日本金銭機械
JAPAN CASH MACHINE CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
世界のカジノを支える、貨幣処理技術のグローバルニッチトップ企業
識別・鑑別技術を進化させ、貨幣処理技術のパイオニアとして世界の現金流通を支え、安全で便利な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが海外旅行でカジノのスロットマシンを楽しんだことがあるなら、その裏側で日本金銭機械の技術が活躍していたかもしれません。同社は、お札が本物かどうかを瞬時に見分ける機械の世界的なトップメーカーです。普段、私たちがスーパーのセルフレジや駅の券売機でお金を入れたとき、機械が詰まらずスムーズにお釣りを計算してくれるのも、同社のような企業の精密な技術のおかげです。目には見えない場所で、社会のお金の流れを正確かつ安全に支えている、まさに「縁の下の力持ち」のような会社です。
貨幣処理機大手。FY2025には売上高378.1億円、営業利益49.10億円を達成し、コロナ禍の赤字から劇的なV字回復を遂げました。この回復は、北米や欧州のカジノ市場の活況を背景に主力の海外ゲーミング事業が大きく伸長したことが要因です。FY2026は一時的な減収減益を見込むものの、富士通フロンテックからの事業譲受などM&Aも積極的に行っており、事業ポートフォリオの変革を進める過渡期にあります。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市浪速区難波中2丁目11番18号
- 公式
- www.jcm-hq.co.jp
社長プロフィール

急激に変化する事業環境に迅速に対応し、持続的な成長を目指します。M&Aや事業提携を積極的に展開するとともに、経営の効率化にも取り組み、株主様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
大阪市南区(現・中央区)にて、硬貨計数機の製造・販売を目的として創業。貨幣処理の歴史がここから始まる。
JCM AMERICAN CORPORATIONを設立し、本格的な海外進出を開始。グローバル展開の礎を築く。
ゲーミング市場向けに画期的な紙幣識別ユニットを開発。北米カジノ市場で高い評価を獲得し、主要サプライヤーとしての地位を確立する。
社会的な信用を高め、さらなる事業拡大に向けた経営基盤を強化。株式市場からの資金調達が可能となる。
大証との現物市場統合に伴い、東証に上場。2014年には市場第一部(現・プライム市場)へ指定替えとなる。
子会社JCMシステムズから遊技場向け機器事業を承継。グループ内の事業再編により、経営の効率化と競争力強化を図る。
創業70周年を迎え、社史「日本金銭機械70年史」を発刊。世界の貨幣処理を支えてきた歴史を振り返り、未来への決意を新たにする。
2033年3月期に売上高550億円、営業利益率10%を目指す長期ビジョンを策定。持続的な成長に向けたロードマップを明確にする。
注目ポイント
貨幣処理機のグローバル大手。特に北米をはじめとする世界のゲーミング(カジノ)市場で高いシェアを誇り、安定した収益基盤を築いています。
富士通フロンテックから中・小型リサイクラー事業を譲受するなど、M&Aや事業提携を積極的に活用。既存事業の強化と新たな成長領域の開拓を両輪で進めています。
安定配当を基本方針とし、業績に応じた利益還元を実施。2025年3月期には創業70周年記念配当を含む年間配当50円を予定しており、株主を重視する姿勢が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 17円 | 128.1% |
| FY2017/3 | 17円 | 45.1% |
| FY2018/3 | 17円 | 53.8% |
| FY2019/3 | 20円 | 46.0% |
| FY2020/3 | 17円 | 0.2% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 5円 | 24.5% |
| FY2023/3 | 10円 | 9.4% |
| FY2024/3 | 26円 | 23.1% |
| FY2025/3 | 50円 | 35.5% |
株主優待制度は現在実施しておりません。
当社は経営成績に応じた利益還元を重視する方針をとっており、直近では業績回復に伴い大幅な増配を実施しています。FY2025/3は普通配当に加え記念配当も実施し、配当性向35.5%の水準まで引き上げました。今後は安定した利益成長を前提とし、株主への還元を強化する意向を示しています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、ゲーミング市場における主力製品の需要拡大を背景に、FY2021/3の赤字から劇的な回復を遂げました。FY2025/3には売上高が約378億円まで成長し、収益基盤の強化が明確となっています。ただし、FY2026/3予想では市場環境の変化を見込み、増収路線から一転して減収を予想するなど、外部環境の変動影響を受けやすい側面があります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -34.2% | -23.8% | - |
| FY2022/3 | 2.7% | 1.8% | - |
| FY2023/3 | 11.2% | 8.1% | - |
| FY2024/3 | 18.3% | 6.9% | 9.0% |
| FY2025/3 | 14.8% | 7.7% | 13.0% |
収益性はFY2021/3の赤字局面を脱却後、営業利益率が13.0%へ改善するなど大きく向上しました。これは主力事業である海外ゲーミング市場での高い競争力が寄与した結果です。足元ではROEが11.9%と資本効率を重視した経営が定着しており、効率的な利益創出体制が構築されています。
財務は安全?
