三菱マテリアル
Mitsubishi Materials Corporation
最終更新日: 2026年3月22日
1871年創業、循環をデザインする非鉄金属の総合力
人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する。資源循環ビジネスで未来を創る企業となること。
この会社ってなに?
三菱マテリアルの製品は、スマートフォンや自動車の電子部品に使われる銅箔や半導体材料、工場の切削加工に欠かせない超硬工具、ビルや道路を支えるセメント原料の石灰石など、私たちの暮らしのあらゆる場面に組み込まれています。さらに、使用済み家電やPCから金・銅・レアメタルを回収するリサイクル事業を手がけており、循環型社会の実現に直接貢献しています。
FY2025/3の売上高は1兆9,621億円、営業利益は371億円と増収増益を達成しました。銅・金・銀など非鉄金属の製錬を中核に、超硬工具、電子材料、再生可能エネルギーなど幅広い事業を展開する総合素材メーカーです。2025年11月に策定した「中期経営戦略(2026〜2028年度)」では、ROE8%以上・ROIC7%以上を財務目標に掲げ、資源循環ビジネスの強化とタングステン事業の垂直統合(独H.C.Starck買収)を推進しています。FY2026/3予想では営業利益470億円(前期比+26.6%)への上方修正を発表し、金・銅価格の上昇と構造改革の効果が寄与する見通しです。2026年3月には日米レアアース共同開発プロジェクトへの参画も報じられ、株価は一時12.6%高と急騰しました。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビル
- 公式
- www.mmc.co.jp
社長プロフィール
私たちは『人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する』を目指す姿に掲げ、資源循環ビジネスを通じて企業価値の向上に取り組んでまいります。限りある資源を最大限に活用し、廃棄物を新たな価値へと変える事業を推進してまいります。
この会社のストーリー
三菱の創業者・岩崎弥太郎が吉岡銅山を買収し、三菱の鉱山事業が始まりました。日本の近代化を支える銅の供給源としてスタート。
戦後の企業再編を経て三菱鉱業株式会社として設立。非鉄金属の製錬・加工事業を本格展開しました。
三菱鉱業セメントと三菱金属が合併し、三菱マテリアルが発足。総合素材メーカーとしての基盤を確立しました。
UBE三菱セメントとしてセメント事業を分離し、非鉄金属・高機能素材に経営資源を集中する戦略的転換を実行しました。
独H.C.Starckの買収を通じて、タングステン事業のバリューチェーンを川上から川下まで一貫体制で構築しました。
日米首脳合意のもと、レアアース・リチウムの共同開発プロジェクトに参画。資源循環技術を武器にグローバルな資源安全保障に貢献します。
注目ポイント
使用済み家電やPCから金・銅・レアメタルを回収するE-Scrapリサイクル事業を展開。「都市鉱山」から価値を生み出す循環型ビジネスモデルを構築しています。
日米政府間の重要鉱物プロジェクトに参画し、レアアースやタングステンなど戦略資源の安定供給体制の構築を担います。地政学リスクへの対応力が評価されています。
1871年創業の歴史を持ち、銅製錬・超硬工具・電子材料・地熱発電など多角的な事業ポートフォリオで安定した収益基盤を形成しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 21.4% |
| FY2018/3 | 80円 | 30.3% |
| FY2019/3 | 80円 | 806.5% |
| FY2020/3 | 80円 | 0.3% |
| FY2021/3 | 50円 | 26.8% |
| FY2022/3 | 90円 | 26.1% |
| FY2023/3 | 50円 | 32.1% |
| FY2024/3 | 94円 | 41.2% |
| FY2025/3 | 100円 | 38.3% |
株主優待は2025年9月実施分をもって廃止。従来は「マイ・ゴールドパートナー」での金・銀・プラチナ購入・売却時の優待価格適用が全株主に提供されていた。
配当性向30%を目途とする方針のもと、FY2025/3は年間100円(前期比+6円)と2期連続増配を実施しました。配当利回りは1.92%と非鉄金属業界では平均的な水準です。株主優待制度は2025年9月実施分をもって廃止され、今後は配当による株主還元に注力する方針です。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は金・銅価格の上昇を追い風に売上高1兆9,621億円(前期比+27.4%)と大幅増収を達成しました。営業利益は371億円と改善傾向にあるものの、営業利益率は1.9%と依然低水準です。FY2026/3予想では売上高は1兆7,600億円とセメント事業分離の影響で減収となりますが、営業利益は470億円(前期比+26.6%)への上方修正が発表されており、金属価格上昇と構造改革の効果が寄与する見通しです。
事業ごとの売上・利益
銅・金・銀の製錬・販売、貴金属リサイクル。銅生産量は国内トップクラス
超硬工具、銅加工品、電子材料。伸銅品は国内首位
アルミ缶、自動車部品等の加工事業
地熱発電、廃棄物処理、E-Scrap(電子基板スクラップ)リサイクル
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.4% | 1.2% | - |
| FY2022/3 | 7.2% | 2.1% | - |
| FY2023/3 | 5.1% | 1.1% | - |
| FY2024/3 | 3.9% | 1.4% | 1.5% |
| FY2025/3 | 5.1% | 1.4% | 1.9% |
ROEは4〜7%の範囲で推移しており、中経目標の8%以上にはまだ距離があります。営業利益率は1.5〜3.1%と非鉄金属業界の中でも低い水準で、素材価格の変動や加工事業の採算改善が課題です。FY2022/3のROE6.9%が直近5期のピークであり、金属価格上昇局面では収益性が大きく改善する傾向があります。
財務は安全?
