東洋製罐グループホールディングス
Toyo Seikan Group Holdings,Ltd.
最終更新日: 2026年3月24日
「つつむ技術」で暮らしを支える、製缶国内首位の包装容器グループ
常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します。長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』のもと、包装容器のリーディングカンパニーとして進化し続けること。
この会社ってなに?
東洋製罐グループの製品は、飲料の缶やペットボトル、食品の容器、歯磨き粉やシャンプーのチューブ、段ボール箱など、毎日の暮らしの中で誰もが必ず手に取る「容器」です。コンビニやスーパーで手に取る飲み物の缶、レトルト食品のパウチ――その多くが東洋製罐グループの技術で作られています。
FY2025/3の売上高は9,225億円(前年比-3.0%)、営業利益は342億円(同+1.0%)と減収ながら営業利益は微増を確保しました。主力の包装容器事業で缶・PETボトル関連が堅調に推移し、原材料価格の上昇を販売価格への転嫁で吸収。FY2026/3予想は売上高9,600億円、営業利益450億円(同+31.5%)と大幅な増益を見込んでおり、3Q累計では営業利益410億円(前年同期比+33.8%)と順調に進捗しています。中期経営計画2025の最終年度となるFY2026/3は営業利益500億円を目標に掲げ、政策保有株式の売却益を含め純利益は過去最高の490億円を計画しています。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区東五反田二丁目18番1号 大崎フォレストビルディング
- 公式
- www.tskg-hd.com
社長プロフィール

私たちは『未来をつつむ』をテーマに、容器を通じて社会と環境に貢献してまいります。中期経営計画の目標達成に向けて、包装容器事業の収益力強化と新規事業の育成を両輪で推進し、持続的な企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
日本初の自動製缶設備を導入し、缶詰用金属容器の製造を開始。日本の食品保存・流通に革命をもたらしました。
東洋製罐を中核とするグループ体制を構築。戦後の高度経済成長期には飲料缶の大量生産で急成長を遂げました。
飲料容器が缶からPETボトルへ急速にシフトする中、PETボトル事業への参入で業態転換に成功しました。
東洋製罐グループホールディングスとして純粋持株会社体制に移行。グループ経営の最適化と事業ポートフォリオの再構築を推進。
長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』を掲げ、環境対応容器の開発やリサイクル技術の強化を柱とする5ヵ年計画を策定しました。
政策保有株式の大規模売却と自己株式取得で資本効率を改善。FY2026/3は純利益490億円の過去最高益を計画しています。
完全循環型の容器社会を実現し、サステナブルな包装ソリューションで世界の暮らしを支えるグローバルリーダーを目指します。
注目ポイント
包装容器の国内シェア約40%を持つ圧倒的な首位企業。缶やPETボトルの製造には大規模な設備投資が必要で、新規参入が極めて難しい業界構造が長期的な競争優位を支えています。
400億円規模の政策保有株式売却と自己株式取得を推進中。PBR0.85倍の割安水準からの解消を目指し、ROE向上と株主還元強化の両面から企業価値を高めています。
リサイクルPET素材やバイオマス容器の開発に注力するとともに、金属加工技術を活かした車載電池向け部材が新たな成長ドライバーとして期待されています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 14円 | 28.3% |
| FY2017/3 | 19円 | 31.6% |
| FY2018/3 | 14円 | 1.0% |
| FY2019/3 | 14円 | 13.6% |
| FY2020/3 | 14円 | 1.0% |
| FY2021/3 | 43円 | 50.7% |
| FY2022/3 | 88円 | 36.6% |
| FY2023/3 | 89円 | 155.9% |
| FY2024/3 | 90円 | 69.2% |
| FY2025/3 | 91円 | 67.9% |
株主優待制度なし(2024年3月時点)
FY2021/3の43円からFY2025/3の91円まで4期連続増配を実現。中期経営計画では連結配当性向50%以上を目安に、1株46円を下限として段階的な引き上げを方針としています。FY2023/3は減益により配当性向が155.9%と100%を超えましたが、下限配当を守り減配しなかった点は株主還元への姿勢の表れです。現在の配当利回り2.57%は市場平均をやや上回る水準で、安定した配当収入が期待できます。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高はFY2021/3の約7,487億円からFY2024/3の約9,507億円まで拡大した後、FY2025/3は9,225億円とやや減少。営業利益はFY2023/3に減損損失の影響で74億円に急落しましたが、FY2024/3以降は340億円台に回復。FY2026/3予想は営業利益450億円と前年比+31.5%の大幅増益を見込んでおり、3Q累計の進捗率は91%と非常に好調です。純利益はFY2026/3に過去最高の460億円(政策保有株式売却益含む)を計画しています。
事業ごとの売上・利益
金属缶・PETボトル・紙容器・プラスチック容器など包装容器の製造・販売。国内シェア約40%
