島精機製作所
SHIMA SEIKI MFG.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
縫い目のないニット『ホールガーメント®』で世界のアパレルを変革する技術集団
私たちは、編み機事業で長年培ってきたハードウェア・ソフトウェア・サービスの技術にさらに磨きをかけ、ニット業界におけるデファクトスタンダードを確立し、なくてはならない存在になることを目指します。
この会社ってなに?
あなたがお店で手に取るセーター、特に縫い目がなくて着心地が良さそうなものはありませんか?それは島精機製作所の「ホールガーメント」という特別な機械で編まれたものかもしれません。この会社は、一着まるごと立体的に編み上げる革新的な技術で、ユニクロなど世界中のアパレルブランドを裏側から支えています。普段何気なく着ているニットの未来を作っている会社、それが島精機製作所です。
コンピュータ制御横編機の世界トップメーカー。特に縫い目のないニットを製造する「ホールガーメント」技術で高い評価を得ています。FY2025は売上高325.2億円、営業利益は-119.14億円と再び大幅な赤字に転落しました。中国市場の回復遅れなどが響きましたが、FY2026は営業利益15.00億円への黒字転換を予想しています。新中期経営計画「Ever Onward 2026」の下、事業構造改革と収益性改善を急いでいます。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 和歌山県和歌山市坂田85番地
- 公式
- www.shimaseiki.co.jp
社長プロフィール
激しく変化する経営環境に対応するため、新中期経営計画『Ever Onward 2026』を策定しました。各市場のニーズに合わせた製品・サービスを提供し、顧客に密着した提案活動を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
和歌山県にて株式会社島精機製作所を設立。全自動手袋編機の開発・製造から事業をスタートし、編み機業界に参入した。
世界に先駆けてコンピュータ制御横編機の開発に成功。アパレル業界の生産性を大きく向上させ、グローバル企業への道を切り拓いた。
社会的な信用を高め、さらなる事業拡大のための資金調達を目的として株式を上場。企業として新たなステージに進んだ。
一着まるごと、縫い目なく編み上げる画期的な「ホールガーメント®」横編機を開発。アパレル製品の製造プロセスに革命をもたらした。
ユニクロを運営するファーストリテイリング社と合弁会社を設立し、戦略的パートナーシップを強化。高品質なニット製品の共同開発を開始した。
世界的なコロナ禍の影響や市場環境の変化により、大幅な赤字を計上。厳しい経営環境に直面し、構造改革が急務となった。
収益構造の抜本的な改革と持続的な成長を目指し、3カ年の中期経営計画を発表。V字回復に向けた具体的な戦略を打ち出した。
注目ポイント
縫い目なしで一着まるごと編み上げる独自技術は、着心地の良さとデザイン性の高さを両立。資源を無駄にしないサステナブルな生産方式としても注目されています。
厳しい経営環境を経て、収益性改善と成長軌道への回帰を目指す新中期経営計画をスタート。業績回復への期待が高まります。
世界トップクラスの技術力と資産を持つにも関わらず、PBR(株価純資産倍率)は1倍を大きく下回る水準。市場評価が見直されれば、株価の上昇ポテンシャルは大きいです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 37.5円 | 39.2% |
| FY2017/3 | 45円 | 21.4% |
| FY2018/3 | 60円 | 18.9% |
| FY2019/3 | 55円 | 52.1% |
| FY2020/3 | 35円 | - |
| FY2021/3 | 20円 | - |
| FY2022/3 | 10円 | - |
| FY2023/3 | 10円 | - |
| FY2024/3 | 10円 | 33.5% |
| FY2025/3 | 10円 | - |
| 必要株数 | 300株以上(約11万円) |
| 金額相当 | 非公開 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針については、業績連動を基本としつつも、安定的な利益還元の継続を重視した安定配当を維持しています。近年は赤字決算が続くなかでも年間10円の配当を継続しており、株主還元への姿勢を示しています。今後、業績の本格回復に伴い、配当性向の向上や増配余地を探るフェーズへ移行することが期待されます。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
島精機製作所は、主力製品である横編機の需要変動や中国市場の減速により、近年の業績は不安定な推移を辿っています。FY2021/3からFY2023/3にかけては構造改革の影響もあり大幅な営業損失を計上しましたが、FY2024/3には一時的な黒字化を達成しました。しかし、FY2025/3には再び赤字に転落しており、FY2026/3期には新型機投入による収益改善と約20億円の黒字化を目指すなど、再建に向けた厳しい舵取りが続いています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -17.2% | -16.2% | - |
| FY2022/3 | -5.0% | -3.5% | - |
| FY2023/3 | -6.2% | -5.6% | - |
| FY2024/3 | -0.8% | 1.0% | 1.2% |
| FY2025/3 | -15.2% | -14.4% | -36.6% |
収益性については、度重なる営業赤字によりROE(自己資本利益率)や売上高営業利益率が長らくマイナス圏で推移しており、極めて低い水準にあります。FY2024/3にはわずかながらプラスへ転じたものの、FY2025/3には再び営業赤字の影響で大幅な収益悪化を記録しました。本業での安定的な利益捻出が最優先課題となっており、高付加価値製品へのシフトによる利益率改善が急務です。
財務は安全?
