日本郵政
JAPAN POST HOLDINGS Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年4月7日
全国2.4万の郵便局が届ける、暮らしの安心。金融と物流の力で、地域社会を支え続ける。
お客さまと地域を支える『共創プラットフォーム』を目指す。
この会社ってなに?
全国約2.4万の郵便局を通じて、手紙・荷物の配達、ゆうちょ銀行の貯金・送金・ATM、かんぽ生命の保険サービスを提供しています。ゆうパックやレターパックといった身近な配送サービスのほか、ゆうちょ銀行の口座は約1.2億口座と国内最大で、コンビニATMとの連携や「ゆうちょPay」などデジタル決済も拡充中です。
日本郵政は、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命を傘下に持つ持株会社です。FY2025/3期は経常収益11兆4,684億円・純利益3,706億円を計上し、前期比で増益に転じました。ゆうちょ銀行の金利上昇による運用益改善が業績を牽引する一方、郵便・物流事業は人手不足やEC競争の激化という構造的な課題に直面しています。FY2026/3期3Qまでの経常利益は8,096億円と前年同期比15.2%増と好調で、ゆうちょ銀行の金利収益がグループ全体を押し上げています。物流事業ではトナミHD子会社化やロジスティードへの19.9%出資により、ラストワンマイルから幹線輸送までの一貫体制の構築を目指しています。2025年6月に根岸一行氏が社長に就任し、次期中期経営計画(2026年5月公表予定)の策定を進めています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町二丁目3番1号
- 公式
- www.japanpost.jp
社長プロフィール

一人ひとりのくらしに寄り添いながら、選ばれ続ける日本郵政グループへ。総合物流・総合金融・ライフサポートの3つの柱で、社会課題の解決に貢献してまいります。
この会社のストーリー
前島密が近代郵便制度を創設し、日本の通信インフラの礎を築く。以来150年以上にわたり全国に郵便サービスを届け続けている
郵政民営化法に基づき日本郵政グループが発足。日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命・郵便局会社の4社体制でスタートする
日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命が同時にIPOを実施。初値は公開価格を上回り、国民的な注目を集めた大型上場となる
かんぽ生命の不正販売問題が発覚し、業務停止命令を受ける。グループの信頼回復に向けた抜本的なガバナンス改革に着手する
トナミHD子会社化やロジスティードへの19.9%出資により、物流事業の競争力強化と収益基盤の多角化に本格的に乗り出す
根岸一行氏が社長に就任。次期中期経営計画(2026年5月公表予定)で総合物流・総合金融・ライフサポートの3本柱を掲げ、グループ変革を加速
注目ポイント
コンビニを上回る全国約2.4万の郵便局は、他社には真似できない唯一無二のインフラです。過疎地を含む日本全国をカバーする信頼の拠点網が最大の強みです
PBR0.60倍と解散価値を大幅に下回る株価水準は、安全域の高いバリュー投資の候補です。年間50円の安定配当(利回り約2.7%)と自社株消却も安心材料です
トナミHDやロジスティードとの提携で物流事業の収益力向上を図っており、郵便物減少を補う新たな成長エンジンの構築が進行中です
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 25円 | 25.7% |
| FY2017/3 | 50円 | 0.6% |
| FY2018/3 | 57円 | 50.5% |
| FY2019/3 | 50円 | 42.2% |
| FY2020/3 | 50円 | 41.8% |
| FY2021/3 | 50円 | 48.3% |
| FY2022/3 | 50円 | 37.9% |
| FY2023/3 | 50円 | 41.4% |
| FY2024/3 | 50円 | 62.3% |
| FY2025/3 | 50円 | 41.9% |
株主優待制度なし
年間配当50円を6期連続で維持する安定配当方針です。FY2024/3は配当性向62.3%と高めでしたが、これは一時的な利益減少によるもので、FY2025/3は41.9%に正常化。株主優待制度はなく、還元は配当と自社株買いに集約されています。2026年3月には1.6億株(5.54%)の自社株消却も発表しており、資本効率改善への姿勢がうかがえます。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
