ナブテスコ
Nabtesco Corporation
最終更新日: 2026年4月7日
「ロボットの関節から新幹線のブレーキまで、見えない精密技術で世界を動かす」
うごかす、とめる、ささえる。モーションコントロール技術で社会を支える。
この会社ってなに?
あなたが毎日通るコンビニやオフィスの自動ドア、その約半数はナブテスコ製です。新幹線のブレーキシステムやドア開閉装置、工場で活躍する産業ロボットの関節を精密に制御する減速機、飛行機の翼を動かすアクチュエーター――私たちの移動や暮らしの安全を支える「見えない技術」の集合体がナブテスコです。
ナブテスコは2003年に帝人製機とナブコの統合により誕生した精密機器メーカー。産業ロボット用精密減速機で世界シェア約60%、自動ドアで国内シェア約55%・世界トップクラスの地位を誇ります。鉄道車両用ブレーキ・ドアシステム、航空機用フライトコントロールアクチュエーター、商用車用エアブレーキなど、輸送分野を中心に8つの事業領域を展開。FY2025/12期は売上高3,079億円・営業利益207億円を計上。2025年2月に発表した新中期経営計画では、2027年度にROIC 10%以上、売上高4,000億円、営業利益420億円を目標に掲げています。油圧機器事業をイタリアのComer Industriesに142億円で譲渡する一方、ヒト型ロボットや協働ロボット向け小型減速機の拡充に注力し、事業ポートフォリオの変革を推進中。連結従業員約8,500名のグローバル企業です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都千代田区平河町2丁目7番9号 JA共済ビル
- 公式
- www.nabtesco.com
社長プロフィール

当社は新中期経営計画のもと、事業ポートフォリオの最適化と資本効率の改善に取り組んでまいります。精密減速機やモーションコントロール技術を核に、ロボティクス・自動化の成長市場で確固たる地位を築き、ROIC 10%以上の実現を目指します。「うごかす、とめる、ささえる」のコア技術で社会課題の解決に貢献し続けます。
この会社のストーリー
帝人グループの機械部門として帝人製機が設立。航空機用精密減速機の製造技術を基盤に、高精度なモーション制御技術を蓄積していった。
ナブコ(旧・日本エヤーブレーキ)が日本初の自動ドア国産機を開発。鉄道車両用ブレーキで培った空気圧制御技術を応用し、自動ドアの国内市場を切り開いた。
帝人製機がRV減速機を開発し、産業ロボットの関節駆動用に供給開始。高精度・高剛性・コンパクトな設計が世界の産業ロボットメーカーに採用され、世界シェア60%の圧倒的ポジションを確立。
帝人製機(精密減速機)とナブコ(自動ドア・ブレーキ)が対等統合し、ナブテスコが誕生。「うごかす、とめる」の技術を融合した独自のモーションコントロール企業として新たなスタートを切った。
油圧機器事業(142億円)と鉄道子会社OCLAPの売却を決断。中国勢の台頭と欧州競争激化を受け、低収益事業から撤退し高付加価値領域へ経営資源を集中。新中計でROIC 10%以上を掲げる。
ヒト型ロボット・協働ロボット向け小型減速機の拡充、帆船型ドローンの共同研究、アシストユニットの販売開始など、精密制御技術を新領域に展開。売上高4,000億円・営業利益420億円の達成に向けた挑戦が続く。
注目ポイント
産業ロボットの関節を精密に制御するRV減速機で世界シェア約60%。高精度・高剛性・長寿命の三拍子が揃い、ファナック・安川電機・ABBなど世界の主要ロボットメーカーが採用。ロボット産業の成長がそのまま追い風になるポジションです。
日本初の自動ドア国産機メーカーとして65年以上の実績。コンビニ・オフィスビル・病院など身近な場所で圧倒的シェアを持つストック型ビジネス。バリアフリー需要やインバウンド回復で安定的な収益基盤を形成しています。
油圧機器事業やイタリア鉄道子会社を売却し、経営資源を精密減速機・自動ドアなど高収益事業に集中。DOE 3.5%を目安とした安定配当も維持しつつ、2027年にROIC 10%以上を目指す攻めの経営を展開中。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 50円 | 35.1% |
| FY2017/3 | 72円 | 35.3% |
| FY2018/3 | 73円 | 43.0% |
| FY2019/3 | 73円 | 50.5% |
| FY2020/3 | 75円 | 45.4% |
| FY2021/3 | 77円 | 14.4% |
| FY2022/3 | 78円 | 98.9% |
| FY2023/3 | 80円 | 66.0% |
| FY2024/3 | 80円 | 95.0% |
| FY2025/3 | 80円 | 60.8% |
なし
