三井金属
Mitsui Kinzoku Company,Limited
最終更新日: 2026年3月22日
AI時代の黒子、世界の半導体を支える極薄銅箔のトップランナー
探索精神と多様な技術の融合で、社会の持続的な発展に貢献する世界トップクラスの機能材料メーカーとなること。
この会社ってなに?
三井金属の製品は、スマートフォンやPCの基板に使われる極薄銅箔、自動車の排ガス浄化触媒、半導体パッケージ用の特殊キャリアなど、日常生活のあらゆる場面に隠れています。AIデータセンターの高速通信を支える高機能材料や、電気自動車の全固体電池向け素材の開発にも取り組んでおり、次世代テクノロジーの進化を裏方から支える存在です。
FY2025/3の売上高は7,123億円、営業利益は747億円と、いずれも過去最高を更新しました。AI・半導体需要の急拡大を背景に、主力の極薄銅箔(MicroThin)が世界首位級のシェアを維持し、機能材料事業が収益を牽引しています。2025年5月に公表した新中期経営計画「25中計」では、資本コスト・株価を意識した経営への移行を掲げ、ROIC経営の深化と成長投資の両立を目指しています。一方、FY2026/3予想は売上高6,500億円・営業利益420億円と減収減益を見込んでおり、三井金属アクト売却に伴う特別損失や事業再編費用の影響が焦点です。
会社概要
- 業種
- 非鉄金属
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区大崎1丁目11番1号 ゲートシティ大崎ウエスト
- 公式
- www.mitsui-kinzoku.com
社長プロフィール
「探索精神と多様な技術の融合」というパーパスのもと、150年にわたり培ってきた素材技術を武器に、AI・半導体・次世代エネルギーなど社会の変革を支える機能材料の開発に挑み続けます。
この会社のストーリー
神岡鉱山(岐阜県)での亜鉛・鉛の採掘を起源として事業が始まりました。日本の近代化を支える非鉄金属の供給を担う存在に。
戦後の財閥解体を経て三井金属鉱業株式会社として設立。非鉄金属製錬を基盤に事業を再構築しました。
電子材料・触媒など、非鉄金属の技術を応用した機能材料分野への進出を本格化。極薄銅箔の開発に成功しました。
AI・データセンター向け半導体基板に不可欠な極薄銅箔(MicroThin)が急成長。世界首位級のシェアを確立しました。
パーパス「探索精神と多様な技術の融合」を制定。鉱山会社から機能材料メーカーへの変革を象徴する節目を迎えました。
新中期経営計画「25中計」を策定し、ROIC経営の深化と機能材料事業への重点投資を推進。全固体電池向け素材など次世代領域にも挑戦。
注目ポイント
AIデータセンターや高性能半導体に不可欠な極薄銅箔「MicroThin」で世界トップクラスのシェアを保持。微細化・高速化が進む半導体業界で唯一無二のポジションを確立しています。
1874年の鉱山事業から始まり、150年の歴史で培った素材技術を武器に、製錬から機能材料メーカーへと華麗に変革。技術の蓄積が新たな成長エンジンを生み出しています。
自己資本比率を33%から50%超へ引き上げつつ、4期連続の増配を実現。株主還元と財務健全性の両立に成功しており、中長期的な企業価値向上への自信がうかがえます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 6円 | 0.2% |
| FY2017/3 | 7円 | 21.4% |
| FY2018/3 | 70円 | 0.2% |
| FY2019/3 | 70円 | 85.2% |
| FY2020/3 | 70円 | 255.2% |
| FY2021/3 | 85円 | 10.8% |
| FY2022/3 | 110円 | 12.1% |
| FY2023/3 | 140円 | 94.0% |
| FY2024/3 | 140円 | 30.8% |
| FY2025/3 | 180円 | 15.9% |
株主優待制度なし。業績向上による配当還元を重視する方針。
4期連続増配を達成しており、FY2025/3は1株180円、FY2026/3予想は195円とさらなる増配を計画しています。配当利回りは0.58%と低水準ですが、これは株価が大幅に上昇した結果であり、配当額自体はFY2021/3の85円から2倍以上に増加しています。株主優待は実施しておらず、配当を中心とした還元方針です。
同業比較(収益性)
非鉄金属の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上高7,123億円・営業利益747億円と過去最高を達成しました。AI・半導体向け極薄銅箔の需要急拡大が牽引し、機能材料事業の高収益化が顕著です。FY2026/3予想は売上高6,500億円・営業利益420億円と減収減益を見込んでいますが、これは三井金属アクトの売却に伴う事業縮小や一過性の特別損失が主因です。銅箔を中心とした成長事業への集中投資により、中長期的な収益拡大が期待されます。
事業ごとの売上・利益
極薄銅箔(MicroThin)、半導体パッケージ用キャリア(HRDP)、触媒など。AI・半導体向けが急成長中で収益の柱