金融持株会社のため営業利益の概念がなく、経常利益が実質的な本業利益の指標です。FY2025/3期は純利益3,706億円(前期比+37.9%)と回復し、FY2024/3の有価証券評価損の影響から脱却。FY2026/3期は通期純利益予想を当初3,800億円から3,200億円に下方修正していますが、3Q時点の経常利益は前年比15.2%増と好調で、ゆうちょ銀行の金利収益改善が牽引しています。
事業ごとの売上・利益
郵便・ゆうパック等の集配事業。郵便物数減少に加え人件費・燃料費の増加で構造的な赤字体質
全国約2.4万の郵便局における金融商品販売・保険募集等の窓口サービス
貯金残高約193兆円を運用。金利上昇局面で運用益が改善傾向
養老保険・終身保険を中心とした生命保険事業。保有契約数は減少傾向
トール社を中心とした豪州・アジア地域の物流事業。トナミHD・ロジスティードとの連携で国内基盤も強化
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -30.5% | 0.1% | 100.0% |
| FY2022/3 | 5.6% | 0.2% | 100.0% |
| FY2023/3 | 5.2% | 0.1% | 100.0% |
| FY2024/3 | 2.9% | 0.1% | 100.0% |
| FY2025/3 | 6.2% | 0.1% | 100.0% |
ROEは6.2%(FY2025/3)とFY2024/3の2.9%から大幅改善。ROAが0.1%台と極めて低いのは、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の巨額資産(約300兆円)を連結しているためで、金融持株会社の構造的特性です。営業利益率欄は経常利益率を代用(金融持株のため営業利益の概念なし)。金利上昇局面でゆうちょ銀行の運用益が改善し、収益性は回復基調にあります。
財務は安全?
総資産約297兆円は国内上場企業で最大級。ゆうちょ銀行の貯金約193兆円やかんぽ生命の保険資産を含むため、自己資本比率3.1%は一般事業会社と単純比較できません。BPS 3,059円に対して株価1,827円でPBR 0.60倍と解散価値を大幅に下回る水準です。有利子負債は金融事業の預金等を除くと実質的に僅少です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.0兆円 | 2.0兆円 | 506億円 | 9.0兆円 |
| FY2022/3 | 5.0兆円 | 1.4兆円 | -6,210億円 | 6.4兆円 |
| FY2023/3 | -8.2兆円 | 9.4兆円 | 5,526億円 | 1.2兆円 |
| FY2024/3 | -2.4兆円 | -7.7兆円 | -6,063億円 | -10.1兆円 |
| FY2025/3 | 2.8兆円 | 4.7兆円 | 2,159億円 | 7.5兆円 |
金融持株会社のCFは一般事業会社と大きく異なります。ゆうちょ銀行の有価証券売買が営業CF・投資CFの両方に巨額の影響を与えるため、数兆円規模の変動は通常の範囲内です。FY2025/3は営業CF 2.8兆円のプラスに転じ、FCFも7.5兆円を確保しました。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 11.7兆円 | 11.3兆円 | 96.4% |
| FY2022/3 | 11.3兆円 | 10.8兆円 | 95.5% |
| FY2023/3 | 11.1兆円 | 10.7兆円 | 96.1% |
| FY2024/3 | 12.0兆円 | 11.7兆円 | 97.8% |
| FY2025/3 | 11.5兆円 | 11.1兆円 | 96.8% |
実効税率が34〜60%と大きく変動するのは、グループ内配当の税務処理や有価証券評価損益の影響です。FY2024/3は実効税率59.8%と高く、評価損による税効果の不一致が主因。FY2025/3は経常利益8,146億円に対し税額4,440億円(54.5%)で、金融持株会社として標準的な水準です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 864万円 | 218,718人 | - |
持株会社単体の平均年収は864万円ですが、単体従業員数は約1,235名です。連結ベースでは約21.9万名を擁する日本最大級の雇用主です。2026年春闘では4年連続のベースアップ(月額6,200円、賃上げ率3.7%)で妥結しており、人材確保と待遇改善に取り組んでいます。グループ全体の平均年収は郵便局の現業職を含むため、持株会社単体より低い水準となります。
誰がこの会社の株を持ってる?
