6330プライム

東洋エンジニアリング

TOYO ENGINEERING CORPORATION

最終更新日: 2026年3月28日

ROE3.4%
BPS156.2円
自己資本比率20.9%
FY2025/3 有報データ

世界を舞台に、未来のエネルギーと環境を創る技術集団

持続可能な社会の実現に向け、アンモニアや水素などのクリーンエネルギー分野や、環境・インフラ事業を拡大し、未来の地球に貢献するリーディングカンパニーを目指します。

この会社ってなに?

あなたが毎日使うスマートフォンや電気自動車、その中には「レアアース」という特殊な材料が欠かせません。東洋エンジニアリングは、そのレアアースを地中から取り出すための大規模な設備(プラント)を作る専門家集団です。また、食品の鮮度を保つための肥料や、衣類やプラスチックの原料を作る化学プラントなど、私たちの生活に欠かせないモノを生み出す巨大工場の設計から建設までを手掛けています。普段目にしない工場の裏側で、実は私たちの豊かな暮らしを支えている会社なのです。

三井系のプラントエンジニアリング大手。FY2025は売上高2780.9億円、営業利益25.91億円と黒字を確保したものの、進行中の特定プロジェクトにおける損失拡大を受け、FY2026の業績予想を大幅に下方修正し、最終赤字および無配転落の見込みを発表。過去の海外大型案件での損失計上から安定化を目指す途上であったが、再びEPC事業の実行力とリスク管理が課題として浮上している。一方で、レアアース関連技術や次世代エネルギー分野への取り組みが材料視され、株価はテーマ性で大きく変動する側面も持つ。

建設業プライム市場

会社概要

業種
建設業
決算期
3月
本社
千葉県習志野市茜浜2-8-1
公式
www.toyo-eng.com

社長プロフィール

細井 栄治
細井 栄治
代表取締役社長
堅実派
当社は『持続可能でよりよい世界の実現』という人類共通の課題に貢献することを目指しています。EPC事業の強靭化による経営の安定化と、新技術・新事業の開拓による成長の両輪で、企業価値の向上に努めてまいります。

この会社のストーリー

1961
東洋エンジニアリング株式会社、設立

日本初の専業エンジニアリング会社として、東洋高圧工業(現三井化学)など3社の出資により設立。日本の産業発展と共に歩み始める。

1970s
海外プラント建設への本格進出

肥料プラントを中心に世界各国へ進出。特に旧ソ連や東欧での大規模プロジェクトを成功させ、グローバル企業としての地位を確立した。

1981
東京証券取引所第一部に上場

さらなる事業拡大と社会的な信用の向上を目指し、東証一部(現プライム市場)への上場を果たす。企業として大きな飛躍を遂げた。

2000s
エネルギー・インフラ分野への多角化

石油化学プラントに加え、石油・ガス開発や発電所、交通システムといったインフラ分野へ事業を拡大。多様な社会ニーズに応える体制を構築した。

2018
大規模損失計上による経営危機

海外の大型プロジェクトで巨額の損失を計上し、経営は厳しい状況に直面。事業ポートフォリオの見直しとリスク管理体制の強化が急務となった。

2021
中期経営計画を策定し、変革を始動

「EPC強靭化」と「新技術・事業開拓」を両輪とする新中期経営計画を発表。経営の安定化と持続的成長に向けた再挑戦を開始した。

2023
DX推進と次世代エネルギー分野への注力

AI企業HEROZとの提携によるDX推進や、地熱発電など再生可能エネルギー分野への投資を加速。未来に向けた事業基盤を強化している。

2025
サステナブル社会の実現へ

アンモニアや水素などのクリーンエネルギー事業をさらに推進し、地球環境問題の解決に貢献することで、未来社会の創造を目指す。

注目ポイント

クリーンエネルギーの旗手

肥料の原料として世界トップクラスの技術を持つアンモニアは、次世代のクリーン燃料としても注目。脱炭素社会の実現に不可欠な技術で世界をリードします。

グローバルに展開する実績

世界60カ国以上でプラント建設を手がけてきた豊富な実績と信頼が強み。各国の経済発展と産業基盤の構築に貢献しています。

安定経営への変革力

過去の苦境を乗り越え、現在は事業ポートフォリオの改革とリスク管理の徹底で「超安定経営」を目指しています。変化に対応し、着実に成長する力強さが魅力です。

サービスの実績は?

