牧野フライス製作所6135
Makino Milling Machine Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使っているスマートフォンや、乗っている自動車。その中にある精密な部品は、どうやって作られているか知っていますか?実は、牧野フライス製作所が作る『マシニングセンタ』という超高性能な工作機械が、金属の塊をミクロン単位(1000分の1ミリ)の精度で削り出して作っているんです。普段は目にすることのない工場の奥深くで、同社の機械が日本の、そして世界の『ものづくり』の心臓部を支えています。飛行機のエンジン部品や医療機器など、絶対に失敗が許されない重要なパーツの製造にも、牧野フライスの技術が活かされているのです。
工作機械大手の牧野フライス製作所は、2025期に売上高2,342.2億円、営業利益185.16億円を達成し、堅調な業績を維持しています。続く2026期には売上高2,400億円、営業利益215億円と過去最高益の更新を見込んでおり、特に航空機産業や半導体関連の需要が業績を牽引しています。直近ではモーター大手ニデックによるTOB提案を巡る攻防の末、投資ファンドMBKパートナーズと組んだMBO(経営陣による買収)による非公開化を目指す方針を発表しており、今後の資本政策の行方が最大の焦点です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都目黒区中根2-3-19
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲1.7% | ▲1.0% | - |
| 2022/03期 | 7.1% | 4.0% | - |
| 2023/03期 | 8.5% | 4.8% | - |
| 2024/03期 | 7.6% | 4.5% | 7.3% |
| 2025/03期 | 6.4% | 4.0% | 7.9% |
| 3Q FY2026/3 | 7.2%(累計) | 3.6%(累計) | 9.3% |
収益性は2021/03期の赤字から劇的に改善し、2025/03期時点では営業利益率が約7.9%まで向上しました。高い技術力を背景とした高付加価値製品へのシフトが利益率の安定に寄与しています。ROEは6%〜8%水準で推移しており、資本効率を重視した経営体制が構築されています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,167億円 | — | ▲27.0億円 | -110.8円 | — |
| 2022/03期 | 1,866億円 | — | 120億円 | 499.2円 | +59.8% |
| 2023/03期 | 2,280億円 | — | 161億円 | 671.9円 | +22.2% |
| 2024/03期 | 2,254億円 | 164億円 | 160億円 | 670.5円 | -1.2% |
| 2025/03期 | 2,342億円 | 185億円 | 144億円 | 613.2円 | +3.9% |
牧野フライス製作所は、金型・部品や航空機向けマシニングセンタが主力であり、2022/03期以降は業績が大幅に回復しました。2024/03期には売上高2,253億円を維持し、2026/03期には過去最高益となる純利益180億円を見込んでいます。世界的な製造業の設備投資意欲が底堅く推移していることが、安定した収益拡大の背景です。 【3Q 2026/03期実績】売上1901億円(通期予想比79%)、営業利益177億円(同82%)、純利益140億円(同78%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
マシニングセンタや放電加工機を中心とした工作機械事業が中核であり、連結子会社40社を擁するグローバル展開が特徴です。事業リスクとして、為替相場の変動や主要輸出先である米・欧・アジアの景気動向による設備投資需要の変動が挙げられます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 2,220億円 | — | 2,342億円 | +5.5% |
| 2024期 | 2,080億円 | — | 2,254億円 | +8.3% |
| 2023期 | 2,100億円 | — | 2,280億円 | +8.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 155億円 | — | 185億円 | +19.5% |
| 2024期 | 117億円 | — | 164億円 | +39.9% |
| 2023期 | 144億円 | — | 175億円 | +21.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
牧野フライス製作所は現在、具体的な中期経営計画を公表していませんが、毎期の業績予想を事実上の経営目標としています。過去3期にわたり、売上高・営業利益ともに期初予想を大幅に上回る着地を続けており、市場環境の変化への対応力と収益性の高さを示しています。特に2024期は営業利益予想を約40%も上回るなど、保守的な予想を大きく超える実績を出す傾向があります。進行中の2026期計画も、過去最高益更新を目指す意欲的な内容です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
ニデックによる買収提案に対し、当社は「賛同は困難」との見解を示し、激しい防衛戦が展開されました。
2026年3月期第2四半期決算にて、売上高1194億2100万円を記録し安定した収益基盤を証明しました。
