住友電気工業5802
Sumitomo Electric Industries, Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
車のエンジンルームに張り巡らされたワイヤハーネス、スマートフォンの通信を支える光ファイバー、電力を届ける送電ケーブル。住友電工の「つなぐ技術」は、移動・通信・エネルギーのあらゆるインフラに組み込まれ、現代の暮らしを陰で支えています。
住友電気工業は、電線・ケーブルで国内首位、自動車用ワイヤハーネスで世界トップクラスの総合電線メーカーです。5つの事業セグメント(自動車・環境エネルギー・情報通信・エレクトロニクス・産業素材)を展開し、2025/03期は営業利益3,207億円と過去最高を記録しました。2026/03期は住友電設の大和ハウスへの売却(約2,920億円)と住友理工の完全子会社化で大型再編を完遂。生成AI・データセンター向け光ファイバーの需要急増も追い風に、通期純利益は3,200億円(前期比65%増)へ大幅上方修正されています。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号(住友ビル本館)
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
ワイヤハーネスで世界トップクラス。EV・HV向け高電圧ハーネスの需要拡大が成長ドライバー。売上構成比約56%
送電ケーブル・電力機器が主力。海底ケーブルやデータセンター向け電力インフラの需要が拡大中。売上構成比約20%
化合物半導体(GaNデバイス等)・電子ワイヤー・フレキシブルプリント基板。高利益率のセグメント。売上構成比約7%
光ファイバー・光部品・アクセスネットワーク機器。2025/03期は赤字だが、生成AI・データセンター特需で2026/03期は急回復中。売上構成比約4%
超硬工具・焼結部品・特殊鋼線等の産業用素材。自動車・半導体製造装置向けが中心。売上構成比約7%
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3.6% | 1.7% | - |
| 2022/03期 | 5.7% | 2.5% | - |
| 2023/03期 | 6.1% | 2.8% | - |
| 2024/03期 | 7.3% | 3.4% | 5.1% |
| 2025/03期 | 8.6% | 4.4% | 6.9% |
5期連続でROE・営業利益率ともに改善が続いています。2025/03期はROE7.7%、営業利益率6.9%と着実に向上。自動車事業のコスト構造改革や環境エネルギー事業の収益改善が寄与しています。非鉄金属メーカーとしては高水準ですが、住友グループの目安であるROE8%にはあと一歩です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.9兆円 | 0円 | 563億円 | 72.3円 | — |
| 2022/03期 | 3.4兆円 | 0円 | 963億円 | 123.5円 | +15.4% |
| 2023/03期 | 4.0兆円 | 0円 | 1,127億円 | 144.4円 | +18.9% |
| 2024/03期 | 4.4兆円 | 2,266億円 | 1,497億円 | 192.0円 | +9.9% |
| 2025/03期 | 4.7兆円 | 3,207億円 | 1,938億円 | 248.5円 | +6.3% |
2025/03期は自動車事業の収益改善と円安効果で営業利益3,207億円(前期比41.5%増)の過去最高を記録。2026/03期はAI・データセンター向け光ファイバー需要の急増に加え、住友電設売却による特別利益約700億円を計上し、純利益は3,200億円(前期比65%増)へ大幅上方修正。売上高は4.9兆円と着実に拡大中です。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 2兆5,935億円 | 1,447億円 | 5.6% |
| 環境エネルギー | 9,492億円 | 429億円 | 4.5% |
| エレクトロニクス | 3,084億円 | 293億円 | 9.5% |
| 情報通信 | 2,027億円 | -116億円 | -5.7% |
| 産業素材他 | 3,491億円 | - | - |
2025/03期実績ベース。自動車関連が売上の約56%を占める最大セグメントです。エレクトロニクス(利益率9.5%)が最も収益性が高い一方、情報通信は2025/03期で赤字でしたが2026/03期はAI・データセンター向け光ファイバー需要の急増で大幅な改善が見込まれています。住友理工の子会社化により自動車セグメントの規模がさらに拡大する見通しです。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 4兆5,000億円 | — | 4兆4,028億円 | -2.2% |
| 2025期 | 4兆5,000億円 | — | 4兆6,798億円 | +4.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 1,750億円 | — | 2,266億円 | +29.5% |
| 2025期 | 2,400億円 | — | 3,207億円 | +33.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画2025は営業利益が目標を28%超過達成する好成績。特に2025/03期は当初予想の2,400億円から3,207億円へ33.6%の上振れと、住友電工の期初予想が保守的であることを示しています。ROE8%目標は7.7%と僅かに未達ですが、利益水準の急成長を考えればほぼ達成同然です。2030ビジョン「Glorious Excellent Company」の実現に向け、次期中計の策定が注目されます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
大和ハウスによる住友電設の買収が完了し、住友理工の完全子会社化も実現。グループ再編が一段落
2026/03期 Q3決算を発表。通期純利益予想を3,200億円(前期比65%増)に上方修正。AI需要と電設売却益が寄与
住友電設を大和ハウスに約2,920億円で売却し、住友理工を1,333億円でTOB・完全子会社化すると同時発表
