DOWAホールディングス
DOWA HOLDINGS CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
鉱山から始まった140年、「資源循環」で未来を切り拓く非鉄のパイオニア
資源循環型社会の実現をリードし、非鉄金属・環境リサイクル分野でグローバルに価値を創造する企業グループとなること。
この会社ってなに?
DOWAグループの製品・サービスは私たちの日常に幅広く関わっています。スマートフォンやPC内部の半導体に使われる電子材料、自動車の排ガス浄化触媒に含まれる貴金属、リチウムイオン電池のリサイクルなど、環境と技術の両面で社会を支えています。また、家庭から出る廃棄物の適正処理や土壌浄化事業を通じて、住環境の安全にも貢献しています。
FY2025/3の売上高は6,787億円、営業利益は322億円と堅実な業績を維持しています。2026年2月に通期業績予想を大幅上方修正し、FY2026/3の純利益は540億円と4期ぶりの最高益を見込んでいます。藤田観光株の売却益(約230億円)が特別利益として寄与するほか、金・銀・銅などの金属価格上昇が追い風となっています。「中期計画2027」では環境リサイクル事業の拡大と半導体向け電子材料の高付加価値化を推進しており、独自の循環型ビジネスモデルが長期的な競争優位性を支えています。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX 22階
- 公式
- hd.dowa.co.jp
社長プロフィール
DOWAグループは、140年以上にわたり培ってきた製錬技術と環境技術を融合させ、持続可能な資源循環型社会の実現に貢献してまいります。中期計画2027の下、環境・リサイクル事業の拡大と電子材料の高付加価値化を推進し、ステークホルダーの皆様の期待に応える成長と還元を両立させます。
この会社のストーリー
秋田県小坂町での鉱山開発から事業が始まりました。銀・銅の採掘から出発し、日本の近代産業を支える礎を築きました。
各地の鉱山・製錬事業を統合し、同和鉱業として法人設立。総合非鉄金属メーカーとしての基盤を確立しました。
鉱山の閉山に伴い、鉱害対策の技術を活かして環境・リサイクル事業に参入。廃棄物処理や土壌浄化という新たな事業領域を開拓しました。
持株会社体制に移行し社名をDOWAホールディングスに変更。5事業部門体制の下、各事業の自律経営とグループシナジーの両立を図りました。
使用済み電子機器やリチウムイオン電池からの貴金属リサイクル事業を拡大。ESG経営の先進企業として評価が高まりました。
新3カ年中期経営計画をスタート。ROE 8%以上、経常利益500億円以上を目標に掲げ、資源循環ビジネスのさらなる拡大を目指します。
国内外のリサイクル拠点の拡充と半導体材料の技術革新により、資源循環型ビジネスのグローバルリーダーとしての地位確立を目指します。
注目ポイント
廃棄物の処理から貴金属の回収・製錬まで一貫して行える、世界でも稀有な資源循環型ビジネスモデルを構築しています。環境問題の解決と収益創出を同時に実現しています。
FY2026/3は配当318円(前期比+168円)と大幅増配を発表。配当利回り3.43%は非鉄金属業界でもトップクラスの水準で、4期連続の増配実績があります。
銅ボンディングワイヤやLED用化合物半導体など、ニッチながらも高シェア・高付加価値の電子材料を供給。AI・半導体の需要拡大が成長ドライバーとなっています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | 24.4% |
| FY2017/3 | 18円 | 20.4% |
| FY2018/3 | 90円 | 21.6% |
| FY2019/3 | 90円 | 35.5% |
| FY2020/3 | 90円 | 30.6% |
| FY2021/3 | 95円 | 25.8% |
| FY2022/3 | 130円 | 15.2% |
| FY2023/3 | 130円 | 30.9% |
| FY2024/3 | 130円 | 27.8% |
| FY2025/3 | 150円 | 32.9% |
株主優待制度は現在実施していません。
FY2021/3の95円からFY2025/3の150円まで4期連続の増配を実施しており、着実な株主還元の姿勢が見られます。FY2026/3は業績の大幅上方修正に伴い、配当予想を318円(前期比168円増)へ大幅に引き上げました。配当利回りは3.43%と非鉄金属業界でも高い水準です。配当性向30%以上を目安としており、中期計画2027でも安定的・継続的な増配を方針として掲げています。株主優待制度は実施していません。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3に金属価格高騰を追い風に売上高8,318億円・営業利益638億円のピークを記録した後、市況軟化で縮小傾向が続きました。FY2026/3予想では売上高7,100億円と前期比4.6%増に転じる見込みです。純利益は藤田観光株の売却益約230億円が特別利益として加わり、540億円と4期ぶりの最高益を見込んでいます。営業利益は270億円と前期比で減少する一方、経常利益は金属価格上昇で押し上げられています。