2,780.9億円
売上高
FY2025実績
+6.6% YoY
25.9億円
営業利益
FY2025実績
-61.4% YoY
167.6
1株当たり純利益 (EPS)
FY2024実績
+496.4% YoY
25
1株当たり配当金
FY2025実績
+108.3% YoY
1.1%
ROE (自己資本利益率)
FY2025実績
-3.8pt YoY
9.9%
自己資本比率
FY2025実績
-0.7pt YoY

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 25円
安全性
注意
自己資本比率 20.9%
稼ぐ力
普通
ROE 3.4%
話題性
不評
ポジティブ 25%

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
25
方針: 配当性向目標
1株配当配当性向
FY2021/300.0%
FY2022/300.0%
FY2023/300.0%
FY2024/3127.2%
FY2025/32572.5%
1期連続増配
株主優待
なし

現在、株主優待制度は実施していません。

配当方針については、経営基盤の強化を優先しつつ、業績連動型の還元を基本とする方針を採っています。長らく無配が続いていましたが、近年の収益改善を機に配当を再開しており、株主還元への姿勢を強めています。今後は強靭な財務体質の構築と、持続的な配当支払いの両立が経営の焦点となるでしょう。

同業比較(収益性)

建設業の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
3.4%
業界平均
9.2%
営業利益率下回る
この会社
0.9%
業界平均
6.5%
自己資本比率下回る
この会社
20.9%
業界平均
51.3%

業績推移

儲かってるの?

まあまあです
売上高
FY2022/32,030億円
FY2023/31,929億円
FY2024/32,608億円
FY2025/32,781億円
営業利益
FY2022/329.6億円
FY2023/347.6億円
FY2024/367.1億円
FY2025/325.9億円

売上高はFY2024/3に約2,608億円と大幅な増収を記録しましたが、直近のFY2025/3期はプロジェクトの進捗に伴い成長が鈍化傾向にあります。純利益に関しては、FY2024/3に約98億円の計上で過去の利益水準を大きく上回りましたが、FY2026/3期予想では再び厳しい経営環境を反映した数値となっています。エンジニアリング事業特有のプロジェクト採算の波が、近年の業績に大きな変動をもたらしているのが現状です。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
3.4%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
0.7%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
0.9%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/32.0%0.4%0.9%
FY2022/33.6%0.7%1.5%
FY2023/33.4%0.6%2.5%
FY2024/315.3%3.4%2.6%
FY2025/33.4%0.7%0.9%

収益性はFY2024/3にROEが15.3%と急伸し、一時的に高い資本効率を実現しましたが、翌期には再び低水準へ回帰しています。営業利益率についても1%〜2%台で推移しており、大型工事の受注内容や実行管理コストに強く依存する構造です。安定的な利益率の向上には、DX推進による生産性改善と、低採算案件の排除といった抜本的な構造改革が不可欠です。

財務は安全?

財務に不安があります
自己資本比率20.9%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
1,088億円
会社の純資産
602億円

財務基盤については、有利子負債がFY2024/3以降に急増し、FY2025/3期時点で約1,088億円の借入金を抱えるなど、負債比率が上昇しています。自己資本比率は20%前後で推移しており、健全性維持のためには収益回復を通じた資本の積み上げが必要です。大型プロジェクトに伴う運転資金需要が大きいため、手元流動性の確保と負債管理の重要性が高まっています。

お金の流れは?

