日本コンクリート工業5269
NIPPON CONCRETE INDUSTRIES CO.,LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日見上げている電柱、実はその多くが日本コンクリート工業の製品かもしれません。同社は電力や通信を支えるコンクリートポールで国内トップシェアを誇っています。また、普段は目にすることはありませんが、高層ビルやマンション、高速道路といった巨大な建造物を地面の下でしっかりと支えている「杭(くい)」も主力事業の一つです。他にもトンネルの壁など、私たちの生活に欠かせない社会インフラのまさに「縁の下の力持ち」として、安全な暮らしを支えています。
コンクリートポール国内首位のインフラ企業。直近の2025期決算では売上高526.5億円に対し営業利益は9.90億円と大幅減益、純損失2.09億円と最終赤字に転落した。原材料価格の高騰や工事採算の悪化が響き、収益性の課題が浮き彫りになっている。PBRは0.48倍と解散価値を大きく下回る水準だが、新中期経営計画では配当性向40%以上を掲げ、資本効率改善と株主還元強化による企業価値向上を目指している。
会社概要
- 業種
- ガラス・土石製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝浦4丁目6番14号 NC芝浦ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.8% | 2.5% | - |
| 2022/03期 | 2.2% | 1.2% | - |
| 2023/03期 | ▲1.2% | ▲0.6% | - |
| 2024/03期 | 1.6% | 0.8% | 3.4% |
| 2025/03期 | ▲0.5% | ▲0.3% | 1.9% |
| 3Q FY2026/3 | 2.2%(累計) | 0.7%(累計) | 0.8% |
売上高営業利益率は概ね2%から5%台で推移しており、セメント二次製品を中心とした製造業特有のコスト構造の影響を強く受けています。特に2023/03期の赤字局面を脱却し、足元では収益性向上に向けた価格転嫁や高付加価値製品の販売に注力しています。今後も資材価格の変動を吸収しつつ、ROE等の資本効率を意識した経営による収益性改善が鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 489億円 | — | 18.7億円 | 33.3円 | — |
| 2022/03期 | 474億円 | — | 8.8億円 | 15.6円 | -3.1% |
| 2023/03期 | 530億円 | — | ▲4.4億円 | -8.1円 | +11.8% |
| 2024/03期 | 537億円 | 18.1億円 | 6.1億円 | 11.3円 | +1.3% |
| 2025/03期 | 527億円 | 9.9億円 | ▲2.1億円 | -3.9円 | -1.9% |
当社の売上高は500億円規模で堅調に推移しており、インフラ整備等の公共事業需要が底堅く推移しています。2023/03期には原材料高騰により一時的な営業赤字を計上しましたが、その後は製品価格の適正化や工事採算の改善により利益回復を図っています。2026/03期にはさらなる売上拡大と利益改善が見込まれており、安定した事業基盤を背景とした業績の安定化を目指しています。 【3Q 2026/03期実績】売上372億円(通期予想比68%)、営業利益3.0億円(同28%)、純利益5.7億円(同57%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
ガラス・土石製品の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力であるコンクリート二次製品事業では、電力・NTT向けポールや建築用パイルで高いシェアを誇る一方、原材料価格の高騰が収益に影響を与える事業リスクへの対策が経営上の重要課題となっています。M&Aを通じて土木施工部門を取り込むなど、多角的な収益基盤の強化を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 11億円 | — | 10億円 | -10.0% |
| 2024期 | 13億円 | — | 18億円 | +39.0% |
| 2023期 | 17億円 | — | -2億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 550億円 | — | 527億円 | -4.3% |
| 2024期 | 550億円 | — | 537億円 | -2.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「2024年中期経営計画」では、最終年度(2026期)に売上高672億円、営業利益30億円、PBR1.0倍という高い目標を掲げています。しかし、直近2025期実績は営業利益9.90億円と目標に対して進捗率33%に留まり、目標達成のハードルは極めて高い状況です。過去の業績予想もブレが大きく、特に2023期は大幅な未達となっており、計画遂行能力には疑問符がつきます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
資本コストを意識した2024年中期経営計画を公表し、配当性向40%以上を掲げた。
第1四半期および中間決算にて経常利益の減益が発表され、株価への重石となった。
売上高372.31億円と前年同期比での減収が続き、構造改革の遅れが懸念されている。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