FY2021/12の77円からFY2023/12の80円まで増配し、その後は80円で安定配当を継続。新中期経営計画ではDOE(親会社所有者帰属持分配当率)3.5%を目安とした配当方針を掲げています。FY2021/12の配当性向14.4%は有価証券売却益で純利益が膨らんだため低く見えますが、FY2022/12・FY2024/12は純利益低下で配当性向がほぼ100%に達しており、減配しない姿勢を示しています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/12に売上高3,336億円と過去最高を記録しましたが、FY2024/12〜FY2025/12は油圧機器事業の売却影響もあり減収が続いています。営業利益はFY2022〜FY2024の3期間170億円前後で停滞していましたが、FY2025/12は207億円と回復基調。FY2021/12の純利益648億円は投資有価証券売却益による一時的な突出値です。FY2026/12は売上高3,270億円・営業利益277億円を予想し、新中計ではFY2027に売上高4,000億円・営業利益420億円を目指しています。
事業ごとの売上・利益
産業ロボット用精密減速機(世界シェア約60%)、油圧機器。主力事業でありロボット市場の成長が追い風。油圧機器事業はComerへ譲渡済み。
鉄道車両用ブレーキ・ドアシステム、航空機用フライトコントロールアクチュエーター。安全・安心に直結する輸送インフラ向け製品群。
自動ドア(国内シェア約55%)、プラットホームドア。バリアフリー需要とインバウンド回復で堅調に推移。
商用車用エアブレーキ機器。子会社ナブテスコオートモーティブが独コンプレッサーメーカーを買収し、事業基盤を強化中。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 35.7% | 21.2% | - |
| FY2022/3 | 22.2% | 3.4% | - |
| FY2023/3 | 8.5% | 6.1% | - |
| FY2024/3 | 4.3% | 3.1% | 8.3% |
| FY2025/3 | 6.9% | 4.7% | 11.7% |
FY2021/12のROE 25.4%は投資有価証券売却益による一時的な突出値です。実力ベースのROEは3〜5%台と低水準で推移しており、資本効率の改善が経営課題。営業利益率もFY2022〜FY2024は5〜6%にとどまりましたが、FY2025/12は6.7%に改善。新中計では営業利益率10%以上・ROIC 10%以上を掲げ、低収益事業の売却と高付加価値製品への集中で収益力の向上を目指しています。
財務は安全?
総資産4,640億円に対し純資産2,888億円、自己資本比率58.6%と堅固な財務基盤を持ちます。BPSは毎期着実に増加し2,320円に到達。FY2021/12からFY2023/12にかけて総資産が縮小した(4,817→4,221億円)のは有価証券売却による資産スリム化の影響。設備投資は年間115.9億円と技術基盤への投資を継続しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 267億円 | -287億円 | -41.4億円 | -20.8億円 |
| FY2025/3 | 328億円 | -157億円 | -136億円 | 171億円 |
FY2021/12の投資CF+671億円と巨額FCF(1,035億円)は有価証券売却(関連会社株式等)の影響で一時的な突出値。FY2022/12は営業利益の低下で営業CF 77億円と低水準でした。FY2025/12は営業CF 328億円に回復し、投資CF▲157億円と合わせFCF 171億円の黒字。油圧機器事業売却による142億円の入金も財務基盤の強化に寄与しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 186億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 196億円 | 38.4億円 | 19.6% |
| FY2023/3 | 117億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 64.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 146億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/12予想では税引前利益277億円に対し法人税等101億円、実効税率36.5%と標準的な水準を見込みます。グローバル展開により各国の税率差異が生じますが、日本を主要な事業拠点としているため法定実効税率に近い水準で推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 715万円 | 8,472人 | - |
誰がこの会社の株を持ってる?
