東邦亜鉛5707
Toho Zinc Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日乗る自動車のバッテリー、その主原料である鉛を国内トップクラスのシェアで供給しているのが東邦亜鉛です。また、雨風から鉄を守るために道路のガードレールや標識に施されている亜鉛メッキも、同社の製品が活躍しています。さらに、スマートフォンやパソコンの中にある小さな電子部品には、同社が製錬する銀が欠かせません。普段意識することはないかもしれませんが、私たちの安全で便利な生活は、東邦亜鉛のような非鉄金属メーカーの技術に支えられているのです。
東邦亜鉛は、2024期に豪州資源事業の失敗から464億円超という巨額の最終赤字を計上し、財務基盤が大きく揺らいだ。しかし、2025期には売上高1,262.7億円、営業利益56.25億円まで回復し、事業再生計画が進行中。投資ファンドからの75億円の資金調達や事業提携を通じて、財務改善と国内製錬事業の競争力強化を急いでいる。2026期は黒字転換を見込むが、依然として株価は低迷しており、計画の着実な実行が問われる正念場にある。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区虎ノ門三丁目18番19号 UD神谷町ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 13.3% | 4.8% | - |
| 2022/03期 | 18.1% | 6.1% | - |
| 2023/03期 | 1.6% | 0.5% | - |
| 2024/03期 | ▲174.6% | ▲36.9% | ▲0.5% |
| 2025/03期 | ▲22.8% | ▲1.4% | 4.5% |
| 3Q 2026/03期 | 453.1%(累計) | 1.7%(累計) | 3.2% |
売上高営業利益率は2022/03期の8.5%をピークに低下傾向が続き、2024/03期にはマイナスに転落するなど、主要事業である製錬事業における採算性の悪化が鮮明となりました。ROE(自己資本利益率)も同様に大幅な低下を余儀なくされましたが、今後は不採算部門の整理と高収益体質への転換が不可欠です。コスト構造の見直しが実現すれば、再び安定した利益創出能力を取り戻せるかが焦点となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,035億円 | — | 55.1億円 | 405.7円 | — |
| 2022/03期 | 1,243億円 | — | 79.2億円 | 583.5円 | +20.1% |
| 2023/03期 | 1,458億円 | — | 7.9億円 | 58.5円 | +17.3% |
| 2024/03期 | 1,308億円 | ▲6.9億円 | ▲465億円 | -3421.3円 | -10.3% |
| 2025/03期 | 1,263億円 | 56.3億円 | ▲14.6億円 | -101.2円 | -3.5% |
東邦亜鉛は、豪州資源事業の投資損失や電力コストの高止まりにより、2024/03期に約464億円もの巨額の当期純損失を計上し、業績が悪化しました。その後、事業再生計画に基づき豪州資源事業からの撤退や構造改革を推進しており、収益の改善に向けた取り組みを継続しています。2026年3月期には営業利益約49億円、当期純利益30億円を見込むなど、経営再建による黒字転換が期待されています。 【3Q 2026/03期実績】売上901億円(通期予想比78%)、営業利益29億円(同59%)、純利益17億円(同58%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
東邦亜鉛は鉛・銀の製錬を主力とし、環境・リサイクル事業を成長戦略の柱に据えています。豪州の資源事業からの撤退と経営再建計画の遂行が現在最も重要な開示リスク要因となっており、原料調達の見直しや設備投資を通じた収益構造の根本的な改革が急務です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,184億円 | 1,230億円 | 1,263億円 | +6.6% |
| 2024期 | 1,400億円 | — | 1,308億円 | -6.6% |
| 2023期 | 1,310億円 | — | 1,458億円 | +11.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 26億円 | 48億円 | 56.3億円 | +116.3% |
| 2024期 | 25億円 | — | -6.9億円 | 大幅未達 |
| 2023期 | 73億円 | — | 40.5億円 | -44.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去には豪州資源事業の失敗から2024期に巨額の赤字を計上し、計画は大幅未達となりました。現在は投資ファンド主導の下で事業再生計画を推進しており、2025期は営業黒字を確保するなど回復の兆しを見せています。しかし、2026期の純利益目標30億円に対して直近実績が-14.58億円と依然マイナス圏にあり、財務体質の改善と国内製錬事業の収益性向上が急務です。計画達成のハードルは高く、予断を許さない状況が続きます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
アドバンテッジパートナーズや阪和興業との事業提携および第三者割当増資を発表し、経営再建を本格化。
貴金属価格の上昇および再生施策の進展により、通期業績予想を上方修正し黒字転換を鮮明化。
プライム市場の上場維持基準への適合を正式に確認し、市場の懸念を払拭。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
