日本冶金工業5480
Nippon Yakin kogyo Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うキッチンのシンクやスプーン、それに街で見かける建物のピカピカした壁。これらは「ステンレス」という錆びにくくて丈夫な金属でできています。日本冶金工業は、そのステンレスを専門に作っている会社です。特に、普通のステンレスよりもっと丈夫で、熱や薬品にも強い「高機能ステンレス」を作るのが得意。普段は直接目にすることのない化学プラントや発電所といった、社会の重要なインフラを陰で支えているのです。
ステンレス専業大手で、ニッケル精錬から圧延まで一貫生産体制を国内で唯一持つ。2023期にはニッケル市況高騰を追い風に売上高1993.2億円、営業利益292.56億円と過去最高益を達成したが、市況が落ち着いた2025期は売上高1721.0億円、営業利益169.67億円と減収減益。市況変動の影響を受けやすい事業構造だが、高耐食・高耐熱といった高機能材に注力し収益性の確保を目指している。2025期の配当は220円と増配しており、高い配当利回りが株価を下支えする一因となっている。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区京橋1丁目5-8
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 6.8% | 2.3% | - |
| 2022/03期 | 14.4% | 4.9% | - |
| 2023/03期 | 27.8% | 9.6% | - |
| 2024/03期 | 16.0% | 6.1% | 11.1% |
| 2025/03期 | 12.4% | 5.3% | 9.9% |
| 3Q FY2026/3 | 6.0%(累計) | 2.5%(累計) | 7.5% |
収益性は2023年3月期に営業利益率14.7%、ROE 24.7%という非常に高い水準を記録し、独自のステンレス一貫生産体制によるコスト競争力と製品付加価値の高さを証明しました。その後は市況の影響で利益率は低下傾向にありますが、依然として10%前後の営業利益率を維持しており、鉄鋼業界内でも効率的な経営を続けています。今後の課題は、製品ポートフォリオの高度化により、市況変化に左右されにくい安定的な収益基盤を確立することです。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,125億円 | — | 37.6億円 | 247.8円 | - |
| 2022/03期 | 1,489億円 | — | 84.7億円 | 561.3円 | +32.4% |
| 2023/03期 | 1,993億円 | — | 197億円 | 1316.8円 | +33.8% |
| 2024/03期 | 1,803億円 | 200億円 | 136億円 | 933.6円 | -9.5% |
| 2025/03期 | 1,721億円 | 170億円 | 116億円 | 819.5円 | -4.6% |
当社の業績は、高機能ステンレス鋼の需要拡大を背景に2023年3月期まで大幅な増収増益を達成しました。その後は、原料価格の変動や市況の調整局面入りにより、2024年3月期以降は減収減益基調で推移しています。2026年3月期については、さらなる市況の軟化を見込み、売上高1,600億円、純利益90億円という慎重な予想を立てています。 【3Q 2026/03期実績】売上1119億円(通期予想比70%)、営業利益83億円(同60%)、純利益55億円(同61%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業リスクとして、ニッケル等の原材料価格の変動や為替リスク、および世界経済の動向によるステンレス鋼材の需要変動が挙げられます。開示情報からは、原材料精錬から圧延までを担う日本唯一のステンレス一貫生産メーカーとしての強みと、それに伴う設備投資負担のバランスが経営上の重要課題であることが読み取れます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 2,060億円 | — | 1,803億円 | -12.5% |
| 2025期 | 1,770億円 | — | 1,721億円 | -2.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 210億円 | — | 200億円 | -4.7% |
| 2025期 | 210億円 | — | 170億円 | -19.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2023年5月に発表した「中期経営計画2023」では、連結経常利益100億円以上、ROE8%以上を最終年度の目標としていましたが、ニッケル価格高騰などの追い風もあり、いずれも初年度の2021期に前倒しで達成しました。最終年度の2023期には経常利益285億円、ROE24.6%と目標を大きく上回る結果を残しています。ただし、業績予想は市況変動を背景に期初予想から下振れする傾向があり、特に利益面の乖離が目立ちます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
取締役に対する特定譲渡制限付株式報酬制度の導入を決定し、ガバナンスを強化。
創立100周年を迎え、ステンレス特殊鋼メーカーとしての中長期的なブランド戦略を対外的に発信。
