エイチワン
H-ONE CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
クルマの骨格を支える技術で、EV時代も走り抜けるホンダ系部品メーカー
『Global One Teamで「変化」をリードし、人と地球の新たな価値を創造する』ことを目指し、サステナブルな社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが普段運転しているかもしれないホンダ車。その安全性と乗り心地を支えているのが、エイチワンが作る自動車の「骨格」です。万が一の事故の際に乗員を守る頑丈なフレームや、静かで快適な走りを実現するための精密な部品など、普段は目にすることのない車の内部で、私たちの安全を支える重要な役割を担っています。あなたの愛車の見えない部分で、エイチワンの高度な溶接・プレス技術が活躍しているのです。
エイチワンはホンダ系の自動車車体骨格部品大手で、FY2025に売上高2,281.4億円、営業利益118.60億円を達成し、前年度の188億円超の営業赤字から劇的なV字回復を果たしました。売上の約9割をホンダに依存するビジネスモデルが長年の課題であり、インド子会社の売却など事業ポートフォリオの再構築を進めています。新中期経営計画「Change 2027」では、EV関連部品へのシフトと収益性改善を掲げ、本格的な事業構造改革の成果が問われる局面です。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目195番地1大宮ソラミチKOZ11階
- 公式
- www.h1-co.jp
社長プロフィール

私たちは、中期事業計画『Change 2027』を掲げ、事業環境の大きな変化に対応しながら企業価値向上を目指します。コア事業の収益力強化と成長事業への戦略的投資を通じて、持続的な成長を実現し、すべてのステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
自動車用部品のプレス加工メーカーとして、東京都大田区に平田プレス工業所を設立し、事業を開始した。
着実な成長を遂げ、株式を公開することで、さらなる事業拡大と社会的信用の向上を目指した。
同じくホンダ系部品メーカーの株式会社本郷と合併し、商号を株式会社エイチワンに変更。グローバルな競争力を高めるための大きな一歩を踏み出した。
世界的な金融危機の影響で自動車業界全体が打撃を受け、業績が大きく落ち込む厳しい時期を経験した。
主要取引先であるホンダの海外生産拡大に対応し、北米、アジア、欧州などグローバルに生産拠点を拡大し、成長を続けた。
EV化など自動車業界の変革期に対応するため、収益力強化と成長領域への投資を柱とする新たな中期事業計画をスタートさせた。
事業ポートフォリオの見直しの一環として、インド子会社を現地企業に譲渡。選択と集中を進め、経営資源の最適化を図った。
「人と地球の新たな価値を創造する」というビジョンの下、EV向け軽量・高剛性部品の開発などを通じ、持続可能な社会に貢献する企業を目指す。
注目ポイント
売上の約9割がホンダ向けという強固なパートナーシップが特徴。自動車の安全性や性能を左右する車体骨格部品のトップメーカーとして、高い技術力で日本のものづくりを支えています。
株主への利益還元を重視しており、安定した配当が期待されます。さらに、QUOカードがもらえる株主優待制度(300株以上)もあり、投資家にとって魅力的な企業です。
電気自動車(EV)化という大きな変化に対応するため、軽量化技術やアルミ部品の開発に注力。中期事業計画「Change 2027」を掲げ、未来のクルマ社会に向けた変革を進めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 22円 | 162.1% |
| FY2017/3 | 24円 | 11.2% |
| FY2018/3 | 25円 | 11.4% |
| FY2019/3 | 26円 | 18.0% |
| FY2020/3 | 26円 | 59.8% |
| FY2021/3 | 26円 | 25.7% |
| FY2022/3 | 24円 | 0.3% |
| FY2023/3 | 20円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 20円 | 0.3% |
| FY2025/3 | 50円 | 13.1% |
| 必要株数 | 300株以上(約37万円) |
| 金額相当 | 1,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として業績連動を基本としつつ、安定的な利益還元を重視しています。FY2025/3には業績回復を背景に配当を大幅に増額し、株主還元の強化を図りました。今後も連結配当性向を考慮しながら、持続的な配当実施を目指す方針です。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
エイチワンは、前期まで自動車用車体骨格部品の受注減少や海外事業の構造改革に伴う減損損失により深刻な赤字が続いていましたが、FY2025/3には黒字化を達成しました。売上高は2,200億円規模で安定的に推移しており、今後は固定費削減や不採算事業の整理による利益体質への転換が期待されます。2026年3月期は更なる増益を目指す強気な見通しを立てており、業績回復の軌道に乗ったと言えます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.5% | 2.1% | - |
| FY2022/3 | 5.8% | -1.9% | - |
| FY2023/3 | -23.9% | -5.2% | - |
| FY2024/3 | -9.1% | -10.7% | -32.2% |
| FY2025/3 | 13.3% | 6.1% | 20.4% |
収益性は、FY2024/3に営業利益率がマイナス8.1%まで悪化しましたが、FY2025/3には営業利益率が5.2%まで急回復し、ROEも16.4%まで向上しました。これは不採算であったインド子会社などの事業整理と、生産効率化によるコスト構造の見直しが奏功したためです。今後は、自動車業界の電動化トレンドに対応しつつ、安定的に5%以上の営業利益率を維持できるかが成長の鍵となります。
財務は安全?
