住友金属鉱山
Sumitomo Metal Mining Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
430年の歴史を持つ住友グループの源流、金・銅・ニッケルで世界を支える資源メジャー
世界の非鉄リーダーとして、資源開発から先端材料までの一貫した事業展開を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する企業となること。
この会社ってなに?
住友金属鉱山の製品は、スマートフォンやEVのバッテリーに使われるニッケル正極材料、PC・スマホの電子回路に不可欠な銅箔、そして宝飾品や投資対象としての金など、私たちの生活の至るところに関わっています。同社の遮熱素材「SOLAMENT」は農業用ハウスや衣料品にも応用され、環境負荷の低減にも貢献しています。
FY2025/3の売上高は1兆5,933億円と前期比+10.2%の増収を達成しましたが、ニッケル価格の低迷や海外鉱山での減損損失により純利益は164億円と大幅減益となりました。2025年2月に公表した業績修正では、金価格の高騰を追い風にFY2026/3の純利益予想を580億円から1,400億円へ大幅に上方修正し、配当も131円(前期比+27円)への増額を発表しています。2025年5月には新たな「中期経営計画2027」を策定し、2027年度に税引前利益1,400億円を目標に掲げました。資源事業(金・銅)の安定収益と、電池材料・機能性材料による成長の二軸戦略を推進しています。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区新橋5丁目11番3号(新橋住友ビル)
- 公式
- www.smm.co.jp
社長プロフィール
当社は1590年の別子銅山開坑以来430年以上にわたり、非鉄金属の探鉱・採掘・製錬・加工を一貫して手がけてきました。金・銅・ニッケルという3つの資源事業を柱に、電池材料や機能性材料といった先端分野へも事業を拡大しています。中期経営計画2027のもと、資源の安定供給と先端材料による社会課題の解決を通じて、持続可能な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
天正18年、住友家の祖が愛媛県新居浜で別子銅山を開坑。住友グループの源流となり、日本の近代化を支える銅の供給源となりました。
財閥解体を経て住友金属鉱山株式会社として設立。非鉄金属の総合メーカーとして新たなスタートを切りました。
リチウムイオン電池用ニッケル系正極材料の量産を開始。EV時代を見据えた先端材料事業の礎を築きました。
銅・ニッケル価格の高騰を背景に、純利益2,810億円と過去最高を記録。資源メジャーとしてのポジションを確立しました。
ニッケル市況の低迷を乗り越え、新中計を策定。金・銅事業の安定化と材料事業の成長を二軸に、税引前利益1,400億円を目指します。
金・銅・ニッケルの資源事業と、電池材料・機能性材料の技術を融合し、持続可能な社会の実現に貢献する非鉄リーダーを目指します。
注目ポイント
1590年の別子銅山開坑から430年以上の歴史を持ち、住友グループの創業事業を引き継ぐ由緒ある企業です。長期にわたる資源開発のノウハウが最大の競争力です。
世界有数の金鉱山権益を保有し、銅の製錬能力でも国内トップクラス。金価格の上昇局面では爆発的な収益力を発揮し、FY2026/3は純利益8.5倍の急回復を見込みます。
車載用電池向けニッケル正極材料や、遮熱素材SOLAMENT、SiC貼り合わせ基板など、資源企業の枠を超えた先端材料事業で新たな成長機会を追求しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 31円 | 0.6% |
| FY2017/3 | 11円 | 0.6% |
| FY2019/3 | 73円 | 30.0% |
| FY2020/3 | 78円 | 35.4% |
| FY2021/3 | 121円 | 35.1% |
| FY2022/3 | 301円 | 29.4% |
| FY2023/3 | 205円 | 35.1% |
| FY2024/3 | 98円 | 45.9% |
| FY2025/3 | 104円 | 173.4% |
株主優待はありません
2025年5月に配当方針を変更し、連結配当性向35%以上かつDOE1.5%を下限指標とする安定的な還元方針を打ち出しました。FY2025/3は業績悪化にもかかわらず104円(前期比+6円)の増配を実施。FY2026/3は業績回復に伴い131円(前期比+27円)の大幅増配を予想しています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
住友金属鉱山はIFRS適用企業のため営業利益の開示がなく、経常利益ベースでの評価が適切です。FY2022/3には銅・ニッケル価格の高騰で純利益2,810億円と過去最高を記録しましたが、その後はニッケル価格の急落と海外鉱山での減損損失が重なり、FY2025/3には純利益164億円まで落ち込みました。FY2026/3は金価格の歴史的高騰を追い風に純利益1,400億円への大幅回復が見込まれています。
事業ごとの売上・利益
金・銅・ニッケルの鉱山開発・製錬。コテ金鉱山(カナダ)やポチョ・バラス銅鉱山(チリ)など大型プロジェクトを推進
銅・ニッケル・金の精錬加工。東予製錬所(愛媛)やニイハマニッケルリファイナリーなどが主要拠点
車載用電池正極材料、半導体パッケージ基板用銅箔、機能性粉体(SOLAMENT等)の製造・販売
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.1% | 6.5% | - |
| FY2022/3 | 25.6% | 15.8% | - |
| FY2023/3 | 11.8% | 8.5% | - |
| FY2024/3 | 7.5% | 3.2% | 6.7% |
| FY2025/3 | 3.3% | 1.0% | 5.5% |
IFRS適用企業のため営業利益率は非開示ですが、ROEは資源価格の変動に大きく左右されます。FY2022/3にはニッケル・銅価格の高騰でROE21.4%を記録しましたが、FY2025/3はニッケル減損の影響でROE0.9%まで低下しました。FY2026/3は金価格高騰を背景に大幅な回復が見込まれます。
財務は安全?
