東邦亜鉛
Toho Zinc Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
鉛・銀製錬の国内トップランナー、事業再生を経て未来を拓く非鉄金属の雄
伝統的な非鉄製錬事業を基盤としつつ、DXやグリーン化といった時代の要請に応える次世代金属事業を創造し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日乗る自動車のバッテリー、その主原料である鉛を国内トップクラスのシェアで供給しているのが東邦亜鉛です。また、雨風から鉄を守るために道路のガードレールや標識に施されている亜鉛メッキも、同社の製品が活躍しています。さらに、スマートフォンやパソコンの中にある小さな電子部品には、同社が製錬する銀が欠かせません。普段意識することはないかもしれませんが、私たちの安全で便利な生活は、東邦亜鉛のような非鉄金属メーカーの技術に支えられているのです。
東邦亜鉛は、FY2024に豪州資源事業の失敗から464億円超という巨額の最終赤字を計上し、財務基盤が大きく揺らいだ。しかし、FY2025には売上高1,262.7億円、営業利益56.25億円まで回復し、事業再生計画が進行中。投資ファンドからの75億円の資金調達や事業提携を通じて、財務改善と国内製錬事業の競争力強化を急いでいる。FY2026は黒字転換を見込むが、依然として株価は低迷しており、計画の着実な実行が問われる正念場にある。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区虎ノ門三丁目18番19号 UD神谷町ビル
- 公式
- www.toho-zinc.co.jp
社長プロフィール
当社を取り巻く環境は厳しいものがありますが、事業再生計画を着実に実行し、5年間で経常利益累計300億円の目標達成を目指します。株主・投資家の皆様のご期待に応え、持続的に成長できる企業へと変革を遂げるべく全社一丸となって取り組んでまいります。
この会社のストーリー
非鉄金属製錬事業を開始し、日本の産業発展の礎を築く一歩を踏み出しました。これが東邦亜鉛の長い歴史の始まりです。
現在の社名へと変更し、非鉄金属業界での存在感を高めていきました。事業拡大と共に企業としてのアイデンティティを確立しました。
戦後の復興期に株式市場への上場を果たし、企業としての社会的信用と資金調達力を得て、さらなる成長の基盤を固めました。
時代の要請に応え、長年培った製錬技術を応用したリサイクル事業を強化。循環型社会への貢献を本格的に開始しました。
豪州の鉱山事業に大規模な投資を行いましたが、市況の変動や操業問題により長年にわたり損失を計上。経営上の大きな課題となりました。
豪州資源事業からの撤退を決定。投資ファンドや事業会社との提携による第三者割当増資で約75億円を調達し、経営再建へ向けた大きな一歩を踏み出しました。
銀価格の上昇や事業再生施策の進展を背景に、通期の業績予想を上方修正。再生計画が着実に成果を上げ始めていることを示しました。
伝統事業の効率化と次世代金属事業の創造を両輪に、持続的な成長を目指す未来。経営再建を成し遂げ、新たな価値創造に挑戦します。
注目ポイント
長年の課題だった豪州資源事業から撤退し、大規模な資金調達を実施。聖域なき構造改革を進めており、今後のV字回復が期待されます。
鉛や亜鉛の製錬で培った高度な技術を活かし、電子部品などから有価金属を回収するリサイクル事業を展開。環境貢献と収益確保の両立を目指しています。
鉛製錬で国内首位、銀でも有数の生産量を誇ります。自動車バッテリーや電子材料など、幅広い産業に不可欠な素材を安定供給し、日本のモノづくりを支えています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 5円 | 0.1% |
| FY2017/3 | 10円 | 15.4% |
| FY2018/3 | 125円 | 16.4% |
| FY2019/3 | 70円 | 0.1% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 50円 | 12.3% |
| FY2022/3 | 75円 | 12.9% |
| FY2023/3 | 75円 | 128.2% |
| FY2024/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は業績の著しい悪化と事業再生を優先するため、FY2024/3期より無配を継続しています。かつては高配当利回りを特徴としていましたが、現在は収益の安定化と財務体質の改善を最優先課題として掲げています。配当再開の時期については、今後の経営基盤の回復状況に応じて総合的に判断される方針です。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
東邦亜鉛は、豪州資源事業の投資損失や電力コストの高止まりにより、FY2024/3期に約464億円もの巨額の当期純損失を計上し、業績が悪化しました。その後、事業再生計画に基づき豪州資源事業からの撤退や構造改革を推進しており、収益の改善に向けた取り組みを継続しています。2026年3月期には営業利益約49億円、当期純利益30億円を見込むなど、経営再建による黒字転換が期待されています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.4% | 4.8% | - |
| FY2022/3 | 15.7% | 5.4% | - |
| FY2023/3 | 3.7% | 0.6% | - |
| FY2024/3 | -192.9% | -42.8% | -0.5% |
| FY2025/3 | -154.7% | -1.5% | 4.5% |
売上高営業利益率はFY2022/3期の8.5%をピークに低下傾向が続き、FY2024/3期にはマイナスに転落するなど、主要事業である製錬事業における採算性の悪化が鮮明となりました。ROE(自己資本利益率)も同様に大幅な低下を余儀なくされましたが、今後は不採算部門の整理と高収益体質への転換が不可欠です。コスト構造の見直しが実現すれば、再び安定した利益創出能力を取り戻せるかが焦点となります。
財務は安全?
