酉島製作所
Torishima Pump Mfg.Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
100年の技術で世界の水インフラを支え、未来のエネルギー社会を拓くポンプの巨人
ポンプ技術を通じて、世界中の人々が安心して水を使える社会を実現し、カーボンニュートラルな未来を創造する。
この会社ってなに?
あなたが毎日使う水や電気、実はその安定供給を酉島製作所のポンプが陰で支えているかもしれません。例えば、蛇口をひねれば当たり前に出てくる水道水は、巨大なポンプで浄水場から送り届けられています。また、私たちが使う電気を生み出す発電所では、非常に高温・高圧の水を循環させるために、同社の高性能なポンプが不可欠です。さらに、中東など水不足に悩む国々で海水を真水に変える「海水淡水化プラント」でも、心臓部として酉島製作所のポンプが活躍しています。普段目にすることのない社会インフラの裏側で、世界中の人々の生活を支えている会社です。
ポンプ国内大手3社の一角、酉島製作所は、エネルギー・水インフラ向け高効率ポンプを強みに世界展開を加速しています。直近の2025年3月期決算では売上高865.0億円を達成しましたが、営業利益は前期比減の54.49億円となりました。しかし、中東の海水淡水化プラント向けやデータセンター冷却用ポンプの需要は旺盛で、受注残高は高水準を維持。さらに、蒸気タービンを手掛ける新日本造機の子会社化や、液化水素基地向けポンプの受注など、将来の成長に向けた戦略的投資を積極的に進めています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府高槻市宮田町一丁目1番8号
- 公式
- www.torishima.co.jp
社長プロフィール
当社は創業以来100年以上にわたり、社会インフラを支えるポンプを提供してきました。私たちの使命は、高品質・高効率なポンプを通じて、世界の水問題解決や低炭素社会の実現に貢献することです。これからも技術革新を続け、持続可能な未来を創造していきます。
この会社のストーリー
創業者・原田屋彌(はらだやや)が高圧タービンポンプの国産化を目指し、大阪で酉島製作所を創業。日本の近代化を支える第一歩を踏み出した。
大阪証券取引所に株式を上場。企業としての社会的信頼を高め、さらなる成長に向けた基盤を築いた。
当時の技術の粋を集めた超大型の可動翼立軸軸流ポンプの受注に成功。日本の大型上下水道事業への本格参入を果たす大きな転機となった。
中東地域を中心に海外展開を加速。特に海水淡水化プラント向けポンプで高い評価を獲得し、グローバルメーカーとしての地位を確立した。
創業110周年(2029年)を見据えた新たな中期経営計画を策定。持続的成長と企業価値向上を目指す新たな挑戦を開始した。
独自開発の「スーパーエコポンプ」が、省エネ大賞の最高位である「経済産業大臣賞」を受賞。業界トップクラスの技術力が公に認められた。
蒸気タービン・ポンプメーカーの新日本造機を子会社化。製品ラインナップを拡充し、エネルギー分野でのさらなる事業拡大を目指す。
世界最大級の液化水素基地向けポンプを受注。次世代エネルギーとして期待される水素社会の実現に貢献し、新たな成長領域を切り拓く。
注目ポイント
JAXAと共同でロケット用液体水素ポンプを開発。世界最大級の液化水素基地向けポンプも受注するなど、脱炭素社会のキーテクノロジーで世界をリードしています。
純資産配当率(DOE)3.0%と配当性向35%を目安に、安定かつ継続的な株主還元を目指す「累進配当」を方針として掲げており、投資家にとって魅力的です。
業界トップクラスの効率を誇る「スーパーエコポンプ」は、省エネ大賞で最高位の「経済産業大臣賞」を受賞。環境負荷低減と顧客のコスト削減に大きく貢献しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | - |
| FY2017/3 | 18円 | 32.1% |
| FY2018/3 | 18円 | 57.1% |
| FY2019/3 | 25円 | 31.2% |
| FY2020/3 | 18円 | 89.7% |
| FY2021/3 | 21円 | 16.6% |
| FY2022/3 | 42円 | 30.5% |
| FY2023/3 | 52円 | 31.2% |
| FY2024/3 | 58円 | 24.7% |
| FY2025/3 | 60円 | 39.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は中長期的な価値創造への投資を優先しつつ、DOE(純資産配当率)3.0%及び配当性向35%を目安とした配当方針を掲げています。業績の拡大とともに配当金も継続的に増額しており、累進配当の姿勢を堅持している点が特徴です。今後も安定した株主還元を通じ、長期的な投資魅力の向上を目指しています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
酉島製作所の売上高は、FY2021/3の約508億円からFY2025/3には約865億円へと大幅な成長を遂げており、グローバルな水インフラやエネルギー関連の需要を着実に取り込んでいます。FY2024/3には純利益が約62億円と過去最高水準を記録したものの、FY2025/3は外注費等の増加が影響し減益となりました。次期FY2026/3に向けては、子会社化した新日本造機の寄与もあり、増収増益の回復基調が見込まれています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.5% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 9.3% | 4.5% | - |
| FY2023/3 | 10.2% | 4.9% | - |
| FY2024/3 | 12.8% | 6.1% | 8.4% |
| FY2025/3 | 7.5% | 3.5% | 6.3% |
売上高純利益率や営業利益率は、FY2023/3の営業利益率9.2%をピークに足元では変動が見られますが、ポンプ専業としての技術的優位性を背景に一定の収益性を維持しています。FY2025/3にはROEが7.2%まで低下しましたが、これは事業拡大に伴う資産増加が要因の一つです。今後の成長投資と経営効率の向上を通じて、再びROEの改善を図る段階にあります。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の約792億円からFY2025/3には約1,156億円まで拡大しており、事業規模の拡大に伴う先行投資が顕著です。自己資本比率は48.4%と依然として安定した財務基盤を保持していますが、有利子負債は買収資金等の影響でFY2025/3時点で約559億円まで増加しました。今後は、これらの投資を収益へと確実に転換させることで、さらなる財務健全性の向上を目指すフェーズにあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 43.7億円 | -16.4億円 | -20.7億円 | 27.2億円 |
| FY2022/3 | 31.3億円 | -48.5億円 | -21.3億円 | -17.2億円 |
