日本製鉄
NIPPON STEEL CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
日本の鉄が、USスチールと手を組み世界を変える。6兆円の大勝負が始まった!
総合力世界No.1の鉄鋼メーカー
この会社ってなに?
自動車のボディ、ビルや橋の鉄骨、鉄道レール、飲料缶まで、日本製鉄の鋼材は私たちの身の回りに溢れています。USスチール買収により、アメリカのインフラ整備にも日本の高級鋼板技術が使われるようになります。
日本製鉄は、粗鋼生産量で国内首位・世界4位の鉄鋼メーカーです。2025年6月にUSスチールの買収を完了し、完全子会社化を実現。連結売上収益は約10兆円規模に拡大し、名実ともにグローバル鉄鋼メーカーへ変貌を遂げました。2025年12月に策定した「2030中長期経営計画」では、5年間で6兆円の投資を掲げ、USスチールの設備更新や国内高炉再構築を推進します。一方、FY2026/3は買収関連の一時費用等により純損失700億円を見込む過渡期。配当は下限24円/株を導入し、業績変動下でも安定還元を目指しています。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号(丸の内パークビルディング)
- 公式
- www.nipponsteel.com
社長プロフィール

鉄は国家なり。USスチールとのパートナーシップを通じ、日本とアメリカの鉄鋼産業の発展に全力を尽くしてまいります。
この会社のストーリー
日本初の銑鋼一貫製鉄所として官営八幡製鐵所が操業を開始。日本の近代化と産業発展の礎を築きました。
八幡製鐵と富士製鐵が合併し、世界最大の鉄鋼メーカー・新日本製鐵が誕生。日本の高度経済成長を支えました。
新日本製鐵と住友金属工業が経営統合し、新日鐵住金が発足。国内鉄鋼業の再編が加速しました。
「日本製鉄」に社名変更し、グローバル展開を加速。インドのAM/NSやタイのG Steel等に出資を拡大。
約2兆円を投じて米USスチールを完全子会社化。政治的困難を乗り越え、日米鉄鋼パートナーシップを実現しました。
粗鋼生産1億トン・事業利益1兆円の達成を目指し、6兆円の投資でグローバル鉄鋼メーカーとしての地位を確立します。
注目ポイント
約2兆円を投じてUSスチールを完全子会社化。日本の高級鋼板技術とアメリカの生産基盤を融合し、粗鋼生産1億トンを目指すグローバル鉄鋼メーカーへ変貌中です。
配当利回り4%超の高還元。2030中長期経営計画で下限配当24円/株を導入し、業績変動の大きい鉄鋼業でも安定した配当を目指しています。
低炭素鋼材「NSCarbolex」を世界に先駆けて商用化。2050年カーボンニュートラルに向け、高炉水素還元や電炉転換等の革新技術を開発中です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 45円 | 30.4% |
| FY2018/3 | 70円 | 31.7% |
| FY2019/3 | 10円 | - |
| FY2021/3 | 10円 | - |
| FY2022/3 | 160円 | 23.1% |
| FY2023/3 | 180円 | 23.9% |
| FY2024/3 | 160円 | 26.8% |
| FY2025/3 | 160円 | 45.6% |
| 必要株数 | 100株以上 |
FY2022/3〜FY2025/3は年間28〜32円の高配当を維持し、配当利回り5%前後を実現。FY2026/3はUSスチール買収関連で純損失見込みのため24円に減配予想ですが、2030中長期経営計画で導入した下限配当24円/株で安定還元を確保。配当性向30%目安の業績連動型で、収益回復後は増配の可能性があります。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3〜FY2023/3は鋼材価格の上昇を追い風に営業利益8,000億円超を達成。FY2025/3は中国の鋼材過剰供給や自動車減産の影響で純利益3,502億円(前期比36.3%減)に。FY2026/3はUSスチールの連結効果で売上収益が10兆円に拡大する一方、買収関連の一時費用等により純損失700億円を見込む過渡期です。営業利益は非開示。
事業ごとの売上・利益
粗鋼生産国内首位。自動車向け高級鋼板や厚板・鋼管等を製造。USスチール連結前のFY2025/3実績。売上構成比約90%
製鉄プラント・環境・エネルギー分野のエンジニアリング事業。日鉄エンジニアリングが中核。カナデビアとの統合協議中
コールケミカル(タール・ベンゼン等)や先端素材を製造。半導体材料・炭素繊維等の高付加価値品を展開
日鉄ソリューションズが中核。ITインフラ・クラウド等のDXソリューションを提供。高利益率のキャッシュカウ
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -1.2% | -0.4% | - |
| FY2022/3 | 20.5% | 7.3% | - |
| FY2023/3 | 18.1% | 7.3% | - |
| FY2024/3 | 12.3% | 5.1% | 8.8% |
| FY2025/3 | 6.9% | 3.2% | 6.3% |
FY2022/3は鋼材価格高騰を背景にROE16.4%・営業利益率12.4%とピークを記録。その後は鉄鋼市況の軟化に伴い徐々に低下し、FY2025/3はROE5.9%・営業利益率6.3%に。USスチール連結後は規模拡大と収益改善の両立が課題です。2030中長期経営計画ではROE10%超を志向しています。
財務は安全?