財務健全性は、長年にわたる赤字累積により純資産が縮小傾向にありますが、依然として高い自己資本比率を維持しており、一定の耐性は有しています。ただし、FY2024/3以降は有利子負債が急増しており、直近FY2025/3期には約327億円まで膨らんでいる点が懸念されます。手元の流動性を確保しつつ、借入金圧縮と財務の安定化を両立させるバランスが重要です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.4億円 | 13.0億円 | -37.8億円 | 72.4億円 |
| FY2022/3 | 62.0億円 | -10.2億円 | -77.6億円 | 51.7億円 |
| FY2023/3 | -71.8億円 | -21.3億円 | -3.1億円 | -93.1億円 |
| FY2024/3 | -41.2億円 | -1.7億円 | 3.5億円 | -42.9億円 |
| FY2025/3 | -44.6億円 | -32.2億円 | 53.8億円 | -76.8億円 |
営業キャッシュフローは、近年の赤字計上によりマイナス基調が定着しており、本業による資金創出力が低下しています。投資CFも新規投資や構造改革に関連する支出が続いており、フリーキャッシュフローは恒常的にマイナスを記録する厳しい状況です。不足する資金を補うため、財務CFでは借入による調達が増加しており、早期の営業CF黒字化が切実な課題となっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -72.7億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | -34.0億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | -17.0億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 10.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | -115億円 | 0円 | - |
過去の業績低迷による多額の繰越欠損金が存在するため、当面は実質的な法人税負担が発生しない見込みです。FY2024/3期には経常利益を確保しましたが、税金費用は計上されていません。FY2026/3期においても黒字転換が見込まれますが、欠損金の活用により法人税支払いは引き続き発生しないと予想されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 637万円 | 1,762人 | - |
直近の従業員平均年収は637万円となっており、製造業の中では安定的な水準を維持しています。しかし、近年は国内外の市場環境の変動による業績への影響が大きく、利益水準の改善が今後の賃金動向の鍵を握る状況が続いています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は和島興産・紀陽銀行・THE BANK OF NEW YORK MELLON140044(常任代理人 みずほ銀行決済営業部)。
同社は創業家である島正博氏や島三博氏をはじめとする資産管理会社が上位株主となっており、創業家による強力なガバナンス体制と安定株主の存在が特徴です。また、紀陽銀行や三菱UFJ銀行などの金融機関も大株主に名を連ねており、強固な取引関係と長期的視点での経営基盤が構築されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、中国・アジア市場における競合激化や、世界経済の不透明感に伴う投資意欲の減退が挙げられます。EDINET開示情報では、横編機事業における市場ニーズへの迅速な対応と、収益改善に向けた構造改革の進捗が極めて重要なモニタリング対象となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が25.0%と一定の多様性を確保しており、外部視点を取り入れた経営監視体制を整えています。12社の連結子会社を抱えるグループ経営において、強固な監査体制の構築を通じたガバナンスの強化が、持続的な企業価値向上のための重要課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 440億円 | — | 325億円 | -26.1% |
| FY2024 | 430億円 | — | 359億円 | -16.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 15億円 | — | -119億円 | 大幅未達 |
| FY2024 | 10億円 | — | 4億円 | -57.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中計「Ever Onward 2026」では、最終年度に売上高520億円、営業利益30億円を目標に掲げています。しかし、初年度のFY2024から計画を大きく下回り、FY2025には大幅な営業赤字を計上。期初予想を大幅に下回る着地が続いており、外部環境の厳しさに加え、計画の実現性に大きな課題を抱えています。株主としては、目標達成に向けた具体的な施策とその進捗を厳しく見ていく必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2021を除き、TOPIXを大幅に下回る(アンダーパフォーム)状況が続いています。特にFY2024以降は、TOPIXが大きく上昇する中で当社の株価は低迷し、その差が拡大しました。これは、長引く業績不振と赤字計上が株価の重しとなり、配当利回りも限定的であったことが主な要因です。株主還元の前提となる企業価値向上が実現できていないことを示唆しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 181.0万円 | +81.0万円 | 81.0% |
| FY2022 | 74.0万円 | -26.0万円 | -26.0% |
| FY2023 | 134.6万円 | +34.6万円 | 34.6% |
| FY2024 | 100.8万円 | +0.8万円 | 0.8% |
| FY2025 | 67.6万円 | -32.4万円 | -32.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.39倍と、解散価値を示す1倍を大きく下回っており、市場から極めて割安に評価されています。これは継続的な赤字や業績の不安定さが原因と考えられます。信用倍率は61.1倍と非常に高く、将来の株価上昇を見込んだ個人投資家の買いが溜まっている状態で、将来的な売り圧力になる可能性も需給面の注意点です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中国・アジア市場の回復遅れに伴い、通期業績予想の下方修正を発表。
第1四半期連結経常損益にて10.1億円の黒字を確保し、回復基調を示す。
経営責任を明確にするため、役員報酬の減額継続を決定。
最新ニュース
島精機製作所 まとめ
ひとめ診断
「『ユニクロも惚れた』縫い目のないニット編み機の世界王者、しかし業績の荒波を乗り越えようと構造改革に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
ビル解体の『巨大なハサミ』で国内トップ、老朽化インフラ更新を追い風に世界へ挑む建機アタッチメントの巨人
高所作業車の国内王者が、商社最大手の伊藤忠と組んでグローバル展開に本腰を入れる変革期
ペットボトル充填機トップが、再生医療と半導体製造装置のM&Aで『技術のかけ算』を仕掛ける石川の雄
創業100年の老舗シールメーカーが、半導体ブームの波に乗り世界トップシェア製品で過去最高益を更新中
日本の重工業の巨人が、航空宇宙と脱炭素技術の双発エンジンで未来へ離陸する
TSMCの知られざる右腕、超純水技術で半導体製造を支える総合水処理エンジニアリング企業
半導体サイクルの波に乗る、精密機械の"縁の下の力持ち"
ソニック龍が如くなど世界的IPを武器に、遊技機の安定収益とiGaming参入でグローバル展開を加速する総合エンタメ大手