東京製綱
TOKYO ROPE MFG.CO.,LTD
最終更新日: 2026年3月28日
130年以上の歴史を誇る、日本のインフラを支えるワイヤロープのトップメーカー
ワイヤロープで培った技術を核に、高機能複合材料で世界のインフラと産業の未来を切り拓くリーディングカンパニーとなる。
この会社ってなに?
あなたが毎日乗るかもしれないエレベーター。その安全を支える「命綱」とも言えるワイヤーを作っているのが、実は東京製綱です。また、高速道路をドライブするときに見上げる巨大な吊り橋、例えば明石海峡大橋のような日本の大動脈を支える極太のケーブルも、同社が手掛けています。さらに、普段乗っている自動車のタイヤが頑丈で安全なのも、内部に使われている「スチールコード」という補強材のおかげ。このように、東京製綱は私たちの目には見えにくいですが、社会の安全と基盤を根底から支える重要な製品を世に送り出している会社なのです。
ワイヤロープ国内最大手の東京製綱は、着実な業績拡大を続けています。2025年3月期は売上高628.7億円、営業利益35.85億円を達成し、続く2026年3月期は営業利益40.0億円と更なる増益を見込みます。近年は筆頭株主である日本製鉄との関係や、高機能製品へのシフトが経営の焦点となっています。特に軽量で高強度な炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)は次世代の柱として期待されており、継続的な増配方針と合わせて株主還元の強化も進めています。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区永代2丁目37番28号
- 公式
- www.tokyorope.co.jp
社長プロフィール

1887年の創業以来、ワイヤロープのトップメーカーとして社会インフラを支えてきました。今後も技術革新を進め、炭素繊維ケーブル(CFCC®)などの高機能製品で新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
この会社のストーリー
日本初の製綱会社として、東京製綱株式会社が設立される。日本の近代化と共に歩みを開始した。
自動車産業の発展を見据え、タイヤの補強材であるスチールタイヤコードの製造を開始。事業の多角化を進める。
世界最長の吊り橋である明石海峡大橋のメインケーブルに当社のワイヤが採用され、日本のインフラ整備に大きく貢献した。
鉄の5分の1の軽さで10倍の強度を持つ炭素繊維複合材ケーブル(CFCC®)を世界で初めて工業化。新素材分野へ進出する。
大株主である日本製鉄から敵対的TOB(株式公開買付け)を受ける。経営の独立性を守るため、これに反対を表明した。
販売子会社とエンジニアリング子会社を吸収合併し、製造から販売、メンテナンスまでの一貫体制を強化。経営資源の最適化を図る。
中期経営計画『TRX135』を推進し、既存事業の収益力強化と、CFCC®などの開発製品事業の拡大を目指す。
高機能・高付加価値製品の提供を通じて、国内外のインフラ老朽化対策や再生可能エネルギー分野へ貢献し、持続的な成長を目指す。
注目ポイント
1887年の創業以来、日本の産業とインフラを支えてきたワイヤロープの最大手。明石海峡大橋など数々の国家プロジェクトに採用される高い技術力と信頼性が強みです。
鉄より軽くて強い夢の新素材「炭素繊維ケーブル(CFCC®)」を世界で初めて製品化。送電線やインフラ補強材として世界中で採用が進む、将来性豊かな事業です。
業績に連動した安定的な配当を継続しており、高い配当利回りが魅力です。近年は自社株買いも実施し、株主への利益還元に積極的な姿勢を見せています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 4円 | 24.0% |
| FY2017/3 | 40円 | 34.4% |
| FY2018/3 | 40円 | 25.6% |
| FY2019/3 | 40円 | 420.2% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 20円 | 24.7% |
| FY2023/3 | 35円 | 14.9% |
| FY2024/3 | 40円 | 31.2% |
| FY2025/3 | 64円 | 31.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は株主還元を重視しており、配当性向30%程度を目標に安定的な利益還元を行っています。近年は業績の向上に伴い増配基調を維持しており、投資家からの評価も高まっています。今後も持続的な成長を通じて、さらなる株主価値の向上を目指す方針です。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は600億円台で安定的に推移しており、近年の高収益体制への転換が顕著です。FY2023/3に一時的な利益の急伸が見られましたが、その後も営業利益は30億円超を維持し、インフラ・産業機械向け需要の底堅さが業績を支えています。FY2026/3予想においても増益基調を維持しており、着実な成長が見込まれています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.9% | 0.5% | - |
| FY2022/3 | 6.6% | 1.6% | - |
| FY2023/3 | 14.0% | 4.3% | - |
| FY2024/3 | 8.5% | 2.4% | 6.1% |
| FY2025/3 | 11.7% | 3.7% | 5.7% |
売上高営業利益率はFY2021/3の1.2%から直近では5%台後半へ向上しており、収益構造の改善が進んでいます。ROE(自己資本利益率)も適正な水準まで回復しており、資本効率を重視した経営が浸透しつつあります。今後も高付加価値製品の展開により、さらなる収益性の改善が期待されます。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の27.7%からFY2025/3には42.0%まで大幅に上昇しており、財務体質の健全化が着実に進んでいます。かつてゼロであった有利子負債は増加しましたが、総資産に対する資本の蓄積がそれを上回るペースで進んでいるため、実質的な財務リスクはコントロールされています。長年の技術蓄積による資産価値の高さが同社の強固な基盤となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 28.3億円 | -4.0億円 | -26.8億円 | 24.4億円 |
| FY2022/3 | 19.1億円 | -15.0億円 | -22.9億円 | 4.1億円 |
| FY2023/3 | 31.3億円 | -16.9億円 | -4.0億円 | 14.3億円 |
| FY2024/3 | 34.3億円 | -3.0億円 | -39.7億円 | 31.3億円 |
| FY2025/3 | 24.2億円 | -16.4億円 | -3,100万円 | 7.7億円 |
本業の稼ぐ力を示す営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、事業活動による強固な資金創出力が確認できます。投資キャッシュフローは設備投資の実施により変動していますが、概ね営業活動の範囲内で賄われています。財務活動においては積極的な借入返済や株主還元を行っており、バランスの取れた資金循環を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 20.2億円 | 7.2億円 | 35.4% |
