オルガノ
Organo Corporation
最終更新日: 2026年4月7日
半導体の命を洗う超純水のスペシャリスト、TSMCの知られざる右腕として世界の先端技術を支える
水を究め、水から価値を創造する。限りなくH2Oに近い超純水技術で、世界の先端産業と持続可能な社会を支える。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコンの半導体チップは、製造工程で極めて純度の高い水で洗浄されています。この「超純水」を作る装置を提供しているのがオルガノです。また、火力発電所のボイラー用水や、食品工場の排水処理、さらには家庭に届く水道水の浄化プロセスにもオルガノの技術が活躍しています。目に見えない「水」のインフラ技術を通じて、半導体から日常生活まで幅広く社会を支えている企業です。
オルガノは1946年創立の総合水処理エンジニアリング企業で、東ソーの連結子会社です。半導体製造に不可欠な超純水の製造装置で世界トップクラスの技術力を持ち、台湾TSMCをはじめとする半導体メーカーへの供給で圧倒的な存在感を示しています。2025年3月期は売上高1,633億円(前期比8.6%増)、営業利益311億円(同38.0%増)と大幅な増収増益を達成し、営業利益率は19.1%に到達。AI向け半導体工場の世界的な新設ラッシュを追い風に、2026年3月期も売上高1,750億円、営業利益315億円を見込んでいます。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区新砂1-2-8
- 公式
- www.organo.co.jp
社長プロフィール
水は産業と生活の基盤です。当社は創業以来培ってきた水処理技術を進化させ、半導体製造に不可欠な超純水から、安全な飲料水、環境に優しい排水処理まで、水のあらゆる課題に挑戦し続けます。AI・半導体時代の水インフラを担うグローバルリーダーを目指してまいります。
この会社のストーリー
日本オルガノ商会として東京で設立。イオン交換樹脂を使った水処理技術の先駆者としてスタートした。
高度経済成長期に火力発電所のボイラー用水処理装置で事業を拡大。日本のエネルギーインフラを支える企業へと成長した。
半導体製造に必要な超純水技術の開発に着手。限りなくH2Oに近い純度を実現する独自技術を確立した。
台湾の半導体メーカー向けに超純水プラントの供給を開始。TSMCとの取引関係を構築し、海外展開を加速させた。
東ソーが親会社となり、化学メーカーとの連携による技術シナジーを追求。経営基盤の安定化を実現した。
生成AI向け半導体工場の世界的な新設ラッシュにより受注が急拡大。営業利益率は19%を超え、株価は上場来高値を更新した。
米国・欧州での半導体工場向けプラント受注を拡大中。AI時代の水インフラを担うグローバルリーダーを目指す。
注目ポイント
半導体製造に不可欠な超純水の製造装置で世界有数の技術力を誇ります。TSMCをはじめとする大手半導体メーカーとの強固な取引関係が、長期的な競争優位の源泉です。
生成AI向け半導体工場の世界的な新設ラッシュにより、超純水プラントの需要が構造的に拡大しています。デジタル社会の拡大とともに成長が見込まれる希少な銘柄です。
営業利益率は5年間で9.5%から19.1%へとほぼ倍増。ROEも19.9%と日本企業トップクラスの水準にあり、資本効率の高さが際立っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 9円 | 20.8% |
| FY2017/3 | 11円 | 23.2% |
| FY2019/3 | 18.3円 | 18.8% |
| FY2020/3 | 26円 | 16.6% |
| FY2021/3 | 28.5円 | 18.5% |
| FY2022/3 | 40円 | 19.9% |
| FY2024/3 | 102円 | 27.1% |
| FY2025/3 | 160円 | 30.5% |
株主優待制度はありません。配当を通じた株主還元を重視しています。
5期連続の増配を継続しており、FY2021/3の28.5円からFY2025/3の160円へと約5.6倍に増加しました。配当性向もFY2021/3の18.5%から30.5%へと引き上げが進んでいます。FY2026/3は190円への増配を予想しており、業績拡大に連動した積極的な株主還元姿勢が鮮明です。配当利回りは株価上昇により1%台と低水準ですが、成長投資と両立した還元強化が期待されます。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
オルガノの業績は5期連続の増収増益を達成しており、売上高はFY2021/3の1,006億円からFY2025/3の1,633億円へと約62%成長しました。特に注目すべきは営業利益率の急速な改善で、FY2021/3の9.5%からFY2025/3には19.1%まで上昇しています。これは半導体関連の大型プラント案件の増加と、メンテナンス収益のストック型ビジネスの拡大によるものです。FY2026/3も増収増益を見込んでおり、AI半導体需要の構造的な成長が業績を力強く下支えしています。
事業ごとの売上・利益
超純水製造装置、排水処理装置、上下水道プラントの設計・施工・メンテナンス。半導体向けが売上の大半を占め、TSMC等への供給で世界的な存在感を持つ。
イオン交換樹脂、水処理薬品、食品・医薬向け分離精製材料の製造販売。ストック型収益の柱として安定的に利益貢献。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.9% | 6.2% | - |
| FY2022/3 | 12.6% | 7.1% | - |
| FY2023/3 | 13.1% | 7.1% | - |
| FY2024/3 | 17.2% | 9.5% | 15.0% |
| FY2025/3 | 24.2% | 12.4% | 19.1% |
収益性は目覚ましい改善を遂げており、営業利益率はFY2021/3の9.5%からFY2025/3の19.1%へとほぼ倍増しました。ROEも19.9%と日本企業としては極めて高い水準に到達しています。これは半導体向け超純水プラントの大型案件で高い付加価値を実現できていることに加え、メンテナンスサービスや水処理薬品といった利益率の高いストック型ビジネスの拡大が寄与しています。
財務は安全?