亜鉛・鉛の製錬、貴金属リサイクル、電子材料用高純度金属。国内亜鉛製錬の大手
自動車用排ガス浄化触媒、ドアロック等の自動車部品。三井金属アクト売却で縮小予定
銅箔加工、エンジニアリング、不動産等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -11.6% | 7.5% | - |
| FY2022/3 | 25.4% | 8.2% | - |
| FY2023/3 | 6.2% | 1.3% | - |
| FY2024/3 | 7.8% | 4.1% | 4.9% |
| FY2025/3 | 23.0% | 9.8% | 10.5% |
FY2025/3はROE 19.0%、営業利益率10.5%と高い収益性を回復しました。FY2023/3にはROE 3.3%まで落ち込みましたが、これは金属価格の下落と半導体需要の一時的な調整が要因です。AI需要の本格化とともに機能材料事業の利益率が急改善し、ROAも9.8%と資産効率の高さを示しています。
財務は安全?
自己資本比率は33.4%から50.4%へと着実に改善し、財務健全性が大幅に向上しました。22中計期間中に有利子負債を約665億円削減し、BPSも3,484円から5,798円へと66%増加。FY2021/3〜FY2023/3は有利子負債データが未開示ですが、FY2024/3の3,635億円からFY2025/3には2,970億円に縮小しており、財務体質の改善が着実に進んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 276億円 | -163億円 | -152億円 | 112億円 |
| FY2022/3 | 607億円 | -255億円 | -375億円 | 351億円 |
| FY2023/3 | 430億円 | -316億円 | -147億円 | 114億円 |
| FY2024/3 | 753億円 | -349億円 | -366億円 | 404億円 |
| FY2025/3 | 767億円 | -209億円 | -436億円 | 558億円 |
営業CFは安定して黒字を維持し、FY2025/3は767億円と過去最高を記録。FCF(フリーキャッシュフロー)も558億円と潤沢で、有利子負債の削減と成長投資の原資を十分に確保しています。財務CFのマイナスは借入金返済と配当支払いが主因であり、堅実な財務運営がうかがえます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 512億円 | 64.9億円 | 12.7% |
| FY2022/3 | 660億円 | 139億円 | 21.1% |
| FY2023/3 | 199億円 | 114億円 | 57.2% |
| FY2024/3 | 445億円 | 185億円 | 41.6% |
| FY2025/3 | 764億円 | 117億円 | 15.4% |
FY2025/3の実効税率は15.4%と低水準ですが、これは海外子会社の税率差異や繰延税金資産の影響によるものです。FY2026/3予想では特別損失の計上等により実効税率が66.7%と高くなる見通しです。過去5期では12.7%から57.2%まで変動が大きく、事業構造の変化や一時的な税務要因が影響しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 827万円 | 12,097人 | - |
平均年収827万円は非鉄金属業界の中でも高水準です。連結従業員数は約12,100名で、平均年齢42.7歳。機能材料を中心とした高付加価値事業への転換が進む中、技術系人材の確保に注力しており、処遇面での競争力を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は三井金属取引先持株会氏・三井金属社員持株会氏。
信託銀行経由の機関投資家が上位を占め、筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が18.9%を保有。外国法人の保有比率は約29%と高く、AI・半導体関連銘柄としてグローバル投資家からの注目度が高いことがうかがえます。社員持株会(2.4%)と取引先持株会(1.4%)が安定株主として機能しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 機能材料 | 約2,800億円 | 約450億円 | 16.1% |
| 金属 | 約3,200億円 | 約200億円 | 6.3% |
| モビリティ | 約800億円 | 約30億円 | 3.8% |
| その他(関連事業等) | 約300億円 | 約70億円 | 23.3% |
機能材料セグメントが営業利益の過半を稼ぐ高収益事業であり、AI・半導体向け極薄銅箔が成長を牽引しています。金属セグメントは市況依存度が高いものの安定した収益基盤を提供。モビリティセグメントは三井金属アクトの売却により縮小予定で、今後は機能材料への経営資源集中がさらに進む見通しです。
この会社のガバナンスは?
