JFEホールディングス
JFE Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月22日
鉄の技術で未来を築く、国内2位の鉄鋼グループ
2035年に利益7,000億円を達成し、鉄鋼・エンジニアリング・商社の三位一体で社会課題を解決するグローバル複合企業グループとなること。
この会社ってなに?
JFEグループの鉄鋼製品は、自動車のボディや家電の外装、橋梁やビルの鉄骨、船舶の船体など私たちの暮らしを支えるインフラの土台です。傘下のJFEエンジニアリングは廃棄物処理施設や水処理プラントを手がけ、日常の環境衛生にも貢献しています。スマートフォンやEVに使われる高機能電磁鋼板も同社の得意分野であり、次世代のモビリティやエネルギーインフラにも深く関わっています。
FY2025/3の売上収益は4兆8,596億円、営業利益は1,651億円と前年比で減収減益となりました。鋼材市況の軟化や中国減速の影響を受け、FY2026/3は純利益750億円(前年比-18%)を予想しています。2025年5月に公表した長期ビジョン「JFEビジョン2035」では利益7,000億円を掲げ、第8次中期経営計画(2025-2027年度)で利益3,650億円を中間目標に設定。京浜地区跡地でのデータセンター開発(三菱商事と共同)やGXスチール拡販など、脱炭素と新規収益源の創出を同時に推進しています。PBR0.47倍と依然として解散価値を大幅に下回っており、資本効率の改善が喫緊の課題です。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 日比谷国際ビル
- 公式
- www.jfe-holdings.co.jp
社長プロフィール
JFEグループは「JFEビジョン2035」のもと、鉄鋼事業の競争力強化とエンジニアリング・商社事業の成長を通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。脱炭素社会の実現に向けたGXスチールの拡販や、京浜地区跡地の有効活用など、鉄を超えた新たな価値創造に挑戦してまいります。
この会社のストーリー
日本鋼管(NKK)と川崎製鉄の経営統合により、JFEホールディングスが発足。国内第2位の鉄鋼グループが誕生しました。
インド・東南アジアを中心に海外拠点を拡大し、成長市場での事業基盤を構築しました。
京浜地区の高炉休止を決定。国内製鉄拠点の再編と効率化に着手し、収益体質の転換を図りました。
DX推進やGX(グリーントランスフォーメーション)を柱に据えた経営計画を策定。カーボンニュートラルへの道筋を示しました。
長期ビジョンと第8次中期経営計画を発表。2035年に利益7,000億円の実現を目指し、海外成長投資と国内強靭化を同時に推進します。
鉄鋼・エンジニアリング・商社の三位一体で収益を多角化し、社会インフラを支えるグローバル企業グループとしての地位を確立します。
注目ポイント
配当利回り約4.2%は鉄鋼セクターで上位水準。配当性向30%目安の還元方針と工場見学会の株主優待を提供しています。
2035年利益7,000億円を目指す壮大なビジョンを掲げ、海外成長投資やエンジニアリング事業の拡大で収益力の飛躍的向上を図っています。
環境対応型の「GXスチール」拡販に加え、京浜地区跡地でのデータセンター開発(三菱商事と共同)など、鉄を超えた新規事業に挑戦しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 30円 | 51.4% |
| FY2017/3 | 30円 | 25.5% |
| FY2018/3 | 80円 | 31.9% |
| FY2019/3 | 95円 | 33.5% |
| FY2020/3 | 20円 | 0.6% |
| FY2021/3 | 10円 | 0.6% |
| FY2022/3 | 140円 | 28.0% |
| FY2023/3 | 80円 | 28.5% |
| FY2024/3 | 100円 | 30.9% |
| FY2025/3 | 100円 | 69.2% |
| 必要株数 | 100株以上(約18.9万円) |
| 権利確定月 | 3月 |
配当性向約30%を目安とした還元方針を掲げていますが、FY2025/3は利益減少により配当性向69.2%と高水準で維持しました。FY2026/3は1株80円(年間)へ20円減配の予想で、配当利回りは約4.24%です。株主優待として、100株以上保有の株主を対象に自社製鉄所の工場見学会への招待(抽選)を実施しています。権利確定月は3月です。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3に鋼材市況の回復で売上4.4兆円・純利益2,881億円を達成しましたが、FY2023/3以降は市況軟化とコスト増で利益は減少傾向にあります。FY2025/3は売上4兆8,596億円に対し純利益919億円と、FY2024/3から半減以下に落ち込みました。FY2026/3予想では売上4.75兆円・純利益750億円を見込んでおり、第8次中期経営計画の初年度として収益回復に向けた構造改革が焦点です。
事業ごとの売上・利益
JFEスチールを中核とする鋼板・鋼管・ステンレス等の製造・販売。国内粗鋼生産2位
JFEエンジニアリングによる環境・エネルギー・都市インフラの設計・建設。利益1,000億円の長期目標を掲げる
JFE商事による鉄鋼製品の流通・加工・販売。グループの販売網として機能
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.9% | -0.1% | 0.7% |
| FY2022/3 | 4.8% | 7.3% | 1.4% |
| FY2023/3 | 5.1% | 3.8% | 1.3% |
| FY2024/3 | 4.7% | 4.7% | 1.3% |
| FY2025/3 | 5.3% | 2.6% | 1.6% |
FY2022/3にROE13.9%・営業利益率9.2%と高い収益性を記録しましたが、鋼材市況の軟化に伴い収益性は低下傾向にあります。FY2025/3はROE3.6%・営業利益率3.4%まで低下しており、資本コストを下回る水準です。第8次中期経営計画ではROEの資本コスト超えを重要目標に掲げ、高付加価値品比率の向上やコスト構造改革で収益性の回復を目指しています。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の36.1%からFY2025/3の44.8%へ着実に改善しており、財務基盤は安定しています。BPS(1株当たり純資産)は3,976.8円に対し株価は1,886.5円で、PBR0.47倍と大幅なディスカウント状態です。FY2024/3以降は有利子負債が約1.3兆円と増加していますが、総資産5.6兆円に対する比率は適正水準を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 4,790億円 | -3,253億円 | -455億円 | 1,537億円 |
| FY2025/3 | 3,790億円 | -2,832億円 | -1,574億円 | 958億円 |