総資産は1,944億円で、自己資本比率は62.2%と実質無借金の極めて健全な財務体質を維持しています。FY2023/3にBPSが大幅に変動していますが、これは株式分割の影響です。純資産は着実に積み上がっており、高い利益率による内部留保の蓄積が進んでいます。財務的な制約がほとんどなく、成長投資と株主還元の両立が可能な状態です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -45.8億円 | -12.6億円 | 49.3億円 | -58.4億円 |
| FY2022/3 | 108億円 | -15.2億円 | -25.9億円 | 92.7億円 |
| FY2023/3 | -185億円 | -13.1億円 | 147億円 | -198億円 |
| FY2024/3 | 37.3億円 | -14.2億円 | -6.4億円 | 23.1億円 |
| FY2025/3 | 211億円 | -21.3億円 | -208億円 | 190億円 |
営業キャッシュフローは大型プラント案件の進行状況により年度間の変動が大きい特徴があります。FY2023/3のマイナスは半導体関連の大規模プロジェクトへの前払いや仕掛品の増加によるもので、一時的な運転資本の膨張が原因です。FY2025/3は211億円の営業CFを計上し、大型案件の検収が進んだことを示しています。プラント事業特有のCF変動パターンであり、利益ベースでの収益力は安定しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 99.0億円 | 28.3億円 | 28.5% |
| FY2022/3 | 115億円 | 23.4億円 | 20.2% |
| FY2023/3 | 160億円 | 42.9億円 | 26.8% |
| FY2024/3 | 234億円 | 61.1億円 | 26.1% |
| FY2025/3 | 316億円 | 74.9億円 | 23.7% |
実効税率は20〜29%の範囲で安定的に推移しており、特殊な税務要因は限定的です。税引前利益はFY2021/3の99億円からFY2025/3の316億円へと3倍以上に増加しており、納税額も着実に増えています。今後も業績拡大に伴い安定した納税が見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 907万円 | 2,660人 | - |
誰がこの会社の株を持ってる?
親会社の東ソーが44.28%を保有しており、安定株主比率が高い構成です。浮動株比率は36%と限定的で、株価の変動要因となり得ます。
筆頭株主の東ソー(44.28%)が親会社として圧倒的な支配力を持っています。日本マスタートラスト信託銀行(10.01%)や日本カストディ銀行(4.06%)といった機関投資家も上位に並びます。外国法人の保有比率は21.9%と中程度で、半導体関連銘柄としてグローバルな投資家からの注目度が高まっています。浮動株が限られるため、需給面での株価変動が大きくなりやすい特徴があります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 水処理エンジニアリング事業 | 1,310億円 | 248億円 | 18.9% |
| 機能商品事業 | 323億円 | 63億円 | 19.5% |
売上の約80%を占める水処理エンジニアリング事業が収益の柱で、半導体向け超純水プラントが成長を牽引しています。機能商品事業は利益率19.5%と高く、水処理薬品やイオン交換樹脂のストック型ビジネスとして安定的に利益貢献しています。事業リスクとしては半導体設備投資サイクルへの依存度の高さが最大の懸念材料であり、台湾を中心としたアジア地域の地政学リスクにも留意が必要です。
この会社のガバナンスは?
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は5年間で493.6%と、TOPIXの213.4%を大幅に上回るアウトパフォーマンスを達成しています。特にFY2024にはTSRが579%に到達し、半導体ブームの恩恵を最も受けた銘柄の一つとなりました。FY2025は若干調整したものの依然としてTOPIXの2倍以上のリターンを維持しており、超純水技術という独自の競争優位が株主価値の創造に直結しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 123.2万円 | +23.2万円 | 23.2% |
| FY2022 | 189.9万円 | +89.9万円 | 89.9% |
| FY2023 | 272.7万円 | +172.7万円 | 172.7% |
| FY2024 | 579.0万円 | +479.0万円 | 479.0% |
| FY2025 | 493.6万円 | +393.6万円 | 393.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER27.4倍、PBR5.48倍と機械セクター平均を大幅に上回るプレミアム評価を受けています。これは半導体関連のAI需要拡大を背景とした高い成長期待の反映です。配当利回りは1.11%と低水準ですが、これは株価の急騰によるものであり、配当額自体は急速に増加しています。信用倍率は2.29倍と標準的で、需給面での極端な偏りはありません。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期3Q累計の経常利益は前年同期比31.6%増の262億円と大幅増益。半導体関連の旺盛な需要が牽引しました。
2026年3月期の通期業績予想を増額修正。上期の営業利益は従来予想115億円から148億円へ大幅に引き上げました。
AI向け半導体工場の世界的な新設ラッシュにより、超純水製造装置の受注が急拡大。株価は上場来高値圏で推移。
ナレッジ共有プラットフォーム開発のLIGHTzと資本業務提携を発表。AIを活用した水処理技術の継承に取り組みます。
2024年3月期は売上高1,504億円、営業利益225億円と過去最高益を更新。半導体向けプラントが収益を牽引しました。
最新ニュース
オルガノ まとめ
ひとめ診断
「TSMCの知られざる右腕、超純水技術で半導体製造を支える総合水処理エンジニアリング企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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