FY2024/3期には多額の純損失計上に伴い純資産が約27億円まで急減し、自己資本比率が2.5%まで低下するなど、財務基盤が著しく毀損しました。その後、第三者割当増資などの資金調達を実施し、FY2025/3期には自己資本比率が10.2%まで回復したものの、有利子負債は約1,562億円と高水準です。今後は事業再生計画を通じて、負債圧縮と自己資本の積み上げによる財務の健全化を最優先で進める必要があります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 43.1億円 | 4,500万円 | -66.1億円 | 43.6億円 |
| FY2022/3 | -51.8億円 | -84.0億円 | 156億円 | -136億円 |
| FY2023/3 | 110億円 | -81.3億円 | -13.7億円 | 28.8億円 |
| FY2024/3 | 37.5億円 | -76.1億円 | 76.9億円 | -38.6億円 |
| FY2025/3 | 29.0億円 | -3.7億円 | 50.3億円 | 25.3億円 |
営業キャッシュフローは製錬事業の市況変動やコスト高の影響を強く受けており、FY2022/3期にはマイナスを記録するなど不安定な推移を見せています。一方で、投資キャッシュフローは設備のメンテナンスや事業投資のために継続的な支出を要しており、フリーキャッシュフローの確保が恒常的な課題となっています。今後は、事業再生計画に伴う資金調達と事業選別により、キャッシュ創出能力の安定化を図るフェーズにあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 54.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 93.5億円 | 14.3億円 | 15.3% |
| FY2023/3 | 31.4億円 | 23.4億円 | 74.7% |
| FY2024/3 | -107億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 36.9億円 | 51.5億円 | 139.5% |
税引前利益が大きく変動する中で、繰延税金資産の取り崩しや損失処理の影響を受け、実効税率が極端に高い年度が発生しています。赤字期には法人税等の負担が免除されますが、復調局面では一時的な税負担の歪みが生じやすい構造です。FY2026/3期の予想では、通常の税負担水準への収束が見込まれています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 550万円 | 785人 | - |
従業員平均年収は550万円であり、非鉄金属業界の他社と比較して安定的な水準を維持していますが、近年は業績の変動に伴い給与水準も慎重に調整されています。経営再建に向けた固定費抑制と競争力強化投資が進行中であり、今後は再生計画の進展による収益性改善が賃金向上への鍵となります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はJBO (AP) Ⅶ, L.P.(国内連絡先 アドバンテッジパートナーズ)・APCP Ⅶ, L.P.(国内連絡先 アドバンテッジパートナーズ)・CJIP (AP) Ⅶ, L.P.(国内連絡先 アドバンテッジパートナーズ)。
東邦亜鉛は、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ関連ファンドが筆頭株主を含め過半数近くを保有しており、ファンド主導による事業再生と企業価値向上を強力に進める資本構成です。残りは辰巳商会や信託銀行等の安定株主が占めており、経営陣はファンドの意向を強く反映しながら構造改革に取り組んでいます。
会社の公式開示情報
役員報酬
東邦亜鉛は鉛・銀の製錬を主力とし、環境・リサイクル事業を成長戦略の柱に据えています。豪州の資源事業からの撤退と経営再建計画の遂行が現在最も重要な開示リスク要因となっており、原料調達の見直しや設備投資を通じた収益構造の根本的な改革が急務です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%であり、多様性確保に向けた登用が進められています。経営再建を監督するため監査等委員会設置会社へ移行し、監査報酬として5,400万円を投じて監視機能を強化しています。連結子会社11社を抱える中堅規模の非鉄メーカーとして、ガバナンス体制の健全化と経営の透明性向上を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,184億円 | 1,230億円 | 1,263億円 | +6.6% |
| FY2024 | 1,400億円 | — | 1,308億円 | -6.6% |
| FY2023 | 1,310億円 | — | 1,458億円 | +11.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 26億円 | 48億円 | 56億円 | +116.3% |
| FY2024 | 25億円 | — | -7億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 73億円 | — | 40億円 | -44.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去には豪州資源事業の失敗からFY2024に巨額の赤字を計上し、計画は大幅未達となりました。現在は投資ファンド主導の下で事業再生計画を推進しており、FY2025は営業黒字を確保するなど回復の兆しを見せています。しかし、FY2026の純利益目標30億円に対して直近実績が-14.58億円と依然マイナス圏にあり、財務体質の改善と国内製錬事業の収益性向上が急務です。計画達成のハードルは高く、予断を許さない状況が続きます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)はFY2024以降、TOPIXを大幅に下回るアンダーパフォームが続いています。これは豪州資源事業の失敗による巨額損失でFY2024に株価が暴落し、FY2024、FY2025と無配が続いていることが直接的な原因です。株主へのリターンは大きく毀損しており、信頼回復には事業再生計画の着実な実行による業績回復と復配が不可欠な状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 203.3万円 | +103.3万円 | 103.3% |
| FY2022 | 255.9万円 | +155.9万円 | 155.9% |
| FY2023 | 186.3万円 | +86.3万円 | 86.3% |
| FY2024 | 112.2万円 | +12.2万円 | 12.2% |
| FY2025 | 67.8万円 | -32.2万円 | -32.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2倍台とやや買い残が多い状況で、短期的な需給の重さを示唆しています。業界平均と比較すると、PERは平均並みですがPBRは割高な水準です。これは、直近の巨額赤字で自己資本が毀損したことが影響しています。無配が続いており、配当利回りの魅力がない点も投資家から敬遠される一因と考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
アドバンテッジパートナーズや阪和興業との事業提携および第三者割当増資を発表し、経営再建を本格化。
貴金属価格の上昇および再生施策の進展により、通期業績予想を上方修正し黒字転換を鮮明化。
プライム市場の上場維持基準への適合を正式に確認し、市場の懸念を払拭。
最新ニュース
東邦亜鉛 まとめ
ひとめ診断
「伝統の非鉄製錬大手が、豪州事業の巨額損失から脱却し、投資ファンド主導で事業再生に挑む崖っぷちからの再起戦」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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