東邦チタニウム
TOHO TITANIUM COMPANY,LIMITED
最終更新日: 2026年3月28日
空から最先端半導体まで。チタンで未来を拓く技術集団
チタンの無限の可能性を追求し、地球環境との調和を図りながら、人々の暮らしをより豊かにする先端材料で未来社会を支えるグローバルリーダーを目指します。
この会社ってなに?
あなたが飛行機に乗るとき、その機体やエンジンには東邦チタニウムが作る軽くて丈夫な「チタン」が使われているかもしれません。また、普段使っているプラスチック製の食品容器や自動車のバンパーは、同社が作る「触媒」という物質なしでは作れません。さらに、パソコンやスマートフォンの内部にある小さな電子部品の材料も手掛けています。普段は目に見えない場所で、私たちの快適で安全な暮らしを支えている会社です。
チタン製錬大手として航空機向けを主力とするが、FY2024は売上高784.0億円、営業利益56.28億円と、前年度のピークから減益となった。これは主要顧客である航空機業界の需要調整が影響している。最大の注目点は親会社JX金属による完全子会社化計画であり、これにより次世代半導体材料開発での連携を強化し、新たな成長軸を確立する戦略だ。短期的な業績変動リスクはあるものの、親子上場解消による経営効率化と半導体分野での将来性に期待が集まる。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市西区南幸一丁目1番1号JR横浜タワー22階
- 公式
- www.toho-titanium.co.jp
社長プロフィール

当社はチタンのパイオニアとして、その優れた特性を活かし、航空宇宙からエネルギー、社会インフラまで幅広い分野で社会の発展に貢献してきました。今後は、これまでの事業基盤を強化するとともに、先端材料などの成長分野へ積極的に挑戦し、持続可能な社会の実現に向けて新たな価値を創造し続けます。
この会社のストーリー
日本で初めてスポンジチタンの工業化に成功した大阪チタニウム製造(現:大阪チタニウムテクノロジーズ)から独立し、神奈川県茅ケ崎市に設立された。
茅ヶ崎工場でスポンジチタンの本格的な生産を開始。日本のチタン産業の黎明期を支える存在として歩み始める。
需要拡大に対応するため、福岡県北九州市に新工場を建設。生産能力を大幅に増強し、グローバル市場への供給体制を強化した。
世界最大級のチタン工場建設を目指し、サウジアラビアでの合弁事業に参画。グローバル展開を加速させる大きな一歩となった。
航空機需要の変動など事業環境の変化に対応するため、触媒事業や機能化学品事業を強化する新たな中期経営計画を策定し、事業ポートフォリオの変革に着手した。
2030年度の売上高1,700億円、経常利益250億円を目指す長期ビジョンと中期経営計画を発表。成長分野への重点投資を掲げ、次なる飛躍を目指す。
親会社であるJX金属が株式交換により当社を完全子会社化することを発表。グループ連携を強化し、半導体材料など次世代分野での開発・供給体制を加速させる。
JX金属の完全子会社化に伴い、東証プライム市場での上場を廃止。より迅速な意思決定とグループシナジーの最大化を図り、新たな成長ステージへと移行する。
注目ポイント
軽くて強く、錆びにくい「チタン」の国内大手。航空機のエンジンや機体部品に不可欠な高品質チタンを製造し、世界の空の安全を支えています。
チタン製造で培った高度な技術を応用し、次世代半導体に使われる先端材料も開発。デジタル社会の進化を素材から支える、もう一つの顔を持っています。
親会社JX金属との一体経営により、研究開発や設備投資を加速。グループの総合力を活かし、半導体や脱炭素関連など、未来の成長市場での飛躍が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 5円 | 8.4% |
| FY2017/3 | 7円 | 14.8% |
| FY2018/3 | 10円 | 21.0% |
| FY2019/3 | 12円 | 13.2% |
| FY2020/3 | 12円 | 36.2% |
| FY2021/3 | 12円 | 0.3% |
| FY2022/3 | 15円 | 28.9% |
| FY2023/3 | 30円 | 28.5% |
| FY2024/3 | 24円 | 34.5% |
| FY2025/3 | 18円 | 34.4% |
株主優待制度は実施していません。
東邦チタニウムは配当性向30%を目標に掲げ、業績連動型の安定的な利益還元を目指す方針を採っています。FY2023/3には利益の拡大に伴い1株当たり30円の配当を行いましたが、直近では業績の落ち着きに合わせて配当額を調整する傾向にあります。今後は親会社であるJX金属の完全子会社化を見据え、グループ全体の戦略に基づく資本政策が継続される見通しです。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
東邦チタニウムは金属チタンの製錬大手として事業を展開しており、FY2023/3には売上高約803億円、純利益約75億円を記録するなど、旺盛な航空機需要を背景に成長を遂げました。しかし、FY2024/3以降は市場の調整局面や原材料価格の影響を受け、売上高が横ばいから微増傾向にあるものの、収益性の変動が目立つ展開となっています。FY2026/3期にかけては次世代半導体材料の開発など成長分野への注力を見込んでいますが、直近では減収減益基調の業績推移となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -10.5% | -3.5% | - |
| FY2022/3 | 8.7% | 3.8% | - |
| FY2023/3 | 16.0% | 6.7% | - |
| FY2024/3 | 8.7% | 3.9% | 7.2% |
| FY2025/3 | 8.8% | 3.0% | 6.6% |
収益性に関しては、FY2023/3に営業利益率が13.3%に達したものの、その後は資材価格の高騰や生産効率の影響を受け、直近では6〜7%台へと収益性が低下傾向にあります。ROE(自己資本利益率)も同様に、高い水準からFY2025/3には6.4%まで低下しており、資本効率の維持が課題です。今後は高付加価値な触媒事業や半導体材料の構成比を高め、収益構造の安定化を図る戦略が重要となります。
財務は安全?