製缶機械の設計・製作、充填システム、物流サービス。グループ内外に提供
ティンフリースチール、表面処理鋼板の製造・販売。東洋鋼鈑が担当
不動産賃貸、機能性材料、リサイクル事業など。高利益率の安定収益源
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.9% | 1.5% | 2.7% |
| FY2022/3 | 5.5% | 4.1% | 2.6% |
| FY2023/3 | 2.0% | 0.9% | 2.3% |
| FY2024/3 | 2.3% | 2.0% | 2.2% |
| FY2025/3 | 0.7% | 1.9% | 2.1% |
ROEはFY2022/3に6.7%を記録したものの、FY2023/3の減損影響で1.5%に急落。その後FY2024/3〜FY2025/3は3%台に回復していますが、中計目標のROE5%には未達。営業利益率もFY2023/3の0.8%を底に3.7%まで回復しました。金属製品業界の中では平均的な水準ですが、政策保有株式の売却や自己株式取得による資本効率の改善が今後のROE向上の鍵となります。
財務は安全?
総資産約1.2兆円、自己資本比率55.5%と高い安全性を維持しています。BPS(1株当たり純資産)は4,192円で、PBR 0.85倍は純資産を下回る水準。有利子負債はFY2024/3から計上が始まり4,414億円ですが、手元資金も豊富で財務リスクは限定的です。政策保有株式の帳簿価額は約2,000億円あり、売却による株主還元原資としても注目されています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 793億円 | -684億円 | -163億円 | 109億円 |
| FY2022/3 | 754億円 | -272億円 | -422億円 | 482億円 |
| FY2023/3 | -189億円 | -570億円 | 415億円 | -759億円 |
| FY2024/3 | 646億円 | -524億円 | -278億円 | 121億円 |
| FY2025/3 | 941億円 | -511億円 | -188億円 | 430億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/3にマイナスへ転落しましたが、これは一時的な運転資本の変動によるもので、FY2024/3以降は646億円→941億円と力強く回復。FY2025/3のFCF(フリーキャッシュフロー)は430億円のプラスを確保しており、設備投資と株主還元を賄える水準です。投資CFは毎年500億円前後の設備投資を継続しており、生産設備の更新と環境対応への投資を着実に進めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 273億円 | 114億円 | 41.6% |
| FY2022/3 | 457億円 | 12.9億円 | 2.8% |
| FY2023/3 | 138億円 | 34.1億円 | 24.7% |
| FY2024/3 | 387億円 | 157億円 | 40.4% |
| FY2025/3 | 376億円 | 152億円 | 40.4% |
法人税等の支払額は業績に連動して推移しています。FY2022/3は政策保有株式売却に伴う税効果で実効税率が2.8%に低下。FY2024/3・FY2025/3は40%台と標準的な水準に回帰しています。FY2026/3予想は政策保有株式売却益の計上により、税引前利益450億円に対して実効税率は大幅に低下する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 755万円 | 18,830人 | - |
平均年収755万円は金属製品業界では上位水準。連結従業員数は約1.9万名で、平均年齢42.1歳・平均勤続年数16.2年と長期雇用が根付いた安定した職場環境です。包装容器という社会インフラを支える企業として、堅実な待遇を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主比率が約6割と高く、経営基盤は安定しています。学校法人東洋食品工業短期大学(10.5%)や公益財団法人東洋食品研究所(7.8%)など創業家関連の公益法人が大株主に名を連ね、長期保有を前提とした安定的な株主構成が特徴です。
創業家系の公益法人2社が合計18.3%を保有する安定的な株主構成が最大の特徴です。信託銀行経由の機関投資家(日本マスタートラスト12.5%、日本カストディ6.0%)も上位に名を連ね、外国人持株比率は約24%。事業法人等の保有比率が27.6%と高いのは、政策保有株式の相互持ち合いが残っているためで、中期経営計画では400億円規模の政策保有株式売却を計画しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 包装容器事業 | 約7,200億円 | 約280億円 | 3.9% |
| エンジニアリング・充填・物流事業 | 約1,200億円 | 約80億円 | 6.7% |
| 鋼板関連事業 | 約600億円 | 約30億円 | 5.0% |
| その他事業 | 約200億円 | 約60億円 | 30.0% |
包装容器事業が売上高の約78%を占めるコア事業で、金属缶・PETボトル・プラスチック容器を幅広くカバー。エンジニアリング・充填・物流事業は利益率6.7%と高く、製缶機械の知見を活かした安定収益源です。その他事業は売上規模は小さいものの利益率30%と高収益。中期経営計画では包装容器事業の収益力強化と、車載電池向け部材など新規事業の育成を両輪で推進しています。
この会社のガバナンスは?
