古河電気工業
Furukawa Electric Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
140年の歴史を持つインフラの巨人が、AI時代の光で輝きを取り戻す
情報・エネルギー・モビリティが融合した社会基盤を創り、持続可能な社会の実現に貢献する。
この会社ってなに?
あなたがスマートフォンでSNSや動画を楽しむとき、そのデータはデータセンター同士を結ぶ光ファイバケーブルを通っています。古河電気工業はその光ファイバや、電気自動車に使われるワイヤハーネス、家庭に届く電力ケーブルなどを作っている会社です。ChatGPTのようなAIが動くたびに大量のデータが行き交いますが、その通信インフラの「血管」を140年にわたって作り続けているのが古河電工。目に見えない場所で、あなたのデジタルライフを支えています。
古河電気工業は1884年創業の歴史ある非鉄金属メーカーで、光ファイバ・電力ケーブル・自動車部品などを展開する「電線御三家」の一角です。FY2025/3は売上高1兆2,018億円・営業利益471億円と過去最高を大幅更新。AIデータセンター向け光部品・光ファイバの需要急拡大が業績を牽引し、FY2026/3は営業利益530億円への更なる増益を見込みます。株価は1年で約3倍に上昇し、時価総額は約2.1兆円に到達しました。中期経営計画では売上高1.1兆円以上・営業利益580億円以上を目標に掲げ、収益構造の転換を加速しています。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町2丁目6番4号(常盤橋タワー)
- 公式
- www.furukawaelectric.com
社長プロフィール
古河電工グループは「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報・エネルギー・モビリティが融合した社会基盤の創造に挑戦しています。140年の技術蓄積を活かし、AIデータセンターや脱炭素社会に不可欠な製品・ソリューションを提供してまいります。
この会社のストーリー
足尾銅山の開発で財を成した古河市兵衛が、銅線製造を開始。日本の近代化を支えるインフラ企業としての歴史が始まる。
電力ケーブル・通信ケーブルの製造を本格化し、日本の電力・通信インフラの整備を支える総合電線メーカーへと成長。
光通信時代の到来を見据え、光ファイバの研究開発・製造に注力。世界有数の光ファイバメーカーとしての地位を確立。
自動車部品・電子部品へ事業を拡大。海外生産拠点を拡充し、売上高1兆円規模のグローバル企業へと飛躍。
低収益事業の見直しと事業ポートフォリオの再構築に着手。短期的な痛みを伴いながらも、高収益体質への転換を目指す。
長年の課題だった光部品事業がAIデータセンター需要の急拡大を追い風についに黒字化を達成。営業利益が前期比4倍超に急回復。
25中計の目標達成を視野に入れ、次期中期計画で営業利益の更なる拡大を目指す。核融合関連など次世代技術にも挑戦。
注目ポイント
1884年創業の古河グループの中核企業。銅・光ファイバ・超電導と、時代の最先端素材を140年にわたって開発し続けてきた技術蓄積は、新規参入の困難な「堀」となっています。
世界最高級の超多心光ケーブルの量産を開始するなど、AIデータセンター向け光ファイバ・光部品で急速にプレゼンスを高めています。富士通オプティカルコンポーネンツの買収で技術力も強化。
長年の低収益体質から脱却し、営業利益は1年で4倍超に急回復。配当も倍増し、株価は1年で約9倍に。構造改革の成果がようやく数字に表れ始めた、まさに変革の真っ只中にある企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 4円 | 28.2% |
| FY2017/3 | 55円 | 22.1% |
| FY2018/3 | 80円 | 19.8% |
| FY2019/3 | 85円 | 20.6% |
| FY2020/3 | 85円 | 34.0% |
| FY2021/3 | 60円 | 42.3% |
| FY2022/3 | 60円 | 41.8% |
| FY2023/3 | 80円 | 31.4% |
| FY2024/3 | 60円 | 64.9% |
| FY2025/3 | 120円 | 25.3% |
株主優待制度はありません。配当金による直接還元を重視する方針です。
FY2025/3は前期の60円から120円へと倍増し、大幅な増配を実施しました。FY2026/3は160円への更なる増配を予想しています。配当利回りは株価急騰により0.41%と低水準ですが、これは成長期待によるPER拡大(57.6倍)の反映です。配当性向は25.3%と余力があり、業績拡大に伴う増配余地は十分にあります。株主優待は実施しておらず、配当による直接還元を方針としています。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
