酒井重工業
SAKAI HEAVY INDUSTRIES,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
100年以上の歴史を誇る、世界の道づくりを支えるロードローラーのパイオニア
道路建設機械の提供を通じて、世界中の人々が安全で快適に暮らせる社会インフラの未来を創造すること。
この会社ってなに?
あなたが毎日クルマで走る道路や、歩いているアスファルトの歩道。あの滑らかで頑丈な地面は、巨大な鉄のローラーで何度も押し固められて作られています。酒井重工業は、まさにその「ロードローラー」と呼ばれる建設機械を作っている専門メーカーのトップ企業です。高速道路や空港の滑走路、街中の道路工事など、普段何気なく目にしている社会インフラの裏側で、同社の黄色い機械が日本の足元を固めています。
ロードローラーで国内首位を誇る建設機械メーカー。FY2024は売上高330.2億円、営業利益33.18億円と好調な業績を記録しました。しかし、続くFY2025は反動減から売上高278.5億円、営業利益15.83億円と大幅な減益を見込んでおり、業績の波が大きい点が課題です。PBRは0.61倍と解散価値を大きく下回る水準にあり、高配当を維持しつつも市場からの評価は低いまま。今後の資本効率改善策が株価浮上の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル5F
- 公式
- www.sakainet.co.jp
社長プロフィール
当社は100年以上にわたり『誠実・奉仕・堅実』の社是のもと、道路建設機械の専門メーカーとして社会インフラ整備に貢献してきました。これからも『道』づくりを通して世界の人々の安全・安心な暮らしを支え、持続的な成長を目指してまいります。
この会社のストーリー
酒井一郎(現社長の曽祖父)が東京・芝に「酒井製作所」を創業し、機関車や貨車の製造・修理を開始。
日本の道路整備の黎明期に、内燃機関を搭載した国産初のロードローラを開発。社会インフラ整備の歴史に名を刻む。
戦後の復興需要に応えるべく、株式会社として新たなスタートを切り、建設機械の専門メーカーとしての基盤を固める。
東南アジアでの需要拡大を見据え、初の海外生産拠点となる合弁会社をインドネシアに設立し、グローバル展開を本格化。
世界最大の建設機械市場である米国へ本格進出。現地法人を設立し、北米での販売・サービス網を構築。
著しい経済成長を遂げる中国市場に参入するため、上海に製造・販売を行う現地法人を設立。
2026年3月期の売上高300億円、営業利益31億円を目標とする中期経営計画を推進。収益性向上と持続的成長を目指す。
注目ポイント
株主還元に積極的で、安定した配当を継続。検索結果時点では4%を超える高い配当利回りが魅力となっている。
日本初のロードローラ開発から100年以上、業界を牽引。アメリカ、インドネシア、中国に生産・販売拠点を持ち、世界中のインフラ整備に貢献している。
ロードローラをはじめとする道路建設・維持補修機械に特化。特に大型機に強みを持ち、ニッチな市場で高い競争力を誇る専業メーカー。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.4円 | 8602.2% |
| FY2022/3 | 9.2円 | 49.0% |
| FY2023/3 | 11.1円 | 49.9% |
| FY2024/3 | 15.8円 | 49.6% |
株主優待制度は実施していません。
酒井重工業は株主還元を重視しており、配当性向50%を目標とした利益配分を基本的な方針としています。近年の業績拡大に伴い配当額を積極的に増額しており、投資家に対して魅力的な還元を行っています。なお、優待制度は導入しておらず、配当金を通じた直接的な還元に注力する姿勢を鮮明にしています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
酒井重工業は、ロードローラーなどの建設機械専業メーカーとして国内外に展開しており、FY2024/3には売上高が330億円に達するなど堅調に推移しました。しかし、FY2025/3以降は市場環境の変化や受注動向の影響により、売上高は278億円、純利益は14億円規模へと一時的に減速しています。FY2026/3に向けては、売上高300億円水準への回復を目指すなど、収益基盤の安定化を図る見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.0% | 0.0% | 3.2% |
| FY2022/3 | 6.2% | 3.8% | 5.2% |
| FY2023/3 | 6.7% | 4.2% | 8.0% |
| FY2024/3 | 8.4% | 5.5% | 10.0% |
| FY2025/3 | 4.8% | 3.4% | 5.7% |
収益性に関しては、FY2024/3に営業利益率が10.0%まで向上し、効率的な生産体制の構築が進んだことで高い収益力を示しました。一方で、直近のFY2025/3には営業利益率が5.7%に低下しており、原材料高や販売競争の激化によるコスト圧力が収益を一時的に押し下げた側面があります。ROEについては、利益水準の変動に合わせて4.8%から8.4%の範囲で推移しており、資本効率の改善を今後の課題としています。
財務は安全?