総資産は3兆686億円と大規模な資産基盤を持ち、自己資本比率は60.1%と高水準を維持しています。FY2024/3から有利子負債が約8,544億円に増加しましたが、これはポチョ・バラス鉱山等の大型資源プロジェクトへの投資によるもので、資源価格の回復に伴い財務レバレッジの効果が期待されます。BPSは6,711円で、PBR1.36倍は資産価値に対してやや割高な水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 2,107億円 | -2,989億円 | 70.9億円 | -882億円 |
| FY2025/3 | 1,496億円 | -1,389億円 | -61.8億円 | 108億円 |
営業CFは年間1,000億〜2,100億円と安定的に創出しています。FY2023/3〜FY2024/3にかけてはポチョ・バラス銅鉱山やコテ金鉱山など大型資源プロジェクトへの投資が嵩み、FCFがマイナスとなりました。FY2025/3は投資の一巡によりFCFがプラスに転換。今後は大型投資の回収フェーズに入り、キャッシュフローの改善が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 753億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 1,980億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 1,661億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 1,053億円 | 94.8億円 | 9.0% |
| FY2025/3 | 1,194億円 | 880億円 | 73.7% |
FY2025/3は純利益164億円と大幅減益だったため、法人税等の納税額も大きく減少しました。FY2026/3は金価格の高騰による業績回復に伴い、納税額も回復する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 790万円 | 7,402人 | - |
平均年収790万円は非鉄金属業界の中でも高水準です。連結従業員数は約7,400名と、資源メジャーとしてはコンパクトな組織体制で高い一人当たり生産性を実現しています。平均年齢40.5歳で、離職率は高い年でも3%程度と社員の定着率が非常に高い企業です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
信託銀行経由の機関投資家が中心の株主構成で、筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が16.6%を保有。外国人持株比率は35.6%と高水準で、金・銅価格との連動性が高いグローバル資源株として海外投資家からの注目度が高い銘柄です。住友グループの中核企業として、住友不動産・住友生命が安定株主として名を連ねています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 資源セグメント | 約5,500億円 | 約800億円 | 14.5% |
| 製錬セグメント | 約7,500億円 | 約300億円 | 4.0% |
| 材料セグメント | 約2,900億円 | 約200億円 | 6.9% |
資源セグメントは金・銅価格の上昇局面で高い利益率を発揮し、全社の収益を牽引しています。製錬セグメントは銅・ニッケルの精錬加工を担い、安定的な受託製錬収入が特徴です。材料セグメントはEV向け電池正極材料を中核に成長投資を進めていますが、中国勢との競争激化が課題です。新中計では資源事業の安定収益と材料事業の成長による収益の二軸化を目指しています。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中、女性役員は1名(8.3%)で、ダイバーシティの面では改善の余地があります。住友グループの伝統を引き継ぐ堅実な経営体制で、2025年5月に業績悪化を受けて代表取締役が報酬の自主返上を申し出るなど、経営責任に対する姿勢も示されています。平均勤続年数16.7年と長期雇用が根付いた組織文化です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1兆4,920億円 | 1兆5,930億円 | 1兆5,933億円 | +6.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 560億円 | 165億円 | 164億円 | -70.6% |
| FY2026 | 580億円 | 1,400億円 | 進行中 | +141.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「中期経営計画2027」では、2027年度に税引前利益1,400億円を目標に掲げています。資源事業では金・銅事業の安定収益を基盤とし、ニッケル事業の収益改善を推進。材料事業では電池材料や機能性材料の成長を目指します。配当方針はDOE1.5%を下限とする安定的な株主還元に変更し、連結配当性向35%以上を目安としています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年のTSRは183.7%とTOPIX(213.4%)をやや下回るアンダーパフォームとなっています。FY2022にはニッケル・銅価格の高騰でTSR296.9%を記録しましたが、その後のニッケル価格急落と減損損失の影響でTSRは大きく低下しました。ただし足元では金価格の高騰により株価が急回復しており、2026年3月には上場来高値を更新しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 220.9万円 | +120.9万円 | 120.9% |
| FY2022 | 296.9万円 | +196.9万円 | 196.9% |
| FY2023 | 255.9万円 | +155.9万円 | 155.9% |
| FY2024 | 239.5万円 | +139.5万円 | 139.5% |
| FY2025 | 183.7万円 | +83.7万円 | 83.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER43.3倍は非鉄金属セクター平均を大きく上回りますが、これはFY2025/3の一時的な業績悪化によるもので、修正後のFY2026/3予想ベースでは実質PER約17倍程度に低下します。信用倍率9.67倍は買い残が売り残を大きく上回る状態で、金価格のさらなる上昇を見込む個人投資家の買い意欲が強いことを示しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3通期の連結純利益予想を580億円から1,400億円へ大幅に上方修正。金価格の高騰と非鉄金属価格の上昇が寄与。
「中期経営計画2027」を策定し、2027年度に税引前利益1,400億円の達成を目標に掲げた。配当方針もDOE1.5%下限に変更。
FY2026/3第1四半期決算を発表。金・銅価格の上昇を受けて通期予想を5%上方修正した。
FY2026/3第3四半期累計の連結最終利益が前年同期比3.7倍と大幅増益。通期予想も上方修正済みで順調に推移。
金価格の調整を受けて株価が上場来高値13,300円から急落。一日で8.8%の下落となった。
最新ニュース
住友金属鉱山 まとめ
ひとめ診断
金・銅・ニッケルの3本柱で資源メジャーを目指す住友グループの非鉄大手
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