日本コンクリート工業
NIPPON CONCRETE INDUSTRIES CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
社会インフラを足元から支える、コンクリート製品のリーディングカンパニー
コンクリート技術を進化させ、あらゆる社会インフラを支えることで、災害に強く持続可能な社会の実現を目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日見上げている電柱、実はその多くが日本コンクリート工業の製品かもしれません。同社は電力や通信を支えるコンクリートポールで国内トップシェアを誇っています。また、普段は目にすることはありませんが、高層ビルやマンション、高速道路といった巨大な建造物を地面の下でしっかりと支えている「杭(くい)」も主力事業の一つです。他にもトンネルの壁など、私たちの生活に欠かせない社会インフラのまさに「縁の下の力持ち」として、安全な暮らしを支えています。
コンクリートポール国内首位のインフラ企業。直近のFY2025決算では売上高526.5億円に対し営業利益は9.90億円と大幅減益、純損失2.09億円と最終赤字に転落した。原材料価格の高騰や工事採算の悪化が響き、収益性の課題が浮き彫りになっている。PBRは0.48倍と解散価値を大きく下回る水準だが、新中期経営計画では配当性向40%以上を掲げ、資本効率改善と株主還元強化による企業価値向上を目指している。
会社概要
- 業種
- ガラス・土石製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝浦4丁目6番14号 NC芝浦ビル
- 公式
- www.ncic.co.jp
社長プロフィール
当社グループは70年を超える歴史の中で培ってきた経営資源を活かし、「コンクリートを通して、安心・安全で豊かな社会づくりに貢献する」という経営理念のもと、事業活動を通じて社会課題の解決と持続的な成長を目指します。資本コストや株価を意識した経営を推進し、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
戦後の復興需要に応えるため、コンクリート製品の製造・販売を目的として会社が設立された。社会インフラ整備の礎を築き始める。
着実な事業拡大が評価され、株式上場を果たす。企業としての信頼性を高め、さらなる成長への基盤を固めた。
より高強度で耐久性の高いPC製品へ事業を拡大。技術革新により、大規模な橋梁や建築物などへ貢献の場を広げた。
M&Aにより施工技術を取り込み、製品開発から施工までの一貫体制を強化。シナジー効果による事業領域の拡大を図る。
大和ハウスグループのフジタと共同で、都市部の再開発を効率化する新工法を開発。技術力で都市の課題解決に貢献する。
都市ガス排気のCO2を吸収して硬化する環境配慮型コンクリートを実用化。脱炭素社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出す。
「資本コストや株価を意識した経営」を掲げ、PBR1倍超えを目標に設定。株主還元強化と持続的成長の両立を目指す。
注目ポイント
電柱(コンクリートポール)では電力・NTT向けに圧倒的なシェアを誇ります。また、建物を支える基礎杭(パイル)でも業界大手3社の一角を占め、日本のインフラに不可欠な存在です。
新中期経営計画でPBR1倍超えを目標に掲げ、配当性向40%以上を公約。新たに株主優待(QUOカード)も導入し、株主への還元姿勢を明確にしています。
CO2を吸収して固まるコンクリート「CO2-SUICOM®」を実用化するなど、脱炭素社会に貢献する技術開発に注力。環境問題への取り組みが新たな成長分野となる可能性を秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 6円 | 34.7% |
| FY2017/3 | 6円 | 28.8% |
| FY2018/3 | 7円 | 29.0% |
| FY2019/3 | 7円 | 27.6% |
| FY2020/3 | 2円 | 0.3% |
| FY2021/3 | 9円 | 27.1% |
| FY2022/3 | 9円 | 57.7% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 13円 | 114.9% |
| FY2025/3 | 13円 | 0.3% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として配当性向40%以上を目標に掲げ、安定した株主還元を実施する姿勢を示しています。業績の回復に合わせて増配や還元強化に努めており、長期的な株主価値の向上を重視しています。優待制度の活用もあわせ、総合的な投資魅力の向上に取り組んでいるのが特徴です。
同業比較(収益性)
ガラス・土石製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は500億円規模で堅調に推移しており、インフラ整備等の公共事業需要が底堅く推移しています。FY2023/3には原材料高騰により一時的な営業赤字を計上しましたが、その後は製品価格の適正化や工事採算の改善により利益回復を図っています。FY2026/3期にはさらなる売上拡大と利益改善が見込まれており、安定した事業基盤を背景とした業績の安定化を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.6% | 2.5% | - |
| FY2022/3 | 2.3% | 1.2% | - |
| FY2023/3 | -3.2% | -0.6% | - |
| FY2024/3 | -0.2% | 0.7% | 3.4% |
| FY2025/3 | -2.6% | -0.3% | 1.9% |
売上高営業利益率は概ね2%から5%台で推移しており、セメント二次製品を中心とした製造業特有のコスト構造の影響を強く受けています。特にFY2023/3の赤字局面を脱却し、足元では収益性向上に向けた価格転嫁や高付加価値製品の販売に注力しています。今後も資材価格の変動を吸収しつつ、ROE等の資本効率を意識した経営による収益性改善が鍵となります。
財務は安全?