第3四半期累計の経常利益が前年同期比36.5%増となる197億円に拡大し、過去最高益に向けた見通しを公表しました。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%を超え、強固な基盤を維持しています。2024/03期以降は有利子負債が見られますが、潤沢な資産背景があるため安定した財務状況が維持されています。高いBPS(1株あたり純資産)は、長期的な企業価値の成長を支える裏付けとなります。 【3Q 2026/03期】総資産4048億円、純資産2518億円、自己資本比率49.6%、有利子負債431億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 180億円 | ▲65.7億円 | 60.2億円 | 115億円 |
| 2022/03期 | 149億円 | ▲95.2億円 | ▲81.7億円 | 54.3億円 |
| 2023/03期 | 29.5億円 | ▲87.9億円 | ▲3.4億円 | ▲58.5億円 |
| 2024/03期 | 129億円 | ▲64.1億円 | ▲63.9億円 | 65.0億円 |
| 2025/03期 | 136億円 | ▲139億円 | ▲67.3億円 | ▲3.1億円 |
営業キャッシュフローは安定的な利益創出によりプラスで推移していますが、投資キャッシュフローは成長投資によりマイナス圏で変動しています。先行投資を継続しながらもFCF(フリーキャッシュフロー)を捻出する体質を目指しており、戦略的な設備投資が将来の収益源となっています。財務活動による支出は配当支払いや自己株式取得を通じた株主還元を反映したものです。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.0%と、製造業としては標準的な水準です。連結子会社40社という大規模なグローバル体制を支えるため、適正な監査報酬5,200万円を投じて監査体制の強化を図っており、健全な経営管理体制の構築を目指しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 712万円 | 4,814人 | - |
従業員平均年収は712万円であり、工作機械業界の中では比較的高水準を維持しています。世界的な製造業の設備投資需要を背景とした安定した業績が、従業員への還元に寄与しているものと考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。牧野フライス製作所は、2025期に428.7%という極めて高いTSRを記録し、TOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしました。これは、ニデックによるTOB提案をきっかけとした株価の急騰が主な要因です。それ以前も安定した配当と堅調な株価推移により、過去5年間のうち4年間でTOPIXを上回るパフォーマンスを達成しており、株主還元への意識の高さがうかがえます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 16円 | 14.6% |
| 2017/03期 | 16円 | 23.2% |
| 2018/03期 | 17円 | 16.6% |
| 2020/03期 | 80円 | 235.5% |
| 2021/03期 | 20円 | - |
| 2022/03期 | 60円 | 12.0% |
| 2023/03期 | 150円 | 22.3% |
| 2024/03期 | 150円 | 22.4% |
| 2025/03期 | 180円 | 29.4% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は安定的かつ継続的な配当を利益配分の基本方針としており、近年は業績拡大に合わせて大幅な増配を実施しています。配当性向30%前後を意識した還元姿勢が見られ、株主への利益還元を強化する方針です。今後も持続的な成長と連動した安定配当が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 152.6万円 | 52.6万円 | 52.6% |
| 2022期 | 138.6万円 | 38.6万円 | 38.6% |
| 2023期 | 178.2万円 | 78.2万円 | 78.2% |
| 2024期 | 232.7万円 | 132.7万円 | 132.7% |
| 2025期 | 428.7万円 | 328.7万円 | 328.7% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRは業界平均並みで、割高感は限定的です。一方で、直近のTOB提案を巡る動きから信用買残が高水準で推移しており、信用倍率は8.57倍と高めです。これは短期的な需給の緩みにつながる可能性があり、注意が必要です。今後の決算発表とともに、MBOの進捗に関する開示が株価の重要なカタリストとなります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -13.7億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 143億円 | 22.3億円 | 15.6% |
| 2023/03期 | 199億円 | 38.3億円 | 19.3% |
| 2024/03期 | 189億円 | 29.4億円 | 15.5% |
| 2025/03期 | 201億円 | 56.8億円 | 28.2% |
税引前利益の変動に伴い、法人税等の額も連動して推移しています。2021/03期は赤字により納税がありませんでしたが、業績回復後は適切な納税を行っています。実効税率は年度によって変動していますが、概ね法定税率の範囲内で推移しています。
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牧野フライス製作所 まとめ
「日本のものづくりを支える工作機械の老舗が、ニデックのTOB攻防を経てMBOによる非公開化を選択した状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。