財務健全性は、FY2024/3に有利子負債が約400億円発生したことで一時的に自己資本比率が30.4%まで低下しましたが、FY2025/3には利益剰余金の回復により自己資本比率は35.8%まで改善しました。負債を圧縮しながら着実に純資産を積み上げており、事業継続に必要な資本基盤は再構築されつつあります。今後も、インド事業譲渡等の資産売却による財務体質のさらなる安定化が注目されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 195億円 | -133億円 | 12.8億円 | 62.4億円 |
| FY2025/3 | 211億円 | -131億円 | -73.4億円 | 79.3億円 |
営業キャッシュフローは、不振期においても年間約200億円規模を維持しており、強固な本業の稼ぐ力を証明しています。投資キャッシュフローはグローバル生産体制の維持・効率化に向けた設備投資により年130億円前後の支出が継続しています。結果としてフリーキャッシュフロー(FCF)は安定した黒字を確保しており、この資金を有利子負債の返済や配当還元に充てる好循環が生まれています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 33.3億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 27.3億円 | 64.4億円 | 236.1% |
| FY2023/3 | -3.0億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 53.1億円 | 247億円 | 464.7% |
| FY2025/3 | 57.7億円 | 0円 | 0.0% |
FY2022/3からFY2024/3までは営業赤字が続いたため、法人税等の支払いは発生していません。FY2025/3に黒字転換した際は、過去の繰越欠損金の活用などにより実効税率は9.5%と低水準に留まりました。2026年3月期からは通常の税負担比率に戻る見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 707万円 | 5,449人 | - |
従業員平均年収は707万円であり、金属製品・自動車部品業界の中でも安定した水準を維持しています。長年の高い勤続年数や熟練技術が反映されており、業績連動要素と相まって一定の処遇が確保されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は本田技研工業・INTERACTIVE BROKERS LLC (常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券)・エイチワン従業員持株会。
筆頭株主である本田技研工業(21.33%)を筆頭に、金融機関や従業員持株会が上位を占めており、安定した株主構成となっています。ホンダグループとしての結びつきが強く、経営方針においても自動車メーカーとの連携が不可欠な構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高の約9割をホンダグループへの依存に頼る構造が最大のリスク要因であり、自動車販売の動向が直結します。現在は「Change 2027」を掲げ、営業利益の拡大とROIC(投下資本利益率)の改善に注力し、高付加価値製品への転換を図っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は13.0%にとどまっており、多様性の確保が今後の課題です。指名・報酬委員会を設置し、ガバナンスの透明性を高める体制を構築していますが、5,000人超の従業員を抱える規模感から、さらなる経営の監督機能強化が求められています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 110億円 | — | 119億円 | +7.8% |
| FY2024 | 30億円 | — | -188億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 45億円 | — | -93億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2,300億円 | — | 2,281億円 | -0.8% |
| FY2024 | 2,300億円 | — | 2,327億円 | +1.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Change 2027」は、FY2027に営業利益160億円を目指す野心的な目標を掲げています。初年度のFY2025は営業利益118.6億円と計画を上回るスタートを切り、劇的な黒字転換を果たしました。しかし、過去の業績予想は大幅な未達が頻発しており、外部環境の変化への耐性が問われます。計画達成には、ホンダ依存からの脱却とEV関連事業の収益化が不可欠です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
エイチワンのTSR(株主総利回り)は、FY2025に255.4%を記録し、同期間のTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしました。これは主に、FY2024の大規模赤字からの劇的な業績回復と、それに伴う株価の大幅な上昇が要因です。長期的にはTOPIXに劣後する期間も見られましたが、直近のV字回復が株主へのリターンを大きく押し上げる形となりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 166.1万円 | +66.1万円 | 66.1% |
| FY2022 | 132.1万円 | +32.1万円 | 32.1% |
| FY2023 | 140.8万円 | +40.8万円 | 40.8% |
| FY2024 | 160.0万円 | +60.0万円 | 60.0% |
| FY2025 | 255.4万円 | +155.4万円 | 155.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.54倍と解散価値(1倍)を大きく下回り、PERも3.5倍と業界平均に比べて極めて割安な水準にあります。これは過去の赤字経営とホンダへの過度な依存がディスカウント要因となっているためです。信用買い残が多く信用倍率が9.87倍と高水準であり、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方で、需給面での重荷となる可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
インド子会社H-ONE IndiaをBelrise Industriesへ譲渡。収益性改善に向けたグローバル再編の一環。
中期経営計画「Change 2027」に基づき営業利益目標110億円を掲げ、利益重視の経営へ転換。
第3四半期累計の最終利益が前年同期比28.5%減の52.2億円と減益着地。
最新ニュース
エイチワン まとめ
ひとめ診断
「ホンダ依存9割の車体骨格メーカーが、EV化の荒波と巨額赤字から劇的なV字回復を遂げた状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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