自己資本比率は約45%から50%の範囲で安定しており、強固な財務体質を維持しています。近年、有利子負債を計上して資産構成に変化が見られるものの、長年培った豊富な資産背景が財務健全性を支えています。今後も資本コストを意識した経営を行い、資産効率の向上と長期的な安定成長に向けた財務マネジメントを継続していく方針です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 42.4億円 | -15.3億円 | 9.7億円 | 27.2億円 |
| FY2022/3 | 28.8億円 | -35.9億円 | 5.3億円 | -7.1億円 |
| FY2023/3 | 4.3億円 | -14.3億円 | -4.5億円 | -10.0億円 |
| FY2024/3 | 58.4億円 | -13.5億円 | -5.1億円 | 44.8億円 |
| FY2025/3 | -3.0億円 | -26.6億円 | -11.3億円 | -29.5億円 |
営業キャッシュフローは、本業の収益力に伴い変動する傾向があり、利益水準が高い期には豊富なキャッシュを創出しています。投資キャッシュフローは、製造設備や関連事業への積極的な資本投下により一定の流出が継続しています。総じて、必要に応じた借入や売却益の活用を交えつつ、将来の成長に向けた規律ある資金配分を行っている状況です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 31.8億円 | 13.1億円 | 41.2% |
| FY2022/3 | 15.6億円 | 6.8億円 | 43.7% |
| FY2023/3 | 9,700万円 | 5.4億円 | 552.6% |
| FY2024/3 | 22.4億円 | 16.3億円 | 72.6% |
| FY2025/3 | 14.5億円 | 16.6億円 | 114.5% |
近年の実効税率は会計上の利益変動や税務上の損益調整により大きく乖離する年があります。特に利益が低い期には、固定的な税負担の影響で率が高く見える傾向があります。将来的には事業収益の安定化に伴い、税率水準も平準化していくことが見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 591万円 | 1,353人 | - |
平均年収は591万円となっており、インフラ整備を支える土木・建築資材業界の中では平均的からやや高水準に位置する安定した給与体系です。業績連動要素の導入や長年の事業継続による安定基盤が、従業員の処遇を支える背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本製鉄・日コン取引先持株会・日本電設工業。
日本製鉄や太平洋セメントなど、主要な鉄鋼・セメントメーカーが上位株主に名を連ねており、原材料供給や技術面で強固な協力関係にあることが特徴です。一方で、信託銀行などの金融機関や持株会による保有も一定割合を占めており、安定した株主構成を形成しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力であるコンクリート二次製品事業では、電力・NTT向けポールや建築用パイルで高いシェアを誇る一方、原材料価格の高騰が収益に影響を与える事業リスクへの対策が経営上の重要課題となっています。M&Aを通じて土木施工部門を取り込むなど、多角的な収益基盤の強化を図っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.0%と一定の多様性を確保しており、ガバナンス体制の強化を図っています。20社に及ぶ連結子会社を統括する監査体制を構築し、透明性の高い経営を維持することで、持続的な成長とコンプライアンスの遵守を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 11億円 | — | 10億円 | -10.0% |
| FY2024 | 13億円 | — | 18億円 | +39.0% |
| FY2023 | 17億円 | — | -2億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 550億円 | — | 527億円 | -4.3% |
| FY2024 | 550億円 | — | 537億円 | -2.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「2024年中期経営計画」では、最終年度(FY2026)に売上高672億円、営業利益30億円、PBR1.0倍という高い目標を掲げています。しかし、直近FY2025実績は営業利益9.90億円と目標に対して進捗率33%に留まり、目標達成のハードルは極めて高い状況です。過去の業績予想もブレが大きく、特にFY2023は大幅な未達となっており、計画遂行能力には疑問符がつきます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2021を除き、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。特に株価が大きく上昇したFY2024やFY2025の相場環境においてもTOPIXに大きく劣後しており、同社の業績不安定さや低PBRが株価の重しとなっていることがうかがえます。株主還元の強化を掲げる新中計の成果が、今後のTSR改善の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 157.1万円 | +57.1万円 | 57.1% |
| FY2022 | 115.3万円 | +15.3万円 | 15.3% |
| FY2023 | 101.9万円 | +1.9万円 | 1.9% |
| FY2024 | 162.7万円 | +62.7万円 | 62.7% |
| FY2025 | 144.0万円 | +44.0万円 | 44.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.48倍と業界平均の半分程度に留まり、極端な割安水準で取引されています。これは、資産価値に対して将来の収益性が市場から低く評価されていることを示唆します。一方で、信用倍率は0.37倍と売り残が多く、将来の株価下落を見込む投資家が多いものの、株価上昇時には買い戻しによる踏み上げ相場の可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
資本コストを意識した2024年中期経営計画を公表し、配当性向40%以上を掲げた。
第1四半期および中間決算にて経常利益の減益が発表され、株価への重石となった。
売上高372.31億円と前年同期比での減収が続き、構造改革の遅れが懸念されている。
最新ニュース
日本コンクリート工業 まとめ
ひとめ診断
「電柱という絶対的インフラを握る首位企業が、業績の波と万年割安株からの脱却に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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