26年3月期第3四半期決算にて、経常利益が前年同期比42.0%減となる厳しい業績を公表。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務基盤については、2024年3月期以降に有利子負債が約1,500億円規模まで増加しましたが、自己資本の蓄積も着実に進んでいます。自己資本比率は44.3%まで向上しており、以前と比較して財務の健全性は着実に改善しています。手元流動性を確保しつつ、設備投資と有利子負債のコントロールを両立させることで、強固な経営体質を維持しています。 【3Q 2026/03期】総資産2204億円、純資産991億円、自己資本比率42.0%、有利子負債652億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 112億円 | 67.8億円 | 80.0億円 | 44.1億円 |
| 2022/03期 | 7.0億円 | 157億円 | 150億円 | 164億円 |
| 2023/03期 | 36.5億円 | 130億円 | 85.3億円 | 93.9億円 |
| 2024/03期 | 268億円 | 79.2億円 | 143億円 | 189億円 |
| 2025/03期 | 110億円 | 114億円 | 73.9億円 | 3.5億円 |
営業キャッシュフローは概ねプラスを維持しており、本業で安定した資金を獲得できる構造を構築しています。特に2024年3月期は運転資本の改善などにより約268億円の営業キャッシュを創出しました。一方で、積極的な設備更新や生産能力の維持に向けた投資を継続しているため、フリーキャッシュフローは年度によってマイナスとなることもあります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.3%(2名/12名)となっており、ガバナンス体制の強化が図られています。監査体制については監査報酬6,100万円を支払い、適正な監視機能が維持されています。連結子会社9社を擁する中堅~大規模な組織体制で、持続的な企業価値向上に向けた経営の透明性確保に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 719万円 | 2,095人 | - |
従業員の平均年収は719万円であり、鉄鋼業界の平均的な水準と比較しても安定した報酬体系を維持しています。長年のステンレス一貫生産による高い専門性と、高機能材への注力といった強みが、長期的な安定雇用と給与水準を支える背景にあると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当による総合的な投資リターンを示す指標です。2022期以降、当社のTSRはTOPIXを大幅に上回って推移しています。これは、好調な業績を背景とした株価上昇と、積極的な株主還元(増配)が両輪となって実現したものです。特に2023期には274.5%と非常に高いリターンを記録しており、資本市場から高く評価されていることがうかがえます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 1.5円 | 28.2% |
| 2017/03期 | 2.5円 | 16.5% |
| 2018/03期 | 4円 | 13.5% |
| 2019/03期 | 6円 | 12.1% |
| 2021/03期 | 45円 | 18.2% |
| 2022/03期 | 120円 | 21.4% |
| 2023/03期 | 200円 | 15.2% |
| 2024/03期 | 200円 | 21.4% |
| 2025/03期 | 220円 | 26.8% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけており、業績連動を基本としつつ安定配当を目指す方針です。近年は業績の向上に合わせて配当金を大幅に引き上げており、配当性向も20%台後半まで上昇しました。今後も財務の健全性を維持しながら、継続的かつ安定的な還元を実施する姿勢を明確にしています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 124.8万円 | 24.8万円 | 24.8% |
| 2022期 | 176.8万円 | 76.8万円 | 76.8% |
| 2023期 | 274.5万円 | 174.5万円 | 174.5% |
| 2024期 | 318.5万円 | 218.5万円 | 218.5% |
| 2025期 | 293.8万円 | 193.8万円 | 193.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPERは割安、PBRは同水準であり、株価に割高感はありません。特に4%を超える高い配当利回りは、同業他社と比較して魅力的です。信用倍率は6.7倍とやや高水準で、将来の売り圧力となる可能性も注視が必要です。今後の決算発表で示される新年度の業績見通しと市況動向が、株価の方向性を決める重要な材料となるでしょう。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 49.9億円 | 12.3億円 | 24.6% |
| 2022/03期 | 128億円 | 43.4億円 | 33.9% |
| 2023/03期 | 277億円 | 80.3億円 | 29.0% |
| 2024/03期 | 191億円 | 55.6億円 | 29.1% |
| 2025/03期 | 162億円 | 46.2億円 | 28.5% |
法人税等の支払額は、税引前当期純利益の増減に合わせて変動しています。実効税率は概ね30%前後で推移しており、日本の標準的な税率水準と整合的です。突発的な税制変更や繰延税金資産の増減がない限り、利益に対する一定割合の納税が継続される見通しです。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
日本冶金工業 まとめ
「ステンレス一筋100年、原料から最終製品まで一貫生産する技術力で、ニッケル価格の荒波を乗りこなす特殊鋼の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。