大平洋金属5541
PACIFIC METALS CO.,LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うキッチンのシンクや、お気に入りのピカピカな鍋。これらが錆びにくく丈夫なのは「ステンレス」という金属のおかげです。大平洋金属は、そのステンレスを作るために欠かせない「フェロニッケル」という原料を製造している、世界でもトップクラスの会社です。つまり、普段何気なく目にしている様々な金属製品の品質を、裏側から支えている存在と言えます。最近では、古くなったスマートフォンの電池から貴重な金属を取り出すリサイクル技術や、次世代エネルギーに不可欠な新しい素材の開発にも挑戦しており、未来の暮らしをより良くするための技術にも関わっています。
ステンレス鋼の主原料であるフェロニッケル製錬大手。近年の業績はニッケル市況に大きく左右され、2025期は売上高131.8億円に対し73.68億円の営業赤字を計上するなど厳しい状況が続く。しかし、2026年3月期第3四半期では持分法投資利益により経常黒字化を達成。中長期戦略「PAMCOvision2031」を掲げ、スタートアップMiRESSOとの提携によるベリリウム事業やリチウムイオン電池リサイクルなど、既存事業への依存から脱却し新領域への事業転換を急いでいる。新たな配当方針(DOE導入)のもと、2期ぶりに1株135円の復配を予定しており、株主還元姿勢を強化している点も注目される。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.7% | 1.5% | - |
| 2022/03期 | 15.4% | 13.8% | - |
| 2023/03期 | ▲6.6% | ▲6.0% | - |
| 2024/03期 | ▲1.5% | ▲1.4% | ▲58.7% |
| 2025/03期 | ▲2.4% | ▲2.3% | ▲55.9% |
| 3Q FY2026/3 | 1.1%(累計) | 1.0%(累計) | ▲77.1% |
当社の収益性はニッケル市況に大きく左右される構造となっており、2022/03期には営業利益率8.4%を確保したものの、以降は原料調達コストの高騰により営業利益率が大幅なマイナスに転じています。自己資本利益率(ROE)も同様に、市況の影響を直接的に受けて不安定な推移を辿っており、収益基盤の多角化が課題です。効率的な生産プロセスの再構築と、非ニッケル事業の育成による収益構造の安定化が、今後のROE改善に向けた鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 322億円 | — | 11.6億円 | 59.6円 | — |
| 2022/03期 | 571億円 | — | 114億円 | 582.9円 | +77.3% |
| 2023/03期 | 349億円 | — | ▲50.3億円 | -257.8円 | -39.0% |
| 2024/03期 | 155億円 | ▲91.1億円 | ▲10.7億円 | -55.1円 | -55.5% |
| 2025/03期 | 132億円 | ▲73.7億円 | ▲16.7億円 | -85.5円 | -15.1% |
大平洋金属は、主力のフェロニッケル製錬事業におけるニッケル価格の変動や市況悪化の影響を強く受けており、近年は売上高の縮小と営業赤字が続いています。2023/03期以降は原料価格の高騰や精錬コストの増加により、営業利益が100億円規模の赤字を計上するなど厳しい経営環境が続いてきました。2026/03期予想においても構造的な赤字は解消されておらず、事業の転換や高付加価値事業へのシフトが急務となっています。 【3Q 2026/03期実績】売上68億円(前年同期比-37.0%)、営業利益△52億円、純利益6.9億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業としてフェロニッケル精錬およびスラグ製品の製造を展開しており、ニッケル相場や為替レート、エネルギー価格の変動が業績に直結する高い事業リスクを抱えています。近年では、脱炭素社会に向けたレアメタルリサイクルや新規事業への投資を加速させることで、収益構造の多角化を目指す開示内容が目立っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 430億円 | — | 571億円 | +32.9% |
| 2023期 | 502億円 | — | 349億円 | -30.6% |
| 2024期 | 209億円 | — | 155億円 | -25.7% |
| 2025期 | 140億円 | — | 132億円 | -5.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | -12億円 | — | 48億円 | 大幅超過 |
| 2023期 | 9億円 | — | -126億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社はニッケル価格の変動に業績が大きく左右されるため、業績予想の精度は安定しません。2022期は市況好転で予想を大幅に超過しましたが、翌2023期は一転して市況悪化により大幅な未達となりました。現在進行中の中長期戦略「PAMCOvision2031」では、この市況依存からの脱却を目指し、ベリリウム事業やレアメタルリサイクルといった新規事業への投資を本格化させています。計画達成の鍵は、これら新規事業をいかに早期に収益化できるかにかかっています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
MiRESSO社との資本業務提携を発表し、ベリリウム事業などの新規成長領域への投資を本格化。
2026年3月期の通期経常損益予想を修正し、一転して黒字化を見込む発表を行い市場の注目を集めた。
第3四半期累計で6.87億円の最終黒字を達成し、ニッケル鉱山事業の収益改善が鮮明となった。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