| FY2023/3 | 36.5億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 47.5億円 | 27.1億円 | 57.1% |
| FY2025/3 | 38.8億円 | 6.3億円 | 16.2% |
法人税等の額は各年度の業績や税効果会計の適用により変動しています。特にFY2024/3は税負担率が高まりましたが、これは特定の会計処理や調整項目による影響です。通常、標準的な税率水準へ収束する傾向にあり、今後も計画に基づいた適切な納税がなされる見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 642万円 | 1,450人 | - |
従業員の平均年収は642万円であり、製造業の平均水準と比較しても安定した給与水準を維持しています。近年、収益力の改善に伴い配当の増額を行うなど、株主還元と従業員の待遇改善を両立させる経営姿勢が見受けられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は日本製鉄・BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)(常任代理人 三菱UFJ銀行)。
日本製鉄が約20.59%の株式を保有する筆頭株主であり、かつて敵対的TOBを実施するなど強い影響力を持つ存在です。その他、信託銀行などの機関投資家が上位を占めており、安定株主の比率が高い一方で、創業家や特定の個人による支配色は比較的薄まっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
鋼索鋼線やスチールコードを主軸とする金属製品メーカーとして、長大橋やエレベーター等のインフラ分野に強みを持ちます。原材料価格の変動や海外市場の需要動向を主要な事業リスクとして開示しており、安定的な収益確保に向けて連結子会社18社を通じた事業再編とコスト構造の改善を進めています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.3%と改善の途上にありますが、適時開示の充実や透明性の高いIR活動を通じてコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。監査法人による厳格な監査体制に加え、連結子会社18社を抱える企業グループとしての適正な統治が継続的な経営課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 630億円 | — | 629億円 | -0.2% |
| FY2024 | 680億円 | — | 642億円 | -5.5% |
| FY2023 | 670億円 | — | 671億円 | +0.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 39億円 | — | 36億円 | -8.1% |
| FY2024 | 36億円 | — | 39億円 | +8.4% |
| FY2023 | 25億円 | — | 33億円 | +32.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中期経営計画『TRX135』では、売上高目標は未達に終わったものの、営業利益は目標を上回って着地しました。これは、高付加価値製品へのシフトやコスト削減が進んだ結果とみられます。一方で、資本効率を示すROEは目標に届かず、課題を残しました。業績予想の精度は年度によってバラつきがあり、特に利益面の変動が大きくなっています。現在は単年度の業績予想を開示しており、2026年3月期は増収増益を見込んでいますが、計画達成に向けた実行力が問われます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2022を除き、継続的にTOPIXを上回る優れたパフォーマンスを示しています。これは、株価の上昇に加えて、増配や自社株買いといった株主還元策が積極的に行われた結果です。特にFY2024にはTSRが249.9%に達し、TOPIXを30ポイント以上アウトパフォームしました。日本製鉄によるTOBを契機とした資本効率や企業価値向上への意識の高まりが、投資家からの再評価につながり、高い株主リターンを実現していると考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 198.5万円 | +98.5万円 | 98.5% |
| FY2022 | 149.9万円 | +49.9万円 | 49.9% |
| FY2023 | 198.2万円 | +98.2万円 | 98.2% |
| FY2024 | 249.9万円 | +149.9万円 | 149.9% |
| FY2025 | 223.7万円 | +123.7万円 | 123.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場の評価を見ると、PER・PBRともに業界平均を下回っており、株価は割安圏にあると判断できます。一方で、配当利回りは業界平均を大きく上回っており、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。信用取引では買い残が売り残を大幅に上回る「買い長」の状態で、信用倍率は14.59倍と高めです。これは将来の株価上昇を期待する個人投資家が多いことを示唆しますが、一方で将来的な売り圧力になる可能性も内包しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計で経常利益が前年同期比37.6%増の31億円を記録し、好調な進捗を見せた。
資本効率の向上と株主還元を目的とした自己株式の取得を完了し、市場の期待に応えた。
国内トップのワイヤロープメーカーとして、インフラ老朽化対策に向けた炭素繊維ケーブル等の拡販に注力。
最新ニュース
東京製綱 まとめ
ひとめ診断
「創業140年超のワイヤロープの巨人が、新素材CFCCと『物言う株主』をテコに、インフラの未来と株主価値向上を同時に吊り上げる」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「金属製品」に分類される他の企業
懸架ばね世界首位の独立系自動車部品メーカー。HDD用サスペンションが第二の柱
シャッター国内首位・日米欧3極体制で開口部のグローバルリーダーを目指す三和ホールディングス
ガス器具国内トップ・給湯と厨房の2本柱で海外展開を加速するリンナイ
鋼橋のガリバーが、老朽化する日本のインフラ更新を追い風に、M&Aでコンクリート橋領域へも覇権を広げるインフラの守護神
石油給湯器のガリバー、自己資本比率90%超の鉄壁財務を背に、省エネ時代の次の一手を探る老舗メーカー
『縁の下の力持ち』である容器製造・飲料充填の老舗が、収益改善と海外展開で新たな成長エンジンを探る挑戦者
『IH調理器』の超巨大版技術で、橋やビル、自動車の骨格を鍛える、熱処理技術の黒子企業
工事現場の『足場』から家庭の『フィットネス』まで、多角化で安定収益を築く堅実メーカー