取締役13名中、女性役員3名(23.1%)と製造業としては高い多様性を確保。連結子会社74社を擁し、国内外で包装容器事業を展開しています。設備投資365億円は製缶ラインの更新や環境対応容器の開発に充当。監査報酬2.1億円を投じた内部統制のもと、政策保有株式の縮減や自己株式取得など資本効率改善にも積極的に取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 9,300億円 | — | 9,507億円 | +2.2% |
| FY2025 | 9,400億円 | — | 9,225億円 | -1.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 350億円 | — | 339億円 | -3.2% |
| FY2025 | 350億円 | — | 342億円 | -2.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「中期経営計画2025」は「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」の実現に向けた5ヵ年計画です。売上高目標8,500億円はFY2024/3に前倒し達成しましたが、営業利益500億円・ROE5%の達成は最終年度のFY2026/3に持ち越し。3Q累計の営業利益410億円(進捗率91%)から通期達成の確度は高まっています。並行して「資本収益性向上に向けた取り組み2027」を策定し、400億円規模の政策保有株式売却や自己株式取得による資本効率改善を推進中です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
自社TSRは230.6%とTOPIX(213.4%)を約17ポイントアウトパフォームしています。FY2021〜FY2023にかけてはTOPIXを下回っていましたが、FY2024以降に逆転。中期経営計画による経営改革の成果や政策保有株式の売却による株主還元強化が評価され、直近2年間で株価は大幅に上昇しました。PBR1倍達成に向けた施策が引き続き株価の下支え要因となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 110.1万円 | +10.1万円 | 10.1% |
| FY2022 | 124.6万円 | +24.6万円 | 24.6% |
| FY2023 | 165.8万円 | +65.8万円 | 65.8% |
| FY2024 | 222.7万円 | +122.7万円 | 122.7% |
| FY2025 | 230.6万円 | +130.6万円 | 130.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 12.3倍・PBR 0.85倍はいずれも金属製品セクター平均を下回り、割安感のある水準です。特にPBR1倍割れは純資産に対して株価が割安であることを示しており、東証の要請する「資本コストや株価を意識した経営」の観点からも改善余地があります。信用倍率3.96倍は適度な買い越し状態で、配当利回り2.57%は業界平均を上回ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期決算を発表。売上高9,225億円(前年比-3.0%)、営業利益342億円(同+1.0%)と減収ながらも営業利益は微増を確保。
FY2026/3の2Q決算を発表し、通期業績予想の上方修正を実施。純利益予想を460億円→490億円に引き上げ、過去最高益を計画。
FY2026/3 第3四半期累計で売上高7,215億円(前年同期比+3.3%)、営業利益410億円(同+33.8%)と大幅増収増益。最終利益は前年同期比91.4%増。
最新ニュース
東洋製罐グループホールディングス まとめ
ひとめ診断
製缶国内首位・包装容器の総合メーカー、容器から環境・車載電池まで「つつむ技術」で社会を支える東洋製罐グループ
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「金属製品」に分類される他の企業
鋼橋のガリバーが、老朽化する日本のインフラ更新を追い風に、M&Aでコンクリート橋領域へも覇権を広げるインフラの守護神
住宅設備・建材で国内最大手、トイレ・窓・キッチンなど水まわりから開口部まで幅広く展開するLIXIL
窓辺のガリバー、高配当を武器にPBR1倍の壁に挑む老舗メーカー
『金属に膜を張る』ニッチ技術で半導体業界を陰で支える、溶射加工のガリバー
工事現場の『足場』から家庭の『フィットネス』まで、多角化で安定収益を築く堅実メーカー
『縁の下の力持ち』である容器製造・飲料充填の老舗が、収益改善と海外展開で新たな成長エンジンを探る挑戦者
アルミ建材の名門が、不動産売却益で息をつき、次世代技術に賭ける苦闘の再建フェーズ
『橋』という社会インフラの守護神、老朽化する日本を足元から支える縁の下の力持ち