自己資本比率は約45%から50%の範囲で安定しており、強固な財務体質を維持しています。近年、有利子負債を計上して資産構成に変化が見られるものの、長年培った豊富な資産背景が財務健全性を支えています。今後も資本コストを意識した経営を行い、資産効率の向上と長期的な安定成長に向けた財務マネジメントを継続していく方針です。 【3Q 2026/03期】総資産813億円、純資産428億円、自己資本比率32.3%、有利子負債107億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 42.4億円 | ▲15.3億円 | 9.7億円 | 27.2億円 |
| 2022/03期 | 28.8億円 | ▲35.9億円 | 5.3億円 | ▲7.1億円 |
| 2023/03期 | 4.3億円 | ▲14.3億円 | ▲4.5億円 | ▲10.0億円 |
| 2024/03期 | 58.4億円 | ▲13.5億円 | ▲5.1億円 | 44.8億円 |
| 2025/03期 | ▲3.0億円 | ▲26.6億円 | ▲11.3億円 | ▲29.5億円 |
営業キャッシュフローは、本業の収益力に伴い変動する傾向があり、利益水準が高い期には豊富なキャッシュを創出しています。投資キャッシュフローは、製造設備や関連事業への積極的な資本投下により一定の流出が継続しています。総じて、必要に応じた借入や売却益の活用を交えつつ、将来の成長に向けた規律ある資金配分を行っている状況です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.0%と一定の多様性を確保しており、ガバナンス体制の強化を図っています。20社に及ぶ連結子会社を統括する監査体制を構築し、透明性の高い経営を維持することで、持続的な成長とコンプライアンスの遵守を目指しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 591万円 | 1,353人 | - |
平均年収は591万円となっており、インフラ整備を支える土木・建築資材業界の中では平均的からやや高水準に位置する安定した給与体系です。業績連動要素の導入や長年の事業継続による安定基盤が、従業員の処遇を支える背景にあると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2021期を除き、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。特に株価が大きく上昇した2024期や2025期の相場環境においてもTOPIXに大きく劣後しており、同社の業績不安定さや低PBRが株価の重しとなっていることがうかがえます。株主還元の強化を掲げる新中計の成果が、今後のTSR改善の鍵となります。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 6円 | 34.7% |
| 2017/03期 | 6円 | 28.8% |
| 2018/03期 | 7円 | 29.0% |
| 2019/03期 | 7円 | 27.6% |
| 2020/03期 | 2円 | - |
| 2021/03期 | 9円 | 27.1% |
| 2022/03期 | 9円 | 57.7% |
| 2023/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 13円 | 114.9% |
| 2025/03期 | 13円 | - |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として配当性向40%以上を目標に掲げ、安定した株主還元を実施する姿勢を示しています。業績の回復に合わせて増配や還元強化に努めており、長期的な株主価値の向上を重視しています。優待制度の活用もあわせ、総合的な投資魅力の向上に取り組んでいるのが特徴です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 157.1万円 | 57.1万円 | 57.1% |
| 2022期 | 115.3万円 | 15.3万円 | 15.3% |
| 2023期 | 101.9万円 | 1.9万円 | 1.9% |
| 2024期 | 162.7万円 | 62.7万円 | 62.7% |
| 2025期 | 144.0万円 | 44.0万円 | 44.0% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.48倍と業界平均の半分程度に留まり、極端な割安水準で取引されています。これは、資産価値に対して将来の収益性が市場から低く評価されていることを示唆します。一方で、信用倍率は0.37倍と売り残が多く、将来の株価下落を見込む投資家が多いものの、株価上昇時には買い戻しによる踏み上げ相場の可能性も秘めています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 31.8億円 | 13.1億円 | 41.2% |
| 2022/03期 | 15.6億円 | 6.8億円 | 43.7% |
| 2023/03期 | 9,700万円 | 5.4億円 | 552.6% |
| 2024/03期 | 22.4億円 | 16.3億円 | 72.6% |
| 2025/03期 | 14.5億円 | 16.6億円 | 114.5% |
近年の実効税率は会計上の利益変動や税務上の損益調整により大きく乖離する年があります。特に利益が低い期には、固定的な税負担の影響で率が高く見える傾向があります。将来的には事業収益の安定化に伴い、税率水準も平準化していくことが見込まれます。
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日本コンクリート工業 まとめ
「電柱という絶対的インフラを握る首位企業が、業績の波と万年割安株からの脱却に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。