2025/03期本決算を発表。営業利益3,207億円(前期比41.5%増)で過去最高を更新
米国の関税政策への懸念から東京市場全体が急落。住友電工株も一時1,620円まで下落(その後回復)
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2025/3末時点
総資産は約4.4兆円、自己資本比率51.6%と盤石な財務基盤です。有利子負債は約1.26兆円ですが、自己資本で十分にカバーされています。BPS2,937円に対し株価9,400円でPBR3.2倍と市場の期待が高いことを反映。住友理工の子会社化に伴い2027/03期以降は総資産がさらに拡大する見通しです。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,697億円 | ▲1,634億円 | ▲131億円 | 62.3億円 |
| 2022/03期 | 760億円 | ▲1,654億円 | 828億円 | ▲894億円 |
| 2023/03期 | 2,652億円 | ▲1,478億円 | ▲983億円 | 1,174億円 |
| 2024/03期 | 3,935億円 | ▲1,238億円 | ▲2,923億円 | 2,697億円 |
| 2025/03期 | 4,023億円 | ▲2,239億円 | ▲1,508億円 | 1,783億円 |
2024/03期〜2025/03期は営業CFが2年連続で3,900〜4,000億円と高い現金創出力を発揮。2025/03期のFCFは1,783億円と潤沢です。2024/03期は自社株買いや配当支払い(財務CF-2,923億円)で株主還元を積極化。設備投資は年間2,000〜2,400億円規模で成長投資を継続しています。
この会社のガバナンスは?
取締役20名中、女性役員3名(15.0%)と多様性確保は進行中です。連結子会社389社を擁するグローバル経営体制で、監査報酬6.8億円を投じた強固な内部統制を維持。設備投資2,433億円はワイヤハーネスや光ファイバーの生産能力拡充に充当されており、成長投資と株主還元のバランスを意識した経営が行われています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 850万円 | 288,145人 | - |
平均年収850万円は非鉄金属業界でトップクラス。連結従業員数は約28.8万名とグローバルに展開する大組織で、単体では約7,100名の精鋭体制です。平均年齢43.2歳、平均勤続年数17.7年と長期雇用が根付いた安定した職場環境が特徴。住友グループの一員としての待遇の良さが際立ちます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSR(株主総利回り)は243.6%とTOPIX(213.4%)を約30ポイント上回ります。2022期はTOPIXに劣後しましたが、2024期以降は自動車事業の回復とAI関連への期待で急加速。直近の株価は2年前の約4倍に上昇しており、電線セクター全体のリレーティングを牽引しています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 35円 | 30.5% |
| 2017/03期 | 40円 | 29.1% |
| 2018/03期 | 46円 | 29.8% |
| 2019/03期 | 48円 | 31.7% |
| 2020/03期 | 40円 | 42.9% |
| 2021/03期 | 32円 | 44.3% |
| 2022/03期 | 50円 | 40.5% |
| 2023/03期 | 50円 | 34.6% |
| 2024/03期 | 77円 | 40.1% |
| 2025/03期 | 97円 | 39.0% |
株主優待制度はありません
2024/03期から3期連続の増配を予定。2026/03期は住友電設売却益の寄与もあり年間118円(前期比+21円)へ増額修正されました。配当性向は40%目安ですが、特別利益を含む2026/03期は28.8%と低め。利回りは1.3%前後と高くはありませんが、成長投資と還元のバランスを重視する方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 148.5万円 | 48.5万円 | 48.5% |
| 2022期 | 135.7万円 | 35.7万円 | 35.7% |
| 2023期 | 160.7万円 | 60.7万円 | 60.7% |
| 2024期 | 224.6万円 | 124.6万円 | 124.6% |
| 2025期 | 243.6万円 | 143.6万円 | 143.6% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER22.9倍(2026/03期予想EPSベース、特別利益除く実力ベースでは約38倍)、PBR3.20倍はいずれも非鉄金属セクター平均を大幅に上回ります。AI・データセンター関連銘柄としての成長期待が株価に織り込まれた水準です。信用買残280万株に対し売残32万株で信用倍率8.73倍と買い長の状態。上場来高値11,495円(2026年3月3日)からは調整中です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,141億円 | 577億円 | 50.6% |
| 2022/03期 | 1,382億円 | 419億円 | 30.3% |
| 2023/03期 | 1,733億円 | 607億円 | 35.0% |
| 2024/03期 | 2,153億円 | 656億円 | 30.5% |
| 2025/03期 | 3,095億円 | 1,157億円 | 37.4% |
2021/03期は海外子会社の一時的な損失処理等で実効税率50.6%と高率でした。2022/03期以降は30〜37%で安定しています。海外事業比率が高く、各国の税制や移転価格税制の影響を受けやすい構造です。2025/03期は税引前利益3,095億円に対し法人税等1,157億円を計上しました。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
住友電気工業 まとめ
電線首位・車用ワイヤハーネス世界大手が、AI・データセンター特需と子会社再編で過去最高益を更新中
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。