(株)SUMCO
SUMCO CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
半導体の土台を創る、シリコンウェーハの世界トップクラス企業
世界をリードする技術力と安定供給力で、次世代半導体の進化を支え続ける
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、生成AIを動かすデータセンター、電気自動車――これらの頭脳となる「半導体チップ」は、鏡のように磨き上げた丸い板「シリコンウェーハ」の上に作られます。SUMCOはこのシリコンウェーハで世界トップクラスのシェアを持つ専業メーカー。目に見えない場所ですが、デジタル社会を根底から支える「縁の下の力持ち」です。
SUMCOは半導体の基板となるシリコンウェーハの製造・販売で世界トップクラスのシェアを誇る企業です。FY2025/12期は売上高4,096.7億円(前期比+3.3%)と微増を確保しましたが、営業利益は96.4%減の13.4億円に急減。純損益は117.5億円の赤字に転落しました。FY2026/12期は営業損失42億円・純損失169億円と赤字継続を見込んでおり、半導体シリコンサイクルの底打ちと市況反転のタイミングが焦点です。2026年3月には龍田次郎氏が新社長に就任し、新体制での経営立て直しに注目が集まっています。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
- 公式
- www.sumcosi.com
社長プロフィール
私は技術・生産・営業の各部門を幅広く経験し、海外子会社の社長も務めてきました。現在、半導体シリコンサイクルの厳しい局面にありますが、この困難を乗り越えることで次の飛躍が生まれます。SUMCOの強みは世界トップクラスの品質と安定供給力です。次世代半導体の進化を支え続けるため、全社一丸となって挑戦してまいります。
この会社のストーリー
住友金属工業と三菱マテリアルのシリコンウェーハ事業を統合し、現在のSUMCOの源流となる企業が誕生しました。
事業規模を拡大し、東京証券取引所第一部に株式を上場。グローバル企業としての基盤を確立しました。
事業再生計画に基づく資本増強・資本再構築プランを実行し、業界トップクラスの収益性確保へと舵を切りました。
将来の半導体需要の拡大を見据え、佐賀県や長崎県の工場に約2,287億円を投じる大型投資を発表しました。
龍田次郎氏が新社長に就任。シリコンサイクルの底からの反転を見据え、新体制での経営立て直しに着手しています。
注目ポイント
半導体の基盤となるシリコンウェーハ市場において、同業の信越化学工業とともに世界市場を牽引する圧倒的な存在感を誇ります。
スマートフォン、AI、自動運転など、進化し続けるテクノロジーに不可欠な高品質ウェーハを供給できる高い技術力が強みです。
中長期的な半導体需要の増加を確実に取り込むため、数千億円規模の大型設備投資を行い、市況反転時のV字回復を狙います。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 44.5% |
| FY2017/3 | 28円 | 30.4% |
| FY2018/3 | 62円 | 31.0% |
| FY2019/3 | 35円 | 31.0% |
| FY2020/3 | 27円 | 30.9% |
| FY2021/3 | 41円 | 30.2% |
| FY2022/3 | 81円 | 40.4% |
| FY2023/3 | 55円 | 30.1% |
| FY2024/3 | 21円 | 36.9% |
| FY2025/3 | 20円 | - |
なし
FY2022/12期の年間81円をピークに、業績悪化に連動して3期連続減配。FY2025/12期は年間20円(前期比1円減)に。FY2026/12期は赤字継続見込みのため配当予想は未定。シリコンサイクルに業績が左右されるため、配当も変動が大きい点に留意が必要です。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
SUMCOの業績は半導体シリコンサイクルの下降局面を色濃く反映しています。FY2022/12期をピークに売上・利益は3期連続で悪化し、FY2025/12期は営業利益が前期比96.4%減の13.4億円、純損益は117.5億円の赤字に転落しました。FY2026/12期も営業赤字42億円を見込む厳しい見通しです。ただし売上高は4,000億円台を維持しており、半導体市況の反転とともに収益改善が期待される局面にあります。
事業ごとの売上・利益
300mmウェーハを中心に、ロジック・メモリ向けの高品質シリコンウェーハを製造・販売。単一セグメントで事業を展開する専業企業。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.4% | 5.4% | - |
| FY2022/3 | 13.9% | 7.9% | - |
| FY2023/3 | 11.6% | 6.0% | - |
| FY2024/3 | 3.4% | 1.7% | 9.3% |
| FY2025/3 | -2.0% | -1.0% | 0.3% |
収益性はFY2022/12期のピーク(営業利益率24.9%、ROE 11.9%)から急激に悪化し、FY2025/12期はROE -1.8%、営業利益率0.3%と赤字水準に落ち込みました。シリコンウェーハ事業は設備集約型であるため、稼働率の低下が収益性を直撃する構造です。半導体市況の回復に伴い稼働率が上昇すれば、高い限界利益率を活かしたV字回復の可能性を秘めています。
財務は安全?