営業CFはFY2021/3の約2,473億円からFY2024/3には約4,790億円まで拡大し、鉄鋼本業のキャッシュ創出力が向上しました。FY2025/3は約3,790億円と減少しましたが、FCF(フリーキャッシュフロー)は約958億円を確保。投資CFは設備更新やインド・ASEAN等の海外成長投資で年間2,500-3,300億円の水準が続いています。財務CFはFY2025/3に約1,574億円の流出となり、借入返済と配当支払いが主因です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 93.3億円 | 143億円 | 152.8% |
| FY2022/3 | 497億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 524億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 511億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 600億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は税引前利益の変動に伴い連動しています。FY2024/3は約861億円、FY2025/3は約495億円の納税額となりました。FY2026/3は利益減少に伴い約225億円の納税を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,264万円 | 61,296人 | - |
JFEホールディングス(持株会社)の平均年収は約1,264万円で、鉄鋼業界でもトップクラスの水準です。ただし持株会社のため従業員は少数の経営管理職が中心であり、中核事業会社であるJFEスチールの平均年収は約800万円台と推定されます。連結従業員数は約6.1万名と国内有数の大組織です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はJFE取引先持株会氏・JFE従業員持株会氏。
信託銀行経由の機関投資家が中心の株主構成で、筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が14.83%を保有しています。JFE従業員持株会(2.19%)とJFE取引先持株会(1.59%)が安定株主として機能しており、外国人投資家比率は約22%です。特定の親会社やオーナーは存在せず、旧NKK・旧川崎製鉄の統合による独立経営体制を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 鉄鋼 | 約3.5兆円 | 約850億円 | 2.4% |
| エンジニアリング | 約7,000億円 | 約420億円 | 6.0% |
| 商社 | 約1.2兆円 | 約180億円 | 1.5% |
鉄鋼セグメントが売上の大部分を占めるものの、利益率はFY2025/3に2.4%まで低下しています。一方、エンジニアリング事業は利益率6.0%と相対的に高く、JFEエンジニアリングは10年後に利益1,000億円を目指す野心的な計画を掲げています。商社事業はグループ内外の鉄鋼流通を担い、安定的な収益基盤として機能しています。
この会社のガバナンスは?
取締役13名中2名が女性で、女性比率は15.4%です。監査等委員会設置会社として経営の監視機能を確保しています。設備投資額は年間約2,665億円と高水準で、国内製鉄所の老朽化対応と海外成長投資に充てられています。平均勤続年数22.9年は長期雇用を重視する企業文化を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 5兆2,000億円 | 5兆2,000億円 | 5兆1,746億円 | -0.5% |
| FY2025 | 5兆3,900億円 | 4兆8,600億円 | 4兆8,596億円 | -9.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 3,200億円 | 2,900億円 | 2,870億円 | -10.3% |
| FY2025 | 2,700億円 | 1,400億円 | 1,353億円 | -49.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
第7次中期経営計画(2021-2024年度)では、最終年度の事業利益目標3,200億円に対して実績は1,353億円と大幅な未達に終わりました。第8次中期経営計画(2025-2027年度)では2027年度に事業利益3,650億円を目標とし、長期ビジョン「JFEビジョン2035」で2035年度に利益7,000億円を掲げています。海外成長投資、国内事業の強靭化、エンジニアリング事業の拡大を三本柱に据えた戦略です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2021からFY2025にかけて自社TSRは321.4%とTOPIX(213.4%)を約1.5倍アウトパフォームしています。FY2022/3の鋼材市況好転と高配当が株式リターンを大きく押し上げましたが、FY2025にはTSRが408.3%から321.4%へ低下しました。利益急減と減配予想が市場で織り込まれた影響です。それでもTOPIXを上回るパフォーマンスを維持しており、配当込みの投資リターンは良好です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 195.3万円 | +95.3万円 | 95.3% |
| FY2022 | 266.4万円 | +166.4万円 | 166.4% |
| FY2023 | 271.6万円 | +171.6万円 | 171.6% |
| FY2024 | 408.3万円 | +308.3万円 | 308.3% |
| FY2025 | 321.4万円 | +221.4万円 | 221.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER16.0倍はセクター平均(約8.8倍)を大きく上回っていますが、これはFY2025/3の利益急減によるものです。PBR0.47倍はセクター平均を下回る水準で、解散価値に対して大幅なディスカウントが続いています。信用倍率7.18倍と買い残が売り残を大幅に上回っており、個人投資家の買い意欲は旺盛ですが、株価の上値が重い状態が続いています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
長期ビジョン「JFEビジョン2035」と第8次中期経営計画を発表。2035年に利益7,000億円、中期最終年度2027年度に利益3,650億円を目標に設定。
FY2026/3通期業績予想を下方修正。鋼材市況の悪化と中国需要の減速を主因に、純利益見通しを引き下げた。
第3四半期決算を発表。売上収益3兆3,802億円(前年同期比8.0%減)、事業利益974億円(同19.3%減)と減収減益が継続。
最新ニュース
JFEホールディングス まとめ
ひとめ診断
粗鋼国内2位、「JFEビジョン2035」で利益7,000億円を目指す鉄鋼持株会社
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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