FY2025/3の総資産は約10.9兆円、自己資本比率は49.2%と盤石な財務基盤です。USスチール買収完了後のFY2026/3では総資産がさらに拡大する見通し。有利子負債は約2.1兆円ですが、JBIC等からの9,000億円の協調融資で買収資金を確保しており、財務の安定性を維持しています。BPS5,150円に対し株価585円でPBR0.11倍と大幅なディスカウント状態。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1.0兆円 | -7,107億円 | -5,439億円 | 2,995億円 |
| FY2025/3 | 9,786億円 | -4,624億円 | -3,133億円 | 5,162億円 |
FY2024/3〜FY2025/3は営業CFが2年連続で9,000億〜1兆円を維持し、高い現金創出力を示しています。FY2025/3のFCFは5,162億円と潤沢。FY2024/3は設備投資拡大(投資CF-7,107億円)と自社株買い・配当(財務CF-5,439億円)で積極的な資本配分を実行。USスチール買収後は設備更新投資の増加が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7,640億円 | 2,146億円 | 28.1% |
| FY2025/3 | 5,244億円 | 1,742億円 | 33.2% |
FY2025/3は税引前利益5,244億円に対し法人税等1,741億円(実効税率33.2%)。FY2024/3は海外子会社の税制優遇等により実効税率が21.3%に低下しました。USスチール連結後は米国の法人税率(21%)と日本の実効税率(約30%)の組み合わせで連結実効税率が変動する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 905万円 | 113,845人 | - |
平均年収905万円は鉄鋼業界トップクラス。FY2025/3は前年比+76万円(+9.2%)と大幅に上昇し、ベースアップと業績連動賞与が寄与。単体約2.9万名、連結では約11.4万名の大組織。平均年齢40.5歳、平均勤続年数18.2年と重厚長大産業らしい安定雇用です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関(32.0%)と事業法人等(8.7%)が安定株主の中核。日本製鉄グループ従業員持株会(1.2%)も安定株主として加算。外国人投資家23.7%・個人投資家32.1%で浮動株比率は約58%と流動性の高い構成。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(14.8%)で、年金基金や投信を通じた機関投資家の間接保有です。次いで日本カストディ銀行(5.3%)。外国法人としてState Street Bank等の海外カストディアンが上位に並び、グローバルな株主構成です。日本生命(1.8%)や明治安田生命(1.3%)など政策保有先も安定株主に含まれます。経営陣の個人保有はごく僅かでプロ経営者型の体制。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 製鉄 | 7.8兆円 | 5,480億円 | 7.0% |
| エンジニアリング | 3,500億円 | 140億円 | 4.0% |
| ケミカル&マテリアル | 2,600億円 | 182億円 | 7.0% |
| システムソリューション | 2,800億円 | 280億円 | 10.0% |
FY2025/3実績ベース。製鉄事業が売上の約9割を占める一本足経営ですが、システムソリューション事業は利益率10%と高収益です。FY2026/3以降はUSスチールが製鉄セグメントに加わり、売上規模が大幅に拡大する見込み。日鉄エンジニアリングとカナデビアの経営統合が実現すれば、エンジニアリング事業の非連結化が進む可能性があります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率20%を達成しており、経営の多様性確保に向けた取り組みが進行中です。監査等委員会設置会社として監視機能を強化しており、USスチール買収という巨額投資を含む経営判断に対し、強固なガバナンス体制と監査報酬(約11.7億円)を通じた適正なチェックが働いています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 8兆8,000億円 | — | 8兆8,681億円 | +0.8% |
| FY2025 | 8兆7,000億円 | — | 8兆6,955億円 | -0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 7,000億円 | — | 7,787億円 | +11.2% |
| FY2025 | 5,800億円 | — | 5,480億円 | -5.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中計ではROE10%以上・事業利益6,000億円以上を掲げましたが、中国の鋼材過剰供給による市況悪化でFY2025/3は事業利益5,480億円・ROE5.9%と未達。一方、D/Eレシオ(0.5倍)は目標を上回り財務体質は良好です。2030中長期計画では「1億トン・1兆円ビジョン」を掲げ、USスチール含めたグローバル6,600万トンの生産能力を2030年度までに1億トンに拡大し、事業利益1兆円の達成を目指します。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は417.7%とTOPIX(213.4%)の約2倍という圧倒的なパフォーマンスです。FY2022〜FY2024にかけて鋼材価格の上昇と高配当が評価され株価が急騰。FY2025/3は市況悪化で一服しましたが、累積リターンでは引き続きTOPIXを大きくアウトパフォームしています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 204.9万円 | +104.9万円 | 104.9% |
| FY2022 | 253.0万円 | +153.0万円 | 153.0% |
| FY2023 | 375.0万円 | +275.0万円 | 275.0% |
| FY2024 | 451.5万円 | +351.5万円 | 351.5% |
| FY2025 | 417.7万円 | +317.7万円 | 317.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER8.3倍はFY2025/3実績EPSベースで算出(FY2026/3は赤字予想のため適用不可)。PBR0.57倍と大幅な解散価値割れが続いており、鉄鋼セクター全体の低評価を反映しています。信用買残3,419万株に対し売残1,944万株で信用倍率1.76倍。USスチール買収後の業績回復に対する期待と不安が交錯する状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
JBIC・3メガバンク等から約9,000億円の協調融資を受け、USスチール買収に係るパーマネントファイナンスが完了
2030中長期経営計画を策定。5年間で6兆円の投資を掲げ、「1億トン・1兆円ビジョン」の達成を目指す
米鉄鋼大手USスチールの買収を完了し完全子会社化。投資額は約142億ドル(約2兆円)
FY2025/3本決算を発表。売上収益8.7兆円、純利益3,502億円(前期比36.3%減)
1株を5株に分割。投資単位を引き下げ、個人投資家の参入を促進
最新ニュース
日本製鉄 まとめ
ひとめ診断
粗鋼生産世界大手・国内首位が、USスチール買収で「1億トン・1兆円」構想を本格始動
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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