ニッパツ
NHK SPRING CO.,LTD.
最終更新日: 2026年4月7日
ばねの技術をバネに、世界の「動く」を支える
ばねの技術をコアに、自動車・情報通信・産業の3分野で持続的成長を実現し、社会の安全と環境保全に貢献する
この会社ってなに?
クルマに乗るときの乗り心地を支えるばね、スマホやPCのデータを保存するHDDの精密部品——ニッパツの技術は日常生活のあらゆる場面に隠れています。自動車の「走る・曲がる・止まる」を支える懸架ばねの世界トップ企業です。
ニッパツ(日本発條)は1939年創業、懸架ばね(サスペンション用ばね)で世界シェア首位を誇る独立系自動車部品メーカーです。自動車用リーフスプリングやコイルスプリングに加え、シート事業(自動車用シート部品)も主力。さらにHDD用サスペンション(DDS:ディスク・ドライブ・サスペンション)はデータセンター需要の拡大に伴い成長事業として存在感を高めています。売上高は約8,017億円(FY2025/3)、連結子会社38社を擁しグローバルに展開。FY2025/3は増収増益で営業利益率6.5%に改善し、4期連続増配を達成。2026年度にはインドでEV向けモーターコアの生産を開始予定で、電動化シフトにも対応を進めています。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地
- 公式
- www.nhkspg.co.jp
社長プロフィール

ばねのコア技術を活かし、自動車の電動化やデータ社会の進展に貢献する製品を世界に届けてまいります。
この会社のストーリー
東京・芝浦の「芝浦スプリング製作所」を買収し、日本発條株式会社として横浜に設立。自動車用ばねの製造を開始
高度経済成長期の自動車産業拡大に乗り、懸架ばねで国内トップシェアを確立。量産体制を構築
ばねの精密加工技術を活かしHDD用サスペンション(DDS)事業に参入。情報通信分野という新たな柱を獲得
アジア・北米・欧州に生産拠点を拡大。連結子会社38社体制で世界中の自動車メーカーに供給網を構築
インドでEV向けモーターコア生産を開始。DDS事業のAI・データセンター需要取り込みと合わせ、次世代の成長基盤を構築
注目ポイント
自動車の乗り心地を決めるリーフスプリング・コイルスプリングで世界首位。国内外の主要自動車メーカーに不可欠な存在です
ばねの精密技術を応用したDDS事業は利益率12%超の高収益。AI・データセンター需要の拡大で今後も成長が期待されます
配当は4年で4倍に増額。ROEも11.4%に到達し、収益性と株主還元の両立を実現。PER12.7倍と割安感も魅力です
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 22円 | 24.7% |
| FY2017/3 | 23円 | 22.2% |
| FY2018/3 | 23円 | 26.6% |
| FY2019/3 | 24円 | 80.1% |
| FY2020/3 | 17円 | 87.4% |
| FY2021/3 | 17円 | 42.0% |
| FY2022/3 | 27円 | 19.2% |
| FY2023/3 | 32円 | 33.9% |
| FY2024/3 | 42円 | 24.2% |
| FY2025/3 | 69円 | 30.7% |
株主優待制度なし
4期連続増配を達成し、FY2021/3の17円からFY2025/3には69円と約4倍に増額。配当性向は30%前後を目安としており、業績に連動した増配姿勢が鮮明です。FY2026/3予想のEPS 196.2円に対しても配当余力は十分。株主優待はありませんが、自己株取得との組み合わせで総還元姿勢は積極的です。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2021/3のコロナ影響からV字回復し、FY2025/3には売上高8,017億円・営業利益521億円と過去最高を更新。営業利益率もFY2021/3の1.8%から6.5%へ大幅に改善しました。FY2026/3予想は関税リスクや為替不透明感から微減収・減益を見込みますが、HDD用サスペンションの好調とインドEV投資が中期的な成長ドライバーです。
事業ごとの売上・利益
自動車用リーフスプリング・コイルスプリングで世界首位。トヨタ・日産・ホンダなど国内外の主要OEMに供給
自動車用シートフレーム・シートスプリング・ヘッドレストなど。完成車メーカーと長期取引関係
HDD用サスペンション(DDS)がデータセンター需要で急成長。半導体製造装置向け部品も
産業用ばね、配管支持装置、駐車場装置(ニッパツパーキング)、ポリウレタン製品など
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.1% | 1.7% | - |
| FY2022/3 | 17.8% | 5.4% | - |
| FY2023/3 | 2.4% | 3.6% | - |
| FY2024/3 | 16.1% | 5.7% | 4.5% |
| FY2025/3 | 16.0% | 6.9% | 6.5% |
営業利益率はFY2021/3の1.8%からFY2025/3には6.5%へ着実に改善。コロナ禍からの回復に加え、HDD用サスペンション(DDS)の高利益率事業が収益性を押し上げています。ROEも11.4%に達し、自己資本比率58%台を維持しながらの二桁ROE達成は資本効率の向上を示しています。
財務は安全?
