ハーモニック・ドライブ・システムズ6324
Harmonic Drive Systems Inc.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段利用するスマートフォンや自動車。これらを作る工場のロボットアームが、ミリ単位の精度で滑らかに動くのを想像してみてください。その精密な動きを支えているのが、ハーモニック・ドライブ・システムズが作る「ハーモニックドライブ®」という特殊な歯車(減速機)です。他にも、手術支援ロボットがお医者さんの繊細な手の動きを再現したり、宇宙探査機が過酷な環境で正確に動作したりする、その心臓部で同社の技術が活躍しています。まさに、私たちの生活を支えるハイテク製品の「縁の下の力持ち」なのです。
精密減速機で世界トップシェアを誇る技術主導型企業。2025期は売上高556.5億円、営業利益0.06億円と、中国市況の悪化や半導体業界の在庫調整を受け大幅な減速を強いられました。特に2024期には純利益で-248.06億円の赤字を計上するなど、外部環境の変動に大きく影響される収益構造が課題です。しかし、2026期は売上高570.0億円、営業利益15.0億円への回復を見込んでおり、AIや人型ロボットといった新領域での需要拡大が本格化すれば、再び高成長軌道に戻るポテンシャルを秘めています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 品川区南大井六丁目25番3号 いちご大森ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0.6% | 0.5% | - |
| 2022/03期 | 6.4% | 4.7% | - |
| 2023/03期 | 7.5% | 5.1% | - |
| 2024/03期 | 27.1% | 18.1% | 0.2% |
| 2025/03期 | 4.4% | 3.0% | 0.0% |
| 3Q FY2026/3 | 1.2%(累計) | 0.7%(累計) | 2.8% |
収益性に関しては、2022/03期から2023/03期にかけて14-15%台の高い営業利益率を維持していましたが、2024/03期は急激な需要の減退により売上営業利益率が0.2%まで著しく低下しました。2025/03期においても利益水準は依然として低い状況が続いており、依然として売上高の拡大に伴う利益率の回復が喫緊の課題となっています。今後、高付加価値製品の拡販を通じて、かつての収益力へ戻れるかが株主にとっての重要な焦点となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 370億円 | — | 6.6億円 | 6.9円 | - |
| 2022/03期 | 571億円 | — | 66.4億円 | 69.0円 | +54.2% |
| 2023/03期 | 715億円 | — | 76.0億円 | 79.7円 | +25.3% |
| 2024/03期 | 558億円 | 1.3億円 | 248億円 | -261.0円 | -22.0% |
| 2025/03期 | 556億円 | 700万円 | 34.7億円 | 36.6円 | -0.3% |
当社の業績は、半導体製造装置やロボット産業の需要変動に強く左右される傾向があり、2024/03期には受注減速の影響を受け、純損失248億円を計上する厳しい局面を迎えました。その後、2025/03期には事業構造の見直しやコスト管理により純利益34億円を確保し、黒字転換を果たしています。2026/03期期は、フィジカルAI関連やロボティクス市場での需要回復を見込み、さらなる収益改善を目指す堅実な成長路線を計画しています。 【3Q 2026/03期実績】売上422億円(通期予想比74%)、営業利益12億円(同79%)、純利益7.7億円(同59%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
精密制御減速装置「ハーモニックドライブ®」を核に、産業用ロボットや半導体製造装置向けで圧倒的な市場シェアを保持しています。事業リスクとしては、特定の産業に対する依存度や為替変動、原材料価格の高騰などが挙げられます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 585億円 | 570億円 | 557億円 | -4.9% |
| 2024期 | 750億円 | — | 558億円 | -25.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 27億円 | 15億円 | 0億円 | -99.8% |
| 2024期 | 130億円 | — | 1億円 | -99.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は明確な中期経営計画を開示していませんが、毎期の業績予想が実質的な短期計画となります。しかし、近年の業績は半導体市況や中国経済の動向に大きく左右され、2024期、2025期と2期連続で期初予想を大幅に下回る結果となりました。特に利益面での未達が顕著で、外部環境の変化に対する耐性が課題です。2026期は増収増益への回帰を見込んでいますが、予想の達成確度を慎重に見極める必要があります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
東証プライム市場への市場区分変更が承認され、企業価値の向上に向けた新たなステージへ。
中間決算がコンセンサスを上回り、高精度減速機の需要が堅調に推移していることが確認された。
Servo Dynamics社との提携により、アジア市場における売上20億円超の上積みを計画。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、長期にわたり強固な自己資本を維持してきましたが、2024/03期以降は有利子負債約347億円が発生しており、財務構成に変化が見られます。自己資本比率は約70%前後を維持しており、同業他社と比較しても総じて高い安全性を保っています。今後も成長投資に向けた資金需要が継続する中で、有利子負債のコントロールと株主資本のバランスを維持していく経営手腕が求められます。 【3Q 2026/03期】総資産1091億円、純資産776億円、自己資本比率56.3%、有利子負債118億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 95.5億円 | 12.3億円 | 65.6億円 | 83.3億円 |