総資産は約2.4兆円で、FY2024/3以降はH.C.Starck買収等により有利子負債が約1.2兆円に増加しました。自己資本比率は28.5%と非鉄金属業界ではやや低めの水準ですが、中経ではネットD/Eレシオ0.5倍以下を目標に財務健全性の改善を進めています。BPSは5,183円と着実に増加しており、PBR1.01倍は純資産価値とほぼ同水準の評価です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 784億円 | -1,018億円 | 415億円 | -233億円 |
| FY2022/3 | 68.9億円 | -32.1億円 | -50.5億円 | 36.8億円 |
| FY2023/3 | 452億円 | -440億円 | 34.7億円 | 11.8億円 |
| FY2024/3 | 514億円 | -1,030億円 | 329億円 | -516億円 |
| FY2025/3 | 589億円 | -794億円 | -132億円 | -205億円 |
営業CFは500〜780億円の範囲で安定的に創出していますが、設備投資やM&A(H.C.Starck買収等)に伴う投資CFが大きく、FCF(フリーキャッシュフロー)はFY2024/3で-516億円、FY2025/3で-205億円と投資超過の状態が続いています。中長期的には成長投資の回収局面への移行が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 445億円 | 201億円 | 45.2% |
| FY2022/3 | 761億円 | 311億円 | 40.8% |
| FY2023/3 | 253億円 | 49.8億円 | 19.7% |
| FY2024/3 | 541億円 | 243億円 | 44.9% |
| FY2025/3 | 602億円 | 262億円 | 43.4% |
実効税率はおおむね40〜45%の範囲で推移していますが、FY2023/3は繰延税金資産の計上等により19.7%と大幅に低下しました。FY2025/3は税引前利益602億円に対し約262億円を納税しており、安定的な納税企業です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 714万円 | 18,452人 | - |
平均年収714万円は非鉄金属業界では中位水準です。単体従業員数は約1.8万名、連結では約2.3万名(臨時従業員約4,400名含む)の組織です。平均年齢43.2歳、平均勤続年数18.5年と、重厚長大産業らしい安定雇用が特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が18.61%を保有し、信託銀行経由の機関投資家中心の株主構成です。英Silchester International Investors関連のNORTHERN TRUST口座が複数上位に並び、合計約14%を保有する実質的な大株主となっています。個人投資家比率も28.1%と高く、信用倍率4.22倍と買い意欲が強い状況です。特定の親会社やオーナーは存在しない独立経営体制です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 金属 | 約1.1兆円 | 約170億円 | 1.5% |
| 高機能製品 | 約3,200億円 | 約130億円 | 4.1% |
| 加工 | 約2,800億円 | 約80億円 | 2.9% |
| 環境・エネルギー | 約1,500億円 | 約50億円 | 3.3% |
金属事業が売上の過半を占めますが、利益率は1.5%と低水準であり、金属市況に大きく依存します。一方、高機能製品事業は利益率4.1%と相対的に高く、超硬工具や電子材料で付加価値を創出しています。環境・エネルギー事業は地熱発電やリサイクルなど成長分野を含み、資源循環ビジネスの中核として今後の拡大が期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役17名中4名が女性で、女性役員比率23.5%はプライム市場の平均を上回る水準です。監査等委員会設置会社として経営監視体制を整備しており、監査報酬は約2.8億円です。連結子会社107社を擁するグローバルな事業体制のもと、設備投資は約589億円を計上しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1兆7,200億円 | 1兆9,400億円 | 1兆9,621億円 | +14.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 700億円 | 400億円 | 371億円 | -47.0% |
| FY2026 | 150億円 | 470億円 | — | +213.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「中期経営戦略2030」Phase1(FY2024〜FY2026)では、ROE10%以上を掲げましたが、FY2025/3実績のROEは4.9%にとどまりました。一方、2025年11月に新たな「中期経営戦略(2026〜2028年度)」を策定し、ROE8%以上・ROIC7%以上・ネットD/Eレシオ0.5倍以下を新目標として設定。資源循環ビジネスの強化と、独H.C.Starck買収によるタングステン事業のバリューチェーン構築を戦略の柱としています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは127.7%とプラスリターンですが、TOPIX(213.4%)を大幅に下回っており、長期投資としてはアンダーパフォームしています。FY2024にかけて144.6%まで回復した後、FY2025は再び低下しました。ただし足元では株価が大幅に上昇しており(52週安値1,930円→5,221円)、直近のパフォーマンスは大きく改善しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 118.9万円 | +18.9万円 | 18.9% |
| FY2022 | 103.1万円 | +3.1万円 | 3.1% |
| FY2023 | 106.0万円 | +6.0万円 | 6.0% |
| FY2024 | 144.6万円 | +44.6万円 | 44.6% |
| FY2025 | 127.7万円 | +27.7万円 | 27.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER34.1倍は非鉄金属セクター平均(約50倍)を下回り、PBR1.01倍もセクター平均(約3.78倍)に対して割安な水準です。配当利回り1.92%はセクター平均(約0.90%)を上回ります。信用倍率4.22倍と買い残が売り残を大幅に上回っており、日米レアアース開発プロジェクトへの期待から個人投資家の買い意欲が強い状態です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3の経常利益予想を30%上方修正し、業績回復の確度が高まった。
「中期経営戦略(2026〜2028年度)」を策定し、ROE8%以上・ROIC7%以上を財務目標に掲げた。
第3四半期の経常利益が前年同期比39.2%増の444億円に拡大し、営業利益予想を470億円へ再上方修正した。
日米レアアース共同開発プロジェクトへの参画が報じられ、株価は一時12.6%高と急騰した。
最新ニュース
三菱マテリアル まとめ
ひとめ診断
銅・金・超硬工具の非鉄総合大手、資源循環ビジネスで企業価値向上を目指す
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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