本業で稼げていません
本業で稼いだお金
-231億円
営業CF
投資に使ったお金
-198億円
投資CF
借入・返済など
+6.7億円
財務CF
手元に残ったお金
-429億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/3178億円-27.1億円-4.5億円150億円
FY2022/3-67.9億円-78.5億円76.1億円-146億円
FY2023/3156億円-94.7億円-15.7億円61.2億円
FY2024/360.0億円73.4億円-10.6億円133億円
FY2025/3-231億円-198億円6.7億円-429億円

営業キャッシュフローはプロジェクトの検収時期に大きく左右され、FY2025/3期は約231億円のマイナスと大幅なキャッシュアウトを記録しました。投資キャッシュフローも積極的な設備投資や事業展開により流出が続いており、フリーキャッシュフローは不安定な推移を見せています。大型案件の遂行に伴う資金繰りの変動が激しいため、安定した営業CFの創出が当面の財務改善課題です。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1感染症によるリスク各種感染症の流行により、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります
2気候変動への対応」参照)

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/327.8億円19.7億円70.7%
FY2022/331.3億円15.1億円48.2%
FY2023/338.9億円22.4億円57.6%
FY2024/370.0億円0円0.0%
FY2025/364.6億円44.4億円68.7%

実効税率が年度ごとに大きく変動しているのは、過去の繰越欠損金の利用や海外プロジェクトにおける税務上の調整が影響しているためです。特にFY2024/3期のように税負担がゼロとなる年度がある一方で、FY2025/3期は高水準の納税を行っています。業績変動に伴い法人税等の負担額が安定しない傾向にあり、今後も国際的な税務リスクを含めた管理が必要です。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
958万円
従業員数
5,174
平均年齢
42.5歳
平均年収従業員数前年比
当期958万円5,174-

従業員の平均年収は958万円と、国内の製造業やプラントエンジニアリング業界の中でも高水準にあります。海外プロジェクトを主導する専門職が多く、高い技術力とプロジェクト管理能力を要する業務の性質が反映された給与水準となっています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主54.5%
浮動株45.5%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関27.7%
事業法人等26.8%
外国法人等9.2%
個人その他32.9%
証券会社3.3%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は三井物産・大成建設。

三井物産株式会社(17,576,000株)29.99%
株式会社日本カストディ銀行(三井住友信託銀行再信託分・三井化学株式会社退職給付信託口)(8,754,000株)14.94%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(5,140,000株)8.77%
大成建設株式会社(3,929,000株)6.71%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(2,693,000株)4.6%
株式会社三井住友銀行(1,000,000株)1.71%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(600,000株)1.02%
JPモルガン証券株式会社(470,000株)0.8%
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140040(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(407,000株)0.69%
テック従業員持株会(327,000株)0.56%

三井グループの中核企業であり、三井物産株式会社が約30%を保有する筆頭株主として強い影響力を持ちます。大成建設や三井化学関連の信託口など、事業上のパートナー企業が上位株主に名を連ねており、安定した資本提携関係が構築されています。

会社の公式開示情報

役員報酬

1億7,300万円
取締役5名の合計

世界60ヶ国以上でプラント建設を手掛けるグローバル企業です。EPC事業の強靭化と新技術・事業開拓を柱としていますが、大型プロジェクトにおける不確定要素や赤字リスクが収益に与える影響を重要リスクとして開示しており、経営の安定化に向けたリスク管理を最優先課題としています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 13名)
女性 2名(15.4% 男性 11
15%
85%
監査報酬
8,400万円
連結子会社数
14
設備投資額
55.8億円
平均勤続年数(従業員)
15.4
臨時従業員数
1098

女性役員比率は15.4%であり、多様性の確保と経営の透明性向上に取り組んでいます。監査報酬8,400万円を投じて強固な監査体制を維持し、連結子会社14社を束ねるグローバルなガバナンス体制を敷くことで、大規模なプラント事業の遂行を支えています。

会社の計画は順調?