自己資本比率は58〜59%と堅実な水準で安定推移。BPSはFY2021/3の1,245円から1,999円へ60%増加し、利益蓄積が順調に進んでいます。PBR 1.24倍はBPS対比で適度なプレミアムがついている状態です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 296億円 | -241億円 | 27.9億円 | 55.3億円 |
| FY2022/3 | 345億円 | 49.9億円 | -277億円 | 395億円 |
| FY2023/3 | 137億円 | -418億円 | -115億円 | -281億円 |
| FY2024/3 | 667億円 | -103億円 | -210億円 | 564億円 |
| FY2025/3 | 557億円 | -478億円 | -236億円 | 79.3億円 |
営業CFはFY2024/3に667億円のピークを記録し、FY2025/3も557億円と高水準。FY2023/3は運転資本増加で一時的に低下しましたが構造的な問題はありません。FY2025/3の投資CFが-477億円と大きいのは成長投資(インドEV部品等)の積極化。財務CFは配当金支払いと自己株取得で毎年マイナスと株主還元に前向きです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 145億円 | 51.4億円 | 35.3% |
| FY2022/3 | 307億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 373億円 | 158億円 | 42.3% |
| FY2024/3 | 478億円 | 86.3億円 | 18.0% |
| FY2025/3 | 580億円 | 97.9億円 | 16.9% |
税引前利益はFY2025/3に580億円と過去最高を記録。FY2022/3の実効税率0.0%は繰延税金資産の計上や税務上の特殊要因によるもの。直近2期は16〜18%台と法定実効税率を下回っており、海外子会社の税率差異やグローバルな税務最適化の効果が表れています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 791万円 | 17,953人 | - |
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関40.7%+事業法人11.0%(双日6.47%、退職給付信託経由の大同特殊鋼・神戸製鋼等含む)+従業員持株会2.14%で安定株主約53.8%
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(13.11%)、次いで大同特殊鋼の退職給付信託(10.97%)と事業パートナーの信託保有が上位を占めます。総合商社の双日が6.47%を保有し安定株主として機能。神戸製鋼所(4.66%)・みずほ銀行(2.82%)・横浜銀行(2.80%)も退職給付信託経由で実質的な安定保有。日本発条社員持株会(2.14%)も長期保有の安定株主です。外国人投資家は25.3%と適度な水準。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 懸架ばね | 約2,800億円 | 約170億円 | 約6.1% |
| シーティング | 約1,800億円 | 約75億円 | 約4.2% |
| 精密部品・電子部品 | 約2,000億円 | 約250億円 | 約12.5% |
| 産業機器ほか | 約1,400億円 | 約30億円 | 約2.1% |
決算説明資料より推定。精密部品・電子部品セグメントが利益率12.5%と最も高収益で、全社営業利益の約半分を稼ぐ利益の柱。懸架ばねは売上最大ですが利益率は6%台。シーティングは売上規模は大きいものの利益率4%台にとどまります。今後はEV向けモーターコアの新規事業がどのセグメントに貢献するかが注目ポイントです。
この会社のガバナンスは?
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 400億円 | 500億円 | 521億円 | +4.2% |
| FY2024/3 | 320億円 | 345億円 | 347億円 | +0.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2025/3の営業利益は当初予想400億円に対し521億円(+30%上振れ)と大幅に超過達成。予想精度の高さと保守的な見通しからの上振れ傾向は市場からの信頼材料です。中計目標のROE 12%に対しFY2025/3は11.4%とほぼ射程圏内。営業利益率7%目標は6.5%でやや届いていませんが、DDS事業の利益拡大により達成は視野に入っています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間の累積TSRは253.2%でTOPIX(213.4%)を約40ポイント上回るアウトパフォーム。FY2021〜FY2023はTOPIXを下回っていましたが、FY2024に急上昇して逆転。DDS事業の成長性と自動車部品の収益改善が市場に再評価された形です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 119.6万円 | +19.6万円 | 19.6% |
| FY2022 | 131.2万円 | +31.2万円 | 31.2% |
| FY2023 | 144.5万円 | +44.5万円 | 44.5% |
| FY2024 | 228.1万円 | +128.1万円 | 128.1% |
| FY2025 | 253.2万円 | +153.2万円 | 153.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは12.7倍で金属製品セクター平均の15倍を下回る割安水準。一方PBR 1.24倍はセクター平均の0.9倍を上回り、ROE改善と成長期待が反映されています。信用倍率5.49倍と買い残がやや多い点は短期的な需給面の留意点です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
3Q累計の連結経常利益は365億円(前年同期比-7.5%)も、10-12月期単独では33%増益と回復基調
インドでEV向けモーターコアの生産を2026年度から開始。約15億円を投資し、100億円規模に育成へ
FY2025/3期は売上高8,017億円(+4.5%)、純利益482億円(+22.9%)と大幅増益。4期連続増配
米国での自動車部品減産計画を撤回。関税対応で米国生産を維持する方針に転換
女性活躍推進企業としてえるぼし認定(3つ星)を取得。ダイバーシティ推進を強化
最新ニュース
ニッパツ まとめ
ひとめ診断
懸架ばね世界首位の独立系自動車部品メーカー。HDD用サスペンションが第二の柱
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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