栗本鐵工所
Kurimoto,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
100年超の歴史で社会インフラを支え、未来を創る総合エンジニアリング企業
優れた技術と製品・サービスを通じて、安全・安心で快適な社会基盤を構築し、人々の豊かな未来の実現に貢献する。
この会社ってなに?
あなたが毎日使う水道水。その水が安全に蛇口まで届くのは、地中に埋められた頑丈な水道管のおかげです。栗本鐵工所は、その重要な水道管(鋳鉄管)を作っている国内トップクラスの会社です。また、あなたが車に乗るとき、その部品を作るための巨大なプレス機械も彼らの製品かもしれません。普段は目に触れないけれど、橋やトンネル、工場の設備など、日本の社会基盤のあらゆる場面で栗本鐵工所の技術が活躍しており、私たちの生活を静かに支えています。
鋳鉄管で国内シェア2位を誇る老舗メーカー。FY2025は売上高1,266.7億円、営業利益79.3億円と堅調に推移しています。政府の国土強靭化政策を追い風に、主力のライフライン事業が安定収益を確保。近年は株主還元に非常に積極的で、FY2025には配当を前期比115円増の285円とし、目標とする配当性向50%を達成しました。今後はM&Aによる事業ポートフォリオの拡充と、既存事業の収益性向上が成長の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号
- 公式
- corp.kurimoto.co.jp
社長プロフィール

当社は1909年の創業以来、社会インフラを支える製品・サービスを提供してまいりました。国土強靭化といった社会ニーズを追い風に、成長が見込まれる事業へ積極的に投資し、株主還元の強化も進めながら持続的な企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
創業者・栗本勇之助が「栗本鐵工所」を創設。水道用鋳鉄管の国産化を目指し、日本の近代化に貢献する事業をスタートさせた。
研究と試作を重ね、国産初の「遠心力鋳造法」による鋳鉄管の製造に成功。日本の水道事業の発展に大きく貢献した。
戦後の復興期において、社会的な信用を高め、事業拡大のための基盤を固めるべく、株式を上場した。
鋳鉄管事業で培った技術を応用し、橋梁や産業機械、化成品など様々な分野へ進出。総合エンジニアリング企業としての礎を築いた。
創業100周年を迎える中、IHIと橋梁・水門事業の統合を発表。経営資源を集中させ、競争力を強化する大きな転換期を迎えた。
リサイクルプラントを手がける三協機械を買収するなど、積極的なM&Aを通じて環境関連事業を強化し、新たな成長分野へ進出した。
「クリモトグループ新中期3ヵ年経営計画2024~2026」を発表。成長牽引事業への積極投資と株主還元の強化を掲げた。
注目ポイント
配当性向50%以上を目標に掲げ、3期連続増配を達成するなど株主への利益還元に積極的。安定した配当が期待できる点が魅力です。
主力製品のダクタイル鉄管は水道管として国内シェア約3割を誇り、社会に不可欠なインフラを支えています。国の国土強靭化計画も追い風となる安定した事業基盤を持っています。
リサイクルプラントや粉体機器メーカーの買収など、積極的なM&Aで事業領域を拡大。環境分野など将来の成長が見込まれる分野へ投資し、持続的な成長を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 4円 | 23.6% |
| FY2018/3 | 60円 | 31.3% |
| FY2019/3 | 60円 | 36.2% |
| FY2020/3 | 60円 | 26.9% |
| FY2021/3 | 70円 | 26.9% |
| FY2022/3 | 70円 | 29.3% |
| FY2023/3 | 90円 | 23.2% |
| FY2024/3 | 170円 | 37.6% |
| FY2025/3 | 285円 | 50.0% |
株主優待制度は現在導入されておりません。
当社は成長投資とのバランスを考慮しつつ、配当性向50%以上を目指す積極的な還元方針を掲げています。近年の業績拡大に伴い配当額は急成長しており、株主還元を重視する姿勢が投資家から高く評価されています。今後も資本構成の効率化を視野に入れ、安定的な配当実施に努めていく見通しです。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高はFY2021/3の約1,166億円からFY2025/3には約1,267億円まで拡大し、強固な事業基盤を背景に安定した成長を維持しています。営業利益もFY2021/3の約47億円からFY2025/3には約79億円へと大幅に伸長しており、利益率の改善が顕著です。直近のFY2026/3予想では減収減益を見込むものの、過去数年間の収益性は着実に底上げされています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.8% | 2.4% | - |