事業ごとの売上・利益
廃棄物処理、資源リサイクル、土壌浄化事業。使用済み電子機器やリチウムイオン電池から貴金属を回収する循環型ビジネス
亜鉛・鉛の製錬、金・銀・インジウムなど貴金属・レアメタルの製造。国内トップシェアの亜鉛製錬が柱
半導体用銅ボンディングワイヤ、LED・レーザー用化合物半導体ウェハ、銀粉・銅粉などの機能材料
銅条・真鍮条などの伸銅品、めっき製品の製造。自動車・電子部品向けが中心
自動車部品や機械部品の熱処理加工。国内トップクラスのシェアを持つ
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.6% | 3.6% | - |
| FY2022/3 | 10.4% | 7.8% | - |
| FY2023/3 | 16.8% | 3.8% | - |
| FY2024/3 | 9.6% | 4.4% | 4.2% |
| FY2025/3 | 10.5% | 4.0% | 4.7% |
FY2022/3に金属価格高騰でROE 15.5%を達成しましたが、その後は市況の落ち着きとともにROE 6.5〜7.2%の水準に戻っています。営業利益率は4〜8%の範囲で推移しており、非鉄金属業界としては標準的な収益性です。中期計画2027ではROE 8%以上を目標に掲げており、資本効率の改善が経営課題となっています。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の44.4%からFY2025/3の59.2%へと着実に改善しており、財務体質は非常に健全です。BPSも4,465円から6,690円へと約50%増加し、株主価値の蓄積が進んでいます。FY2024/3以降は有利子負債が計上されていますが、自己資本比率約60%という高い水準を維持しており、財務リスクは限定的です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -30.9億円 | -229億円 | 116億円 | -260億円 |
| FY2022/3 | 599億円 | -113億円 | -312億円 | 486億円 |
| FY2023/3 | 507億円 | -303億円 | -198億円 | 204億円 |
| FY2024/3 | 1,186億円 | -263億円 | -592億円 | 924億円 |
| FY2025/3 | 128億円 | -414億円 | -41.2億円 | -286億円 |
FY2024/3には営業CFが1,186億円と突出して高い水準を記録し、FCFも924億円の大幅黒字となりました。FY2025/3は運転資本の変動等で営業CFが128億円に縮小し、設備投資の増加(投資CF -414億円)によりFCFは-286億円の赤字に転じました。FY2021/3も営業CFが赤字でしたが、これは金属価格変動に伴う運転資本の増加が主因であり、本業の稼ぐ力自体は維持されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 372億円 | 154億円 | 41.3% |
| FY2022/3 | 761億円 | 251億円 | 32.9% |
| FY2023/3 | 555億円 | 305億円 | 54.9% |
| FY2024/3 | 447億円 | 169億円 | 37.8% |
| FY2025/3 | 436億円 | 165億円 | 37.8% |
実効税率はFY2023/3に54.9%と突出して高くなりましたが、これは海外子会社の税効果や持分法投資損益の影響によるものです。FY2024/3以降は37.8%と安定しており、日本の法定実効税率(約30%)に対してやや高めの水準で推移しています。FY2025/3の納税額は約165億円で、地域経済への貢献も大きいものとなっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 807万円 | 8,076人 | - |
単体の平均年収807万円は非鉄金属業界の中でも上位水準です。単体従業員数は94名と持株会社として少数精鋭であり、連結では約8,076名のグループ体制を構築しています。平均年齢42.9歳で、技術系人材を中心に安定した雇用環境を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
信託銀行経由の機関投資家が中心の株主構成です。筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が15.8%、日本カストディ銀行が9.8%を保有。英国のシルチェスター・インターナショナル・インベスターズが複数のNORTHERN TRUST口座を通じて実質的に約15%を保有する大株主です。藤田観光(3.1%)は創業家・藤田組からの歴史的関係を持つ安定株主ですが、日本産業推進機構が藤田観光の筆頭株主に交代するなど株主構成に変化が生じています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 環境・リサイクル | 約1,048億円 | 約45億円 | 4.2% |