政府(財務大臣)36.0%+金融機関14.2%+事業法人2.7%+社員持株会3.2%で安定株主約56%。外国人17.6%、個人26.5%
筆頭株主は財務大臣(政府)が38.8%を保有。郵政民営化法に基づき、政府はできるだけ早期に保有株を売却する方針ですが、2025年9月時点でなお37.2%を保有。日本マスタートラスト信託(10.6%)や日本カストディ銀行(3.4%)は機関投資家の受け皿で、実質的な外国人・年金基金の保有です。社員持株会が3.15%を保有し、従業員の経営参画意識の高さがうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 郵便・物流事業 | 約2.1兆円 | 赤字 | -2.0% |
| 郵便局窓口事業 | 約1.3兆円 | 微黒字 | 2.0% |
| 銀行業(ゆうちょ銀行) | 約2.0兆円 | 約3,200億円 | 16.0% |
| 生命保険業(かんぽ生命) | 約4.8兆円 | 約800億円 | 1.7% |
| 国際物流事業 | 約5,000億円 | 約200億円 | 4.0% |
グループ利益の柱はゆうちょ銀行で、銀行業セグメントが連結経常利益の約6割を稼ぐ構造です。かんぽ生命は保有契約減少で利益率が低下傾向。郵便・物流事業は構造的な赤字が続いており、集配拠点の統廃合やトナミHD・ロジスティードとの提携による効率化が急務です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率17.4%は大企業としては比較的高い水準であり、ダイバーシティ推進への取り組みが見られます。連結子会社225社・臨時従業員約14.7万名という巨大な組織を運営しており、平均勤続年数16.2年はグループへの定着率の高さを示しています。設備投資額852億円は郵便局ネットワークの維持・DX推進に充てられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 4,000億円 | 3,800億円 | 3,706億円 | -2.5% |
| FY2026/3 | 3,800億円 | 3,200億円 | — | -15.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現中期経営計画「JPビジョン2025+」の最終年度を迎えつつあり、連結純利益4,000億円以上の目標にはFY2025/3期で93%の達成率にとどまりました。ただし金利環境の改善によりゆうちょ銀行の収益が上振れており、次期中計ではより高い目標設定が期待されています。物流事業ではトナミHD子会社化やロジスティードへの出資により、ラストワンマイルから幹線輸送までの一貫体制を構築中です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年累積TSRは206.1%でTOPIX(213.4%)を若干下回る水準。FY2024にかけて大幅に改善しましたが、TOPIXにわずかに劣後しています。ただし安定配当を含むインカムゲインが全体の約20%を占めており、キャピタルゲインだけでは測れない総合リターンの厚みがあります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 122.6万円 | +22.6万円 | 22.6% |
| FY2022 | 118.1万円 | +18.1万円 | 18.1% |
| FY2023 | 145.0万円 | +45.0万円 | 45.0% |
| FY2024 | 204.8万円 | +104.8万円 | 104.8% |
| FY2025 | 206.1万円 | +106.1万円 | 106.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 14.3倍は金融持株会社としてはやや割高ですが、PBR 0.60倍は業界平均0.7倍を下回る割安水準です。信用倍率4.47倍と買い残がやや多く、個人投資家を中心に押し目買いの動きが見られます。政府株売出しの思惑が上値を抑える一方、金利上昇期待が下支え要因となっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
4月10日付で1億6,474万株(発行済み5.54%)の自己株式消却を発表。資本効率の改善を図る
FY2026/3期3Q累計の経常利益が8,096億円と前年同期比15.2%増。ゆうちょ銀行の金利収益改善が寄与
次期中期経営計画の主要施策骨子を公表。総合物流・総合金融・ライフサポートの3本柱を掲げる
根岸一行氏が代表執行役社長に就任。旧郵政省出身でグループ一体経営の強化を打ち出す
FY2025/3期の純利益3,706億円で着地。前期比+37.9%の増益となり、安定配当50円を継続
最新ニュース
日本郵政 まとめ
ひとめ診断
全国2.4万の郵便局を基盤に、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の金融収益を柱としつつ物流改革で成長を模索する巨大公益グループ
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「サービス業」に分類される他の企業
『車をキレイにする』という普遍的ニーズを深掘りし、高収益店舗と技術提供で市場を支配するコーティングの巨人
製造業の現場を支える人材サービス×EMS。ものづくりをワンストップで支援するスタンダード企業
社会課題解決型の『農園』で、企業の障がい者雇用義務を収益源に変えるBPO企業
デジタルクリエイターの力で、企業のDXを内側から支えるプライム上場企業
設計開発系の技術者派遣で12期連続最高益。高配当×高ROEのプライム成長株
『新NISA』の波に乗り、SBI経済圏を武器に資産運用業界の覇権を狙う金融情報プラットフォーマー
『エレベーター保守』という超安定市場で、メーカーの牙城を崩し続ける独立系の風雲児
都市型ブライダルの先駆者。ノバレーゼとの経営統合で国内最大級の婚礼企業へ