D
総合評価
旧中計は主要KPI未達、直近の業績予想も大幅な下方修正となり、計画達成能力に課題。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

旧 中期経営計画
FY2021~FY2025
受注高: 目標 平均3,000億円 未達 (平均2,475億円)
82.5%
売上総利益率: 目標 10%以上 未達 (6.2% (FY2025))
62%
ROE: 目標 10%以上 未達 (1.1% (FY2025))
11%
FY2026 業績予想(修正後)
FY2026
売上高: 目標 2,000億円 順調
139%
営業利益: 目標 15億円 順調
172.7%
当期純利益: 目標 -174億円 順調
100%
配当金: 目標 0円 順調
100%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20232,100億円1,929億円-8.1%
FY20242,400億円2,608億円+8.7%
FY20252,700億円2,780億円+3.0%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202320億円48億円+138.2%
FY202430億円67億円+123.7%
FY202550億円26億円-48.2%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

2025年満了の旧中期経営計画は、受注高や利益率、ROEといった主要目標が軒並み未達に終わりました。続くFY2026の業績予想も、期中に最終赤字への大幅な下方修正と無配転落を発表しており、計画の信頼性確保が急務です。過去数年の業績予想は期初計画を上回ることもありましたが、特定案件の損失が全体を大きく下押しする構造的なリスクを抱えており、EPC事業のリスク管理と収益安定化が最重要課題と言えます。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

同社のTSR(株主総利回り)は、FY2021からFY2025までの5年間連続でTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。これは、業績の不安定さにもかかわらず、配当(FY2024、25年実施)に加え、特にレアアース関連のテーマ性による株価の急騰が大きく寄与した結果です。ただし、この高いリターンは極めて高いボラティリティ(株価変動)と裏腹であり、投資タイミングによってリターンが大きく異なる点には注意が必要です。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+125.3%
100万円 →225.3万円
125.3万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021241.4万円+141.4万円141.4%
FY2022196.6万円+96.6万円96.6%
FY2023174.4万円+74.4万円74.4%
FY2024304.0万円+204.0万円204.0%
FY2025225.3万円+125.3万円125.3%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残4,380,500株
売り残1,466,800株
信用倍率2.99倍
2026年3月19日時点
今後の予定
2026年3月期 第3四半期決算発表2026年2月12日
2026年3月期 通期決算発表2026年5月中旬(予定)

信用買残が売残の約3倍と高く、将来の売り圧力への警戒が必要です。株価がテーマ性で急騰した際に高値掴みした個人投資家の買いポジションが積み上がっている可能性が示唆されます。PER・PBRともに建設業の平均を大きく上回っており、現在の株価は業績面では割高と判断されます。これは、レアアース関連などの将来性への期待が株価に織り込まれているためと考えられます。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
48
前月比 +15.5%
メディア数
12
日本経済新聞, 株探, PR TIMES, 松井証券 ほか
業界内ランキング
上位 35%
建設業 1,500社中 520位
報道のトーン
25%
好意的
35%
中立
40%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・業績修正40%
株価動向30%
受注・技術提携20%
経営・人事10%

最近の出来事

2026年2月業績下方修正

第3四半期累計で174億円の赤字を計上し、連結業績予想を下方修正。

2025年11月新規受注

カザフスタンにおける尿素プラント建設プロジェクトへの技術ライセンス提供を開始。

2025年10月好材料

日米による重要鉱物供給枠組みへの参画期待から株価が32年ぶり高値を更新。

東洋エンジニアリング まとめ

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 25円
安全性
注意
自己資本比率 20.9%
稼ぐ力
普通
ROE 3.4%
話題性
不評
ポジティブ 25%

「肥料プラントの巨人が、レアアースという時代の追い風と逆風を受けながら、業績の安定化を目指す」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU