LIXIL
LIXIL Corporation
最終更新日: 2026年3月24日
住まいの水まわりから開口部まで、日本最大手の住宅設備メーカーが描く再生への道
世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいの実現に貢献し、住まいの課題を解決するグローバルリーダーとなる。
この会社ってなに?
LIXILの製品は私たちの暮らしのあらゆる場面に存在しています。自宅のトイレやお風呂(INAX)、キッチン、窓やドア(サーモスシリーズ)、玄関ドア(ジエスタ)、そしてエクステリアまで、住まいの快適さと安全を支えるブランドを多数擁しています。日本の住宅リフォーム市場においても圧倒的なシェアを持ち、省エネ住宅向けの断熱窓需要の高まりが追い風となっています。
FY2025/3の売上収益は1兆5,047億円(前年比+1.4%)、営業利益は297億円(同+81.5%)と増収増益を達成し、FY2024/3の純損失139億円から純利益20億円へと黒字転換しました。主力のウォーターテクノロジー事業(INAX・GROHE・American Standard)が堅調に推移し、ハウジングテクノロジー事業もサッシ・ドアの価格転嫁が進みました。FY2026/3予想は売上収益1兆5,400億円、営業利益300億円と引き続き増収増益を見込んでいます。PBR 0.76倍と解散価値を下回る株価水準にあり、配当利回り5.5%の高配当銘柄として注目されています。
会社概要
- 業種
- 金属製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区西品川一丁目1番1号 大崎ガーデンタワー24F
- 公式
- www.lixil.com
社長プロフィール
私たちLIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、先進的な水まわり製品と建材を提供しています。構造改革を進めながら、コア事業への集中と収益力の回復に全力で取り組んでまいります。
この会社のストーリー
アルミサッシメーカーとして創業。高度経済成長期の住宅建設ブームに乗り、窓・サッシの国内トップメーカーへと成長しました。
衛生陶器大手のINAXと経営統合し、住生活グループを設立。水まわりと建材の総合メーカーとしての基盤を築きました。
トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ工業・東洋エクステリアの5社が統合し、株式会社LIXILが発足。国内最大の住宅設備・建材メーカーが誕生しました。
ドイツの高級水栓メーカーGROHEを約4,000億円で買収。水まわり事業をグローバルに展開する布石を打ちました。
旧経営陣との対立や中国合弁事業での巨額損失が発覚。ガバナンスの強化が急務となり、指名委員会等設置会社へ移行しました。
米国浴槽事業の売却やグローバル拠点の再編を推進。不採算事業からの撤退を進め、コア事業への集中を図っています。
省エネ住宅の断熱窓需要やスマートホーム化の波を捉え、収益構造の抜本的な改革に挑みます。グローバルブランドの価値を最大化へ。
注目ポイント
業績低迷下でも1株90円の配当を維持し、配当利回りは5.52%と市場平均を大幅に上回ります。安定配当へのコミットメントは、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
BPS 2,151円に対して株価1,631円とPBR 0.76倍の解散価値割れ。INAXやGROHEといった世界的ブランド資産を持つ企業がこの水準にあることは、業績回復局面でのバリュー投資の好機となる可能性があります。
政府の住宅省エネ政策や断熱リフォーム補助金の拡充により、高断熱窓の需要が急拡大中。LIXILは窓・サッシ市場の国内トップシェアを持ち、この追い風を最も享受できるポジションにあります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 60円 | 0.6% |
| FY2017/3 | 60円 | 40.5% |
| FY2018/3 | 65円 | 34.4% |
| FY2019/3 | 70円 | 0.6% |
| FY2020/3 | 70円 | 162.2% |
| FY2021/3 | 75円 | 65.8% |
| FY2022/3 | 85円 | 50.8% |
| FY2023/3 | 90円 | 162.0% |
| FY2024/3 | 90円 | 0.6% |
| FY2025/3 | 90円 | 1291.2% |
株主優待制度は2019年9月をもって廃止済み。現在は実施していません。
1株当たり年間90円の安定配当を維持しており、現在の配当利回りは5.52%と市場平均を大きく上回る高配当銘柄です。FY2024/3は純損失のため配当性向は算出不能、FY2025/3は純利益20億円に対して配当総額が約259億円とEPS対比で極めて高い配当性向となっています。業績低迷下でも減配しない姿勢は株主還元への意思の表れですが、持続可能性の観点からは業績回復が急務です。
同業比較(収益性)
金属製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上収益は1.3兆〜1.5兆円の水準で推移。FY2022/3には営業利益695億円を計上しましたが、FY2023/3以降は原材料高・海外事業の構造改革費用が重荷となり利益は急減。FY2024/3には純損失139億円に転落しましたが、FY2025/3に黒字転換を果たしました。FY2026/3予想は営業利益300億円と堅実な回復を見込んでおり、事業利益率の改善が最優先課題です。
事業ごとの売上・利益
INAX・GROHE・American Standardブランドによるトイレ・浴室・キッチン等の水まわり製品。グローバルに展開する主力事業
窓・サッシ・ドア・エクステリア・タイル等の建材製品。国内住宅向けが中心で、断熱窓の需要拡大が追い風
全社費用・セグメント間調整等。構造改革費用の計上が含まれる
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -1.4% | 1.9% | 2.8% |
| FY2022/3 | 9.0% | 3.8% | - |
| FY2023/3 | 3.0% | 1.1% | - |
| FY2024/3 | 2.4% | 0.4% | 2.0% |
| FY2025/3 | 1.9% | 1.1% | 3.6% |
ROEはFY2022/3の7.9%をピークにFY2024/3にはマイナス2.2%に転落。FY2025/3は0.3%と辛うじてプラスに転じました。営業利益率もFY2022/3の4.9%から1〜2%台に低迷しており、売上高1.5兆円規模に対して利益率が極めて低いのが課題です。PBR 0.76倍と解散価値割れの水準は、市場が現在の収益力に懐疑的であることを示しています。中期目標の事業利益率7.5%達成が株価回復の鍵です。
財務は安全?
総資産は約1兆8,308億円の大企業で、自己資本比率は33.7%。BPS(1株当たり純資産)は2,151円で、現在の株価1,631円はBPSを大幅に下回るPBR 0.76倍の水準です。FY2025/3の有利子負債は約4,962億円で、手元現金1,235億円を差し引いたネット有利子負債は約3,727億円。財務体質の改善は進んでいるものの、レバレッジの高さが経営の自由度を制約している面があります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 480億円 | -299億円 | -36.7億円 | 181億円 |
| FY2025/3 | 1,000億円 | -281億円 | -725億円 | 719億円 |
営業キャッシュフローはFY2025/3に1,000億円と大幅に回復。FY2023/3には150億円まで落ち込んだ現金創出力が、運転資本の改善や構造改革の進展により復調しました。フリーキャッシュフローも719億円のプラスを確保。財務CFのマイナス725億円は有利子負債の返済によるもので、財務体質の改善に注力していることがわかります。営業CFの安定的な創出が今後の株主還元と投資の源泉です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 37.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 278億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | -36.7億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 135億円 | 67.9億円 | 50.5% |
| FY2025/3 | 130億円 | 0円 | 0.0% |
FY2024/3は税引前利益164億円に対して法人税等303億円と、実効税率185.1%という異常値を記録。これは海外子会社の繰延税金資産取り崩しや構造改革に伴う税務上の損失処理が影響しています。FY2025/3も93.3%と高水準が続いており、グローバル事業の税務構造の見直しが進行中です。業績の正常化に伴い、実効税率も徐々に安定する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 709万円 | 48,660人 | - |
平均年収709万円は金属製品業界の中では標準的な水準です。連結従業員数は約53,200名ですが、有報ベースでは48,660名。平均年齢46歳、平均勤続年数20.3年と長期雇用が定着しており、安定した雇用環境が特徴です。なお、LIXILは指名委員会等設置会社であり、役員報酬体系はグローバル基準で設計されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人等に加え、LIXIL従業員持株会(2.9%)も安定株主に含む。個人投資家比率41.6%と高く、配当利回り注目の浮動株優位構造。
信託銀行経由の機関投資家が筆頭で、日本マスタートラスト信託銀行が16.5%を保有。個人投資家の比率が41.6%と高いのは、高配当利回り(5.5%超)が個人に支持されているためです。従業員持株会(2.9%)・取引先持株会(1.1%)も名を連ねますが、安定株主比率37.5%と浮動株比率62.5%と流動性は高め。創業家や特定大株主の影響力は限定的で、プロ経営者による経営体制です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| ウォーターテクノロジー(WT) | 約6,600億円 | 約210億円 | 3.2% |
| ハウジングテクノロジー(HT) | 約7,400億円 | 約250億円 | 3.4% |
| その他・調整 | 約1,000億円 | 約-160億円 | - |
LIXILはウォーターテクノロジー(WT)とハウジングテクノロジー(HT)の2セグメントで事業を展開。WT事業はINAX・GROHEなどのグローバルブランドを擁し、HT事業は国内の窓・ドア市場で高いシェアを持ちます。両セグメントとも営業利益率は3%前後にとどまっており、利益率の改善が経営の最優先課題です。不採算事業の売却や集中と選択を進めることで、収益構造の転換を図っています。
この会社のガバナンスは?
取締役16名中、女性5名(31.3%)と多様性の確保が進んでおり、指名委員会等設置会社として先進的なガバナンス体制を敷いています。監査報酬4億9,200万円はグローバル企業にふさわしい規模。設備投資416.8億円は製造拠点の効率化や断熱窓の増産投資に充当されています。臨時従業員7,290名を含む大規模な事業運営体制です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1兆5,700億円 | — | 1兆4,832億円 | -5.5% |
| FY2025 | 1兆5,700億円 | 1兆5,047億円 | 1兆5,047億円 | -4.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 250億円 | — | 164億円 | -34.4% |
| FY2025 | 250億円 | — | 297億円 | +18.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「LIXIL Playbook」のもと、事業利益率7.5%・ネット有利子負債EBITDA倍率3.5倍以下を中期目標として掲げています。しかしFY2025/3の営業利益率は2.0%にとどまり、目標との乖離は大きい状況です。不採算事業の売却(米国浴槽事業のAmerican Bath Groupへの譲渡等)や、住宅設備のコア事業への集中を進めていますが、成果の本格化にはまだ時間を要します。FY2026/3 3Qの好業績が回復の兆しとして注目されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
自社TSRは160.4%に対しTOPIXは213.4%と、過去5年間で約53ポイントのアンダーパフォーム。FY2021には234.2%とTOPIXを大きく上回っていましたが、FY2022以降は業績悪化に伴い株価が低迷し、逆転されました。TSRの低迷は利益率の回復なくして解消は困難であり、中期目標の事業利益率7.5%の達成が投資リターン改善の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 234.2万円 | +134.2万円 | 134.2% |
| FY2022 | 182.2万円 | +82.2万円 | 82.2% |
| FY2023 | 180.4万円 | +80.4万円 | 80.4% |
| FY2024 | 164.8万円 | +64.8万円 | 64.8% |
| FY2025 | 160.4万円 | +60.4万円 | 60.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 58.6倍はセクター平均の約4倍と割高に見えますが、これは直近の利益が極端に低いためです。一方、PBR 0.76倍はセクター平均を大きく下回り、純資産価値に対して割安な水準。信用買残が205万株と売残の約59倍に達しており、需給面では買い方に偏りが見られます。配当利回り5.52%は業界トップ水準で、高配当を狙う個人投資家の注目を集めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期決算を発表。売上収益1兆5,047億円、営業利益297億円と増益。純利益は20億円で前年の赤字から黒字転換を果たした。
FY2026/3 上期決算で純利益が黒字浮上。ウォーターテクノロジー事業の海外での価格転嫁が進み、収益改善が確認された。
YKKがパナソニック住宅設備子会社を買収との報道。LIXILの競合環境が変化する可能性があり、業界再編の動きに注目が集まった。
FY2026/3 第3四半期累計で純利益が通期計画を超過。4-12月期の最終利益は前年比2.8倍に増益し、業績回復の進捗が鮮明に。
米系大手証券がLIXIL株を格下げ、目標株価を1,600円に引き下げ。株価は3月に1,631円まで下落し、52週安値圏で推移。
最新ニュース
LIXIL まとめ
ひとめ診断
住宅設備・建材で国内最大手、トイレ・窓・キッチンなど水まわりから開口部まで幅広く展開するLIXIL
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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