| FY2022/3 | 2.4% | 2.1% | - |
| FY2023/3 | 4.8% | 3.3% | - |
| FY2024/3 | 5.2% | 3.6% | 5.9% |
| FY2025/3 | 6.4% | 4.6% | 6.3% |
収益性を示すROE(自己資本利益率)はFY2021/3の4.9%からFY2025/3には7.8%まで上昇しており、資本効率の改善が明確に見て取れます。営業利益率も同様に4.0%から6.3%へ拡大しており、主力のライフライン事業や産業機械事業における採算管理の徹底が奏功しています。ROAも4.6%まで向上しており、保有資産を効率よく活用し利益を生み出す体質への転換が進んでいます。
財務は安全?
財務健全性はFY2025/3時点で自己資本比率が57.9%に達しており、極めて安定した財務基盤を維持しています。FY2021/3からFY2023/3までは有利子負債ゼロの状態を継続していましたが、その後の成長投資に伴い負債を適度に活用する資本構成へと変化しました。純資産は順調に積み上がっており、強固なネットアセットベースが長期的な成長投資を支える源泉となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.1億円 | -40.3億円 | -18.1億円 | 18.7億円 |
| FY2022/3 | 28.1億円 | -24.6億円 | 4.8億円 | 3.6億円 |
| FY2023/3 | 50.6億円 | -17.4億円 | -45.0億円 | 33.2億円 |
| FY2024/3 | 103億円 | -26.9億円 | -86.0億円 | 75.9億円 |
| FY2025/3 | -23.4億円 | -35.7億円 | 21.9億円 | -59.1億円 |
営業キャッシュフローはFY2024/3に約103億円と高い収益力を示しましたが、FY2025/3は一時的な要因によりマイナスとなりました。継続的な成長投資のための積極的な投資キャッシュフローの支出を行いながらも、財務の安定性を保っています。今後も営業活動によるキャッシュの創出力を高め、将来的な株主還元や事業投資とのバランスを最適化していく方針です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 45.8億円 | 14.1億円 | 30.7% |
| FY2022/3 | 41.8億円 | 12.6億円 | 30.2% |
| FY2023/3 | 68.7億円 | 21.4億円 | 31.2% |
| FY2024/3 | 78.2億円 | 23.5億円 | 30.0% |
| FY2025/3 | 84.8億円 | 15.7億円 | 18.5% |
法人税等の支払額は営業利益の変動に伴い推移しており、直近数年は安定した水準で推移していました。FY2025/3以降、実効税率が低下傾向にあるのは、繰延税金資産の取り崩しや税務上の優遇措置などの会計・税務処理による一時的な要因が考えられます。将来の業績見通しに基づき、適切に納税義務を果たす計画を維持しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 826万円 | 2,182人 | - |
従業員の平均年収は826万円となっており、製造業界の中でも比較的高い水準です。これは、インフラを支える鋳鉄管や産業機械という専門性の高い事業領域において、熟練した技術を持つ人材が安定的に確保されていることを示唆しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は太陽生命保険・日本生命保険相互会社・りそな銀行。
上位株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が並び、機関投資家の保有比率が高い構造です。また、太陽生命保険や日本生命保険などの金融機関が安定株主として名を連ねており、長期的な信頼関係が構築されていることが伺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業構成はライフライン事業(鋳鉄管など)を核として、機械システムやエンジニアリング事業を展開する多角的なポートフォリオが特徴です。インフラ老朽化対策の需要を追い風にしつつ、原材料価格の変動や為替リスクを経営上の主要な不確実性として認識しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%であり、多様な視点を取り入れる体制の構築が進んでいます。独立性の高い監査体制と、連結子会社16社を管理するグループガバナンスを強化しており、老舗企業として持続的な社会インフラ維持に向けた堅実な経営基盤が整っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,240億円 | N/A | 1,267億円 | +2.2% |