総資産は1兆1,280億円規模を維持しつつ、自己資本比率は51.3%と堅調な水準です。一方で有利子負債は8,033億円へ急拡大しており、大型設備投資の資金調達の影響が顕著です。BPS(1株純資産)は1,653.9円で、PBRは約1.0倍とほぼ解散価値水準。財務基盤は健全ですが、業績回復局面での負債返済能力が注目されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,047億円 | -673億円 | 991億円 | 374億円 |
| FY2022/3 | 1,795億円 | -1,264億円 | -232億円 | 531億円 |
| FY2023/3 | 963億円 | -2,477億円 | 435億円 | -1,513億円 |
| FY2024/3 | 696億円 | -2,479億円 | 1,123億円 | -1,782億円 |
| FY2025/3 | 1,000億円 | -1,114億円 | -87.3億円 | -114億円 |
営業CFはFY2025/12期に1,000億円と安定的な水準を回復。一方、大型設備投資(佐賀・長崎工場向け)によりFY2023-24期のFCFは大幅なマイナスとなりましたが、FY2025/12期は投資の一巡でFCFは-114億円と改善傾向です。借入金の返済は今後の業績回復スピードに左右されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 511億円 | 99.9億円 | 19.5% |
| FY2022/3 | 1,113億円 | 411億円 | 36.9% |
| FY2023/3 | 726億円 | 87.4億円 | 12.0% |
| FY2024/3 | 375億円 | 176億円 | 46.9% |
| FY2025/3 | -38.9億円 | 0円 | - |
FY2025/12期は経常損失に転落し、税引前損失38.9億円を計上。FY2026/12期も税引前赤字42億円の見通しですが、繰延税金資産の取り崩し等で法人税等127億円を見込んでおり、最終赤字は169億円に拡大する予想です。業績回復期に繰越欠損金の活用で実効税率が低下する可能性があります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 641万円 | 9,714人 | - |
従業員の平均年収は約667万円で、製造業としては一定の水準を維持しています。平均年齢42.6歳、平均勤続年数13.6年と定着率の高さが特徴的です。半導体シリコンウェーハという高度な製造技術が求められる業界特性を反映し、技術人材の確保・育成に注力している姿勢がうかがえます。
誰がこの会社の株を持ってる?
信託銀行2社で約27%を保有する機関投資家中心の構成。創業家や特定支配株主は存在せず、外国人投資家の比率が高いため浮動株比率が高めです。
典型的な機関投資家・外国人投資家中心の株主構成。信託銀行2社(日本マスタートラスト16.7%、日本カストディ10.7%)で約27%を保有し、残りは海外機関投資家が多数を占めます。特定の支配株主・創業家は存在せず、経営の独立性は高いものの、市況変動時には外国人の売買により株価が大きく動く傾向があります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| シリコンウェーハ事業 | 4,097億円 | 13億円 | 0.3% |
SUMCOはシリコンウェーハの製造・販売を単一セグメントで展開する専業企業です。FY2025/12期の役員報酬は6名で2億3,900万円。事業リスクとしてはシリコンサイクルによる需要変動が最大のリスクであり、大型設備投資の回収リスクや競合との技術競争が経営課題です。
この会社のガバナンスは?
取締役13名のうち女性3名(女性比率23.1%)と一定の多様性を確保しています。代表取締役会長兼CEOの橋本眞幸氏が取締役会議長を務め、16社の連結子会社を統括するグローバル体制です。監査報酬は1億2,400万円を投じ、臨時従業員767名を含む約1万人規模の組織に対する適正なガバナンス体制の構築を推進しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 4,044億円 | — | 4,097億円 | +1.3% |
| FY2024/12 | 未開示 | — | 3,966億円 | 市況悪化により減収 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | -42億円 | — | 13億円 | 赤字予想→黒字着地 |
| FY2023/12 | 1,097億円 | — | 731億円 | -33.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2025/12期は当初の営業赤字予想に対し、辛うじて営業黒字(13.4億円)を確保したものの、純損益は117.5億円の赤字に。FY2026/12期は再び営業赤字を見込んでおり、半導体市況の底打ちと反転のタイミングが業績回復のカギを握ります。新社長・龍田次郎氏のもとでの経営改革にも注目です。
株の売買状況と今後の予定
PBRは約1.05倍とほぼ解散価値水準にあり、資産面での下値は限定的と考えられます。信用倍率は7.65倍と買い残が積み上がっており、個人投資家の反転期待が強い一方、整理売りの圧力にも注意が必要です。同業の信越化学工業と比べると時価総額・収益性ともに劣後していますが、シリコンサイクル反転時の株価弾力性は大きく、見直し買いの候補銘柄として注目されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
龍田次郎副社長が社長に昇格。橋本眞幸会長兼CEOは取締役相談役に退き、CEO職は廃止。新体制での経営立て直しに着手。
台湾連結子会社FORMOSA SUMCO TECHNOLOGY(FST)の株式を一部売却し、連結子会社から持分法適用会社へ異動。経営の選択と集中を推進。
FY2025/12期の本決算を発表。営業利益は96.4%減の13.4億円、純損益は117.5億円の赤字に転落。次期も営業赤字42億円を見込む厳しい見通し。
業績悪化に伴い、未定であった期末配当の減配を発表。年間配当は前期の21円から20円へ引き下げ。
上期経常が58%減益で着地。メモリー向け在庫調整の長期化により、半導体シリコンサイクルの底を確認する展開が続きました。
最新ニュース
(株)SUMCO まとめ
ひとめ診断
「半導体の土台を支えるシリコンウェーハ世界首位級、シリコンサイクル底打ちからの反転を探る局面」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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