古河電工の業績はAIデータセンター向け光ファイバ・光部品の急拡大を追い風に、FY2025/3に売上高1.2兆円・営業利益471億円と過去最高を大幅更新しました。FY2024/3は構造改革に伴う一時的な減益でしたが、FY2025/3に営業利益は前期比4.2倍と劇的に改善。FY2026/3は売上高1.2兆円・営業利益530億円を見込み、中期経営計画の目標達成に向けて順調に推移しています。
事業ごとの売上・利益
電力ケーブル・光海底ケーブル・CATV関連機器。社会インフラを支える基盤事業で安定的な売上を維持。
自動車用ワイヤハーネス・車載電子部品等。EV化の進展で高電圧対応部品の需要が拡大。
銅箔・特殊金属線・放熱部品。半導体・EV向け高機能素材で差別化を推進。
光ファイバ・光デバイス・光接続部品。AIデータセンター向けが急成長し、利益率が大幅改善中。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.6% | 1.2% | - |
| FY2022/3 | -0.3% | 1.1% | - |
| FY2023/3 | 13.1% | 1.7% | - |
| FY2024/3 | 0.9% | 0.7% | 1.1% |
| FY2025/3 | 14.8% | 3.4% | 3.9% |
収益性指標はFY2025/3に大幅改善を遂げました。ROEは前期1.8%から8.9%へと急回復し、中計目標の9%にほぼ到達。営業利益率も1.1%から3.9%へ改善しました。ただし同業のフジクラ(営業利益率約14%)と比較するとまだ低く、光部品事業の収益化加速がさらなる改善のカギを握ります。ROA3.4%は総資産約1兆円規模の企業としては妥当な水準です。
財務は安全?
総資産は約9,870億円で安定的に推移し、自己資本比率は34.6%と改善傾向にあります。有利子負債はFY2024/3の6,320億円からFY2025/3に5,920億円へと約400億円削減。BPSは4,845円に対し株価29,400円(PBR約6倍)と、市場はAI関連の成長プレミアムを大きく織り込んでいます。財務健全性は問題ない水準ですが、有利子負債が大きい点は留意が必要です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -4.8億円 | -19.1億円 | 351億円 | -23.9億円 |
| FY2022/3 | -133億円 | -401億円 | 350億円 | -533億円 |
| FY2023/3 | 365億円 | -217億円 | -345億円 | 148億円 |
| FY2024/3 | 319億円 | -248億円 | -93.2億円 | 71.0億円 |
| FY2025/3 | 598億円 | -72.3億円 | -442億円 | 526億円 |
キャッシュフローはFY2025/3に劇的に改善し、営業CFは598億円・FCFは526億円と潤沢な現金創出力を示しました。FY2021-22は営業CFがマイナスで財務CFで補填する厳しい状況でしたが、FY2023/3以降は安定して営業CFがプラスに転換。FY2025/3は有利子負債の返済(財務CF -441億円)も進め、財務体質の改善と成長投資の両立が進んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 51.9億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 197億円 | 95.7億円 | 48.7% |
| FY2023/3 | 173億円 | 13.6億円 | 7.9% |
| FY2024/3 | 103億円 | 37.6億円 | 36.6% |
| FY2025/3 | 486億円 | 152億円 | 31.3% |
法人税等の支払額は業績に連動して推移しています。FY2021/3は税額ゼロ、FY2022/3は繰延税金資産の影響で48.7%と高い実効税率でしたが、直近のFY2025/3は約152億円を納付し実効税率31.3%と標準的な水準に落ち着いています。FY2026/3は税引前利益530億円に対し約170億円の税負担を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 698万円 | 51,167人 | - |
平均年収は約698万円で、非鉄金属業界では標準的な水準です。連結従業員数は約51,167名を擁するグローバル企業で、平均年齢43.5歳・平均勤続年数19.1年と長期雇用型の安定した組織構成が特徴です。単体従業員は約4,433名で、グループ全体の経営管理やコア技術開発を担っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。