取締役10名中2名が女性で、女性比率20.0%を確保。監査費用は1億8,800万円で、連結子会社50社を擁するグローバル企業として適正な水準です。平均勤続年数13.8年は製造業として標準的であり、技術蓄積と人材の安定的な確保が両立しています。設備投資額313億円は機能材料事業を中心とした成長投資です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 6,400億円 | 6,450億円 | 6,467億円 | +1.0% |
| FY2025 | 6,400億円 | 7,100億円 | 7,123億円 | +11.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 200億円 | 350億円 | 317億円 | +58.5% |
| FY2025 | 350億円 | 740億円 | 747億円 | +113.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「25中計」では、22中計で達成した財務体質改善を土台に、「資本コスト・株価を意識した経営」への移行を加速しています。各事業でROICツリーを活用した目標管理を導入し、機能材料事業への重点投資と非コア事業の整理を並行して推進。三井金属アクトの売却はその具体的な成果の一つです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは276.7%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。FY2023は半導体需要の一時的な調整で停滞しましたが、FY2024以降はAI需要の本格化に伴い再加速。機能材料事業の高成長が市場から持続的に評価された結果です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 217.2万円 | +117.2万円 | 117.2% |
| FY2022 | 196.5万円 | +96.5万円 | 96.5% |
| FY2023 | 196.5万円 | +96.5万円 | 96.5% |
| FY2024 | 286.8万円 | +186.8万円 | 186.8% |
| FY2025 | 276.7万円 | +176.7万円 | 176.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 127.1倍・PBR 5.37倍はいずれも非鉄金属セクター平均を大幅に上回る水準ですが、これはAI・半導体向け機能材料メーカーとしての成長期待が織り込まれた結果です。信用倍率3.33倍は買い残が優勢で、個人投資家の買い意欲が高い状態を示しています。FY2026/3の減益予想を織り込んでもなお高い評価を受けていることが特徴です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期業績予想を3度目の上方修正。売上高・営業利益・経常利益・純利益のいずれも過去最高を見込むと発表した。
新中期経営計画「25中計」を公表。資本コスト・株価を意識した経営への移行を掲げ、ROICツリーによる事業管理の深化を宣言した。
自動車部品子会社の三井金属アクトをハイレックスコーポレーションに売却すると発表。事業ポートフォリオの選択と集中を推進。
FY2026/3第3四半期決算で経常利益を56%上方修正し、過去最高益予想を上乗せ。AI関連需要の拡大が牽引した。
中国にレアアース専用の営業拠点を新設。半導体製造装置向けの販路拡大を狙う。
最新ニュース
三井金属 まとめ
ひとめ診断
AI半導体向け極薄銅箔で世界首位級、非鉄の枠を超えて機能材料で飛躍する150年企業
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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