同社の財務健全性は、自己資本比率が70.5%(FY2025/3時点)と極めて高い水準にあり、盤石な財務体質を維持しています。有利子負債はFY2024/3から発生していますが、潤沢な現預金と自己資本によって十分カバー可能な範囲にあります。長年蓄積された利益剰余金が厚く、不況期にも耐えうる強固な貸借対照表を構築できている点は強みです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 15.3億円 | -5.1億円 | -8.1億円 | 10.2億円 |
| FY2022/3 | 23.6億円 | -2.6億円 | -12.3億円 | 21.0億円 |
| FY2023/3 | 18.9億円 | -4.0億円 | -22.4億円 | 14.9億円 |
| FY2024/3 | 24.8億円 | -3.5億円 | -14.2億円 | 21.3億円 |
| FY2025/3 | 4.0億円 | 3,900万円 | -12.2億円 | 4.4億円 |
営業活動によるキャッシュフローは、業績連動で安定した創出能力を有しており、高いフリーキャッシュフローの創出が株主還元原資となっています。投資活動については、主要な生産設備の維持・更新に向けた支出が継続して行われています。財務活動では、配当金の支払いや借入金の返済など、株主還元と健全な負債管理のバランスを重視した動きが見られます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.6億円 | 6.5億円 | 99.4% |
| FY2022/3 | 14.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 23.3億円 | 6.3億円 | 27.2% |
| FY2024/3 | 33.2億円 | 8.8億円 | 26.6% |
| FY2025/3 | 14.9億円 | 5,900万円 | 3.9% |
法人税等の支払額は、税引前利益の増減に伴い変動しています。FY2022/3などは税効果会計等の影響により税率が大きく低下する年もありましたが、通常期はおおむね法定実効税率に近い水準で納税が行われています。FY2025/3は特定の税務処理や損益構成により一時的に実効税率が低くなっておりますが、長期的には安定した納税を継続しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 645万円 | 622人 | - |
従業員の平均年収は645万円と、建設機械業界の平均と比較しても堅実な水準を維持しています。長年の歴史を持つ企業として安定した収益基盤があり、継続的な雇用と適切な報酬の支払いが実現されている環境といえます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は三菱UFJ銀行。
筆頭株主である日本マスタートラスト信託銀行をはじめ、金融機関や保険会社などの機関投資家が安定株主として上位を占めているのが特徴です。創業家関連と思われる酒井一郎氏も上位株主に名を連ねており、一定の影響力を維持しつつも、長年にわたり安定した経営体制が敷かれています。
会社の公式開示情報
役員報酬
酒井重工業は道路舗装機械の専業大手として国内外で強みを持っていますが、グローバルな原材料価格の高騰や為替変動、地政学リスクなどが主な事業リスクとして挙げられます。収益の安定化に向けて、特定地域に依存しない市場開拓や高付加価値製品への転換が重要な経営課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率20.0%を達成しており、多様な視点を取り入れた経営ガバナンスの強化に努めています。監査等委員会設置会社として、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会を活用するなど、透明性の高い経営監視体制が整えられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 279億円 | — | — | 修正なし |
| FY2024 | 330億円 | — | 330億円 | +0.1% |
| FY2023 | 293億円 | — | 315億円 | +7.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 30億円 | — | 33億円 | +12.5% |
| FY2023 | 15億円 | — | 25億円 | +67.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2026を最終年度とする中期経営計画では売上高300億円、営業利益31億円を掲げています。FY2024で先行して好業績を記録したものの、FY2025の会社予想はその水準を大きく下回っており、最終年度での目標達成には不透明感が漂います。一方、配当性向50%という株主還元目標は達成が続いており、この点は評価できます。過去の業績予想は保守的な傾向があり、期初予想を上回って着地することが多い点は投資家にとってポジティブな材料です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2021、FY2022はTOPIXを下回っていましたが、FY2023以降はTOPIXを上回るパフォーマンスを見せています。特にFY2024には自社TSRが306.2%と、TOPIXの216.8%を大きくアウトパフォームしました。これは、堅調な業績を背景とした大幅な増配が株価にポジティブに作用し、キャピタルゲインとインカムゲインの両方が株主価値向上に寄与した結果と考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 96.1万円 | -3.9万円 | -3.9% |
| FY2022 | 142.4万円 | +42.4万円 | 42.4% |
| FY2023 | 184.1万円 | +84.1万円 | 84.1% |
| FY2024 | 306.2万円 | +206.2万円 | 206.2% |
| FY2025 | 215.7万円 | +115.7万円 | 115.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較すると、PERは割高ですが、PBRは0.61倍と著しく割安な水準です。これは、資産価値に対して株価が評価されていないことを示唆します。配当利回りは4.95%と業界平均を大幅に上回っており、高配当銘柄としての魅力があります。信用倍率は4.03倍とやや買い残が多い水準で、将来の売り圧力には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期通期連結業績予想を修正し、営業利益27.30億円などの計画未達を公表しました。
第3四半期累計期間において経常利益が前年同期比50.2%減の7億円となり、市場の期待を下回る着地となりました。
2026年3月期第1四半期の決算を発表し、引き続き道路舗装機械事業を中心とした収益動向が注目されました。
最新ニュース
酒井重工業 まとめ
ひとめ診断
「アスファルトを固めるロードローラー国内首位、PBR1倍割れの地味な優等生」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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