信託銀行経由の国内外機関投資家が筆頭株主層を形成しています。日本マスタートラスト信託銀行が約17%、日本カストディ銀行が約7%を保有。古河グループの歴史的経緯から、みずほ銀行や朝日生命といった安定株主も上位に入っています。外国人持株比率は約22%で、AIデータセンター関連銘柄としての注目度が高まっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| インフラ事業 | 3,800億円 | 80億円 | 2.1% |
| 電装エレクトロニクス事業 | 4,200億円 | 180億円 | 4.3% |
| 機能製品事業 | 2,200億円 | 120億円 | 5.5% |
| 光部品・通信事業 | 1,800億円 | 90億円 | 5.0% |
古河電工は4つの事業セグメントでバランスの取れた収益構造を持っています。電装エレクトロニクス事業が売上・利益ともに最大で、自動車部品を中心に安定収益を確保。近年注目を集める光部品・通信事業は、AIデータセンター向け需要の急拡大により急速に利益率が改善しています。インフラ事業は安定的ですが利益率は低く、機能製品事業は高付加価値素材で差別化を図っています。事業リスクとしてはAI投資サイクルの変動、原材料・為替リスクが主要な課題です。
この会社のガバナンスは?
取締役17名中、女性2名(11.8%)で多様性はまだ改善途上です。連結子会社116社を擁するグローバルグループで、設備投資は386億円と積極的に成長投資を実行しています。平均勤続年数19.1年と定着率が高く、長年の技術蓄積を基盤とした事業競争力の源泉となっています。監査報酬は2億4,100万円で、大手監査法人による適切なガバナンス体制を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 3Q修正 | 430億円 | 530億円 | — | +25.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 通期 | 250億円 | — | 471億円 | +88.4% |
| FY2024/3 通期 | 240億円 | — | 112億円 | -53.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「25中計」では売上高1.1兆円以上・営業利益580億円以上・ROE9%以上を掲げています。売上高はFY2025/3に1.2兆円を達成し前倒しクリア。営業利益は471億円(目標の81%)、ROEは8.9%(目標9%に迫る水準)と、FY2026/3の530億円予想で目標達成が見えてきました。FY2026/3の3Q決算で通期予想を25%上方修正するなど、足元の勢いは強力です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)はFY2025に270.2%を記録し、同期間のTOPIX(189.5%)を約80ポイント上回るアウトパフォームです。FY2022-23はTOPIXを下回る局面もありましたが、FY2024以降の光部品事業の黒字化・AIデータセンター需要拡大により急速にリカバリー。直近1年の株価急騰が総利回りを大きく押し上げました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 154.2万円 | +54.2万円 | 54.2% |
| FY2022 | 116.8万円 | +16.8万円 | 16.8% |
| FY2023 | 135.4万円 | +35.4万円 | 35.4% |
| FY2024 | 178.0万円 | +78.0万円 | 78.0% |
| FY2025 | 270.2万円 | +170.2万円 | 170.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER57.6倍・PBR6.07倍と非鉄金属セクター平均を上回るプレミアム評価を受けています。信用倍率は2.27倍と買い優勢ですが、過熱感は比較的抑制されています。時価総額2.1兆円は非鉄金属業界4位で、住友電工やフジクラに次ぐポジション。AIデータセンター関連銘柄としての成長期待がバリュエーションに織り込まれています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3上期決算を発表し、経常利益は前年同期比8%増益で着地。通期見通しを据え置くも堅調な進捗。
FY2026/3通期予想を25%上方修正し、営業利益530億円・配当も40円増額の160円へ。光部品の需要拡大が加速。
CATV事業を子会社ミハル通信に会社分割で承継。事業ポートフォリオの選択と集中を推進。
最新ニュース
古河電気工業 まとめ
ひとめ診断
「光ファイバ・電線御三家の一角が、AIデータセンター需要を追い風に過去最高益を大幅更新し急騰」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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