財務基盤については、長年無借金経営を継続してきましたが、FY2024/3に約1,249億円の有利子負債を計上するなど、設備投資に伴う資金調達によって構造が大きく変化しました。現在は自己資本比率を46.7%のレベルで安定させており、積極的な投資を伴いながらも一定の財務健全性を維持しています。総資産はFY2025/3時点で約1,248億円となっており、成長に向けた資本投下とバランスシート管理が今後の重要な鍵です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.0億円 | -83.9億円 | 68.3億円 | -69.9億円 |
| FY2022/3 | 97.9億円 | -104億円 | 2.1億円 | -6.4億円 |
| FY2023/3 | 52.9億円 | -67.7億円 | 27.3億円 | -14.7億円 |
| FY2024/3 | -31.4億円 | -80.1億円 | 96.1億円 | -111億円 |
| FY2025/3 | 193億円 | -116億円 | -49.4億円 | 76.5億円 |
営業キャッシュフローは金属チタンの販売動向に大きく左右され、FY2025/3には約193億円のプラスを計上し、フリーキャッシュフローも約77億円の黒字へと大きく改善しました。一方で、将来の成長を見据えた大規模な設備投資が断続的に行われており、投資キャッシュフローは常にマイナスとなっています。大規模な資金調達が必要なフェーズを経て、現在は本業で稼いだ資金を設備投資に充当するサイクルへと移行しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -4.2億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 51.8億円 | 14.8億円 | 28.6% |
| FY2023/3 | 105億円 | 30.3億円 | 28.8% |
| FY2024/3 | 62.7億円 | 13.2億円 | 21.1% |
| FY2025/3 | 55.1億円 | 17.9億円 | 32.4% |
法人税等の支払額は、税引前利益の増減に伴いFY2023/3には約30億円と最大になりました。実効税率は概ね30%前後で推移してきましたが、FY2024/3には一時的な税務処理等の影響で低下しました。FY2026/3期予想では利益水準の低下に伴い、相対的な税率が高まる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 702万円 | 1,260人 | - |
従業員の平均年収は702万円であり、非鉄金属業界の標準的な水準を維持しています。航空機向けチタン製品という景気敏感な事業を展開しているため、業績に応じて年収が変動する側面はありますが、親会社であるJX金属グループの安定した経営基盤が従業員の待遇を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はJX金属・日本製鉄。
JX金属株式会社が50.38%の株式を保有する親会社であり、強固な親子上場関係を形成しています。しかし、親会社による完全子会社化が決定し、上場廃止へ向かう過渡期にあります。日本マスタートラスト信託銀行等の機関投資家も一定の保有比率を占めていますが、実質的にはJX金属グループとしての意思決定が支配的な構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業セグメントは金属チタン事業と触媒事業であり、航空機向け素材等の需要動向が経営リスクとして大きく影響します。直近ではJX金属による完全子会社化という経営戦略上の大きな転換が示されており、今後はグループ内での最適化と技術連携を軸とした収益基盤の強化が進められる見通しです。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と改善の余地があり、さらなる多様性の確保が求められます。監査報酬として3,700万円を計上しており、監査体制の維持に一定のリソースを割いています。連結子会社2社を擁し、機動力のある小規模かつ専門性の高い経営体制を敷いています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 953億円 | — | 890億円 | -6.6% |
| FY2024 | 832億円 | — | 784億円 | -5.8% |
| FY2023 | 810億円 | — | 804億円 | -0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 57億円 | — | 59億円 | +3.2% |
| FY2024 | 46億円 | — | 56億円 | +22.3% |
| FY2023 | 82億円 | — | 107億円 | +30.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、資本効率を示すROE・ROIC10%以上を目標に掲げています。FY2025実績では目標未達ですが、着実に改善傾向にあります。業績予想については、売上高は市況変動により期初予想を下回ることが多い一方、営業利益はコスト管理等により上振れする傾向が見られます。親会社JX金属との完全子会社化により、今後はグループ戦略と一体化した目標設定に移行する可能性があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2022からFY2024にかけてはTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを記録しました。これは、航空機需要の回復期待やチタン市況の上昇を背景に株価が大きく上昇したことが主な要因です。しかし、FY2025には市況の調整局面で株価が下落し、TOPIXをアンダーパフォームしました。株価のボラティリティが高く、市況によってTSRが大きく変動する特性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 155.6万円 | +55.6万円 | 55.6% |
| FY2022 | 229.1万円 | +129.1万円 | 129.1% |
| FY2023 | 349.6万円 | +249.6万円 | 249.6% |
| FY2024 | 253.9万円 | +153.9万円 | 153.9% |
| FY2025 | 188.3万円 | +88.3万円 | 88.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
親会社JX金属による完全子会社化(株式交換)が発表されたことで、株価は交換比率にサヤ寄せする動きとなっています。そのため、PERやPBRといった指標は業界平均より大幅に割高となっており、ファンダメンタルズ分析よりもイベントドリブンな値動きが中心です。信用買い残は多いものの、完全子会社化のスケジュールが確定しているため、短期的な需給要因の影響は限定的と考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
親会社であるJX金属による株式交換を用いた完全子会社化が発表され、資本関係の見直しによるグループ価値向上が図られた。
26年3月期第3四半期決算にて、売上高613.23億円、営業利益29.28億円の減収減益を発表し、市場の注目を集めた。
役員報酬制度の見直しを実施し、譲渡制限付株式報酬制度を導入することで中長期的な企業価値向上を推進した。
最新ニュース
東邦チタニウム まとめ
ひとめ診断
「航空機向けチタンの国内大手が、親会社との完全統合で半導体材料へ本格進出する」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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