| FY2024 | 1,200億円 | N/A | 1,259億円 | +4.9% |
| FY2023 | 1,150億円 | N/A | 1,248億円 | +8.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 70億円 | N/A | 79億円 | +13.3% |
| FY2024 | 60億円 | N/A | 75億円 | +24.3% |
| FY2023 | 45億円 | N/A | 68億円 | +52.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
栗本鐵工所は3期連続で期初予想を大幅に上回る好決算を達成しており、経営陣の計画達成能力と市場環境の読みには信頼が置けます。特に利益面での上振れが顕著で、これは主力のライフライン事業が公共事業に支えられ安定していることに加え、産業機械事業の採算改善が進んでいることを示唆します。進行中の新中期経営計画では最終年度(FY2027)に売上高1,400億円、営業利益90億円を掲げており、直近の実績から見ても達成に向けた視界は良好と言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。提供されたデータ期間において、栗本鐵工所のTSRは一貫してTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、過去の株価が長期間にわたり市場平均の上昇に追随できていなかったことを意味します。しかし、FY2024からFY2025にかけてTSRが急上昇(235.6%→276.8%)している点は注目に値します。これは近年の大幅な増配と株価再評価が始まったことを示唆しており、将来的にTOPIXをアウトパフォームする可能性を秘めています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 96.1万円 | -3.9万円 | -3.9% |
| FY2022 | 90.2万円 | -9.8万円 | -9.8% |
| FY2023 | 119.4万円 | +19.4万円 | 19.4% |
| FY2024 | 235.6万円 | +135.6万円 | 135.6% |
| FY2025 | 276.8万円 | +176.8万円 | 176.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は5.53倍とやや高めで、短期的な買い圧力が強い状況ですが、過熱感には注意が必要です。業界比較では、PBRが1倍を超え、鉄鋼業種平均(0.6〜0.8倍)を大きく上回っている点が特徴的です。これは、同社の安定した収益力と高い株主還元姿勢が市場から評価され、資産価値以上のプレミアムがついていることを示しています。FY2025の配当285円を基準とした配当利回りは非常に高く、今後の株価を下支えする要因となりそうです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ツカサ工業を子会社化し、事業領域の拡大を推進。
4-9月期の純利益を上方修正し、収益力の強さを証明。
第3四半期累計の連結経常利益は56.4億円を計上。
最新ニュース
栗本鐵工所 まとめ
ひとめ診断
「水道管から宇宙まで、日本のインフラを100年以上支える『鉄の巨人』が国土強靭化と高配当で再評価フェーズへ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「鉄鋼」に分類される他の企業
ニッケル価格に翻弄された製錬大手が、レアメタル新事業でサバイバルに挑む
大阪の老舗鉄鋼メーカーが、業界最大手とタッグを組み次世代電炉へ巨額投資する変革のど真ん中
鉄鋼・アルミ・機械・電力の複合経営で稼ぐ力を磨く独自路線の高炉3番手
『脱・自動車一本足』を目指す、三菱グループの特殊鋼メーカー
『ヨド物置』で有名な老舗鉄鋼メーカーが、高配当を武器に堅実経営を貫く財務優等生
『業界の暴れん坊』と称された電炉の雄が、脱炭素を追い風にリサイクル鋼材で市場をリードする
電炉大手でH形鋼主力、海外持分法利益が収益の柱を担うグローバル鉄鋼企業
溶接鋼管国内首位、無借金経営と高配当で鉄鋼業界屈指の好財務を誇る