大平洋金属の財務は極めて強固で、自己資本比率は90%を超える水準を維持しており、極めて高い財務健全性を誇ります。有利子負債については実質的にゼロに近い状態を継続しており、手元資金と無借金経営によって激しい市況変動にも耐えうる保守的な財務体質を維持しています。豊富な純資産は、事業転換のための成長投資や将来に向けた研究開発を支える強固なバックボーンとなっています。 【3Q 2026/03期】総資産647億円、純資産607億円、自己資本比率90.2%。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 58.3億円 | ▲17.8億円 | ▲1.0億円 | 40.5億円 |
| 2022/03期 | 78.6億円 | ▲29.1億円 | ▲7.8億円 | 49.5億円 |
| 2023/03期 | ▲75.2億円 | 9.7億円 | ▲30.1億円 | ▲65.4億円 |
| 2024/03期 | 27.9億円 | 20.0億円 | ▲500万円 | 47.9億円 |
| 2025/03期 | 30.1億円 | ▲1.5億円 | ▲700万円 | 28.6億円 |
営業キャッシュフローはニッケル市況の影響を受けやすく、市況悪化時には営業赤字に伴いマイナスへ転じる局面もありました。しかし、無借金経営を背景に財務キャッシュフローの流出は限定的であり、投資キャッシュフローを適切にコントロールすることで、強固な財政状態を維持しています。今後も設備投資と成長投資のバランスを見極めながら、安定したフリーキャッシュフローの創出が求められます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と、上場企業としては改善の余地がある段階にあります。監査体制については適切な監査報酬が支払われており、子会社2社を含むグループ全体のガバナンスを維持していますが、今後は経営層のダイバーシティ推進が重要な経営課題の一つとなります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 530万円 | 441人 | - |
平均年収は530万円であり、鉄鋼業界の平均的な水準と比較しても、業績連動性が強い不安定な市況を反映した控えめな水準と言えます。フェロニッケル市況の影響を直接受けるビジネスモデルのため、業績悪化時にはコスト削減の一環として給与水準にも変動が生じやすい傾向があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2022期にTOPIXを大幅にアウトパフォームしたものの、その他の年ではアンダーパフォームする結果となっています。これは同社の株価がニッケル市況に極めて敏感に反応し、市況好転期にはTOPIXを上回る上昇を見せる一方、悪化期には大きく下落するという循環的な特性を反映しています。安定的な成長を続ける多くのTOPIX構成銘柄と比べ、ボラティリティの高い同社のTSRは振れ幅が大きく、投資タイミングによってリターンが大きく変わることを示唆しています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2017/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2018/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2019/03期 | 55円 | 29.0% |
| 2020/03期 | 25円 | 78.0% |
| 2021/03期 | 20円 | 33.6% |
| 2022/03期 | 175円 | 30.0% |
| 2023/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 135円 | - |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけており、DOE(株主資本配当率)を基準とした新しい配当方針を導入しました。市況変動による業績の浮き沈みがあっても、安定的な配当を実施することを目指しています。2025/03期には復配を実施しており、資本効率を意識した還元姿勢を強めています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 137.9万円 | 37.9万円 | 37.9% |
| 2022期 | 275.5万円 | 175.5万円 | 175.5% |
| 2023期 | 135.4万円 | 35.4万円 | 35.4% |
| 2024期 | 99.4万円 | ▲0.6万円 | -0.6% |
| 2025期 | 129.9万円 | 29.9万円 | 29.9% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.82倍と、解散価値を示す1倍を割り込んでおり、市場からは資産価値対比で割安と評価されています。赤字のためPERは算出不能ですが、復配予定の配当利回りは4.75%と業界平均を上回る水準です。信用買い残が売り残の約10倍と高水準にあり、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方、需給面では将来的な売り圧力となる可能性も秘めています。短期的な値動きは、ニッケル市況とこの信用需給に大きく影響されるでしょう。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 33.4億円 | 21.8億円 | 65.3% |
| 2022/03期 | 130億円 | 16.3億円 | 12.5% |
| 2023/03期 | -49.6億円 | 0円 | - |
| 2024/03期 | -21.2億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | -16.2億円 | 0円 | - |
2022/03期まで利益水準に応じて適正な法人税等を支払ってきましたが、近年の赤字決算に伴い法人税等の納付は発生していません。これは営業損益の悪化により課税所得がマイナスとなっているためです。将来的な黒字化が実現するまでは、税負担は発生しない見通しです。
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大平洋金属 まとめ
「ニッケル価格に翻弄された製錬大手が、レアメタル新事業でサバイバルに挑む」
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