| 製錬 | 約3,200億円 | 約150億円 | 4.7% |
| 電子材料 | 約1,050億円 | 約70億円 | 6.7% |
| 金属加工 | 約675億円 | 約25億円 | 3.7% |
| 熱処理 | 約450億円 | 約35億円 | 7.8% |
製錬事業が売上の約47%を占める中核事業ですが、環境・リサイクル事業と電子材料事業が成長ドライバーとして位置づけられています。特に環境・リサイクル事業は廃棄物から貴金属を回収する循環型ビジネスモデルを構築しており、ESG投資の観点からも注目されています。熱処理事業は営業利益率7.8%と収益性が高く、安定した利益貢献を果たしています。5事業部門の多角化により、特定市況への依存度を分散しています。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中3名が女性で、女性比率21.0%はプライム市場の平均水準を上回っています。監査報酬2億600万円は連結規模(88子会社)に対して適切な水準です。平均勤続年数15.8年と定着率が高く、技術・ノウハウの蓄積に寄与しています。2026年4月には社長交代(関口明氏から福田健作氏へ)が予定されており、次世代経営への移行が進んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 7,470億円 | — | 6,787億円 | -9.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 305億円 | — | 322億円 | +5.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 270億円 | 540億円 | — | +100.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「中期計画2027」では環境・リサイクル事業の拡大、半導体向け電子材料の高付加価値化、製錬事業の安定化を柱に掲げています。ROE 8%以上、経常利益500億円以上を目標とし、初年度のFY2026/3は金属価格上昇と資産売却効果で純利益ベースでは大幅に目標を上回る見通しです。配当性向30%以上の還元方針も着実に実行されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2020を100とした累積TSRは186.1%で、TOPIX(213.4%)を約27ポイント下回るアンダーパフォームとなっています。FY2022にはTOPIXを大きく上回る206.3%を記録しましたが、FY2023以降は金属市況の調整とともにTSRが伸び悩み、FY2024に反発した後FY2025に再び低下しました。配当込みのリターンは堅実ですが、TOPIXの上昇ペースに追いつけていない状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 166.1万円 | +66.1万円 | 66.1% |
| FY2022 | 206.3万円 | +106.3万円 | 106.3% |
| FY2023 | 162.6万円 | +62.6万円 | 62.6% |
| FY2024 | 205.5万円 | +105.5万円 | 105.5% |
| FY2025 | 186.1万円 | +86.1万円 | 86.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 10.6倍は非鉄金属セクター平均(約50倍)を大きく下回り、割安感があります。ただしセクター平均はフジクラなど高PER銘柄に引き上げられており、同規模の非鉄大手との比較では妥当な水準です。信用倍率13.57倍と買い残が大きく積み上がっており、個人投資家の強い買い意欲が窺えます。配当利回り3.43%はセクター平均を大きく上回る高水準で、株主還元強化が投資魅力を高めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3期の決算を発表。売上高6,787億円、営業利益322億円と堅実な着地。配当は前期比20円増の150円に。
金属価格上昇を背景にFY2026/3の経常利益予想を26%上方修正。配当も24円増額し中間期の好調さを示した。
FY2026/3の純利益予想を74%上方修正し540億円(4期ぶり最高益)へ。藤田観光株売却益と金属価格上昇が寄与。配当も135円増額の318円に。
主要株主のシルチェスター・インターナショナル・インベスターズの出資比率が9.32%に低下し、主要株主の異動を発表。
最新ニュース
DOWAホールディングス まとめ
ひとめ診断
環境リサイクル・非鉄製錬・電子材料の三本柱で資源循環型ビジネスを展開する総合非鉄大手
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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