財務健全性については、FY2024/3以降の借入金増加に伴い自己資本比率は60%台へ低下したものの、依然として強固な財務基盤を維持しています。総資産はFY2025/3時点で約494億円に達しており、積極的な事業拡大を支える十分な資本蓄積があります。今後も負債をコントロールしつつ、安定的な成長投資を継続できる水準にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -8.4億円 | -3,500万円 | 39.9億円 | -8.8億円 |
| FY2022/3 | 13.3億円 | -2.6億円 | 4.0億円 | 10.8億円 |
| FY2023/3 | -8.0億円 | 5.2億円 | -14.2億円 | -2.8億円 |
| FY2024/3 | -49.3億円 | -4.0億円 | 41.2億円 | -53.3億円 |
| FY2025/3 | 76.4億円 | -3.9億円 | -27.9億円 | 72.5億円 |
営業キャッシュフローはFY2024/3の大幅なマイナスからFY2025/3には約76億円のプラスへと急回復し、事業稼ぎ出す力が大幅に強化されました。投資キャッシュフローは継続的な設備投資により小規模なマイナスが続いています。潤沢な営業キャッシュ・フローを背景に借入金の返済を進めるなど、財務戦略の正常化が進んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -29.0億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 13.8億円 | 7.8億円 | 56.3% |
| FY2023/3 | 12.7億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 35.7億円 | 2.9億円 | 8.0% |
| FY2025/3 | 46.8億円 | 8.7億円 | 18.5% |
過去の赤字繰越欠損金の解消に伴い、税負担額は期によって大きく変動しています。FY2025/3には利益成長に伴い約8.7億円の法人税等を計上し、標準的な税率水準へ近づいています。今後は安定した黒字化に伴い、実効税率は適正範囲内で推移する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 771万円 | 570人 | - |
従業員平均年収は771万円であり、製造業の中でも機械セクターとして高水準な給与体系を維持しています。グローバル市場における高いシェアと安定的な利益体質が、高い人件費を支える源泉となっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は上東興産。
上位株主には上東興産株式会社(17.31%)や創業者一族の資産管理会社的色彩が強く、安定的な経営体制が維持されています。機関投資家である信託銀行や大手銀行の保有が続いており、中長期的な保有比率が高い一方で、浮動株の比率は限定的であると推測されます。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力は海外ゲーミング(カジノ向け)機器事業であり、北米や欧州での設備投資動向が業績に直結する構造です。為替変動リスクや海外での法規制の変化、特定顧客への依存度が高いことが、主要な経営リスクとして開示されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%であり、多様性の確保に向けて改善の余地がある現状です。監査体制については適切な報酬を支払うことで独立した監査法人によるチェックを強化しており、16社の連結子会社を抱える中堅企業として、グループ全体でのコンプライアンス管理を徹底しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 351億円 | — | 378億円 | +7.7% |
| FY2024 | 286億円 | — | 316億円 | +10.5% |
| FY2023 | 286億円 | — | 253億円 | -11.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 34億円 | — | 49億円 | +44.4% |
| FY2024 | 15億円 | — | 28億円 | +89.3% |
| FY2023 | 15億円 | — | 6億円 | -58.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は2033年3月期を最終年度とする長期ビジョンを掲げ、売上高550億円、営業利益率10%を目標としています。FY2025実績は売上高378.1億円(進捗率68.7%)、営業利益率13.0%(目標達成済)と順調に進捗しています。特筆すべきは業績予想の精度で、直近2期連続で期初予想を大幅に上回る着地となっており、保守的なガイダンスを出す傾向が見られます。これは、カジノ市場など外部環境の変動が大きい事業特性を反映していると考えられます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。FY2022以降、同社のTSRはTOPIXを一貫してアウトパフォームしており、特にFY2023には224.6%という高い数値を記録しました。これは、コロナ禍からの急速な業績回復と、それに伴う増配・株価上昇が複合的に作用した結果です。株主還元への意識と業績の回復力が、市場平均を上回るリターン創出に繋がっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 112.9万円 | +12.9万円 | 12.9% |
| FY2022 | 125.7万円 | +25.7万円 | 25.7% |
| FY2023 | 224.6万円 | +124.6万円 | 124.6% |
| FY2024 | 250.1万円 | +150.1万円 | 150.1% |
| FY2025 | 203.1万円 | +103.1万円 | 103.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER8.9倍、PBR0.89倍といずれも業界平均を大きく下回っており、株価は割安と判断される水準です。特にPBRは解散価値とされる1倍を割り込んでいます。一方で、配当利回りは4.70%と市場平均を上回る高水準です。信用倍率は3.98倍とやや買い残が多い状況で、将来的な株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面では上値が重くなる可能性も示唆しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
富士通フロンテックから中・小型リサイクラー・ディスペンサー事業を譲り受け、製品ポートフォリオを強化。
26年3月期第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比37.0%減となり、収益の伸び悩みが顕在化。
26年3月期上期経常利益を従来予想の5億円から10億円へ上方修正し、一時的な復調を示す。
経営効率化の一環として東京本社を三田ベルジュビルへ移転し、事業環境の変化に対応。
最新ニュース
日本金銭機械 まとめ
ひとめ診断
「カジノの金庫番がV字回復を遂げ、M&Aで非ゲーミング分野へも触手を伸ばす」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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