| 2022/03期 | 98.8億円 | 47.0億円 | 66.6億円 | 51.8億円 |
| 2023/03期 | 109億円 | 86.6億円 | 16.0億円 | 21.9億円 |
| 2024/03期 | 127億円 | 59.5億円 | 81.2億円 | 67.8億円 |
| 2025/03期 | 75.2億円 | 14.8億円 | 58.7億円 | 90.0億円 |
営業キャッシュフローは、厳しい業績環境下でも継続してプラスを維持しており、強固な本業の稼ぐ力があることを示しています。投資キャッシュフローは、将来の成長に向けた積極的な設備投資により支出が先行する傾向にありましたが、2025/03期には一部投資の回収が進みました。財務キャッシュフローは負債の返済等によりマイナス圏で推移しており、健全な財務体質への改善に向けた資金配分を行っている状況です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.1%と改善の余地があるものの、執行役員制度の導入による迅速な意思決定体制が整っています。連結子会社17社を擁する大規模な事業体として、監査報酬5,000万円を投じて透明性の高い監査体制の維持に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 705万円 | 1,384人 | - |
従業員平均年収は705万円であり、精密機械業界の製造業としては比較的高い水準にあります。世界シェア首位を誇る独自の高い技術力を背景に、付加価値の高い製品を生み出す収益力が、安定した報酬体系を支えています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2021期を除き、一貫してTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、株価が業績の変動を大きく受けて低迷した時期が長かったためです。2022期以降は半導体市況の悪化や中国経済の減速が直撃し、株価が大きく下落したことが主な要因と考えられます。株主還元の基本方針は配当性向30%目処ですが、業績悪化局面では配当維持が限界で、株価下落をカバーするには至りませんでした。今後のTSR改善には、安定的な業績成長と株価の回復が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 18円 | 33.0% |
| 2017/03期 | 20円 | 9.3% |
| 2018/03期 | 26円 | 29.9% |
| 2019/03期 | 38円 | 31.5% |
| 2020/03期 | 20円 | - |
| 2021/03期 | 20円 | 290.7% |
| 2022/03期 | 21円 | 30.4% |
| 2023/03期 | 28円 | 35.1% |
| 2024/03期 | 20円 | - |
| 2025/03期 | 20円 | 54.7% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目処とした配当を実施する方針を掲げています。業績の変動に応じて配当水準が見直されるため、利益の成長が配当の安定性に直結する構造です。内部留保の充実と株主還元を総合的に判断する姿勢をとっており、将来的な利益の拡大がさらなる増配の鍵となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 158.7万円 | 58.7万円 | 58.7% |
| 2022期 | 90.2万円 | 9.8万円 | -9.8% |
| 2023期 | 94.5万円 | 5.5万円 | -5.5% |
| 2024期 | 86.2万円 | 13.8万円 | -13.8% |
| 2025期 | 69.2万円 | 30.8万円 | -30.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
マーケットデータを見ると、PER296.1倍、PBR4.89倍と、業界平均に比べて著しく高いバリュエーションで取引されています。これは、同社の技術優位性と将来の成長(特にAI・ロボット分野)への強い期待を反映したものです。信用倍率は6.16倍と比較的高水準にあり、短期的な値動きの大きさを示唆しています。株価は将来の業績回復を相当程度織り込んでいるため、決算発表で期待に届かない場合は、大きな株価調整のリスクも内包しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 13.7億円 | 7.0億円 | 51.6% |
| 2022/03期 | 91.1億円 | 24.6億円 | 27.1% |
| 2023/03期 | 108億円 | 31.6億円 | 29.4% |
| 2024/03期 | 5.7億円 | 254億円 | 4452.1% |
| 2025/03期 | 1.5億円 | 0円 | 0.0% |
2024/03期期の実効税率が著しく高いのは、一時的な特別損失や資産の減損処理等により税引前利益が極めて少額になったことによる会計上の数値乖離です。通常期においては概ね30%前後の標準的な実効税率で推移しております。2025/03期期は繰越欠損金の活用等により法人税負担が抑制されていますが、今後利益が安定的に積み上がるにつれ、実効税率は法定水準へ回帰する見込みです。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
ハーモニック・ドライブ・システムズ まとめ
「ロボット関節の『黒子』、フィジカルAI時代のキープレイヤーとして再評価を待つ精密減速機の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。