東海旅客鉄道(4.4%)・ファナック(3.2%)等の事業法人が安定株主。信託口・外国法人中心で機関投資家比率が高い。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(16.9%)、次いで日本カストディ銀行(9.5%)と信託口が上位を占めます。事業法人では東海旅客鉄道(JR東海、4.4%)とファナック(3.2%)が株式を保有し、ロボット・輸送分野の事業パートナーとして安定株主の役割を担っています。Fidelity(3.0%)、Goldman Sachs(1.7%)など外国機関投資家の保有比率も高く、グローバルな機関投資家から注目される銘柄です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| コンポーネントソリューション | 約1,400億円 | 約130億円 | 約9.3% |
| トランスポートソリューション | 約800億円 | 約60億円 | 約7.5% |
| アクセシビリティソリューション | 約600億円 | 約50億円 | 約8.3% |
| 商用車用ブレーキ等 | 約300億円 | 約15億円 | 約5.0% |
コンポーネントソリューション(精密減速機)が売上・利益の柱で利益率約9%と最も高収益。自動ドア(アクセシビリティ)も利益率8%台と健全。油圧機器事業のComerへの譲渡と鉄道子会社OCLAPの売却により、低収益事業を切り離して高付加価値領域への集中を進めています。役員報酬は取締役6名に対し総額1億5,600万円(1人あたり推定約2,600万円)。監査報酬は1億3,800万円です。
この会社のガバナンスは?
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 3,220億円 | — | 3,234億円 | +0.4% |
| FY2025/12 | 3,220億円 | — | 3,079億円 | -4.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 128億円 | — | 148億円 | +15.6% |
| FY2025/12 | 200億円 | — | 207億円 | +3.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2024/12は営業利益が当初予想128億円に対し148億円と15.6%の上振れ着地。FY2025/12も営業利益は会社予想を上回りました。一方、売上高はFY2025/12に事業売却の影響で4.4%未達。新中計の最終年度FY2027に売上4,000億円・営業利益420億円を達成するには現状から大幅な成長が必要で、M&Aを含む非連続的成長戦略の実行力が問われます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年累積TSRは91.7%(投資元本が約0.92倍)と元本割れ水準にとどまり、TOPIX(213.2%)を大幅に下回るアンダーパフォームが続いています。FY2023にTSR 69%まで低下した後、FY2025にかけて92%まで回復しましたが、依然として投資時点を下回る状況。ROEの低さとPBR 1.8倍というプレミアムバリュエーションの乖離が市場からの厳しい評価を反映しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 77.0万円 | -23.0万円 | -23.0% |
| FY2022 | 77.9万円 | -22.1万円 | -22.1% |
| FY2023 | 68.9万円 | -31.1万円 | -31.1% |
| FY2024 | 69.1万円 | -30.9万円 | -30.9% |
| FY2025 | 91.7万円 | -8.3万円 | -8.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 27.6倍・PBR 1.79倍と機械セクター平均を大きく上回るプレミアム水準で取引されています。精密減速機の世界シェア60%という圧倒的なポジションが高バリュエーションの背景。信用倍率20.9倍と買い残が優勢で、52週高値5,217円から直近4,149円まで約20%の調整が入っています。配当利回り1.93%はセクター平均を若干下回ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
油圧機器事業のイタリアComer Industriesへの売却が完了。142億円で株式70%を譲渡し、建機向け低収益事業から撤退。
ヒト型ロボや協働ロボ向けに小型減速機を拡充。成長市場への製品ラインナップ強化を発表。
鉄道車両用ドアシステムのイタリア子会社OCLAPを独ファンドに売却。欧州大手との競争激化で撤退を決断。
油圧機器事業を会社分割により新会社「コムテスコ」に移管、Comer Industriesへ142億円で譲渡すると発表。中国勢の台頭に対応。
FY2024/12決算と同時に新中期経営計画を発表。2027年度にROIC 10%以上・売上高4,000億円・営業利益420億円を目標に設定。
最新ニュース
ナブテスコ まとめ
ひとめ診断
「産業ロボット用精密減速機で世界6割、自動ドアで世界トップ級。見えない技術で社会を動かすモーションコントロールの王者」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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