| FY2023/3 | 12.5億円 | -12.8億円 | -21.9億円 | -3,100万円 |
| FY2024/3 | 28.6億円 | 4.2億円 | -33.1億円 | 32.8億円 |
| FY2025/3 | -6.7億円 | -15.6億円 | 58.5億円 | -22.3億円 |
営業キャッシュフローはプロジェクトの納期や代金回収のタイミングにより年ごとの変動が見られますが、基盤となる本業の稼ぐ力は健在です。FY2025/3に財務キャッシュフローが大きくプラスとなったのは、事業拡大や買収に向けた資金調達を実施したためです。今後は、大型投資が一段落し、営業キャッシュフローの着実な創出による自己資本の蓄積が重要となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 46.1億円 | 12.6億円 | 27.3% |
| FY2022/3 | 51.6億円 | 15.4億円 | 29.8% |
| FY2023/3 | 56.9億円 | 12.9億円 | 22.6% |
| FY2024/3 | 63.0億円 | 7,200万円 | 1.1% |
| FY2025/3 | 45.4億円 | 4.7億円 | 10.4% |
法人税等の支払額は、各期の税引前利益や税効果会計の適用状況に応じて変動しています。特にFY2024/3の実効税率が低いのは、過去の繰越欠損金の解消や税務上の調整等が影響したためと考えられます。FY2026/3予想では、利益成長に伴い税額も通常水準へ戻る見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 651万円 | 1,921人 | - |
FY2025/3の平均年収は651万円であり、国内の機械・製造業セクターの平均と比較して標準的な水準を維持しています。世界シェアの高い高効率ポンプ事業という安定した基盤を持ち、定期昇給や業績連動賞与が従業員の安定した生活を支える給与水準の背景となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 主な安定株主は公益財団法人原田記念財団・りそな銀行・三井住友銀行。
大株主に日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占めるほか、公益財団法人原田記念財団が10.4%を保有しており、創業家に関連する安定株主が存在する構成です。主要金融機関の持ち合いも一定程度見られ、中長期的な視点で株主還元と経営の安定性を両立させる体制となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社はポンプ専業メーカーとしてエネルギーおよび水インフラ事業を軸にグローバル展開を行っています。事業リスクとしては、為替変動の影響や中東を中心とする海外プロジェクトにおける地政学的リスク、および原材料価格の高騰が業績に与える影響が注視されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と改善の余地がありますが、監査報酬4,700万円を投じるなど監査体制の強化を推進しています。連結子会社28社を抱える企業グループとして、迅速な意思決定とガバナンスの浸透を両立させ、持続的な企業価値向上を目指す体制を整えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 860億円 | — | 865億円 | +0.6% |
| FY2024 | 750億円 | — | 811億円 | +8.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 73億円 | — | 54億円 | -25.4% |
| FY2024 | 68億円 | — | 68億円 | +0.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は創業110周年の2029年度目標としていた売上高600億円、営業利益50億円を、2022年度(FY2023)に7年も前倒しで達成しました。これは旺盛な海外需要を的確に捉えた結果です。一方で、近年の業績予想、特に利益面では乖離が見られます。FY2025は売上こそ予想を上回ったものの、営業利益は外注費増加などが響き期初予想を25%以上下回る結果となりました。M&Aによる事業構造の変化もあり、今後の計画達成力と予想精度が注目されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当金を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。酉島製作所のTSRは、特にFY2023以降、市場平均であるTOPIXを大幅に上回るパフォーマンス(アウトパフォーム)を記録しています。FY2024には自社TSRが394.8%に達し、TOPIXの216.8%を大きく超過しました。これは、堅調な業績拡大と積極的な株主還元(累進配当方針)を背景とした株価の著しい上昇が主な要因です。世界的なインフラ需要を追い風に、企業価値向上と株主還元の両立を実現していることが、優れたTSRに結びついています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 116.5万円 | +16.5万円 | 16.5% |
| FY2022 | 142.5万円 | +42.5万円 | 42.5% |
| FY2023 | 220.4万円 | +120.4万円 | 120.4% |
| FY2024 | 394.8万円 | +294.8万円 | 294.8% |
| FY2025 | 297.9万円 | +197.9万円 | 197.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場の評価は、業界平均と比較してPER・PBRともに割高な水準にあります。これは、同社の技術力や中東での高いシェア、そして水素関連など将来の成長分野への期待が株価に織り込まれていることを示唆しています。信用取引では買い残が売り残を大幅に上回る信用倍率17.37倍となっており、短期的な株価上昇を見込む個人投資家の関心が高い状態です。今後の決算で市場の高い期待に応えられるかが焦点となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新日本造機を完全子会社化し、蒸気タービン・ポンプ事業の強化を通じたシナジー創出を図る。
川崎市における世界最大級の液化水素基地向けに大型ポンプ装置を受注し、脱炭素技術を証明。
2026年3月期の連結最終利益を36億円から56億円へ55.6%上方修正し、株価の押し上げ要因となった。
最新ニュース
酉島製作所 まとめ
ひとめ診断
「創業100年超の老舗ポンプメーカーが、世界の水インフラと次世代エネルギー(水素)を商機に変え、M&Aで新領域へ進撃中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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