2024/03期には多額の純損失計上に伴い純資産が約27億円まで急減し、自己資本比率が2.5%まで低下するなど、財務基盤が著しく毀損しました。その後、第三者割当増資などの資金調達を実施し、2025/03期には自己資本比率が10.2%まで回復したものの、有利子負債は約1,562億円と高水準です。今後は事業再生計画を通じて、負債圧縮と自己資本の積み上げによる財務の健全化を最優先で進める必要があります。 【3Q 2026/03期】総資産1024億円、純資産27億円、自己資本比率1.2%、有利子負債609億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 43.1億円 | 4,500万円 | ▲66.1億円 | 43.6億円 |
| 2022/03期 | ▲51.8億円 | ▲84.0億円 | 156億円 | ▲136億円 |
| 2023/03期 | 110億円 | ▲81.3億円 | ▲13.7億円 | 28.8億円 |
| 2024/03期 | 37.5億円 | ▲76.1億円 | 76.9億円 | ▲38.6億円 |
| 2025/03期 | 29.0億円 | ▲3.7億円 | 50.3億円 | 25.3億円 |
営業キャッシュフローは製錬事業の市況変動やコスト高の影響を強く受けており、2022/03期にはマイナスを記録するなど不安定な推移を見せています。一方で、投資キャッシュフローは設備のメンテナンスや事業投資のために継続的な支出を要しており、フリーキャッシュフローの確保が恒常的な課題となっています。今後は、事業再生計画に伴う資金調達と事業選別により、キャッシュ創出能力の安定化を図るフェーズにあります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%であり、多様性確保に向けた登用が進められています。経営再建を監督するため監査等委員会設置会社へ移行し、監査報酬として5,400万円を投じて監視機能を強化しています。連結子会社11社を抱える中堅規模の非鉄メーカーとして、ガバナンス体制の健全化と経営の透明性向上を図っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 550万円 | 785人 | - |
従業員平均年収は550万円であり、非鉄金属業界の他社と比較して安定的な水準を維持していますが、近年は業績の変動に伴い給与水準も慎重に調整されています。経営再建に向けた固定費抑制と競争力強化投資が進行中であり、今後は再生計画の進展による収益性改善が賃金向上への鍵となります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は2024期以降、TOPIXを大幅に下回るアンダーパフォームが続いています。これは豪州資源事業の失敗による巨額損失で2024期に株価が暴落し、2024期、2025期と無配が続いていることが直接的な原因です。株主へのリターンは大きく毀損しており、信頼回復には事業再生計画の着実な実行による業績回復と復配が不可欠な状況です。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 5円 | - |
| 2017/03期 | 10円 | 15.4% |
| 2018/03期 | 125円 | 16.4% |
| 2019/03期 | 70円 | - |
| 2020/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2021/03期 | 50円 | 12.3% |
| 2022/03期 | 75円 | 12.9% |
| 2023/03期 | 75円 | 128.2% |
| 2024/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は業績の著しい悪化と事業再生を優先するため、2024/03期より無配を継続しています。かつては高配当利回りを特徴としていましたが、現在は収益の安定化と財務体質の改善を最優先課題として掲げています。配当再開の時期については、今後の経営基盤の回復状況に応じて総合的に判断される方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 203.3万円 | 103.3万円 | 103.3% |
| 2022期 | 255.9万円 | 155.9万円 | 155.9% |
| 2023期 | 186.3万円 | 86.3万円 | 86.3% |
| 2024期 | 112.2万円 | 12.2万円 | 12.2% |
| 2025期 | 67.8万円 | ▲32.2万円 | -32.2% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2倍台とやや買い残が多い状況で、短期的な需給の重さを示唆しています。業界平均と比較すると、PERは平均並みですがPBRは割高な水準です。これは、直近の巨額赤字で自己資本が毀損したことが影響しています。無配が続いており、配当利回りの魅力がない点も投資家から敬遠される一因と考えられます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 54.2億円 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 93.5億円 | 14.3億円 | 15.3% |
| 2023/03期 | 31.4億円 | 23.4億円 | 74.7% |
| 2024/03期 | -107億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | 36.9億円 | 51.5億円 | 139.5% |
税引前利益が大きく変動する中で、繰延税金資産の取り崩しや損失処理の影響を受け、実効税率が極端に高い年度が発生しています。赤字期には法人税等の負担が免除されますが、復調局面では一時的な税負担の歪みが生じやすい構造です。2026/03期の予想では、通常の税負担水準への収束が見込まれています。
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東邦亜鉛 まとめ
「伝統の非鉄製錬大手が、豪州事業の巨額損失から脱却し、投資ファンド主導で事業再生に挑む崖っぷちからの再起戦」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。