | 20円 | 54.7% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目処とした配当を実施する方針を掲げています。業績の変動に応じて配当水準が見直されるため、利益の成長が配当の安定性に直結する構造です。内部留保の充実と株主還元を総合的に判断する姿勢をとっており、将来的な利益の拡大がさらなる増配の鍵となります。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、半導体製造装置やロボット産業の需要変動に強く左右される傾向があり、FY2024/3には受注減速の影響を受け、純損失248億円を計上する厳しい局面を迎えました。その後、FY2025/3には事業構造の見直しやコスト管理により純利益34億円を確保し、黒字転換を果たしています。FY2026/3期は、フィジカルAI関連やロボティクス市場での需要回復を見込み、さらなる収益改善を目指す堅実な成長路線を計画しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.3% | 0.5% | - |
| FY2022/3 | 7.6% | 4.6% | - |
| FY2023/3 | 8.0% | 4.9% | - |
| FY2024/3 | -24.9% | -20.8% | 0.2% |
| FY2025/3 | 6.8% | 3.1% | 0.0% |
収益性に関しては、FY2022/3からFY2023/3にかけて14-15%台の高い営業利益率を維持していましたが、FY2024/3は急激な需要の減退により売上営業利益率が0.2%まで著しく低下しました。FY2025/3においても利益水準は依然として低い状況が続いており、依然として売上高の拡大に伴う利益率の回復が喫緊の課題となっています。今後、高付加価値製品の拡販を通じて、かつての収益力へ戻れるかが株主にとっての重要な焦点となります。
財務は安全?
財務健全性については、長期にわたり強固な自己資本を維持してきましたが、FY2024/3以降は有利子負債約347億円が発生しており、財務構成に変化が見られます。自己資本比率は約70%前後を維持しており、同業他社と比較しても総じて高い安全性を保っています。今後も成長投資に向けた資金需要が継続する中で、有利子負債のコントロールと株主資本のバランスを維持していく経営手腕が求められます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 95.5億円 | -12.3億円 | -65.6億円 | 83.3億円 |
| FY2022/3 | 98.8億円 | -47.0億円 | -66.6億円 | 51.8億円 |
| FY2023/3 | 109億円 | -86.6億円 | -16.0億円 | 21.9億円 |
| FY2024/3 | 127億円 | -59.5億円 | -81.2億円 | 67.8億円 |
| FY2025/3 | 75.2億円 | 14.8億円 | -58.7億円 | 90.0億円 |
営業キャッシュフローは、厳しい業績環境下でも継続してプラスを維持しており、強固な本業の稼ぐ力があることを示しています。投資キャッシュフローは、将来の成長に向けた積極的な設備投資により支出が先行する傾向にありましたが、FY2025/3には一部投資の回収が進みました。財務キャッシュフローは負債の返済等によりマイナス圏で推移しており、健全な財務体質への改善に向けた資金配分を行っている状況です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.7億円 | 7.0億円 | 51.6% |
| FY2022/3 | 91.1億円 | 24.6億円 | 27.1% |
| FY2023/3 | 108億円 | 31.6億円 | 29.4% |
| FY2024/3 | 5.7億円 | 254億円 | 4452.1% |
| FY2025/3 | 1.5億円 | 0円 | 0.0% |
FY2024/3期の実効税率が著しく高いのは、一時的な特別損失や資産の減損処理等により税引前利益が極めて少額になったことによる会計上の数値乖離です。通常期においては概ね30%前後の標準的な実効税率で推移しております。FY2025/3期は繰越欠損金の活用等により法人税負担が抑制されていますが、今後利益が安定的に積み上がるにつれ、実効税率は法定水準へ回帰する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 705万円 | 1,384人 | - |
従業員平均年収は705万円であり、精密機械業界の製造業としては比較的高い水準にあります。世界シェア首位を誇る独自の高い技術力を背景に、付加価値の高い製品を生み出す収益力が、安定した報酬体系を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はKODENホールディングス・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人:みずほ銀行決済営業部)・INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人:インタラクティブ・ブローカーズ証券)。
株式会社KODENホールディングスが35.28%の株式を保有する筆頭株主であり、グループとしての安定的な支配構造が構築されています。海外機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねており、グローバル市場での高い注目度と流動性の高さが伺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
精密制御減速装置「ハーモニックドライブ®」を核に、産業用ロボットや半導体製造装置向けで圧倒的な市場シェアを保持しています。事業リスクとしては、特定の産業に対する依存度や為替変動、原材料価格の高騰などが挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.1%と改善の余地があるものの、執行役員制度の導入による迅速な意思決定体制が整っています。連結子会社17社を擁する大規模な事業体として、監査報酬5,000万円を投じて透明性の高い監査体制の維持に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 585億円 | 570億円 | 557億円 | -4.9% |
| FY2024 | 750億円 | — | 558億円 | -25.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 27億円 | 15億円 | 0億円 | -99.8% |
| FY2024 | 130億円 | — | 1億円 | -99.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は明確な中期経営計画を開示していませんが、毎期の業績予想が実質的な短期計画となります。しかし、近年の業績は半導体市況や中国経済の動向に大きく左右され、FY2024、FY2025と2期連続で期初予想を大幅に下回る結果となりました。特に利益面での未達が顕著で、外部環境の変化に対する耐性が課題です。FY2026は増収増益への回帰を見込んでいますが、予想の達成確度を慎重に見極める必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2021を除き、一貫してTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、株価が業績の変動を大きく受けて低迷した時期が長かったためです。FY2022以降は半導体市況の悪化や中国経済の減速が直撃し、株価が大きく下落したことが主な要因と考えられます。株主還元の基本方針は配当性向30%目処ですが、業績悪化局面では配当維持が限界で、株価下落をカバーするには至りませんでした。今後のTSR改善には、安定的な業績成長と株価の回復が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 158.7万円 | +58.7万円 | 58.7% |
| FY2022 | 90.2万円 | -9.8万円 | -9.8% |
| FY2023 | 94.5万円 | -5.5万円 | -5.5% |
| FY2024 | 86.2万円 | -13.8万円 | -13.8% |
| FY2025 | 69.2万円 | -30.8万円 | -30.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
マーケットデータを見ると、PER296.1倍、PBR4.89倍と、業界平均に比べて著しく高いバリュエーションで取引されています。これは、同社の技術優位性と将来の成長(特にAI・ロボット分野)への強い期待を反映したものです。信用倍率は6.16倍と比較的高水準にあり、短期的な値動きの大きさを示唆しています。株価は将来の業績回復を相当程度織り込んでいるため、決算発表で期待に届かない場合は、大きな株価調整のリスクも内包しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
東証プライム市場への市場区分変更が承認され、企業価値の向上に向けた新たなステージへ。
中間決算がコンセンサスを上回り、高精度減速機の需要が堅調に推移していることが確認された。
Servo Dynamics社との提携により、アジア市場における売上20億円超の上積みを計画。
最新ニュース
ハーモニック・ドライブ・システムズ まとめ
ひとめ診断
「ロボット関節の『黒子』、フィジカルAI時代のキープレイヤーとして再評価を待つ精密減速機の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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